留学の準備を進めていると、必ず一度ぶつかるのが「住民票はどうすればいいの?」という疑問です。
抜いたほうが得だと聞く一方で、抜くと保険が使えなくなるとも言われ、どちらが正解なのか分かりにくいテーマだと思います。
結論から言うと、判断の軸は「留学期間」「日本での支払い」「一時帰国の予定」の3つです。
この3つが分かれば、抜くべきか、そのままでいいかは自分で判断できます。
この記事では、住民票を抜くと何がどう変わるのか、抜かないほうがいい人はどんな人か、実際の手続きは何をいつやるのかまでを、留学カウンセラーの視点で順に整理します。
1留学が1年以上なら海外転出届を出して住民票を抜くのが原則。1年未満ならそのままで問題ありません
2抜くと住民税・国民健康保険・国民年金の負担がなくなる一方、日本の健康保険が使えなくなるのが最大の注意点です
3社会人が1年留学する場合、住民票を残すと年間約50〜60万円の負担が続くこともあります
この記事を書いた人
留学カウンセラー りょう
大学時代に英語力ゼロからアメリカ・カナダで2年間の正規留学を経験。語学学校から現地大学への進学までを実現。累計500名以上の留学相談を受けています!
– 30秒診断 –
住民票、抜く?そのまま?
2つの質問に答えるだけ。
あなたに合った選び方と、読むべき章が分かります
Q1 / 2
留学の予定期間は、どちらに近いですか?
Q2 / 2
国民健康保険料・国民年金保険料は、自分で払っていますか?
Q2 / 2
留学中の一時帰国や、日本での通院の予定はありますか?
– YOUR TYPE –
そのままでOKタイプ
住民票は抜かず、日本の保険を残しておく
1年未満で、保険料や年金を自分で負担していないなら、住民票を抜いてもお金の面でのメリットはほとんどありません。むしろ一時帰国したときにマイナ保険証や資格確認書で受診できるほうが安心です。手続きも増えないので、そのままにしておくのが素直な選択になります。
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– YOUR TYPE –
金額で決めるタイプ
1年未満でも、負担額しだいで抜く価値がある
保険料や年金を自分で払っている場合、日本にいない期間もその支払いは続きます。半年を超える留学なら、負担額と一時帰国の予定を天秤にかける価値があります。まずは自分の場合いくら変わるのかを確認してみてください。
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– YOUR TYPE –
抜く+備えが必要なタイプ
抜くのが原則。ただし医療の備えは必須
1年以上なら海外転出届を出すのが原則ですが、住民票を抜くと一時帰国中の受診も全額自己負担になります。留学保険の補償範囲と、通院が必要な場合の対応をセットで決めておきましょう。まずは抜いたときに何が変わるのかを押さえるのが先決です。
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– YOUR TYPE –
迷わず抜くタイプ
出発前に海外転出届を出すのが最適解
1年以上の留学で日本に戻る予定もないなら、住民票を残しておく理由はほとんどありません。出発前に転出届を出し、同じ日に保険・年金・マイナンバーカードの手続きまで済ませるのが効率的です。
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留学中の住民票はどうする?
住民票の扱いは、感覚や好みで決めるものではなく、制度上の基準があります。
まずはその基準を押さえたうえで、自分の状況に当てはめていきましょう。
結論
1年以上の留学なら住民票を抜きます。1年未満ならそのままで問題ありません
日本を1年以上離れる場合は、市区町村に海外転出届を出して住民登録を抜くのが原則です。1年未満の滞在であれば届出は必要とされていません。まずはこの線引きが出発点になります。
押さえておきたい前提が3つ
1抜くと住民税・国民健康保険・国民年金の負担がなくなる(義務の対象から外れる)
2同時に日本の健康保険は使えなくなる。一時帰国中の受診も全額自己負担になる
3戸籍・日本国籍・マイナンバーの番号はそのまま。帰国後に転入届を出せば元に戻る
留学の期間1年以上か未満か›原則が決まる1年以上なら抜く
日本での支払い保険料・年金を自分で払うか›金額が決まる払っていないなら差は小さい
一時帰国の予定通院や帰省があるか›リスクが決まる予定があるなら残す価値あり
期間だけで決めないことが大切です。3つすべてを見て判断すると、迷いがなくなります。
「住民票を抜く」=海外転出届を出すということ
住民票を抜くという言い方が一般的ですが、正式には市区町村の窓口に海外転出届(国外転出届)を提出する手続きです。
これを出すと、その市区町村の住民登録から外れ、税や社会保険の制度上は「非居住者」として扱われます。
日本を出国するだけ何も届け出ない›住民票は残ったまま保険料も課税も続く
海外転出届を出す市区町村の窓口へ›住民登録から外れる非居住者として扱われる
抜けるかどうかは出国の事実ではなく、届出をしたかどうかで決まります。
逆に言えば、何もしなければ住民票はそのまま残ります。
日本を出国しただけでは自動的に抜けないため、「そのままにする」も立派な選択肢のひとつです。
関連記事ワーキングホリデーに行く時は住民票を抜くべき?海外転出届について
ワーホリに行く前に多くの人が迷うのが「住民票をどうするか」という問題です。住民票を抜けば年間30〜50万円以上の節約になる一方、扶養・マイナ…
2026年6月22日更新 2026年7月9日
期間別の早見表|自分はどこに当てはまる?
