日本でトレーナーとして働いていると、一度は「海外のジムで指導してみたい」と思う瞬間があります。
ワーキングホリデーはその一歩を踏み出すのにちょうどいい制度ですが、いざ調べ始めると「資格はどうするのか」「英語はどこまで必要なのか」「そもそもトレーナーとして雇ってもらえるのか」と、分からないことが次々に出てきます。
結論から言うと、ワーホリビザでもジムやフィットネスの仕事に就くことはできます。
ただし国によって「この資格がないと指導させてもらえない」というルールがあり、日本の資格をそのまま持ち込めば通用するわけではありません。
ここを知らずに渡航して、結局カフェのアルバイトだけで1年が終わってしまう人も少なくありません。
この記事では、ワーホリでパーソナルトレーナーを目指すために必要な資格のルール、国ごとの違い、オーストラリアの資格の取り方、費用の全内訳と、現地で働き始めるまでの5ステップを順番に解説します。
読み終わるころには、自分がどのルートで進むべきかが見えているはずです。
この記事を書いた人
目次
ワーホリでパーソナルトレーナーになれるのか

まず気になるのは「そもそもワーホリビザでトレーナーの仕事に就けるのか」という点だと思います。
答えから見ていきましょう。
なれる仕事は3種類
ひとことで「トレーナー」と言っても、担当できる業務は持っている資格によって変わります。
オーストラリアの場合、資格は2段階です。どこまで取ればどの仕事に就けるのかを図で確認しましょう。
資格の2段階と、できる仕事
ほぼ応募できない
働ける
できる
どちらもオーストラリアの職業教育制度にもとづく修了資格で、専門学校のコースを修めると取得できます。正式名はCertificate III in Fitness(基礎資格)とCertificate IV in Fitness(上級資格)。この記事では分かりやすさを優先して「基礎資格」「上級資格」と呼びます。「パーソナルトレーナーになる」とは、上級資格を取ることだと考えてください。
この2段階に対して、就ける仕事は次の3種類です。
ジムインストラクター
フロアでのマシン説明、会員の安全管理、簡単なプログラム作成を担当します。まず現場に入りたい人はここから始めます。
グループレッスンの指導
複数人を相手にしたクラス指導です。英語で号令を出す必要があるぶん負荷は高めですが、その分だけ英語が一気に伸びます。
パーソナルトレーナー
クライアントと1対1で、目標のヒアリングから指導までを担当します。報酬に歩合が加わるため、収入も上を狙えます。
ただし国によって「資格がないと指導できない」ルールがある
いま見た2つの資格はオーストラリアの制度です。
フィットネス業界は多くの国で認定制度が整っていて、国ごとに求められる資格が違います。
国の法律で一律に義務づけられているというより、ジム側が採用条件として認定資格と保険加入を求めるという形です。
無資格では応募の土俵に上がれないため、実務上は「必須」と考えておくのが安全です。
※制度や運用は変更されることがあります。応募前に、志望するジムの求人要件と各国の最新情報を必ず確認してください。国ごとの詳しい違いは、このあとの「パーソナルトレーナーを目指せる国の比較」で解説します。
日本の資格はそのまま通用するのか
日本でトレーナー資格を持っている人も多いはずです。なかでもNSCA-CPTは、アメリカの認定団体NSCAが発行する国際的な資格で、世界の多くの国で知られています。
ただし、それが現地の採用要件を満たすかどうかは別の話です。
ワーホリのパーソナルトレーナーに向いている人

