キャリアアップのための英語力を伸ばしたいと考えている方は、留学とワーキングホリデーのどちらが良いのでしょうか。留学は、費用がかかる代わりに勉強に専念できたり、英語を使いながら専門知識を得られるという点において魅力です。一方、ワーキングホリデーは、時間に縛りがあるものの、ビジネス英語を習得できる点が魅力です。この記事では、留学とワーキングホリデーの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、どちらが最適かお伝えします。留学に行くか、ワーキングホリデーに行くか悩んでいる方は、参考にしてください

留学とワーキングホリデーを比較
留学とワーキングホリデーのメリット・デメリットを比較した表が、以下の通りです。
メリット |
デメリット |
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留学 |
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ワーキングホリデー |
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ワーキングホリデーは最大12ヶ月滞在できるため、ここで言及する留学は、1週間〜3ヶ月ほどの短期留学ではなく、1年以上の長期留学とします。
留学
留学には、英語を学ぶことに専念する「語学学校」と専門的な分野を学べる「専門学校」「大学」「大学院」などさまざまです。
語学学校は、英語レベルが初級〜上級までの英語学習者が対象のため、原則誰でも入学できます。
一方、専門学校、大学、大学院は、英語を使って専門分野を学ぶため、学校によって英語力や日本の大学のGPAが入学条件に関わることが多いです。
このように一概に「留学」といっても、英語力を身につけたい方から、海外で仕事をするための専門スキルを身につけたい方まで、目的は大きく異なります。
スチューデントビザには、年齢制限・人数制限がないため、日本国籍を持った13歳以上の方であれば、誰でも留学に行けるチャンスがあります。
ただし、現地で金銭の発生するアルバイトやインターンシップが許可されていない国・地域があるため、以下の表を参考にしてください。
国・地域 | 就労規制 |
アメリカ | × |
カナダ | × |
イギリス | 20時間/週(ホリデー期間:フルタイム可) |
オーストラリア | 40時間/2週(ホリデー期間:フルタイム可) |
ニュージーランド | 20時間/週(ホリデー期間:フルタイム可) |
留学は、期間が長くなるほど高額な費用が発生するため、経済的な心配がある方は、就労が許可されているスチューデントビザを取得できる国・地域を選択するのが賢明です。
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは、日本が協定を結んだ国の18歳〜30歳に該当する若者たちが、互いの国で一定期間、休暇を過ごすことができる制度です。
通常、観光客は就労できませんが、ワーホリのビザを取得していれば、お金を稼ぎながら休暇を堪能できます。
「留学は高すぎて現実的ではない…」と諦めていた人でも挑戦しやすい点が魅力です。
2023年1月の時点で日本が協定を結んでいる国・地域は26か国あり、そのうち英語圏の国・地域は、以下の5か国です。
- オーストラリア
- ニュージーランド
- イギリス
- カナダ
- アイルランド
見てわかる通り、アメリカは協定国に当てはまらないため、ワーキングホリデービザで滞在することはできません。
留学は、入学する学校が決まっているのであればスチューデントビザの申請が通りやすいのですが、ワーキングホリデービザは、いくつか厳しい条件があります。
年齢制限はもちろん、国によっては最低50万円以上の預金が必要であったり、1年間で受け入れているワーホリの人数に制限があり抽選で申請の権利を得なくてはならなかったりします。
ただし、ワーキングホリデービザで就労できる先は、ホテルや日本料理レストランなど限られているため、会社員として積極的にビジネス英語を使う機会は少ないと考えた方が良いです。
また、場所によっては日本人が多くいたりするため、日本人コミュニティと固まってしまうと、ほとんど英語を習得せずに帰国することも少なくありません。
英語力を伸ばすには、留学とワーキングホリデーどちらがおすすめ?
結論からお伝えすると、英語力を伸ばすためには長期留学がおすすめです。
ワーキングホリデーよりも留学がおすすめという最大の理由は、「英語学習に集中できる」からです。
専門学校、大学、大学院であれば、現地の学生の中に混ざりながら、英語を用いて専門的な勉強をするため、より高度な英語力が得られるでしょう。
語学学校に行くとしても、集まる学生は「英語を習得したい」という明確な目標を持っていて、先生たちも基本的に日本語が話せないため、英語を使う環境を整えられます。
セメスターごとに英語力の伸びをチェックする実力テストも実施されるため、どれだけ英語力が伸びているのか可視化できる点が強みです。
一方、ワーキングホリデーは、「海外で働きながら休暇を楽しめる」という名目の制度であるため、集まる人たちは必ずしも英語習得が目的とは限りません。
ワーキングホリデービザを持っていても語学学校に通うことは可能ですが4ヶ月〜6ヶ月ほどの制限があるため、それ以上の在学はできません。
渡航したタイミングで英語力が足りないと判断されると、接客ではなく裏方の仕事に回されたり、日本人観光客の多いお店での採用になりやすいです。
英語習得がしたくて、ワーキングホリデーにきたのに、英語を話す機会がなければ、あっという間に12ヶ月が過ぎて、帰国することになるでしょう。
実際に、ワーキングホリデーに行ったものの、同じような英語しか使う機会がなくて、ほとんど伸びずに帰ってくることになったという声も多く寄せられています。
そのため、ワーキングホリデーで英語力を飛躍的に伸ばすためには、自分から現地の友達を作りに行ったり、英語に触れる機会を作るなどの努力が必要です。

ワーキングホリデーは行かない方がいいって本当?
