「大学院留学って、そもそも自分に行けるんだろうか」。大学3年生や4年生でそう検索したものの、出てくるのは学位の種類や国別の学費一覧ばかり。結局、自分が行けるのかどうか分からない——そんな方が多いのではないでしょうか。
大学院留学でつまずくポイントは、実はたった3つです。英語のスコアと大学の成績が足りるか。お金がいくらかかるか。今から何をすればいいか。この3つがはっきりしないまま調べ続けて、気づいたら出願の時期を1年見送ってしまう人が本当に多いんです。
この記事は、大学を卒業してそのまま海外の大学院を目指す方のために書きました。専門用語はそのつど日本語で言い換えているので、留学の知識がゼロでも読み進められます。まずは2つの質問に答えて、自分がどのルートを狙えるのか確かめてみてください。
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目次
大学院留学とは?3つの種類と取れる学位
大学院留学と一口に言っても、実は3つの種類があります。ここを最初に切り分けておかないと、自分の目的に合わない情報ばかり集めてしまうことになります。順番に見ていきましょう。
種類①学位取得型(正規留学)|修士号が取れるのはこれだけ
1つ目が、修士号や博士号を取るために海外の大学院へ正規の学生として入学するタイプです。在学期間は国によって1〜2年。英語スコアや出願書類の準備が本格的に必要になります。
3つの種類のうち、キャリアで評価される「修士号」が手に入るのはこれだけです。学部卒からそのまま進学する方、社会人がキャリアチェンジのために行く場合も、どちらもここに含まれます。この記事で解説しているのも、すべてこの学位取得型です。
種類②交換留学・種類③研究留学|学位は取れない
残りの2つは、学位を取ることを目的としないタイプです。名前は似ていますが中身も対象者もまったく違うので、混同しないよう押さえておいてください。
つまり「学位が残るのは①だけ」ということ。就職や転職で武器になる学歴が欲しいなら、選ぶべきは学位取得型です。ここから先は①を前提に進めます。
取れる学位と期間|修士・PGDip・プレマスターズ
海外では「大学院卒」ではなく取得した学位そのものが肩書になります。修士号にはMA(文系)、MSc(理系)、MBA(経営)などがあり、在学期間は国によって次のように異なります。
※期間は目安です。専攻・コース形態・大学によって変動します。
そして修士課程のほかに、期間が短いコースや入学前の準備コースも用意されています。「英語力が足りないから無理だ」と諦めてしまう人が多いのですが、この選択肢を知っているかどうかで進路の幅がまったく変わります。
IELTSが0.5足りないだけで出願そのものを諦めてしまう方が本当に多いのですが、プレマスターズを知っていれば1年を無駄にしません。詳しい使い方は3つの抜け道で解説します。
渡航しないで取るオンライン修士
近年増えているのが、日本にいながら海外大学の修士号を取るルートです。IT・データサイエンス・経営分野で開講数が伸びています。渡航費と現地の生活費がかからないため、費用は渡航型の半分以下に収まることもあります。
ただし注意点があります。現地での人脈も、卒業後の就労ビザも得られません。「海外で働きたい」が目的なら渡航型を選ぶべきです。費用を抑えて学位だけ欲しい、働きながら学びたいという場合の選択肢として考えてください。
学部卒すぐに大学院留学するメリットとデメリット
「働いてから行くべきか、卒業してそのまま行くべきか」で迷う方は非常に多いです。結論から言うと、目的が定まっているなら新卒進学は有利です。理由を具体的に見ていきましょう。
メリット|推薦状・奨学金・卒業後の就労ビザ
学部卒すぐの進学には、社会人になってからでは得にくい構造的な強みが3つあります。
成績証明と推薦状を集めやすい
出願には大学の成績証明書と教授の推薦状が必要です。在学中か卒業直後なら、ゼミの指導教員に直接お願いできますし、あなたの学習内容を覚えているうちに書いてもらえます。卒業から数年経つと、この依頼が一気に難しくなります。
奨学金の対象になりやすい
各国政府や財団、大学独自の給付型奨学金は、その多くが大学院留学を対象としています。年齢や学歴のタイミングで応募条件が設けられている制度もあるため、学部卒直後は制度的にもっとも応募先が多い時期です。
卒業後の就労ビザで現地キャリアを狙える
多くの国では、修士号やPGDipを取得すると卒業後に一定期間その国で働けるビザを申請できます。若いうちに海外での就労経験を積めば、現地就職や永住権のポイント獲得にもつながります。※制度は変更されることがあるため、出願前に必ず最新情報を確認してください。
デメリット|お金・英語力・大学の成績・就活の時期