ワーホリでトレーナーを目指すルートは、誰にでも合うわけではありません。
限られた時間の中で資格取得と就職の両方を進めるため、優先順位がはっきりしている人ほどうまくいきます。
まずは30秒の診断で、自分に合うルートを確認してみてください。
※金額は目安です。学校・都市・時期・為替により変動します。
向いている人の5つの特徴
相談を受けてきた中で、ワーホリ×トレーナーのルートがうまくいく人には共通点があります。
5つのうち3つ以上当てはまれば、十分に狙えると考えて構いません。
帰国後もトレーナーを続ける前提がある
学費という投資を回収する先が決まっている人ほど、迷わず資格取得に進めます。
学費を先に確保できている
現地で稼いでから払う計画は崩れやすいもの。学費だけは別枠で持っておくのが鉄則です。
渡航前から英語の勉強を始められる
現地に行けば話せるようになる、は幻想です。専門コースの授業についていく準備が要ります。
トレーニング知識の土台がある
未経験でも挑戦できますが、基礎があると英語の負荷が体感で半分になります。
人と話すことが苦にならない
トレーナーは接客業でもあります。英語力より、話しかけにいける姿勢が評価されます。
正直おすすめできない人・別ルートを考えたい人
反対に、次のような場合はワーホリでトレーナーを目指すより、別の使い方をしたほうが満足度が高くなることが多いです。
向いている人
・帰国後もこの仕事を続けたい
・学費を先に確保できている
・英語を伸ばす覚悟がある
・1年以上の滞在を予定している
別ルートを考えたい人
・短期で稼ぐことが最優先
・学費に回せる資金がない
・接客や会話は避けたい
・滞在が半年以下と決まっている
トレーナー未経験でもいけるのか
未経験でも挑戦は可能です。
現地のフィットネスコースは、解剖学や運動生理学の基礎から実技指導まで体系的に学ぶ内容になっているため、まったくの初学者でもついていけるよう設計されています。
ただし、授業も試験も英語で行われるうえ、専門用語が一気に増えます。
日本でトレーニング知識の土台を作っておくと、英語の負荷がぐっと下がります。
カウンセラー
まみ

パーソナルトレーナーを目指せる国の比較
トレーナーを目指すワーホリ先としてはオーストラリアが定番ですが、選択肢はそれだけではありません。
国選びで効いてくるのは「資格制度が整っているか」「ワーホリ中にどれだけ学校に通えるか」の2点です。
まずは全体像を確認しましょう。
トレーナーを目指しやすい国ランキング
国名をタップすると、その国の詳しい紹介にジャンプします
※総合評価は、資格制度の分かりやすさ・求人の多さ・ビザの取りやすさをもとにした編集部の目安です。「渡航前の合計」は渡航費用と資格の学費を足した金額の目安で、語学学校の費用は含みません。ビザ条件や資格制度は変更される可能性があるため、申請前に各国の公式情報をご確認ください。
4か国の費用を並べて比べる
国選びで最も差が出るのが費用です。同じ「トレーナーの資格を取る」でも、国によって必要な金額は倍以上変わります。
渡航前に用意する合計額で比べてみましょう。
カナダ
学費 10〜25万/生活費 月15〜25万
約70〜125万円
イギリス
学費 30〜50万/生活費 月20〜35万
約90〜150万円
ニュージーランド
学費 60〜120万/生活費 月13〜22万
約120〜220万円
オーストラリア
学費 70〜140万/生活費 月16〜29万
約130〜240万円
※右の金額が「渡航前に用意する合計」です。渡航費用(ビザ・航空券・保険・初期生活資金で約60〜100万円)と資格の学費を足しています。語学学校に通う場合は別途 約25〜55万円が加わります。生活費は現地で働いて補うことを前提としています。
費用の観点でひとことで
資格を取るだけならカナダが最も安く、オーストラリアの半分ほどで済みます。ただし求人の多さと資格の通用度ではオーストラリアが上です。安さを取るか、仕事の見つけやすさを取るかが国選びの分かれ道になります。
オーストラリア|資格制度が整い求人も最多

トレーナーを目指すなら第一候補になる国です。
フィットネスクラブの参加率は日本の数倍とされ、24時間営業のジムが街のあちこちにあります。
2段階の明確な資格の階段があるため、どこまで取ればどの仕事に就けるのかが分かりやすいのも利点です。
オーストラリアの費用まとめ
渡航前に用意する合計
約130〜240万円
渡航費用+基礎資格と上級資格の学費
生活費(月)
16〜29万円
シェアハウス利用時の目安
この国が強いのは、資格と仕事が制度としてつながっている点です。
1段目の資格でジムのフロアに立て、2段目まで進めば個別指導の単価を取りにいけます。
セカンドワーホリ(条件を満たすと申請できる2年目のワーホリビザ)があるため、1年目に働きながら学費を貯めて、2年目に資格の続きを取るという現実的な組み方ができるのも他国にはない魅力です。
強み
・求人数がとにかく多い
・最低時給の水準が高い
・日本語の情報が最も多い
注意したい点
・学費が4か国で最も高い
・都市部の家賃が高い
ニュージーランド|生活コストと働きやすさのバランス

