オーストラリアに長期留学を考えた時に、気になるのがビザのことです。
長期間の滞在になるため、ビザが必要であることは何となく分かりますが、何ヶ月の留学からビザが必要になるのか?取得の条件、費用、取得までの期間なども知っておかなければいけません。
本記事では、オーストラリアの学生ビザの基本的な情報から、知っておくと役に立つ情報まで幅広くお伝えします。
長期留学に必須!学生ビザとは?
オーストラリアに限らず、一定期間以上の就学を海外でする場合は学生ビザの取得が必要になり、オーストラリアは3ヶ月を超える就学をする場合に学生ビザの取得が必須となります。
例外はワーキングホリデービザで渡航するケース。ワーキングホリデービザは1年間滞在でき、滞在中4ヶ月までの就学が可能です。
学生ビザは長期の語学留学に限らず、3ヶ月を超える就学全般に必要になりますので、各種専門学校、TAFE(職業訓練専門学校)、大学進学の場合も取得が必要です。
オーストラリア学生ビザ:何でもQ&A
オーストラリアの学生ビザに関しては、知っておくべきこと、知っておくと役に立つ情報があります。Q&A形式でその情報をお伝えします。
何ヶ月間の留学から学生ビザが必要?
すでにご案内の通り3ヶ月を超える期間から学生ビザが必要です。しかし、3〜4ヶ月で学生ビザを申請する人は少なく、3ヶ月を超える場合は6ヶ月以上の留学をする人が多いです。
学生ビザの滞在期間中にアルバイトをすることはできますか?
オーストラリアの学生ビザ滞在期間中のアルバイトは可能です。ただし、2週間で40時間(週20時間)までと限定されています。
この2週間で40時間というのは、どの2週間を計算しても40時間以内にならなければいけないため、以下のケースはNGとなります。
1週目 0時間
2週目 40時間
3週目 5時間
4週目 35時間
この場合、2週目と3週目の合計が40時間を超えますのでアウトです。ただし、以下のケースはOKです。
1週目 0時間
2週目 40時間
3週目 0時間
4週目 40時間
どこを切り取っても40時間以内におさまるためセーフとなります。
また、専門学校、TAFE、大学などはタームまたはセメスターという期間で区切られ、その期間と期間の間にホリデーがあります。そのホリデー期間に関しては学生ビザの就学時間制限がなくなり、フルタイム(オーストラリアでは週38時間)就労することができます。
家族と一緒に渡航できますか?また、配偶者や子供(扶養家族)は働くことはできますか?
扶養家族は学生ビザ保持者の同行家族として一緒に渡航することができます。
また、学生ビザ保持者と同様に2週間で40時間までの就労が認められます。修士号、博士号に在学するための学生ビザ保持者の扶養家族は、就労時間制限なしで就労することが可能です。
学生ビザ申請の条件は?
学生ビザの申請条件は以下の通りです。
- オーストラリア認定教育機関CRICOSにおいてフルタイム(週20時間以上)の就学をすること
- 就学予定の学校から入学許可証を受領していること
- 学生保険(Overseas Student Health Cover)に加入していること※学生ビザ申請で許可される滞在期間分の加入が必要
- 一時滞在証明(Genuine Temporary Entrant)の提出
- 学生ビザ滞在期間中の生活費があることの宣誓
- ビザ申請費用650豪ドルの支払い
ビザ申請はオーストラリア国内、国外どちらからでも可能です。
学生ビザ申請にかかる費用は?
オーストラリア国内、国外どちらでも1回目の学生ビザ申請料は650豪ドルです。しかし、オーストラリア国内で連続申請を行った場合は、650豪ドル+継続ビザ申請750豪ドルの合計1,400豪ドルが必要になります。
継続ビザ申請はオーストラリアで連続申請を行った場合のみ必要な申請料になりますので、日本に帰国し、日本国内から申請した場合は650豪ドルのみで申請が可能です。
また、申請料の支払いはクレジットカードのみが認められ、クレジットカード会社への利用手数料はオーストラリアではなく、申請者の負担となります。
利用手数料はカード会社により異なり、以下の様になります。
- American Express, JCB — 1.40%
- Diners Club International — 1.99%
- PayPal — 1.00%
- Union Pay — 1.90%
- Visa, Mastercard — 1.32%
学生ビザ発給までの期間は?
申請から発給までの期間は約1週間〜3ヶ月と申請タイミングや申請内容により異なってきます。
いずれにしてもビザ申請は余裕を持って行うことをおすすめします。
学生ビザの申請はいつからできますか?
日本国内は4ヶ月前(124日前)、オーストラリア国内は3ヶ月前(93日前)から申請が可能です。
学生ビザで学校修了後、いつまでオーストラリアに滞在できますか?