ワーキングホリデーについて調べてみると、「意味がない」「失敗した」「時間の無駄」などネガティブな声が寄せられていて心配になった方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、ワーキングホリデーは充実した時間を過ごすことができれば、必ずキャリアとして身につくため、決して無駄ではありません。
では、なぜワーキングホリデーに関して、ネガティブな反応が多いのでしょうか。
具体的な失敗例と失敗しないための方法について解説します。
英語力が足りなかった
語学留学であれば、渡航時の英語のレベルに合わせてクラス分けがされて、着実に英語力を伸ばすための授業が受けられます。
一方、ワーキングホリデーの場合、英語のレベルに関わらず現地の人たちに混ざって仕事をしなくてはならないため、言語の問題があると苦労することになります。
英語力を問わない国・地域でワーキングホリデー制度を使う場合は、最低限のコミュニケーションが取れるレベルの英語力を身に付けておくことが大切です。
実際に、英語力が足りない中、ワーキングホリデーに挑戦した結果、仕事場でのコミュニケーショントラブルが起きて、精神的に疲れてしまったり、自信を無くしてしまったという声が寄せられています。
英語を話すことに抵抗を持ってしまうと、日本人コミュニティに逃げたくなったり、仕事以外の場所でアクティブになれなくなったりして、何も得られずに帰国することになります。
帰国後、就活で役に立たない
ワーキングホリデーが就活で不利になるという話は、よく聞きますが、それは「ホリデー(休暇)」のイメージが強いことが理由に挙げられます。
そのため、「1年間仕事をしていた」というより「1年間旅行をしていた」と判断されがちなため、キャリアアップにつなげることが難しいのが現状です。
そのため、就活で有利になるためには、同世代が学校でスキルや知識を身につけている代わりに、企業でキャリアを積んでいる代わりに、ワーキングホリデーで得たものが何かを説明できなくてはなりません。
「英語を使って仕事をしていました」「多国籍の人たちと生活をして価値観を広げました」というだけでは、就職活動で有利になることはないでしょう。
逆に、将来を見据えずに目先のことだけを考えて生きているとネガティブな印象を与えるリスクもあるため要注意です。
ワーキングホリデーを有効活用するためには?
ワーキングホリデーを有意義なものにして、就活で強みになるようにするためには、明確な目標設定と具体的に成果を出すことが求められます。
「なぜワーキングホリデーに行くのか」の理由を深掘りしたときに、「将来的に英語を使った仕事をしたい」「グローバルな環境で働きたい」というゴールがあったとします。
その場合、実際に英語力が伸びたことを証明できるように、ワーキングホリデーに行く前と行った後のTOEICの点数の差を比較して、努力した旨を伝えてみると、ただ遊んでいたわけではないことが証明できます。
また、現地に進出している日系企業で働く人たちとコネクションを作ったり、無給で職業体験させてもらったりするなどの経験を積むと、実績として話すことができるでしょう。
ワーキングホリデーの滞在期間中の工夫次第では、人生経験を積んで、成果を出して、就活を有利に進めることができるチャンスがあることがわかります。
留学・ワーキングホリデーで英語力を伸ばす方法
英語力を伸ばすためには、ワーキングホリデーよりも留学の方が良いとお伝えしましたが、実はただ留学するだけでは英語力が飛躍的に伸びないケースがあります。
留学をするにしても、ワーキングホリデーをするにしても、ある程度自分の意識とモチベーションを高く持ち、努力が必要です。
「せっかく留学やワーキングホリデーをしたのにも関わらず英語力が伸びなかった」なんてことにならないよう、次のポイントに注意して生活しましょう。
日本人コミュニティで固まらない
留学・ワーキングホリデー先では、英語力に自信がない日本人ほど、日本人コミュニティに依存してしまう傾向にあります。
渡航するまでは、「英語漬けの日々を送るぞ」と構えていたとしても、現地に行くと日本語が話せる安心感に頼ってしまいがちです。
クラスメイトや同僚の中で、日本語が話せない人と友達になって、積極的に食事をしたり、休日を一緒に過ごすような環境づくりを徹底しましょう。
机に向かって勉強をする
留学やワーキングホリデーでは、実践的なコミュニケーションこそ英語力向上に直結すると考える方が多いですが、実はこれは間違いです。
日常会話や基礎的な部分では、自然と身につく英語もありますが、ビジネスで通用する英語を話せるようになるためには、文法や語彙力を身につけることが大切です。
そこで、実践的な練習以外に、文法やボキャブラリーを勉強する時間を設けて、覚えたことを実際に使う訓練をするようにしてください。
まとめ
この記事では、留学とワーキングホリデーを比較して、英語を伸ばすためにはどちらが適しているかについて解説しました。
結論として、ワーキングホリデーよりも留学の方が語学の勉強に専念できるという点から適しているとお伝えしましたが、工夫次第でワーキングホリデーを使って英語力を伸ばすことができます。
留学をするにしても、ワーキングホリデーをするにしても、的確な目標を定めて、それを達成するために行動することが大切です。
計画的に留学・ワーキングホリデーの準備をして有意義な時間をお過ごしください。
