留学は自分の人生を変える大きなきっかけになったと言う人が多く、学生のうちに一度は留学してみたいという人も多いです。一方で、休学して留学することは、簡単に決められるものではありません。
休学という選択は大学のカリキュラムから一時的に離れることを意味し、留学の経験が自身の成果や将来のキャリアにどのように影響を与えるのかについて不安を覚える人も多いでしょう。
留学先での新しい環境は自分自身を見つめ直し、英語力のみならず、グローバルな価値観や視野を広げることができる、またとないチャンスになります。しかし、休学して留学することがすべての人にとって最良の結果になるとは限りません。
本記事では、休学して留学するメリットとデメリット、そして休学留学で成功した人、失敗した人の体験談から、休学留学で成功する方法を導き出していきます。
1.休学して留学するメリットと体験談
休学して留学する選択は、多くの学生にとって自身の成長や将来のキャリアに影響を与えるきっかけになります。ここでは、休学して留学する主なメリットと実際に休学留学を経験した学生の体験談を紹介します。
休学して留学するメリット
視野を広げられる
留学は新しい文化や異なる教育システムに触れることで、自身の視野を広げる大きな機会となります。
語学力の向上
留学することで目的の言語を毎日使う機会が増え、言語能力が向上します。そのため、将来外国語を使う仕事もキャリアの選択肢として広げることができます。
グローバルな人脈を広げられる
留学先で出会う留学生は日本人以外の留学生の方が圧倒的に多いです。同じ目的に向かってともに切磋琢磨する環境は、国を超えた友情や関係性を築きやすく、グローバルな人脈を広げることができます。
自立と自己成長
留学するというのは、環境も言葉も文化も違う場所で生活するということです。自分で様々な決断を下し、新しい環境に順応する力を身につけることで、自立と自己成長をすることができます。
休学留学の成功体験談
英語力を向上させ、グローバルな人脈を広げたAさん
Aさんは、将来海外に関わる仕事をしたいという夢を持ち、休学してオーストラリアの大学に留学することを決意しました。
留学先では、初めての海外生活という未知の環境に置かれました。特に、留学先でのアパート探しや、生活必需品の購入、公共交通機関の利用など、さまざまなことを自分で行う必要がありました。これらの経験は、彼女にとって行動力と自立を養う良い機会になりました。
また、授業における現地の学生や様々な国からの留学生とのコミュニケーションは、彼女の英語力を大きく向上させました。特に、グループワークやプロジェクトでは、意見を英語で表現し、他のメンバーと協力して課題を解決する能力が求められました。この経験は、彼女に英語の流暢さだけでなく、自分の意見や意思を伝える表現力を身につけさせました。
留学を通じて彼女は国を超えた多くの友人を作ることができ、さまざまな文化背景を持つ人々との交流を楽しむことができました。これらの経験は、彼女が自立し、幅広い人脈を築く基盤を作り、将来の国際的なキャリアに向けた準備を整えるきっかけを作りました。
最先端のコンピューターサイエンスを学び、将来のキャリアを切り拓いたBさん
Bさんは、休学を利用してアメリカの名門大学に留学する道を選びました。アメリカではコンピューターサイエンスの専攻を選び、彼は最先端のテクノロジーと実務経験を得る目的でプロジェクトに参加することになりました。このプロジェクトでは、実際の企業が直面するような複雑な問題を解決するチームの一員として活動しました。
プロジェクトの初めには、Bさんはチームと共に問題の分析を行い、可能な解決策を議論しました。この段階で、彼は異なるバックグラウンドを持つチームメンバーとのコミュニケーションと協力の重要性を強く感じました。
また、プロジェクトではプログラミングスキルだけでなく、時にはクリエイティブな思考やプロジェクト管理の技術も求められ、これがBさんにとって大きな学びの場となりました。
プロジェクトが進行するにつれ、Bさんはコードの最適化やバグの修正に時間を費やし、同時にチームメンバーとの連携を深めながらプロジェクトの進行に貢献しました。終盤には、彼のチームは効果的な問題解決の方法を見つけ出し、それをプレゼンテーションとして実際の企業関係者に対して披露する機会も得ました。
このアメリカでのプロジェクト経験により、Bさんは実務の知識と国際的なコミュニケーションスキルを身につけることができました。
帰国後、Bさんはこれらの学んだ技術と経験を活かし、自国のテクノロジー企業に就職することができました。休学しての留学は、彼にとって知識を深めると同時に、国際的な視野を広げる貴重な機会となり、彼のキャリアにとっても非常に価値のある経験となりました。
2.休学して留学するデメリットと体験談
