ワーキングホリデーとは休暇目的の旅行中に、滞在期間中の旅費や滞在費を補うために働くことを許可する制度で、対象年齢は18~30歳です。
現在日本とワーキングホリデー制度を結んでいる国は26ヵ国あり、毎年約1万5千人以上が利用しています。
ワーキングホリデーに行ってみたいけれど、「費用はいくらかかるの?」「事前に準備金は用意した方がいいの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
せっかくの旅行が、仕事に明け暮れて終わってしまうともったいないため、最低限計画を立てておきたいですよね。
本記事ではワーキングホリデーのために必要な費用内訳と、各国の費用比較について解説します。
また渡航費用や滞在費を抑える方法もいくつかご紹介しますので、ワーキングホリデーを検討中の方は参考にしてみてくださいね。
参照元:ワーキングホリデー制度|外務省
ワーキングホリデーにかかる費用の内訳
まずは、ワーキングホリデーにかかる費用の内訳を見ていきましょう。
【出発前】
内訳 | 費用相場(1年間) |
ワーホリビザ取得 | 約3~4万円 |
往復航空券 | 約15~20万円 |
語学学校の学費(3ヶ月) | 約15~50万円 |
海外旅行保険 | 約10万円 |
合計 | 約43~84万円 |
【滞在中】
内訳 | 費用相場(1年間) |
家賃 | 約70~130万円 |
食費+その他生活費 | 約80~120万円 |
合計 | 約150~250万円 |
出発前に必要な費用は主に、往復航空券代・語学学校の学費・海外旅行保険です。国や地域によって異なりますが、一般的に50~100万円の準備金が必要です。
これに加えて、現地での生活費が1年間で150~250万円程かかります。もちろんワーキングホリデー先の国で仕事をして得た収入で、生活費や滞在費を補うことは可能です。
ただし、すぐに仕事が見つからなかった場合に備えて、到着後の当面の生活費として50万円程用意する方が多いようです。
ビザ申請時に、当面の生活費としての残高証明が必要になる場合もありますので、最低でも向こう3ヶ月分の生活費は渡航前に用意しておくことをおすすめします。

各国のワーキングホリデー費用を比較

ワーキングホリデーの費用は国によって異なります。ワーホリ可能な国として人気のある、以下6ヵ国の年間費用を比較しました。
費用相場 | 就労による収入相場 | |
イギリス | 約220~280万円 | 約100万円 |
オーストラリア | 約250~320万円 | 約150万円 |
カナダ | 約210~300万円 | 約100万円 |
スペイン | 約140~250万円 | 約90万円 |
ニュージーランド | 約270~350万円 | 約100万円 |
フランス | 約310~380万円 | 約130万円 |
それぞれの詳細を見ていきましょう。
イギリスの場合
イギリスのワーキングホリデー費用の内訳は、以下のとおりです。
費用内訳 | |
ビザ取得 | 3.7万円 |
往復航空券 | 約15万円 |
語学学校の学費 | 約5~15万円 × 3ヶ月 |
海外旅行保険 | 約10~20万円 |
家賃 | ホームステイの場合:約7~10万円 × 3ヶ月シェアハウスの場合:約8万円 × 9ヶ月 |
食費などの生活費 | 約8~10万円 × 12ヶ月 |
合計 | 約220~280万円 |
イギリスの場合、出発前準備金が40~80万円、滞在費として180~200万円、合計約220~280万円が費用としてかかります。
ロンドンなどの都市部だと家賃が少々高めですが、ホームステイやシェアハウスなどを利用することで費用を抑えられます。
オーストラリアの場合
次に、オーストラリアのワーキングホリデー費用相場です。
費用内訳 | |
ビザ取得 | 5.7万円 |
往復航空券 | 約17万円 |
語学学校の学費 | 約5~15万円 × 3ヶ月 |
海外旅行保険 | 約10~20万円 |
家賃 | ホームステイの場合:約10万円 × 3ヶ月シェアハウスの場合:約6万円 × 9ヶ月 |
食費などの生活費 | 約10~12万円 × 12ヶ月 |
合計 | 約250~320万円 |
オーストラリアの場合は出発前準備金が50~90万円、滞在費として200~230万円、合計約250~320万円と他の国と比べて高めです。
オーストラリアは物価が高いため、家賃や生活費などの滞在費用はかかります。その分最低賃金も1,650円程と高く、働いた場合に他の国よりも多い収入が期待できます。
カナダの場合
次にカナダの費用を見てみましょう。
費用内訳 | |
ビザ取得 | 3万円 |
往復航空券 | 約21万円 |
語学学校の学費 | 約5~15万円 × 3ヶ月 |
海外旅行保険 | 約10~20万円 |
家賃 | ホームステイの場合:約7万円 × 3ヶ月シェアハウスの場合:約5~8万円 × 9ヶ月 |
食費などの生活費 | 約8~10万円 × 12ヶ月 |
合計 | 約210~300万円 |
カナダは出発前準備金が50~90万円、滞在費が160~210万円、合計約210~300万円の費用相場となっています。
往復航空券が少々高めですが、物価が比較的安い割に最低賃金が日本より少し高めなので、就労しながら生活しやすい環境です。
スペインの場合
スペインの場合
費用内訳 ビザ取得 2.2万円 往復航空券 約15万円 語学学校の学費 約5~15万円 × 3ヶ月 海外旅行保険 約10~20万円 家賃 ホームステイの場合:約7万円 × 3ヶ月シェアハウスの場合:約5~8万円 × 9ヶ月 食費などの生活費 約3~6万円 × 12ヶ月 合計 約140~250万円
費用内訳 | |
ビザ取得 | 2.2万円 |
往復航空券 | 約15万円 |
語学学校の学費 | 約5~15万円 × 3ヶ月 |
海外旅行保険 | 約10~20万円 |
家賃 | ホームステイの場合:約7万円 × 3ヶ月シェアハウスの場合:約5~8万円 × 9ヶ月 |
食費などの生活費 | 約3~6万円 × 12ヶ月 |
合計 | 約140~250万円 |
スペインは出発前準備金が40~80万円、滞在費が100~170万円の合計約140~250万円と、各国の中でも安い費用で済みます。
家賃や物価が安い分、最低賃金も1,050円と安めです。現在スペインは失業率も高く、渡航後に仕事がすぐに見つからない可能性もあるため、当面の生活費を余分に用意しておくことをおすすめします。
ニュージーランドの場合
ニュージーランドの費用は、以下のとおりです。
費用内訳 | |
ビザ取得 | 0.3万円 |
往復航空券 | 約24万円 |
語学学校の学費 | 約5~15万円 × 3ヶ月 |
海外旅行保険 | 約10~20万円 |
家賃 | ホームステイの場合:約8万円 × 3ヶ月シェアハウスの場合:約8~10万円 × 9ヶ月 |
食費などの生活費 | 約10~12万円 × 12ヶ月 |
合計 | 約270~350万円 |
ニュージーランドは出発前準備金が50~90万円、滞在費が220~260万円の、合わせて約270~350万円です。物価が高く、最低賃金は2,290円程です。
ビザは日本国内で取得すると3,000円以下とかなり安いですが、現地でビザ取得すると約2万円かかるのでご注意ください。
フランスの場合
最後はフランスのワーキングホリデー費用です。
費用内訳 | |
ビザ取得 | 無料 |
往復航空券 | 約18万円 |
語学学校の学費 | 約5~15万円 × 3ヶ月 |
海外旅行保険 | 約10~20万円 |
家賃 | ホームステイの場合:約15万円 × 3ヶ月シェアハウスの場合:約18万円 × 9ヶ月 |
食費などの生活費 | 約5~8万円 × 12ヶ月 |
合計 | 約310~380万円 |
フランスは出発前準備金が40~80万円、滞在費として270~300万円、合計約310~380万円の費用がかかります。ワーキングホリデー用のビザ取得費用が、無料というのが特徴です。
物価や家賃が非常に高い割に最低賃金は1,500円程なので、渡航前に多めに費用を用意しておいた方が安心かもしれません。

