海外での生活や旅行において、実は重要なのが「トイレ事情」です。
トイレは日常生活の一部であり、どんなに遠くに旅行に行っても、どんなに長期間異なる文化の中で生活することになっても、必ずと言っていいほど遭遇する場面です。
そのため、トイレのあり方や使い方が自分が普段慣れ親しんでいるものと異なると、驚きだけでなく、場合によっては困惑を感じることもあるでしょう。
特に留学となると、単なる一時的な旅行とは違い、長期間その地で生活をするわけですから、その地域のトイレ事情を理解し、適応していくことは必要不可欠とも言えます。
その国のトイレ事情を知っておくことは、留学生活をスムーズに過ごすためにはもちろん、その国の文化の一端を理解し、文化的な違いに対する理解を深めるという意味でも重要なのです。
今回の記事では、留学生や海外で生活を考えている人たちのために、いくつかの留学先でよく見られるトイレ事情について詳しく紹介します。
1.日本のトイレ:技術的な進歩
日本のトイレの特徴
日本のトイレは、高度な技術と清潔さで世界中から認められています。ウォシュレット機能が標準的に設けられ、自動的に便座を清潔に保つ機能など、驚くべき進歩を遂げています。また、公共のトイレでも、清潔さが常に維持されていることがほとんどです。
日本のトイレの良いところ
最先端の技術と清潔さはもちろん、便利な機能が多数搭載されており、どんな状況でも快適に使用できます。また、日本の多くのトイレはバリアフリー設計となっており、高齢者や車椅子ユーザーでも利用しやすいです。
日本のトイレで注意すべきこと
しかし、その多機能性が逆に戸惑いを生むこともあります。特に外国人にとっては、ボタンが多すぎてどれを押せばいいのかわからない、ということもあるかもしれません。
また、ウォシュレット機能の水圧が強すぎると感じる人もいるかもしれませんので、使用する前に設定を確認することをおすすめします。
2.フランスのトイレ:有料で清潔な公共トイレ
フランスのトイレの特徴
フランスのトイレ事情は、主に大都市を中心に自動清掃機能を持つ公共の有料トイレが設置されています。これらは使用後に自動で清掃が行われ、常に清潔な状態を保つことができます。
また、カフェやレストランなどでもトイレを利用できますが、基本的にはその店で何かを購入した客が利用するのが一般的です。
フランスのトイレの良いところ
公共のトイレが有料であるため、常に清潔さが保たれている点は大きな利点です。また、自動清掃機能により、前の人がどのように使用したかに関係なく、清潔な状態でトイレを利用することができます。
フランスのトイレで注意すべきこと
一方、有料の公共トイレは使用料が必要であるため、小銭を持っていることが重要です。また、カフェやレストランのトイレは基本的に利用者が対象であるため、利用する際には一杯のコーヒーなどを購入するのがマナーとされています。
また、一部の公共トイレは、しゃがむような姿勢(スクワットポジション)で使用するフランス伝統の「スクワットトイレ」である可能性があるので、その使用法を事前に知っておくとよいでしょう。
3.ギリシャのトイレ:トイレットペーパーは流さない?
ギリシャのトイレの特徴
ギリシャのトイレ事情の一つに、トイレットペーパーを流さないという特徴があります。排水管が細いため、トイレットペーパーを流すと詰まってしまうことがあるからです。そのため、使用後のトイレットペーパーは専用のゴミ箱に捨てるのが一般的です。
ギリシャのトイレの良いところ
この習慣は、水資源の節約につながります。また、詰まりにくいトイレはメンテナンスが容易であり、ゴミ箱の存在によりトイレットペーパーの適切な処理が可能となります。
ギリシャのトイレで注意すべきこと
ギリシャのトイレを利用する際は、トイレットペーパーをトイレに流さないことを覚えておくことが重要です。また、公共のトイレではトイレットペーパーが提供されていないこともありますので、念のために持参することをおすすめします。
4.中国のトイレ:和式便器とプライバシー
中国のトイレの特徴
中国の公共のトイレでは、和式便器が一般的です。また、個室間の壁が低かったり、ドアがないトイレも珍しくありません。これは、中国の文化では、トイレは個人のプライバシーゾーンではなく、日常生活の一部とされているからです。
中国のトイレの良いところ
和式トイレは、便座を共有しないため、洋式トイレと比べて衛生的であると言われています。また、トイレットペーパーは持参するのが一般的なので、自分が好むタイプのものを使うことができます。
中国のトイレで注意すべきこと
初めて和式トイレを利用する際は、使用方法を知っておくと良いでしょう。また、中国のトイレではトイレットペーパーが提供されていないことが多いので、持参するようにしましょう。