一方で、正直に押さえておくべきリスクもあります。ここを直視せずに進めると、後半で紹介する失敗パターンに直結します。
すぐ行く vs 数年働いてから行く
どちらが正解ということはなく、選ぶ専攻によって有利不利が変わります。目安として次のように整理できます。
学部卒すぐに行く
有利な専攻:教育学・心理学・国際関係学・データサイエンス・IT系
強み:推薦状が取りやすい。奨学金の選択肢が多い
課題:資金と英語スコア
数年働いてから行く
有利な専攻:MBA・公共政策・人事など実務前提のコース
強み:自己資金がある。職歴で成績の弱さを補える
課題:仕事を辞めるぶん収入が止まる
迷ったときの判断軸はシンプルです。志望コースの出願要件に「職務経験〇年以上」と書かれているかどうかを見てください。書かれていなければ、新卒進学で不利になることはほぼありません。
留学カウンセラー
りょう
大学院留学に必要な英語力と出願条件
ここが大学院留学でもっとも重要なセクションです。多くの情報サイトは「悩んでいる時間がもったいない」と精神論で流してしまいますが、実際に必要なのは具体的な数値の基準線です。自分の現在地との距離が分かれば、やることは自動的に決まります。
出願書類一覧|準備に時間がかかる順
求められる書類は、国や大学が違ってもおおむね共通しています。準備に時間がかかる順に並べたので、上から着手してください。
注目してほしいのは、英語スコア以外の書類にも数ヶ月単位の時間がかかるということ。スコアが出てから書類に取りかかると間に合いません。エッセイの構想と推薦状の依頼は、スコア対策と並行して進めるのが正解です。
IELTS 6.5・TOEFL 80はどのくらいのレベルか
一般的な英語要件はIELTS 6.5〜7.0、TOEFL iBT 80〜100程度が目安とされています。ただし数字だけではピンとこないと思うので、レベル感を言葉にしておきます。ざっくり言うとIELTS 6.5は「英検準1級とその上のあいだ」くらいです。
※スコアの対応関係も到達レベルも目安です。同じスコアでも得意・不得意分野によって実感は変わります。
あわせて大学の成績(GPA)も見られます。4.0満点換算で3.0前後が中堅から上位校のひとつの基準線、トップ校なら3.5以上が目安です。GPAを出していない大学の方は、成績表の「優・良・可」の割合で判断してください。優と良が多ければ3.0前後、可が多いと3.0を下回ります。
ここで注意してほしいのがTOEICとの違いです。TOEICは聞く・読むが中心ですが、IELTSとTOEFLには話す・書くの試験があります。そのためTOEICで高得点を持っている人でも、初回のIELTSで6.0に届かないことは珍しくありません。「TOEIC◯◯点だから大丈夫」とは考えず、必ず一度受けて現在地を測ってください。
伸ばすのにかかる期間の目安は、6.0から6.5へ上げるのに数ヶ月〜半年ほど。0.5の差でも話す・書くを鍛える必要があるため時間がかかります。だからこそ大学3年のうちに1回受けておくと、計画が立てやすくなります。
GPAが低い・スコアが足りないときの3つの抜け道
診断で「条件付き合格・準備コース型」だった方はここが本題です。基準に届いていないからといって、大学院留学を諦める必要はまったくありません。制度として用意されている回り道が3つあります。
条件付き合格を使う
出願のときに英語スコアが足りなくても、入学までに決められた日までスコアを出せばOKという合格のしかたです。つまり英語だけ後回しにして、先に席を確保できるということ。イギリスやオーストラリアではよく使われています。1回目のスコアが伸びなかった人の本命ルートです。
準備コース(プレマスターズ)を経由する
半年〜10ヶ月かけて、英語と大学院での勉強のしかた、足りない科目を補うコースです。先に現地へ行って、そこから力をつけるという順番が選べます。文系から理系へ進みたい人のように専攻を変える場合にも使えます。
受ける学校のレベルを見直す
大学院は世界中にあり、求められる成績もスコアも学校ごとにまったく違います。成績以外にサークルやインターンの経験を見てくれる大学院も少なくありません。有名校だけを見て「無理だ」と決めるのはもったいないです。難しめ・ちょうどいい・確実に受かりそうな学校を組み合わせて出願しましょう。
GRE・GMATは必要か
GRE・GMATは、英語力とは別に受ける学力テストのことです(数学や論理的思考が問われます)。アメリカの大学院では提出を求められることが多いものの、最近は免除する学校が増えています。イギリス・オーストラリア・ニュージーランドでは、そもそも不要なコースがほとんどです。
つまり必要かどうかは行きたい国と専攻でほぼ決まります。対策には数ヶ月かかるので、志望校を選ぶ段階で「いるのか、いらないのか」を必ず確認してください。いらないなら、その時間はすべて英語とエッセイに回しましょう。