実務上は、留学期間によって取るべき対応がおおむね決まります。
まずは自分の予定期間で確認してみてください。
3か月
半年
1年
1年超
そのまま
届出は不要
抜く
転出届
迷う
ゾーン
半年〜1年は要相談
境目は1年です。半年〜1年は自治体の運用に幅があるため、保険料を自分で払っているかどうかで判断が変わります。
※自治体によって受付の運用が異なります。半年程度の滞在でも転出届を受理する自治体もあるため、期間が微妙な場合は住民登録のある市区町村に確認してください。期間が未定で1年以上になる見込みの場合も、出発前の相談をおすすめします。
半年〜1年の留学が、いちばん迷いやすい
実際にご相談が多いのが、この「半年〜1年」のゾーンです。
制度上は1年が基準ですが、社会人が退職して半年間の語学留学に行くようなケースでは、その半年間も国民健康保険料と国民年金保険料を払い続けることになります。
国民健康保険
半年分約12.5万円
国民年金
半年分約10.7万円
住民税
半年分約6万円
半年でも合計約29万円。この金額と、一時帰国で通院する可能性を比べて判断します。
※前年年収300万円の単身者を想定した目安です。国民健康保険料は自治体と前年所得で大きく変わります。
この場合、判断材料は「半年分の負担額」と「一時帰国で病院にかかる可能性」の比較になります。
金額の目安は後ほど詳しく見ていきます。
関連記事【国別】半年留学の費用は総額いくら?英語力の伸びを社会人・学生別に解説
「半年の留学って、実際いくらかかるの?」「英語力はどこまで伸びるの?」。留学を考えはじめると、まず気になるのが費用と成果ですよね。この記事で…
2026年7月24日更新 2026年8月5日
留学で住民票を抜くと変わる7つのこと
住民票を抜くと、日本の行政サービスとの関わり方が一斉に変わります。
ただし何もかもが変わるわけではなく、影響は3つのグループに整理できます。
支払いが止まる負担が軽くなる›住民税・国保年金・介護保険(40歳以上)
使えなくなる備えが必要になる›公的医療保険住民票の写し・印鑑登録
変わらない心配しなくてよい›戸籍・国籍マイナンバーの番号
迷いどころは真ん中の1行です。お金は軽くなるが、医療の備えは自分で用意する——これが住民票を抜くということです。
それぞれの制度がどう変わるかを、表で押さえてからひとつずつ見ていきましょう。
住民税
1月1日時点で転出済みならその年度は非課税
課税が続く
国民健康保険
脱退。保険料は不要だが使えない
保険料は続くが一時帰国時に使える
国民年金
義務なし。任意加入も選べる
納付義務が続く
介護保険(40歳以上)
適用除外となり保険料は不要
保険料の負担が続く
マイナンバーカード
事前手続きで継続利用が可能
そのまま有効
住民票の写し・印鑑登録
取得不可・印鑑登録は抹消
これまで通り使える
選挙
在外選挙人登録で投票できる
海外からの投票は困難
1. 住民税|1月1日にどこにいたかで決まる
住民税は、その年の1月1日時点で住民票がある市区町村が、前年の所得に対して課税する仕組みです。
ここが誤解されやすいポイントで、転出届を出した瞬間に住民税がゼロになるわけではありません。
12月31日まで1月1日以降
12月に転出翌年度は非課税
1月に転出1年分の課税が残る
分岐点は1月1日。年をまたぐ前に転出できれば、翌年度の住民税は課税されません。
年の途中で出国した場合、その年度分の住民税はすでに確定しているため納める必要があります。
出国後に納付書を受け取れないため、日本にいる家族などを納税管理人として届け出て、代わりに手続きしてもらう形をとります。
一方、1月1日の時点で住民票が抜けていれば、その年度は課税対象から外れます。
年末年始をまたいで出国する予定なら、12月31日までに転出届を出せるかどうかで1年分の住民税が変わることになります。
関連記事ワーホリ中の税金はどうなる?住民税・年金の手続きと節税方法を解説
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2026年8月25日更新 2026年8月25日
2. 国民健康保険|いちばん影響が大きい項目
住民票を抜くと国民健康保険の資格を失い、保険料の支払いはなくなります。
ただし当然ながら、日本の公的医療保険が使えなくなります。
留学中の医療費はもちろん、一時帰国して日本の病院にかかったときも全額自己負担です。
