留学、仕事、旅行などでアメリカの滞在が決まり、準備を進めていると気になってくるのがアメリカの電圧事情。結論からお伝えすると、日本とアメリカでは電圧が異なります。そのため、日本の電子機器をそのままアメリカのコンセントに差そうとすると、故障や停電などのリスクがあるため注意が必要です。この記事では、アメリカの電圧事情について解説し、変圧器の使い方やスマホやドライヤー選びについて解説します。
アメリカの電圧は日本と異なる
日本の電圧は100ボルトであるのに対して、アメリカの電圧は120ボルトもしくは200ボルトに設定されているため、日本とアメリカでは電圧が異なります。
カフェや自宅などの壁に設置されているコンセントは120ボルトのものが一般的です。
一方、電子レンジ、オーブン、乾燥機など電気使用量が多いと見込まれるコンセントは、200ボルトに設定されていることが多いです。
アメリカのコンセントは日本と同じAタイプ
日本とアメリカで電圧は異なりますが、形状はどちらもAタイプで同じです。
そのため、海外に行くとたびたび、日本の電源プラグを差し込むことができずに変換プラグを使用する必要がありますが、アメリカでは不要です。
ただし、アメリカのコンセントの差し口をよくみてみると、若干異なります。
- 2本の長細い差し口は右側の方が少し長くなっている
- 差し口が3つある
基本的に日本の電源プラグをアメリカのコンセントに差し込むことはできますが、アメリカで電化製品を購入すると、電源プラグが3本ついているケースが見られます。
「アース」と呼ばれるものですが、すべての電子機器の電源プラグについているわけではありません。
重要な点として、日本から持ち込んだ電子機器の電源プラグは、アメリカのコンセントに直接差し込むことはできるが、電圧が異なることを理解しておきましょう。
サイズが同じだからそのまま使っていいと認識していると、大きなトラブルに繋がりかねません。
日本製品をアメリカのコンセントに差し込むとどうなる?
日本製品の電源プラグをアメリカのコンセントに差し込むと、問題なく使える場合と問題になる場合があります。
まず、問題なく使える場合、それは使用している電子機器の電源プラグがアメリカの120〜200ボルトに対応している証拠です。
日本の電圧は一律で100ボルトですが、グローバルに対応している電子機器は、初期設定から100ボルト以上の電圧でも使用可能になっています。
一方、100ボルトまでしか対応していない電子機器をアメリカのコンセントに差し込むと120〜200ボルトの電流が流れて、電子機器が故障する可能性があります。
故障するだけであれば、新しいものを買い替えることで対応できますが、コンセント側が故障したり、発火したり、停電するなどのリスクもあるので要注意です。
特に、賃貸やカフェ、ホテルなど借りている公共スペースで発火が起これば、大きな事件になりかねません。
日本でしか購入できない電子機器が壊れてしまうと、買い直しするためにさらに高額な費用が発生するケースもあるでしょう。
事前にアメリカに持ち込む電子機器の電圧がどこまで対応できるのかを確認して、必要に応じて必ず変圧器を使用してください。
変圧器なしで使えるかどうか確認する方法
基本的には、持ち込む電子機器の裏側の記載を確認してください。
どこかに、「○○○V」という数字が記載されています。
Vの前の数字が「100」の場合、アメリカのコンセントを使用する際には必ず変圧器が必要になります。
一方、Vの前の数字が「120」「200」など100より大きい数字の場合、アメリカのコンセントに直接差し込んでも問題なく使用できます。
変圧器なしで使える可能性の高い電子機器
日本で何気なく購入したものでも、グローバル対応している機器はいくつかあります。
- スマートフォン
- デジタルカメラ
- ノートパソコン
- レンタルWIFI
- モバイルバッテリー
基本的に、海外で使用することを想定している電子機器は、大半がグローバル対応になっていて、100ボルト以上の電圧にも耐えられます。
注意点として、日本で購入できるドライヤーの大半は100ボルトにしか対応しておらず、変圧器が必要なケースが多いです。
アメリカのコンセントでiPhoneを充電してもOK?
日本とアメリカで電圧に違いがありますが、iPhoneのように世界中で販売されている電子機器の多くは、グローバル対応になっています。
iPhoneの電源プラグの裏側を見てみると、「Input:100-240V 1A 50-60Hz」と記載されているので確認してみてください。
この記載は、100ボルトから240ボルトまで対応しているという意味です。
よって、iPhoneの充電器に関しては、日本で使用しているものをアメリカに持ち込んだとしても、変圧器を使わず、そのまま使用することができます。
ただし、非正規のiPhone充電器を使用している場合、稀に100ボルトにしか対応していない可能性があるため、必ず確認してください。
ドライヤーは持っていくべき?