「自分のスコアとGPAでどこが狙えるのか」は、専攻との組み合わせで変わります。夢カナ留学では現在の英語力・成績・希望専攻をもとに、あなた専用の進学プランを無料で作成しています。

大学院留学の費用|修了までの総額で比較する
費用を調べると「年間いくら」という数字ばかりが並びます。しかしこの見方には落とし穴があります。修士課程は国によって1年制と2年制があるため、年間費用の順位と総額の順位は入れ替わるのです。判断すべきは修了までの総額です。
国別の学費・生活費(年間)
まずは年間費用の相場です。学費と生活費を合わせた1年あたりの目安で、同じ国でも都市部と地方、私立と公立で変わるため幅がある数字として見てください。
※目安です。国・都市・大学・専攻・為替レート・滞在方法により大きく変動します。ドイツなど公立大学の学費が原則無料の国は生活費が主な費用となります。
総額シミュレーション|イギリス1年制 vs アメリカ2年制
ここが多くの人が見落とすポイントです。年間費用だけを見るとイギリスの方が高く見えますが、修士課程が1年で終わるため滞在費が半分になります。同水準の大学院で比べた総額を並べてみます。
イギリス(1年制)
学費:約450万円
生活費:約200万円(1年)
渡航・保険等:約30万円
総額 約680万円
アメリカ(2年制)
学費:約350万円×2年
生活費:約200万円×2年
渡航・保険等:約40万円
総額 約1,140万円
※あくまで一例の試算です。大学・都市・為替により大きく変動します。
差は約460万円。年間の学費が高い国を選んだのに総額では安く済む、という逆転が起きるわけです。しかも1年早く働き始められるので、その1年ぶんの収入まで考えると差はもっと開きます。「どの国が安いか」ではなく「修了までいくらか」で比べてください。
費用を下げる4つの方法
総額を下げる手段は複数あります。1つだけでなく組み合わせて使うのが現実的です。
1年制の国・コースを選ぶ
滞在期間が短くなるだけで総額が数百万円変わります。イギリスやニュージーランドの1年制コースは、費用対効果でもっとも分かりやすい選択肢です。
学費が安い国を狙う
ドイツなどEU圏は教育への公的投資が大きく、公立大学の学費が原則無料または非常に低額な国があります。英語で受講できるコースも年々増加中。アジア圏も学費と生活費の両方を抑えられます。
奨学金とTA・RA制度を使う
給付型奨学金の多くは大学院留学が対象です。代表的なものが日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援制度で、大学院の学位取得を目指す人を対象にした区分があります。またアメリカやカナダには、授業や研究の手伝いをする代わりにお給料をもらえたり学費が免除されたりする仕組み(TA・RA)もあります。
オンライン修士なら渡航費・生活費がかからない
海外大学のオンライン修士を選べば、総額の半分以上を占める滞在費と渡航費が不要になります。ただし現地での人脈や就労ビザは得られないため、目的との相性を見極めてください。

海外の大学院に行くには|大学3年の春からの逆算スケジュール
「海外の大学院に行くには」と検索した方が本当に知りたいのは、この順番だと思います。大学院の出願は締切が早く、書類の準備に他人の時間が絡むのが特徴です。だからこそ入学時期から逆算して動く必要があります。
大学生の場合、動き出すのは大学3年の春がベストです。ここから始めれば、大学4年の秋〜冬に出願して、卒業したその年の秋に入学できます。ギリギリでも大学4年の春には着手してください。なお文部科学省のトビタテ!留学JAPANでも、大学1〜2年で専門分野とキャリア像を描き、3年で志望校を絞ってテスト対策を本格化、4年前半で出願書類を整えて後半から出願するという流れが示されています。
18・12・6ヶ月前にやること
入学までの流れを3段階に分けます。自分が今どの位置にいるか確かめてください。
大学3年の春(約18ヶ月前)|方向性を決めて英語対策を開始
国・専攻・予算の3つを絞り込みます。同時にIELTSまたはTOEFLの対策を必ずスタート。ここで一度受験して現在地のスコアを把握しておくと、以降の計画が立てやすくなります。志望校の出願要件(英語スコア・成績・GRE/GMATの有無・締切日)もリスト化しておきましょう。
大学3年の冬〜4年の春(約12ヶ月前)|出願校を決めて書類を作る
難しめ・ちょうどいい・確実校を組み合わせて出願校を決めます。この時点で推薦状を依頼してください。教授にも準備時間が必要です。エッセイの初稿を書き始め、成績証明書の英文発行手続きも進めます。奨学金の応募締切もこの時期に集中します。
大学4年の秋以降(約6ヶ月前〜)|出願・合否・ビザと渡航準備