学生ビザは原則としてコース期間+ 1〜2ヶ月間の滞在期間が認められます。これは、就学期間中にケガや病気など何らかのトラブルで学校を休まざるを得なくなった場合でも、期間を補ってコースを受けられる様にするために用意された猶予期間となります。
10ヶ月未満の場合+1ヶ月間、10以上の場合+2ヶ月間の猶予期間が付きます。また、10ヶ月以上のコースで、コース終了日が11〜12月の場合、通常3月15日まで滞在可能な学生ビザが発給されます。
学生ビザは延長できますか?
オーストラリアの学生ビザは留学期間に合わせて、現地で就学期間を延ばし、延長することが可能です。
延長するには、それまでの学校の出席率が80パーセントを超えていること、問題なくコースを修了していることが条件となります。
現地滞在中に学生ビザがキャンセルされることはありますか?
以下の条件を満たせない場合、現地滞在中にオーストラリア移民局よりビザはキャンセルされます。キャンセルされた場合、以後3年間は他のビザ申請にも影響があり、ビザ取得や入国が困難になる場合があります。
<学生ビザ取得後の注意点>
・一定以上の成績を保つ。
・80%以上の出席を保つ。
・就学中の就労制限(2週間で40時間)を超えない。
・OSHCへの加入。
当然ですが現地滞在中の犯罪行為、薬物使用などはビザキャンセル及び強制帰国の対象となります。
オーストラリア学生ビザ申請の流れ
オーストラリアの学生ビザ申請の流れをお伝えします。
①申請条件がクリアできているかチェック
- (現地で生活できる)資金が十分にある
- 政府認定校(CRICOS登録校)への留学である
- 学生ビザ規則(※1)を理解している
- 入学許可書の準備がある
- 心身ともに健康である
- OSHC(※2)の滞在許可期間分の加入
- 年齢が6歳以上
※1:学生ビザ規則
- オーストラリアの法律順守
- 政府認定校(CRICOS登録校)のコースに在籍
- フルタイムコース(週20時間以上)にて修学※パートタイム不可
- コース期間中の出席率を 80%以上に保つ
- 学生ビザ期間中は、OSHCに加入する
- 平均とされる学業成績を保つ
- 同じコースを 2度以上修学しない(コースのやり直しは、1度のみ)
※2:OSHC(Oversea Students Health Cover)
OSHCはオーストラリア学生ビザを取得の際に義務付けられる海外留学生保険です。日本の海外旅行保険に加入していたとしても加入必須となります。
加入する保険会社により金額は異なり、目安としては半年で約300豪ドル(約3万円)、1年で約600豪ドル(約6万円)です。ビザで許可される滞在期間までカバーする必要がありますので、就学期間+ 1〜2ヶ月分のOSHC加入が必要になります。
②申請に必要なものを準備する
オーストラリア学生ビザは以下のものを準備する必要があります。
<オーストラリア学生ビザ申請に必要なもの>
- パスポート
オーストラリア入国から6ヶ月以上有効なパスポート。留学期間が長く、途中でパスポートが切れてしまう場合でも現地で更新可能です。
- 入学許可書
学校への入学手続きが完了すると学校から送られてきます。入学許可書番号が記載されており、申請時にそちらの入力が必要になります。
- OSHC
オーストラリア学生ビザで渡航する人は加入必須となる海外留学生保険。日本の海外旅行保険に加入していたとしても必ず加入しないといけません。併用して加入する人が多く、2つの保険に加入することは問題ありません。
- クレジットカード
ビザ申請料金はクレジットカードでの支払いのみになります。本人名義以外のクレジットカードでも使用可能です。
- 留学供述書(GTE)
GTE(Genuine Temporary Entrant)とは、オーストラリア留学の目的をまとめたエッセイのような書類で、すべて英文で作成する必要があります。
考慮される点としては以下の通りになります。
<考慮される点>
・自国の状況
・オーストラリアで予想される留学状況
・留学する理由(そのコースを選んだ理由)
・これまでの移住歴
<作成の際のポイント>
・オーストラリアでの留学目的、留学中に何を勉強するのか、学んだ内容が帰国した後の将来のキャリアにどのようにつながるのか
・現在何をしているのか、過去の経歴、ご自身や家族の経済状況など含めても良い
③申請
オーストラリア移民局のホームページへアクセスし、順番に申請を進めてください。
学生ビザをオーストラリア国外から申請する場合は、「Outside Australia」の中から「First student visa」をクリック。
オーストラリア国内いる方で初めての学生ビザを申請される方は、「Student Visa In Australia」のタグを、2回目以降の申請は、「Student Further Stay In Australia」のタグをクリックし、申請を開始します。
まとめ
オーストラリアの学生ビザについてまとめましたがいかがでしたでしょうか。
オーストラリアの学生ビザは現地で就労することができますが、就労に規定があったり、申請にはOSHCの加入が必要であったり、他の国とは異なる規定があります。
また、出席率の規定もあり、80パーセントを切るとビザキャンセルの対象になりますので、しっかり授業には出席する様にしてください。
Q&Aでは、かなり細かい項目まで触れていますので、オーストラリア学生ビザ申請の際には、ぜひ本記事を読み返し、参考にしていただければと思います。