アメリカに長期滞在するのであれば、スマホなどの基本的なものの他にドライヤーも必需品です。
基本的には、アメリカでドライヤーを使用するのであれば以下の3つの方法のどれかで対応しましょう。
- 普段使用しているものを使うのであれば、変圧器を持っていく
- 120〜200ボルトに対応しているドライヤーを日本で用意する
- アメリカで現地調達する
それぞれの方法について解説します。
普段使用しているものを使うのであれば、変圧器を持っていく
普段から使用しているものをアメリカ滞在中も使用したいのであれば、まずドライヤーがアメリカのコンセントに対応しているか確認します。
ドライヤーの裏側に記載されているボルト数を見て、120〜200ボルトに対応していれば、ドライヤー単体で使用可能です。
しかし、100ボルトにしか対応していないのであれば、変圧器の使用が必要です。
ここで注意すべきポイントとして、ドライヤーは電気使用量が非常に多いため、変圧器を長時間使用すると、故障の原因になります。
髪の毛が短くてドライヤーを使用する時間が短いのであれば、特に気にする必要はありませんが、髪の毛の長い方でドライヤーの使用時間が長い方は要注意です。
ドライヤーが加熱して、発火のリスクにもつながりますので、変圧器が必要なドライヤーをアメリカに持っていくことはおすすめしません。
120〜200ボルトに対応しているドライヤーを日本で用意する
日本で販売されているドライヤーの中でも120〜200ボルトに対応している商品はたくさんあります。
現地調達するのは心配という方、日本製品を使用したいという方は、渡米前にアメリカのコンセントに対応しているドライヤーを購入しておきましょう。
アメリカで日本製品のドライヤーを購入しようとすると、日本で購入するよりも高額になるケースもあります。
荷物になるかもしれませんが、日本のドライヤーの方が種類も豊富ですので、ご自身にあったものが見つけやすいです。
アメリカで現地調達する
ドライヤーはもちろんアメリカでも購入できるため、渡米してから現地調達する方法もあります。
現地調達すれば、電圧の問題を気にする必要がないため、安心して使用できます。
ただし、アメリカで購入したものを日本に持ち帰って使用し続けることを想定しているのであれば、注意が必要です。
ドライヤーのように電気使用量の多い電子機器は、電源プラグが3本になっていたり、100ボルトに対応していなかったりします。
アメリカ滞在中のみ使用する予定であれば、気にせず好きなものを購入して良いです。
しかし、日本に帰国してからも長期的に使用したいのであれば、電源プラグ、電圧を確認して、日本に対応しているものを購入しましょう。
ちなみに、アメリカは「返品大国」と呼ばれるほど、商品の返品・返金・交換に対応しています。
間違って日本で使えないドライヤーを購入してしまい、他の製品と交換したいと考えているのであれば、レシートと本品を持って購入したストアに行ってください。
- I would like to return this.(こちら返品させて頂きたいのですが?)
- I want to return it.(これを返品したいです)
- Can I return this?(これを返品したいのですが?)
これらのフレーズを使えば、スムーズに返品・交換の対応をしてもらえます。
アメリカのコンセントが使えない時の対処法
アメリカでコンセントの差し込みや使用ができない時の対処法は、以下のとおりです。
- 電圧を確認する
- 電源プラグの上下変える
- 他のコンセントを使用する
それぞれの対処法について解説します。
電圧を確認する
日本から持ち込んだ製品でアメリカのコンセントが反応しない場合、電圧が関係している可能性が高いです。
製品の裏側を見て、電圧が120〜200ボルトに対応しているか確認しましょう。
電圧が100ボルトにしか対応していないのであれば、変圧器を使うと使用できるようになります。
電源プラグの上下を変える
アメリカの電源プラグは、2本のうち右側が少し長い形状になっています。
電源プラグを差し込んでも、コンセントにはまらないのであれば、それは左右逆の可能性が考えられます。
まずは、無理に押し込もうとせずに上下を逆にして差し込めるかどうか確認してみてください。
コンセントが差し込めないからといって、無理に押し込みすぎると電源プラグが歪んだり、コンセントの差し口が傷つくリスクがあります。
他のコンセントを使用する
古い建物などのコンセントは劣化している可能性があるため、コンセントを差しても反応がない時は、他のコンセントを使用してみてください。
コンセントの差し口に汚れやゴミが付着していると、無理矢理コンセントを差し込むことで、発火や故障の原因につながります。
無理矢理押し込むのではなく、他のコンセントが使用できるのであれば、別の場所で試してみてましょう。
コンセントは英語で「outlet(アウトレット)」という
コンセントという言葉は、完全に和製英語であり、英語のconsent(コンセント)には「同意する」という意味があります。
「Is there any consent?(コンセントありますか?)」と質問しても、アメリカ人は何を質問されているのか理解できません。
英語でコンセントは「outlet(アウトレット)」です。
「Is there any outlet?(コンセントはありますか?)」もしくは「Can i charge my phone?(携帯の充電できますか?)」と質問しましょう。
まとめ
日本とアメリカはコンセントの形状がともにAタイプで同じなため、変換プラグなしでも使用できるものの、電圧が異なります。
日本の電圧が100ボルトに対して、アメリカの電圧は120〜200ボルトと高いです。
100ボルトにしか対応していない電子機器の電源プラグを直接アメリカのコンセントに差し込んでしまうと故障や発火の原因につながります。
安心・安全にアメリカでの生活を送るためにも必ず「変圧器」を持って渡米するようにしましょう。