住民票を抜く国保を脱退する›全額自己負担10割かかる
そのままにする保険料を払い続ける›原則3割負担マイナ保険証・資格確認書
差が出るのは一時帰国したときです。海外での医療は、どちらを選んでも留学保険が前提になります。
住民票を残した場合は保険料を払い続ける代わりに、一時帰国中も受診できます。
なお従来の紙の健康保険証は2025年12月1日で有効期限が切れており、現在はマイナ保険証(健康保険証として利用登録したマイナンバーカード)か、交付を受けた資格確認書で受診する仕組みに変わっています。
日本の保険が対象としていない治療は支給されず、申請には診療内容明細書などの日本語訳も必要です。
留学中の医療の備えは、海外留学保険で確保するのが基本と考えてください。
関連記事ワーホリ中の国民健康保険はどうする?抜ける・続けるの判断と手続きを解説
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2026年6月23日更新 2026年7月9日
3. 国民年金|義務はなくなるが「任意加入」という選択肢がある
国民年金は日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人が加入する制度なので、住民票を抜けば納付義務はなくなります。
ただし、そこで終わりではありません。
任意加入する月17,920円›年金額に反映障害基礎年金の対象
加入しない保険料はゼロ›カラ期間になる受給資格期間には算入
手続きを忘れる同月内が期限›さかのぼれないその期間は空白のまま
判断材料は金額よりも、留学中の万一に備えるかどうかです。
※保険料は2026年度(令和8年度)の金額です。年度ごとに改定されます。
海外に住む20歳以上65歳未満の日本国籍の方は、国民年金に任意加入することができます。
申出をした日からの加入となり、さかのぼって加入することはできません。
転出と同時に任意加入したい場合は、転出日と同じ月のうちに手続きする必要があります。
留学中の万一に備えるなら、任意加入は検討する価値があります。
4. 介護保険|40歳以上なら見落とせない
40歳以上65歳未満の方は介護保険の第2号被保険者として保険料を負担していますが、介護保険は日本国内に住所がある方が対象の制度です。
そのため住民票を抜くと適用除外となり、保険料の負担がなくなります。
39歳以下年齢の条件を満たさない›もともと対象外影響なし
40〜64歳で日本在住第2号被保険者›保険料の負担あり国保や給与から徴収
40〜64歳で抜く国内に住所がない›適用除外になる保険料の負担なし
40歳以上の方は、抜くことで介護保険料の分も負担が減ります。会社の健康保険の場合は勤務先経由の届出が必要です。
国民健康保険に加入している方は、国保の脱退手続きに伴って処理されます。
会社の健康保険に加入したまま留学する場合は、勤務先を通じて健康保険組合へ適用除外の届出が必要になるため、総務部門に確認しておきましょう。
40歳以上で留学する方は、この分も負担額の計算に入れておくと判断がしやすくなります。
5. マイナンバーカード|2024年から海外でも使えるようになった
以前は海外転出時にマイナンバーカードを返納する必要がありましたが、2024年5月27日から、国外転出後もカードを継続して利用できるようになりました。
ここは情報が古いままの記事も多いので注意してください。
手続きをしなかった場合
転出届
を出す›前日を
過ぎる›転出
予定日›カード
失効
前日までに手続きした場合
転出届
を出す›同じ日に
継続利用›海外でも
有効›帰国後も
継続
期限は転出予定日の前日。1日過ぎるだけで結末が変わります。
継続して使うには、国外転出予定日の前日までに市区町村の窓口でカードを持参して継続利用の手続きをする必要があります。手続きをしないまま出国すると、カードは転出予定日に失効します。
継続利用しておけば、海外での身分証明や一時帰国時の各種手続き、マイナポータルへのアクセスなどに使えます。
なお失効した場合でも、国外から国外転出者向けマイナンバーカードを申請することは可能です。
マイナンバーの12桁の番号自体は生涯変わらないので、帰国後も同じ番号を使います。
6. 住民票の写し・印鑑登録|日本での手続きが止まる
住民票を抜くと、住民票の写しが発行できなくなり、印鑑登録も抹消されます。
日本国内の契約や行政手続きでは住民票の写しを求められる場面が多いため、転入届を出すまでは進められない手続きが出てくると考えておきましょう。