都市の規模が小さいぶん生活費を抑えやすく、ワーホリ中に通える就学期間もオーストラリアより長めに設定されています。
人口が少ないため求人数そのものは限られますが、その分アットホームなジムで密に経験を積めるという声もあります。
ニュージーランドの費用まとめ
渡航前に用意する合計
約120〜220万円
渡航費用+資格の学費
生活費(月)
13〜22万円
大都市がなく家賃を抑えやすい
ニュージーランドでは、業界団体のREPs(Register of Exercise Professionals)に登録している人が「有資格のトレーナー」として扱われます。
REPsは有資格のトレーナーを公開名簿にまとめている組織で、日本でいう業界の登録簿にあたります。
ジムの採用でもこの登録が目安になるため、REPsに登録できるコースかどうかが学校選びの基準になります。
他国の資格を持っている人向けに、資格を照合して登録する仕組みも用意されています。
強み
・就学できる期間に余裕がある
・家賃を抑えやすい
・スポーツ文化が根づいている
注意したい点
・求人の絶対数が少ない
・日本語の情報が少なめ
カナダ|短期で資格を取れるが求人は都市しだい

カナダの特徴は、資格取得までの期間と費用が4か国のなかで最も軽いことです。
中心になるのは、カナダ最大の認定団体canfitproが出す「PTS(パーソナル・トレーニング・スペシャリスト)」という資格です。
学校に何か月も通うのではなく、講習と試験で認定を取る形式が主流のため、就学期間をほとんど使わずに資格を取れるという利点があります。
カナダの費用まとめ
渡航前に用意する合計
約70〜125万円
4か国で最も安く資格を取れる
生活費(月)
15〜25万円
都市によって家賃差が大きい
注意したいのは、認定団体が複数あり、どれが求められるかがジムによって変わる点です。大手のフィットネスクラブではcanfitproやACE、NASMといった認定が広く受け入れられていますが、病院や公的な運動プログラムに関わる仕事ではCSEPや運動科学系の学位が求められる傾向があります。働きたいジムの求人票を先に見て、そこで指定されている資格を取るのが確実です。
強み
・資格を最短・最安で取れる
・就学期間をほとんど使わない
・働ける時間を長く確保できる
注意したい点
・ジムごとに求められる資格が違う
・CPRと保険の準備が別途必要
・都市を選ばないと求人が少ない
イギリス|制度は整うがビザのハードルが高い

イギリスの資格は難易度によって番号が振られていて、レベル2がジムインストラクター、レベル3がパーソナルトレーナーにあたります。
認定するのはCIMSPAという業界団体で、この団体が認めたコースを修了するのが基本ルートです。
就学制限もゆるやかなため、制度面だけを見れば学びやすい国です。
ただしワーホリにあたるビザが抽選方式で、そもそも渡航できるかどうかが読みにくいという事情があります。
イギリスの費用まとめ
渡航前に用意する合計
約90〜150万円
渡航費用+レベル2・3の学費
生活費(月)
20〜35万円
ロンドンは家賃が特に高い
イギリスでは、レベル2だけではパーソナル指導ができません。1対1のセッションを行うにはレベル3が必要で、保険会社もレベル3がないと補償を引き受けないのが一般的です。「パーソナルトレーナーになるならレベル3まで」と覚えておけば間違いありません。
強み
・資格のレベル分けが明確
・就学期間の制限がゆるい
・学費が比較的安い
注意したい点
・ビザが抽選制で渡航が不確実
・レベル3がないと個別指導不可
・ロンドンは生活費が高い
※学費・生活費・期間はいずれも目安です。学校・コース・都市・為替により変動します。ビザ条件や資格制度は変更されることがあるため、申請前に各国の公式情報で最新の内容をご確認ください。
目的別の国の選び方
どの国が正解かは、ワーホリで何を一番大事にするかで変わります。優先したいものから逆算して選んでみてください。
ここまでをひとことで
迷ったらオーストラリアです。資格の道すじがはっきりしていて求人も多く、情報も集めやすいためです。費用を抑えたいならニュージーランド、住みたい街から選びたいならカナダが候補になります。