プライバシーに関しては、文化的な違いを理解し、開放的な姿勢で臨むことが求められます。
5.インドのトイレ:水を使った清潔さ
インドのトイレの特徴
インドでは、トイレットペーパーの代わりに水を使用して清潔さを保つ文化があります。便器自体も一般的に和式で、公共のトイレでは水を噴出する装置かバケツと水差しが用意されています。
インドのトイレの良いところ
水を使うことで、物理的に汚れを洗い流すことができ、感覚的には清潔さを保つことができます。また、トイレットペーパーを必要としないため、環境に優しい面もあります。
インドのトイレで注意すべきこと
一般的に左手で身体を清潔に保つため、左手は不浄とされています。そのため、食事などでは右手を使うことが推奨されます。また、トイレットペーパーがないため、もしもの時のために持参することも考えられます。
6.アメリカのトイレ:プライバシーとトイレットペーパー
アメリカのトイレの特徴
アメリカのトイレは、洋式トイレが主流で、個室もしっかりと区切られていますが、ドアと床の間に隙間があることが多いのが特徴です。また、トイレットペーパーはフリーサイズで非常に薄く、一回でたくさん使う傾向があります。
アメリカのトイレの良いところ
アメリカのトイレは、全般的に広々としており、身動きを取りやすいです。また、トイレットペーパーが常に十分に補充されているため、安心して利用できます。
アメリカのトイレで注意すべきこと
アメリカのトイレの個室にはしばしば隙間があり、プライバシーに対する感覚が異なるため、これに対する違和感を感じるかもしれません。
また、トイレットペーパーが薄いので、一回で多く使用する傾向がありますが、節約の観点から考えると、必要以上に使わないように心がけると良いでしょう。
7.トルコのトイレ:手で清掃?
トルコのトイレの特徴
トルコでは、トイレットペーパーの代わりに水を使用して身体を清潔に保つ習慣があります。これは、一部のアジア諸国と同様に、左手で行います。また、トルコのトイレは和式と洋式の両方が存在しますが、特に公共の場所では和式が一般的です。
トルコのトイレの良いところ
水を使って身体を清潔に保つため、感覚的には清潔感があります。また、和式トイレは身体に負担をかけずに利用できるというメリットもあります。
トルコのトイレで注意すべきこと
左手で身体を清潔に保つ習慣があるため、食事の際は右手を使うことが推奨されます。また、和式トイレの使用方法や水で身体を清潔に保つ方法に慣れていない場合、最初は戸惑うかもしれません。公共のトイレでは、清潔さにも注意が必要です。
8.フィリピンのトイレ:”Tabo”とトイレットペーパーの欠如
フィリピンのトイレの特徴
フィリピンでは、トイレットペーパーの代わりに”Tabo”と呼ばれる水差しを使用します。これは、便器に入れられたバケツから水を取り、身体を清潔に保つための道具です。また、トイレットペーパーは一般的に提供されていません。
フィリピンのトイレの良いところ
“Tabo”を使った洗浄は、トイレットペーパーを使うよりも感覚的に清潔さを感じることができます。また、トイレットペーパーを必要としないため、環境に優しいとも言えます。
フィリピンのトイレで注意すべきこと
“Tabo”の使い方がわからないと、最初は戸惑うかもしれません。また、トイレットペーパーが提供されていないので、必要であれば自分で持参することをおすすめします。公共のトイレでは、清潔さにも注意が必要です。
9.まとめ
各国のトイレ事情を詳しく見てきたわけですが、その中には各国の文化や社会、さらには歴史や経済状況などが反映されていることが分かりました。
私たちが日常的に使っているトイレが、実はその国の文化や人々の生活を映し出す鏡であることに、改めて気づかされるかもしれません。
また、それぞれの国のトイレ事情を理解することは、単に生活を便利にするだけでなく、それぞれの国の文化や生活習慣への理解を深め、異文化へのリスペクトの気持ちを育むきっかけとなるでしょう。
事前に知識を得ることで、留学生活における様々なシーンで自分自身を助けるだけでなく、文化の違いを尊重し、よりオープンマインドになれるはずです。
最後に、今回紹介したトイレ事情はあくまで一部です。
世界にはさまざまなトイレ文化がありますし、その文化は時とともに変化し続けています。
海外生活ではトイレに慣れていく、というのが必須になってきます。これから留学を考えている方は、事前に留学先のトイレについて調べてみることをおすすめします。
これらの情報が、あなたの留学生活をよりスムーズで、より豊かなものにする手助けとなることを願っています。