×住民票の写しの取得 除票の写しのみ
×印鑑登録・印鑑証明 転出で抹消される
△銀行口座の新規開設 金融機関により対応が異なる
○戸籍謄本の取得 戸籍は住民票と別の制度
○パスポートの更新 在外公館で手続きできる
出発前に必要な書類は取り切っておくのが安全です。
銀行口座の開設やクレジットカードの新規申込、各種契約の更新などが該当します。
必要になりそうな書類は、出国前にまとめて取得しておくのが安全です。
7. 選挙|在外選挙人登録をすれば海外から投票できる
住民票を抜くと国内の選挙人名簿から外れますが、代わりに在外選挙人名簿に登録することで、海外から国政選挙に投票できます。
転出届を出す日から出国予定日までの間に、市区町村の選挙管理委員会で申請できます。
何も申請しない名簿から外れたまま›投票できない国政選挙に参加できない
出国前に申請する選挙管理委員会へ›在外投票ができる在外公館や郵便で
条件は最終住所地に3か月以上住んでいたこと。出国前の申請がいちばん手間が少なくて済みます。
出国後に在外公館で申請することもできますが、出国前に済ませておくほうが手間は少なくて済みます。
私が留学したときは、正直「保険料が浮くから」くらいの感覚で住民票を抜きました。困ったのは帰国直前に一時帰国したとき。歯の治療で全額自己負担になり、想定外の出費になったのを覚えています。抜くこと自体は間違っていませんでしたが、一時帰国の予定だけは先に考えておくべきでした。
留学の住民票、抜くといくら違う?
判断がつかないときは、金額に置き換えるとはっきりします。
ここでは1年間留学した場合に、住民票を残すことで発生し続ける負担の目安を見ていきます。
住民税
年 約12万円前後
前年年収300万円の単身者の目安
国民健康保険料
年 約20〜30万円
自治体・前年所得で大きく変動
国民年金保険料
月 17,920円
2026年度。年額215,040円
合計イメージ
年 約50〜60万円
所得があった社会人のケース
※金額はいずれも目安です。住民税・国民健康保険料は前年の所得、自治体、世帯構成によって大きく変わります。国民年金保険料は2026年度(令和8年度)の金額で、年度ごとに改定されるため日本年金機構の最新情報をご確認ください。40歳以上の方はこれに介護保険料が加わります。
そのままにした場合 合計 約58万円
抜いた場合 合計 約12万円
住民税(初年度分は残る)
国民健康保険料
国民年金保険料
抜いて消えるのは主に保険料と年金の約46万円です。住民税は1月1日時点の住所地で課税されるため、年の途中の転出では初年度分がそのまま残ります。
ここで注意したいのが、「かかり続ける総額」と「抜いて実際に浮く額」は同じではないという点です。
住民税は1月1日時点の住所地で課税されるため、年の途中で転出してもその年度分は納める必要があります。
つまり出発のタイミングによっては、初年度に浮くのは国民健康保険料と国民年金保険料の分だけになります。
立場別のモデルケース3つ
同じ1年の留学でも、立場によって差額はまったく違います。自分に近いケースを探してみてください。
退職して留学
前年年収400万円約70万円
退職して留学
前年年収300万円約58万円
休職して留学
会社の社保が継続住民税のみ
扶養内の学生
自己負担なしほぼ0円
前年の所得で決まるため、働いていた人ほど抜くメリットが大きくなります。
※住民税・国民健康保険料の目安です。自治体と世帯構成により変動します。40歳以上は介護保険料が加わります。
大学生(親の扶養・収入なし)
ほぼ0円
抜くメリットは小さい。そのままが基本
退職して1年留学(前年年収300万円)
約50〜60万円
抜くメリットが最も大きい
休職・在籍のまま留学
会社の制度による
健康保険・厚生年金が続く。まず勤務先に確認
退職して留学する社会人が、いちばん差の大きいケースです。
前年に所得があると住民税と国民健康保険料が重くのしかかるため、1年で数十万円が変わることも珍しくありません。年をまたぐ前に転出できれば、翌年度の住民税も対象外になります。
関連記事【2026年最新】1年間の留学費用はいくら?初期費用・学費・生活費まで丸わかり
「留学したいけど、結局いくらかかるの?」というのは、私たち夢カナ留学のカウンセリングでも一番多くいただくご質問です。留学にかかる費用は、国・…
2026年7月13日更新 2026年8月4日