オーストラリアのパーソナルトレーナー資格
ここからは、最も選ばれているオーストラリアのルートを具体的に見ていきます。
押さえるべきは2つの資格の違い、学ぶ内容、そしてワーホリビザの就学期間との兼ね合いです。
細かい話に入る前に、まず「どこまで資格を取ると、どの仕事に就けるのか」を図で確認しておきましょう。
ジムスタッフを目指す場合(基礎資格まで)
パーソナルトレーナーを目指す場合(上級資格まで)
道すじは同じで、違いは上級資格を足すかどうかだけです。ただし上級資格まで進むには、1年のワーホリでは時間が足りず、ビザの延長か切り替えが必要になります。
基礎資格(Certificate III in Fitness)|ジムで働くための資格

フィットネス業界への入口となる資格です。
これを取得するとジムのフロアスタッフやインストラクターとして働けるようになります。
ワーホリの就学期間内に収めやすいため、1回の渡航で取り切るならここが現実的なゴールになります。
上級資格(Certificate IV in Fitness)|パーソナル指導のための資格

1段目の上に積み上げる資格で、「パーソナルトレーナー」を名乗って働くならここまでが必要です。
1対1の指導、屋外セッション、プライベートスタジオでの活動といった選択肢が開けます。
※期間・学費は学校やコースの組み方によって変わります。実際の金額は各校の最新情報をご確認ください。
コースで学ぶ内容
実技だけを学ぶイメージを持たれがちですが、実際は座学の比重もしっかりあります。
日本で基礎知識を入れておくと有利になるのは、この部分が英語で進むためです。
解剖学・運動生理学の基礎
筋肉や関節の名称、動作の仕組みを英語で理解します。専門用語が最も集中する領域です。
プログラム設計とクライアント対応
目標のヒアリングから、トレーニング計画の組み立て、進捗の確認までを一連で学びます。
安全管理と応急処置
応急手当の講習が必須になっている学校もあります。ジムでの事故対応は採用側も重視する部分です。
ジムでの実習
提携ジムでの実習が組み込まれるコースが多く、そのまま就職につながることもあります。
ワーホリビザの「就学4か月まで」の制限とどう付き合うか
ここが一番のつまずきポイントです。オーストラリアのワーキングホリデービザで通える学校の期間には上限があり、目安として約4か月とされています。
一方で2つを合わせると1年ほどかかるため、1回のワーホリで両方を取り切るのは時間的に難しいのが実情です。
語学学校の期間も就学期間に含まれる
見落としがちなのが、語学学校に通った期間も就学期間としてカウントされる点です。語学学校に3か月通うと、フィットネスコースに使えるのは残りわずかになります。渡航前に「語学に何か月、専門コースに何か月」を必ず決めておきましょう。
コースの開講時期は限られている
フィットネスコースは毎月開講しているとは限りません。開講を待っている間に就学できる期間が減っていくため、渡航前の段階で入学日を押さえておくのが安全です。
資格を取り切るための3つのプラン
就学制限を踏まえると、現実的な進め方は次の3パターンに整理できます。
予算と滞在できる期間から選んでください。
※渡航前に用意しておきたい額の目安です。渡航費用(ビザ・航空券・保険・初期生活資金)と学費を合わせた金額で、現地での生活費は働いて補うことを前提としています。
学生ビザに切り替える場合のメリットと注意点
就学制限を気にせず一気に資格を揃えたいなら、学生ビザへの切り替えが選択肢になります。
ただし就労時間に制限がかかるため、稼ぎながら学ぶという計画は立てにくくなります。
就学期間の上限を気にせず学べる
基礎資格と上級資格を続けて履修できるため、最短ルートでパーソナルトレーナーの資格が揃います。
滞在期間そのものを延ばせる