休学して留学する選択は多くのメリットがある一方で、一定のデメリットも存在します。以下にその主なデメリットと、それらに直面した学生の体験談を紹介します。
休学して留学するデメリット
卒業の遅れ
休学することで卒業が遅れ、同級生よりも就職が遅れる可能性があります。
費用
留学は高額な費用がかかることがあり、学校によっては休学することで留学費用は別に費用を支払わなければいけない場合もあります。
孤独感
新しい環境と文化に適応できず、孤独感やホームシックを感じる可能性があります。
学習進捗の遅れ
留学先の教育制度が異なるため、日本の学習と同じ進度であるとは限りません。そのため、学ぶことに時間がかかってしまうこともあります。
休学留学の失敗体験談
孤独に耐えられず途中帰国したCさん
Cさんは休学を利用し、イギリスの大学での留学生活をスタートしました。しかし、到着してすぐに言語の壁と文化の違いによるストレスを感じ始めました。
初めは語学コースにも通い、現地の友人も作ろうと努力していました。しかし、コミュニケーションにおける誤解からトラブルが続出し、徐々に自信を失っていきました。
Cさんは、日本の大学の友人たちと連絡をとり続けていましたが、日本の友人たちが進学やインターンシップで成功していく中で、Cさん自身は留学で期待していた成果を得ることができずにいました。
特に、学業の面で思うように成績が上がらず、友人たちの成功と今の自分を比較する様になり、次第に孤独感が募っていきました。
数ヶ月後、Cさんは自分にとって留学は過酷すぎると感じるようになりました。そして、自分の将来について深く悩むようになりました。最終的に、Cさんは留学を途中で断念し、日本に帰国する決断をしました。
帰国後、Cさんは自分にとって留学は困難でしたが、それでも新しい文化や言語に触れることで得た学びは確かにあったと振り返っています。しかし、Cさんにとって留学は期待と現実のギャップを痛感させる厳しい経験となりました。
準備不足から経済的困難に陥ったDさん
Dさんは休学を利用してカナダの大学に留学することを決意しました。しかし、留学にかかる費用は予想以上に高く、家庭の財政に大きな負担を与えてしまいました。
初めは、親からの経済的支援を受けていましたが、Dさんは家庭にかかる負担を減らすために現地でアルバイトを探すことに決めました。
アルバイトを始めてすぐ、Dさんは学業との両立が難しいことを実感しました。学業の成績が下がり始め、友人と過ごす時間も減少しました。さらに、アルバイトのために多くの時間を割く中で、留学の本来の目的を見失い始め、次第に心の中で後悔の念が募っていきました。
時間が経つにつれ、Dさんは財政的な困難が重くのしかかっていることを実感し、留学の目的と現実のギャップに悩む日々が続きました。アルバイト収入だけでは留学生活のコストをカバーするのは困難で、家庭に追加の支援を求めることも避けられなくなりました。
最終的に、Dさんは財政的困難を解決することができず、留学を途中で断念し、日本に帰国する決断をしました。
帰国後、Dさんは留学生活での困難な経験が、自立心や責任感を育むきっかけとなったと語っています。しかし、準備不足がもたらした失敗から、留学や海外生活には十分な準備と経済的なプランニングが不可欠であることを痛感したと振り返っています。
3.まとめ:体験談から学ぶ休学留学の成功のコツ
失敗や成功の体験談から学べることは多く、これらの実例から得られる教訓を休学留学の計画に活かすことは非常に重要です。以下のポイントは、先の4人の体験談を基に、成功する休学留学を実現するための具体的な方法を示しています。
言語能力の強化
Aさんのケースで見たように、留学先の言語能力を強化することが重要です。言語の準備を怠らないよう努力し、基本的なコミュニケーション能力を磨きましょう。
実務経験の獲得
Bさんは現地のプロジェクトに参加し、実務経験を積むことができました。留学先でのインターンシップやプロジェクトに参加することで実務経験を積み、将来につなげていきましょう。
人間関係の構築
Cさんは初めは困難を感じましたが、現地の友人を作ることで異文化交流の楽しさを見つけました。積極的に人間関係を構築し、支援を求めることも重要です。
経済的な計画と準備
Dさんのように財政的な困難に直面する可能性があります。事前に十分な資金計画を立て、必要に応じてアルバイトを見つけることで、留学を続けることができます。
適切な留学先の選定
留学先は将来のキャリアや学びたい分野に合わせて慎重に選んでください。Bさんのように目的に合った留学先を選定することが、成功の鍵となります。
心の準備
留学は楽しいだけでなく、困難も伴います。Cさんのように困難を乗り越える準備をしておき、留学生活を前向きに捉えましょう。
これらのポイントを意識し、休学留学の計画と実行に取り組み、休学しても留学して良かった、と思える未来を築いていきましょう。