抜いたことで「増える」出費もある
節約額だけを見て決めると、あとで想定外の出費に驚くことがあります。
抜いた場合に発生しうるコストも合わせて見ておきましょう。
浮く額
保険料と年金約46万円
留学保険
加入は実質必須約15〜30万円
差引き
手元に残る効果約16〜31万円
差引きで残るのは約16〜31万円。節約額だけを見て決めないほうがよい理由がここにあります。
※留学保険の保険料は補償内容・渡航先・期間によって大きく異なります。
海外留学保険(1年で約15〜30万円):住民票を抜くと日本の保険が使えないため、加入は実質必須になります
一時帰国中の医療費(1回 数千〜数万円):公的医療保険の対象外となり全額自己負担。歯科治療などは高額になりがちです
国民年金の任意加入(月 17,920円):将来の受給額や障害基礎年金の備えを重視するなら、この分は残ります
帰国直後の無保険期間(実費リスク):転入届と国保の再加入が済むまでは保険証がありません
それでも、退職して1年以上留学する場合は、差し引きで抜いたほうが有利になるケースが多数です。逆に短期留学や扶養内の学生では、抜いても浮く金額がほとんどないため、手間だけが増えることになります。
自分の場合、結局いくら変わるのか
計算しきれていませんか?

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留学で住民票を抜かなくていい5パターン
「1年以上なら抜く」が原則とはいえ、抜かないほうが合理的なケースもあります。
まず、判断がどこで分かれるのかを整理しておきましょう。
1年未満短期の語学留学など›そのまま届出の対象外
1年以上+扶養や休職保険料の自己負担がない›どちらでも可扶養の届出は必要
1年以上+前年に所得退職して行く社会人›抜く負担が最も大きい層
分かれ目は期間ではなく「保険料を自分で払っているか」です。払っていない人は、抜いても浮くお金がありません。
ここからは、そのままにしておいて問題ない5つのパターンを具体的に見ていきます。
1
1年未満の短期留学に行く人
そもそも届出の対象外です。手続きの手間が増えるだけなので、そのままで問題ありません。
2
親の扶養に入っている学生
保険料や年金を自分で負担していないため、抜いても浮く金額がありません。手続きの手間を考えると、そのままにしておくほうが素直です。なお1年以上で抜く場合も、留学生は健康保険の扶養から自動的に外れるわけではありません(下記参照)。
3
休職・在籍のまま留学する社会人
会社の健康保険と厚生年金が続くため、国民健康保険や国民年金の話は発生しません。ただし住民税の扱いは会社によって異なるので、事前に総務へ確認しておきましょう。
4
持病があり、日本で通院を続けたい人
一時帰国のたびに公的医療保険が使えるかどうかは、金額以上に大きな差になります。定期的な通院や処方が必要なら、保険料を払ってでも残す価値があります。
5
日本国内の収入や事業が続く人
個人事業を続けている、国内の不動産収入があるなど、日本での手続きが継続する場合は、住民票がないことで不便が生じます。税務上の扱いも変わるため、税理士や税務署への確認をおすすめします。
住民票を抜いても、親の扶養から外れるとは限らない
「住民票を抜いたら扶養から外れる」と思われがちですが、これは正確ではありません。
健康保険の被扶養者には2020年4月から日本国内に住所があることという要件が加わった一方で、外国に一時的に留学する学生は、その例外として取り扱われることになっています。
届出をする在学証明書など›扶養に残れる国内居住要件の例外
何もしないそのまま出国›資格喪失の処理あとから戻すのは手間
例外にあたる場合でも自動では続きません。届出が必要です。
つまり、留学のために住民票を抜いても、必要な届出と書類(在学証明書やビザの写しなど)を提出すれば、親の健康保険の扶養に残れる可能性があります。
関連記事ワーキングホリデー中の扶養控除はどうなる?収入・転出届・保険証を解説
「10ヶ月のワーホリで、海外転出届は出さない予定。でも現地でしっかり稼いだら103万円を超えそう……親の扶養はどうなるんだろう?」ワーホリと…
2026年6月30日更新 2026年7月14日
そのままにする場合のメリットと注意点
抜かない選択には、お金以外の利点もあります。
両面を並べて確認しておきましょう。
負担が軽い ← → 重い
一時帰国の安心 少ない ← → 多い
抜く