ワーホリの1年で終わらせず、現地でのキャリアを続ける道につながります。
就労時間に上限がかかる
学生ビザは働ける時間が定められているため、ワーホリのように自由に稼ぐことはできません。生活費の計画を立て直す必要があります。
学費を前払いでまとめて用意する必要がある
ビザ申請の段階で学費の支払いが求められることがあり、資金面のハードルは上がります。
カウンセラー
まみ
ここまでをひとことで
1年のワーホリで取り切れるのは基礎資格までです。パーソナルトレーナーになる上級資格まで進むなら、セカンドワーホリか学生ビザで期間を足す必要があります。まず語学学校を何か月にするかを決めるのが、計画づくりの出発点です。
ワーホリでトレーナーを目指す費用と総額
一番気になるお金の話です。ワーホリは現地で働いて資金を補える制度ですが、資格取得を目指す場合は学費という大きな出費が加わります。
渡航前・学費・生活費に分けて、必要な金額を確認していきましょう。
渡航前にかかる費用
出発までに必ずかかる固定的な費用です。
ここは削りにくい部分なので、先に確保しておくと計画が立てやすくなります。
ビザ申請料
約6〜7万円前後
改定と為替で変動
往復航空券
約10〜20万円
時期と都市で差が大きい
海外保険(1年)
約15〜25万円
補償内容で変動
初期の生活資金
約30〜50万円
仕事が決まるまでの分
渡航前にかかる費用の合計
約60〜100万円
ここに学費が加わります。学費は取得する資格によって変わるため、次の項目で確認してください。
フィットネスコースの学費の目安
学費は学校とコースの組み方で大きく変わります。
以下はあくまで目安として、資金計画の出発点に使ってください。
※学校・コース期間・為替により変動します。正確な金額は各校の最新の料金表をご確認ください。
現地の1か月の生活費
生活費は都市の規模と滞在方法で変わります。
シェアハウスに住み、自炊中心にするかどうかで月に数万円の差が出ます。
※都市・滞在方法・為替により変動します。シドニーやメルボルンなどの大都市は家賃が高くなる傾向があります。
見落としやすい「隠れコスト」
学費と生活費だけで予算を組むと、あとから足りなくなります。
トレーナーを目指す場合に特に発生しやすい追加費用をまとめました。
※合計すると20万円前後の上振れになることがあります。予算には1割程度の余裕を見ておくと安心です。
予算別にできることの早見表
用意できる金額から逆算したい場合は、こちらを目安にしてください。
いずれも現地で働いて生活費を補うことを前提としています。
節約プランと資格取得フルプランの総額比較
ここまでの数字をまとめると、ルートによって必要な予算はこのくらい変わります。
いずれも渡航前に用意しておきたい金額の目安です。
節約プラン
内容:語学学校は短めにして基礎資格のみ取得
目安:約120〜200万円
向く人:まず現場を経験したい人
ゴール:ジムインストラクターとして就職
資格取得フルプラン
内容:語学学校+上級資格まで取得
目安:約170〜300万円
向く人:パーソナル指導まで目指す人
ゴール:パーソナルトレーナーとして就職
なお、オーストラリアの最低時給は日本と比べて高い水準にあり、資格を取ってジムで働けるようになれば、無資格で就ける仕事より条件のよい求人を狙えます。
学費は「消える出費」ではなく、現地での時給と帰国後のキャリアに返ってくる投資と考えると判断しやすくなります。
※金額はすべて目安です。学校・都市・時期・為替により変動します。
ここまでをひとことで
渡航前の固定費だけで約60〜100万円、これに学費が乗って最低ラインが約120万円、パーソナルまで取るなら約170万円から。生活費は現地で働いて補えますが、学費だけは日本で用意しておくのが安全です。隠れコストを含めて1割の余裕を見ておきましょう。