出願を提出し、合格通知を受けたら入学の意思を伝えて学費の支払期日を確認します。滞在先の確保、学生ビザの申請、フライトの手配へ。条件付き合格の場合は指定期日までに英語スコアを提出します。
卒業後に1年準備するギャップイヤー型
診断で「準備1年型」だった方はこちらです。卒業後の1年をスコア対策と書類準備にあてるルートで、焦って志望校のレベルを下げるより結果的に良い学校へ合格できるケースが多いのが特徴です。ただし進める順番に注意点があります。
大学院留学のエージェント・コンサルは必要?自力出願との違いと選び方
やることが見えてきたところで、次に迷うのが「これを全部1人でやるのか」という点です。結論から言うと、大学院留学は自力でも出願できます。ただし語学留学と違って書類の完成度が合否を左右するため、どこを頼るかの判断が結果に直結します。
手配代行(エージェント)と出願指導(コンサル)の違い
まず押さえてほしいのが、この2つはまったく別のサービスだということ。同じ「大学院留学のサポート」という言葉で語られますが、やってくれることが違います。
つまり「手続きを楽にしたい」ならエージェント、「合格率を上げたい」ならコンサルという住み分けです。「大学院留学 エージェント おすすめ」で探している方は、自分がどちらを求めているのかをまず切り分けてください。
費用の目安|無料と有料で何が変わるか
3つの進め方を、費用と向き不向きで比べてみます。金額はあくまで目安で、サービス範囲によって幅があります。
※費用はサービス範囲・出願校数・時期により変動します。契約前に必ず内訳を確認してください。
学部卒からの進学で多いのは、手続きはエージェントに任せて、エッセイだけ指導を受けるという組み合わせです。卒論と就活が重なる時期に手続きまで抱えるのは現実的ではありません。
選ぶときの3つのチェックポイント
相談は無料のところが多いので、複数を比べてから決めるのが基本です。見るべき点は3つあります。
エッセイの添削まで見てくれるか
最初に確認すべき点です。手続き代行だけのところと、志望動機書まで一緒に作るところがあります。合否を左右するのはエッセイなので、ここを見てもらえるかで価値が変わります。
大学院留学の実績があるか
語学留学とワーホリが主軸のところでは、大学院の出願要件やプレマスターズの使い方に踏み込んだ提案が出てきません。正規留学の相談を受けた経験があるかを初回の面談で聞いてみてください。
総額の内訳を出してくれるか
学費だけでなく、滞在費・保険・渡航費・現地の初期費用まで含めた見積もりを出せるかどうか。ここが曖昧なところは、渡航後に「思ったより足りない」が起きます。紹介できる国や学校が限られていないかも同時に確認しましょう。
夢カナ留学では、大学院進学の相談を無料で受け付けています。現在の英語力と成績から狙える学校のレンジ、修了までの総額の内訳、締切に合わせたスケジュール表まで、あなた専用のプランとしてお出しします。

大学院留学のよくある失敗と後悔
最後に、実際に多い失敗パターンを共有します。知っておくだけで避けられるものばかりです。失敗の多くは留学中ではなく、出願前の設計段階で決まっています。
帰国後の就職で活かせなかった
もっとも多い後悔です。学位を取ること自体が目的になってしまい、卒業後どの業界・職種に進むかを決めずに渡航してしまうパターン。修了時期は日本の新卒採用スケジュールとずれるため、帰国就職を狙うなら出願前から通年採用の企業や既卒枠を調べておく必要があります。
資金が途中で足りなくなった
為替の変動や現地の物価上昇で、当初の見積もりから膨らむケースです。学費だけを計算して、保険料・教材費・一時帰国の航空券・現地の初期費用を見落としていることも。総額に1〜2割の予備費を乗せて計画すると、お金の不安を抱えずに勉強に集中できます。
1人で出願を進めて締切に間に合わなかった
推薦状の依頼が遅れた、エッセイの推敲が終わらない、必要書類を1点見落とした。こうした理由で1年見送る人は少なくありません。卒論と就活が重なる時期に、締切の異なる複数校の書類を管理するのは想像以上に負荷が高い作業です。
留学カウンセラー
りょう
大学院留学のよくある質問
大学院留学を検討している方から、実際によく寄せられる質問をまとめました。
まとめ|大学院留学は「逆算」で決まる
大学院留学は、才能や特別な経歴があって初めて実現するものではありません。必要なのは締切から逆算した準備の順番と、自分の条件に合ったルートを選ぶことだけです。
この記事のまとめ
もし今「自分の英語力と成績でどこが狙えるのか分からない」「総額でいくら必要なのか知りたい」という段階なら、まず情報を整理するところから始めてみてください。夢カナ留学では、現在の状況をお聞きしてあなた専用の進学プランと費用の見積もりを無料で作成しています。