受診は全額自己負担
そのまま
原則3割で受診できる
2つの軸で順位が入れ替わります。お金を取るか、一時帰国時の安心を取るか——どちらが正解ということはありません。
そのままの利点
・一時帰国中も公的医療保険が使える
・住民票の写しが取れる
・年金が途切れず加入期間に入る
・出発前と帰国後の手続きが不要
注意したい点
・不在の間も保険料と税を負担
・納付書が自宅に届き続ける
・海外療養費は手続きが煩雑
・1年以上なら本来は届出の対象
1年以上でも抜かないと、どうなる?
1年以上の海外滞在は住民基本台帳法上の転出届の対象とされており、届出をしないことについては過料の定めがあります。
ただし実際に適用されるかは自治体の判断によるため、ここで断定はできません。
届出をしないそのまま出国する›請求が続く保険料と住民税
納付書が届く実家などに郵送される›家族が対応負担をかけることに
窓口に相談する出国後でも可の自治体も›手続きできる場合が代理人・郵送での対応
実際に効いてくるのは罰則よりも、払わなくてよい負担が続くことです。
現実的な問題は、罰則よりも払わなくてよいはずの保険料や税を払い続けてしまうことと、納付書が実家に届き続けることです。1年以上になりそうなのに迷っている場合は、自己判断せず出発前に窓口で相談してください。ワーキングホリデーで住民票を抜くべきかについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
留学の住民票を抜く手続きと持ち物
抜くと決めたら、あとは順番どおりに進めるだけです。
役所での手続きは1日でまとめて終わらせるのが効率的なので、全体の流れを先に把握しておきましょう。
1出発1〜3か月前滞在期間を確定し、役所に扱いを確認する
2出発14日前〜海外転出届を提出する
3同じ日に国保の脱退・年金・納税管理人の手続き
4転出予定日の前日までマイナンバーカードの国外継続利用手続き
5出国前後在外選挙人登録・在留届(3か月以上の滞在)
期限があるのは4番です。転出予定日の前日を過ぎるとマイナンバーカードは失効するため、役所へ行く日をここから逆算して決めてください。
いつ出す?|14日前から当日まで
海外転出届は、一般的に転出予定日の14日前から出国当日まで受け付けられます(基準は出国日ではなく届出に記入する転出予定日です)。
自治体によっては出国後の届出に対応している場合もありますが、マイナンバーカードの継続利用など出発前にしかできない手続きがあるため、余裕をもって窓口に行くのが安全です。
14日前出国日出国後
受付の目安転出予定日の14日前〜当日
自治体次第出国後の届出
早すぎると受け付けられないことがあるため、出発2週間前を目安に窓口へ行きましょう。
転出届に書く転出先は、住所が確定していなくても国名と都市名だけで受け付けてもらえることがほとんどです。滞在先が決まっていないことを理由に先延ばしにする必要はありません。
年末年始に出発するなら12月31日までがひとつの目安
先ほど触れたとおり、住民税は1月1日時点の住所地で課税されます。
1月上旬に出発する予定なら、12月31日までに転出扱いにできるかどうかで、翌年度の住民税が変わります。
12月31日までに転出年内に手続きを終える›翌年度は課税なし約12万円の差
1月1日以降に転出数日の違いでも›1年分の住民税納税管理人の届出が必要
わずか数日の違いで約12万円変わることがあります。ただし転出予定日は実際の出国日と大きくずらせません。
ただし転出予定日は実際の出国日と大きくずれると認められないことがあるため、窓口で日付の扱いを相談してください。
当日に持っていくもの
複数の手続きをまとめて行うため、持ち物は多めになります。
忘れると再訪が必要になるので、前日に確認しておきましょう。
○本人確認書類 全員必須
○マイナンバーカード 継続利用の手続きに必要
△資格確認書 交付を受けている場合
△基礎年金番号がわかるもの 任意加入する場合
△印鑑登録証 登録している場合
△委任状 代理人が行く場合
忘れやすいのはマイナンバーカードです。持参しないと継続利用の手続きができません。
本人確認書類:運転免許証・パスポートなど
マイナンバーカード:継続利用の手続きに必要。持参しないと失効扱いになります
資格確認書:交付を受けている場合は脱退の手続きで返却します(マイナ保険証を使っている方はマイナンバーカードのみで手続きできます)