ワーホリでジムトレーナーになる5ステップ
ここまでの話を、実際の順番に並べ直します。渡航の準備から現地で働き出すまで、やることは5つです。まず全体の流れをつかんでから、ひとつずつ見ていきましょう。
※オーストラリアで基礎資格を取る場合の一例です。語学学校の期間やコースの開講日によって前後します。
STEP1|日本で準備する(渡航6〜12か月前)
日本にいるうちに片づけておくことがあります。特に英語です。現地に行けば自然に話せるようになる、ということはありません。専門コースの授業は英語で進み、専門用語も一気に増えます。日常会話より一段上の準備が必要です。
この段階のゴール
学費を含めた資金を確保し、学校の候補を2〜3校に絞れている
よくあるつまずき
学費まで生活費に回してしまい、コースに申し込めなくなる
やることリスト
STEP2|語学学校に通う(渡航後1〜3か月目)
渡航したら、まず語学学校に通うのが一般的です。ここで気をつけたいのが期間です。ワーホリビザで学校に通える期間には上限があり、語学学校の期間もその上限に含まれます。語学に3か月使うと、フィットネスコースに回せる期間がほとんど残りません。
この段階のゴール
住む場所と口座が決まり、専門コースについていける英語がある
よくあるつまずき
語学学校を長く取りすぎて、専門コースの期間が残らない
先にフィットネスコースの期間を確保し、余った分を語学に充てる。この順番なら失敗しません。実際には1〜3か月に収める人が多くなっています。
この期間は英語だけの時間ではありません。シェアハウス探し、銀行口座の開設、携帯の契約など、生活の基盤を整える時期でもあります。学校で知り合った人からジムの求人情報が入ってくることも多いので、語学学校は情報収集の場としても使いましょう。
STEP3|フィットネスコースに入る(渡航後3〜4か月目)
コースには決まった開講日があります。思い立ってすぐ入れるとは限りません。人気の学校は数か月先まで埋まっていることもあります。渡航前、遅くとも渡航直後には問い合わせて、入学日と支払いの予定を押さえておきましょう。
この段階のゴール
就学期間に収まる日程で申し込み、学費の支払いが済んでいる
よくあるつまずき
希望のコースが埋まっていて、入学が数か月先になる
学校を選ぶときに見るべきポイントは、次の3つです。
ジムとの提携があるか
実習先を紹介してもらえる学校なら、就職までの距離が一気に縮まります。
日程が就学期間に収まるか
開講日と修了日を確認し、語学学校の期間と足して上限を超えないか計算します。
講師が現役のトレーナーか
現場に立っている人から教わるほど、実際に使える指導が身につきます。
STEP4|資格を取り、ジムで実習する(渡航後4〜8か月目)
コースが始まると、座学と並行してジムでの実習が入ります。ここは資格を取るためだけの時間ではありません。実習先のジムがそのまま就職先になるケースは珍しくないので、スタッフとの関係づくりも含めて全力で臨む価値があります。
この段階のゴール
資格を取り終え、実習先から声をかけてもらえる関係ができている
よくあるつまずき
授業をこなすだけで、実習先と関係を作れないまま終わる
実習中に見られているのは、指導技術そのものより次のような点です。英語が拙くても評価される部分なので、意識して動いてみてください。
実習で見られているポイント
STEP5|ジムに応募して働き出す(渡航後8〜12か月目)
資格を取ったら求人に応募します。基本はオンラインの求人サイトです。ただし現地では、レジュメを直接ジムに持ち込む方法も有効です。オンラインだけだと応募が集中して埋もれます。この2つを併用するのが近道です。
この段階のゴール
ジムのスタッフとして採用され、シフトに入って働き始めている
よくあるつまずき
オンライン応募だけで待ち続け、返信がないまま時間が過ぎる
面接では、技術より「考え方」を問う質問が多くなります。完璧な英語より、自分の指導観を自分の言葉で説明できるかが見られます。よく聞かれる3つには、あらかじめ英語で答えを用意しておきましょう。
カウンセラー
まみ
まとめ|ワーホリのトレーナーは何から決めるか
ここまで、資格のルール・国ごとの違い・費用・現地で働き出すまでの流れを見てきました。最後に、この記事の要点と、次に何から手をつければいいかを整理します。
迷ったらこの順番で決める
やることが多く見えますが、決める順番は決まっています。上から順に答えを出していけば、自分のプランが自然に固まります。
どこまでの資格を取るか
ジムで働ければ十分なのか、パーソナル指導まで目指すのか。ここで必要な期間と費用がほぼ決まります。
どの国に行くか
資格と求人の多さならオーストラリア、費用の安さならカナダ。用意できる金額から絞り込めます。
語学学校を何か月にするか
先にフィットネスコースの期間を確保し、余った分を語学に充てます。逆にすると計画が崩れます。
いつ出発するか
コースの開講日から逆算して渡航日を決めます。準備には半年から1年みておくと安心です。
この記事の要点
最後に、押さえておきたいポイントをまとめます。
この記事のまとめ
資格を取るまでの道のりは決して短くありませんが、進む順番さえ間違えなければ、1年で形にしている人はたくさんいます。まずは語学学校とフィットネスコースの期間の配分から決めてみてください。ここが決まれば、費用も渡航時期も自然に見えてきます。