安い費用でワーキングホリデーに行く方法
渡航費や滞在費など、色々とお金のかかるワーキングホリデーですが、工夫次第では相場よりも費用を抑えることが可能です。ここでは、安い費用でワーキングホリデーに行く方法について解説します。
渡航時期はオフシーズンを選ぶ
年末年始や夏休みは一般の旅行客が多いため、航空券が通常よりも高くなります。また4月は日本からワーキングホリデーに出発する人が多く、この時期は語学学校の授業料が高めです。
そのような時期を避けたオフシーズンにワーキングホリデーの日程を組むと、出発前の準備金を抑えられるのでおすすめです。
家賃の安い国や地域を選ぶ
ワーキングホリデー先での滞在費で、大部分を占めるのは家賃です。オーストラリア・カナダ・スペインは家賃が安めの国なので、滞在費を抑えて生活できます。
また同じ国の中でも、都市部から離れた地域は家賃が比較的安めなので、就労先へ通える範囲で、都市部以外のシェアハウスなどを探すと費用を節約できます。
ワーホリ先の国で節約生活を送る
滞在費を抑えるために、食費や生活必需品などになるべく費用をかけずに暮らすことも大切です。食材を購入して自炊したり、安いスーパーを探してみたりすることで、無理なく節約できます。
またスペインのように、バルで軽食を安く食べられる国もあるので、現地の人の暮らし方を参考にすると良いでしょう。
多い収入が見込める国を選ぶ
ワーキングホリデー先で就労して稼いだ分を、滞在費にあてることで費用を抑えられるため、なるべく稼ぎやすい国を選ぶことも一つの方法です。
最低賃金はニュージーランドが2,290円、オーストラリアが1,650円と高めです。またカナダではチップの文化があるため、給料だけでなくチップも収入になります。
語学学校に通う期間を短く設定する
ワーキングホリデーでは、語学学校への入学は必須ではありません。そのため語学学校に通う期間を短くすることで、授業料を安く抑えられます。
ただし就労のために語学力は必要なので、出発前に日常会話レベルを身に付けておく必要があります。1週間単位で授業を受ける方法もあるため、必要に応じて学校に通う期間を調整すると良いでしょう。
まとめ
ここまでワーキングホリデーの費用について、各国の費用比較と安くする方法をご紹介してきました。費用の内訳をまとめると、以下の通りです。
- ビザ取得費用
- 往復航空券
- 海外旅行保険
- 語学学校の学費
- 家賃
- 食費など生活費
1年間のワーキングホリデーにかかる費用は、国によって相場は異なりますが出発前準備金が50~100万円、滞在費が150~250万円程です。
滞在中に仕事をして収入を得ることで現地での生活費は補えますが、渡航費用や最初の数ヶ月分の生活費は最低限用意して出発するようにしましょう。
また渡航時期をオフシーズンにずらしたり、家賃や物価が安い国を選んだりすることで費用を抑えられます。
さらに生活費や食費を節約することや、語学学校に通う期間をできるだけ短期間にすることで費用を安くできるでしょう。ワーキングホリデーに行く際の参考にしていただければ幸いです。
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