基礎年金番号がわかるもの:年金手帳や通知書など。任意加入する場合に使います
印鑑登録証:登録している場合は返却します
委任状:代理人が手続きする場合に必要です
同じ日に済ませたい4つの手続き
転出届だけを出して帰ってしまうと、別の窓口へ何度も足を運ぶことになります。
同じ庁舎内で完結するものは一度にまとめてしまいましょう。
転出届
住民課›国保脱退
保険年金課›年金
保険年金課›マイナ
住民課
窓口で最初に「留学で1年以上行きます」と伝えると、担当窓口を順に案内してもらえます。
国民健康保険の脱退
保険証を返却します。転出届を出しただけでは自動で脱退にならない自治体もあります。
国民年金の資格喪失・任意加入
資格喪失は自動ですが、任意加入を希望する場合は申出が必要です。さかのぼれないため転出と同月内に。
納税管理人の届出
未納の住民税がある場合、日本にいる家族などを代理人として届け出ます。
マイナンバーカードの国外継続利用
転出予定日の前日までに手続きします。過ぎると失効するため、優先度は高めです。
役所へ行く前に「留学で1年以上行くので転出届を出したい。国保と年金、マイナンバーカードも一緒にお願いします」と最初に伝えると、担当窓口を順番に案内してもらえます。これだけで所要時間がかなり短くなりますよ。
留学で住民票を抜く前にやること5つ
転出届を出すと日本国内の手続きが一部止まります。
とくに証券口座は、放置したときの影響が大きい項目です。
確認せずに出国した場合
そのまま
出国›非居住者と
判明›取引制限
口座廃止›意図しない
払い出し
出国前に確認した場合
証券会社に
問い合わせ›売却か
移管を選ぶ›積立を
停止›帰国後に
再開
分岐点は最初の1マスだけです。出国前に一本電話を入れるかどうかで、帰国後の状況が変わります。
証券口座以外にも、出国後に慌てないよう先に片づけておきたいことがあります。
銀行口座の連絡先を整理する:実家など日本国内の住所に変更しておきます。金融機関によって非居住者の扱いが異なるため、事前の確認が必要です
クレジットカードを更新しておく:留学中に有効期限が切れると、新しいカードの受け取りに困ります
証券口座・NISAの扱いを確認する:留学は原則としてNISAの継続適用の対象外です。出国前に売却または課税口座への移管が必要になることが多いため、必ず事前に問い合わせを
運転免許証の期限を確認する:留学中に切れる場合の対応や、国際運転免許証の取得を出発前に済ませます
郵便物とサブスクを整理する:郵便の転送手続き、携帯や定期課金サービスの休止・解約を確認しておきます
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2026年7月3日更新 2026年7月28日
留学から帰国後の住民票の手続き
帰国後は、出発前と逆の手続きを踏むことになります。
無保険の期間をできるだけ短くするため、帰国したらまず役所に行きましょう。
帰国日7日14日
転入届14日以内に提出
無保険再加入までの期間
転入届が遅れるほど無保険の期間が延びます。帰国したらまず役所へ向かいましょう。
1
帰国から14日以内に転入届を出す
パスポートで帰国日を確認されることが多いため、必ず持参します。戸籍謄本などを求められる場合もあるので、事前に自治体のサイトで確認しておくとスムーズです。
2
国民健康保険・国民年金に再加入する
転入届と同じ日に手続きできます。20歳以上60歳未満の方は帰国により国民年金の加入対象に戻るため、就職しない場合は加入の手続きが必要です。
3
マイナンバーカードと印鑑登録を戻す
継続利用していたカードは国内向けに戻す手続きを行います。失効していた場合は再交付の申請を。印鑑登録も必要に応じて再登録します。
なお、帰国後の国民健康保険料は、海外にいた期間の所得の申告内容によって算定方法が変わることがあります。手続きの際に窓口で確認しておくと安心です。
留学と住民票のよくある質問
カウンセリングでよくいただく質問をまとめました。細かい判断で迷ったときの参考にしてください。
金額の目安
1年で 約50〜60万円 の負担が変わる
一言でいえば「1年以上なら抜く。ただし医療の備えだけは先に用意する」です。
A自治体の判断によります。1年以上が原則ですが、半年程度でも受理される運用の自治体もあります。滞在予定期間を伝えたうえで、住民登録のある市区町村に確認してください。
Q実家に住民票を置いたまま留学しても大丈夫ですか?
A1年未満なら問題ありません。1年以上の場合は本来届出の対象になります。実家に置いたままにすると、保険料や税の納付書が実家に届き続ける点も踏まえて判断してください。
A必ずしも外れるわけではありません。健康保険の被扶養者には国内居住要件がありますが、外国に一時的に留学する学生は例外として扱われるため、届出をすれば扶養に残れる可能性があります。ただし届出をしないと資格喪失の処理が進むことがあるため、親の勤務先や健康保険組合への確認が必須です。税法上の扶養は別の制度なので、こちらも合わせて確認してください。
A自治体によっては、代理人による届出や郵送での対応が可能な場合があります。まずは住民登録のある市区町村に問い合わせてください。ただしマイナンバーカードの継続利用は出国前でないと手続きできない点に注意が必要です。
Q住民票を抜くと、一時帰国したときの住所はどうなりますか?
A短期の一時帰国であれば、住民登録を戻さずに実家などに滞在するのが一般的です。書類の住所欄には滞在先を記入することになりますが、住民票の写しは取得できず、公的医療保険も使えないため受診は全額自己負担になります。
A将来の受給額を減らしたくない方や、留学中の万一に備えて障害基礎年金の対象でありたい方は検討する価値があります。一方で保険料の負担は続くため、留学予算とのバランスで判断してください。
Q40代で留学します。介護保険料はどうなりますか?
A介護保険は日本国内に住所がある方が対象のため、住民票を抜くと40歳以上65歳未満の方も適用除外となり、保険料の負担がなくなります。会社の健康保険に加入したまま留学する場合は、勤務先を通じた届出が必要です。
まとめ|留学中の住民票の判断軸
住民票を抜くかどうかは、期間・日本での支払い・一時帰国の予定という3つの軸で決まります。
最後に要点を整理しておきましょう。
抜くメリット 小さい ← → 大きい
扶養の
学生
休職して
行く人
短期+
自己負担
退職して
1年以上
右にいくほど抜く価値が大きくなります。あなたはどのタイプでしたか?
※金額は1年(短期は半年)あたりの負担の目安です。
この記事のまとめ
・1年以上の留学は海外転出届を出して住民票を抜くのが原則。1年未満はそのままでよい
・抜くと住民税・国民健康保険・国民年金・介護保険の負担がなくなり、社会人なら年間50〜60万円の差になることも
・扶養内の学生・休職して行く社会人・持病がある人は、そのままにするほうが合理的な場合がある
・留学生は健康保険の国内居住要件の例外にあたるため、抜いても届出をすれば親の扶養に残れる場合がある
・マイナンバーカードは2024年5月27日から国外でも継続利用が可能。転出予定日の前日までに手続きを
・手続きは出国14日前から。帰国後は14日以内に転入届を出して保険と年金を戻す
住民票の判断は、留学の期間や滞在先が固まってはじめて決まるものです。
プランがまだ動きそうな段階なら、先に全体像を整理してしまうほうが結果的に早く決まります。
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※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。金額はいずれも目安であり、制度や保険料は改定される場合があります。手続きの際は、市区町村の窓口、日本年金機構、加入している健康保険組合、証券会社など各所の最新情報を必ずご確認ください。