オーストラリアは、エアーズロックやグレートバリアリーフ、ブルーマウンテンなど壮大な自然と人とが、昔からうまく共存してきた、とても魅力のある国です。
また、オーストラリア人の性格は温厚で、移民を多く受け入れてきたこともあり、外国人に対してとても寛容です。そのため、住みやすく、気候も比較的温暖なことから、世界中から留学生が集まります。
そんなオーストラリアに、住んでみたい!留学に行ってみたい!と思っている人に、
オーストラリア唯一の国立大学でもあるオーストラリア国立大学について、「オーストラリアの国立大学 ”ANU” の気になることをまるごと回答!」と題して、ご紹介していきます。
オーストラリア国立大学ってどんな感じなの!?と思った人は、ぜひ最後まで読んでください。
オーストラリアの大学とは?
まず初めに、オーストラリアには、どんな大学があるのか見ていきましょう。
オーストラリアでは、世界的にも珍しく、私立大学がたったの2校しかありません。
国内にある他の全39校は、国や州によって管理、設立された国公立の大学なんです。
その内の、1校が国立、38校が公立大学となっています。
日本で、「国公立の大学」と聞くと、偏差値のレベルが高くて、入学するハードルが高い印象がありますが、オーストラリアでは、国公立の大学に進学することは普通のことなんです。
その中でも、様々な分野から情報を集めたデータに基づいてランキング化された、世界大学ランキングに、毎年多くのオーストラリアの大学がランクインしています。
国公立のため、国や州によって管理された高い教育レベル、環境を維持することができるのが、理由の一つでもあります。
オーストラリアの国立大学についてまるごと解明!
※主な情報は、オーストラリア国立大学公式ホームページの情報をまとめた日本語版のサイトを参考にしています。
そんなレベルの高い、オーストラリアで唯一の国立大学である、オーストラリア国立大学(The Australian National University)、頭文字を取って、通称 ”ANU” と呼ばれるこの大学とはどんな大学なのか、気になる質問に全て回答しました。
1. ANUの特徴は?
ANUは、オーストラリア国内の名門大学群である「Group of eight」のメンバーであり、
また、ケンブリッジ大学やイェール大学など世界トップレベルの大学が集まるネットワーク
「IARU」の1校でもあるため、正真正銘の世界的にも格式のある名門大学です。
元々は、オーストラリア政府が国家レベルの重要な研究を行うために設立された大学なので、国内最高レベルの学者・研究者が多く在籍していて、研究重視型の大学なのが特徴です。
そのため、卒業生にはノーベル賞受賞者も多数、排出していることでも有名です。
2. ANUの世界大学ランキングは?
ANUのQS世界大学ランキング順位は30位で、日本のトップである東京大学が23位なので、いずれも50位以内に入る世界トップクラスの大学であることが分かります。
この順位は、世界的な高等教育評価機関である QS(Quacquarelli Symonds)が発表している世界大学ランキングで、過去最大の1500もの大学の中から選ばれています。
3. ANUにある学部は?
そんなANUにはどんな学部があるのでしょうか?
学部は、人文社会科学、商学/経済学、アジア太平洋学、工学/情報工学、法学、
医学/生物学/環境学、数学の7つがあります。
ANUでは、それぞれの学位をフレキシブルに組み合わせることができる、フレキシブルダブルディグリーを採用していて、同時に2つの資格を取得し、2つの学士号で卒業することもできます。
また、ANUは授業には少人数制を使用していて、講師一人につき、見る学生の数は少ないので、講師との距離が近いのが特徴です。
4. ANUのキャンパス内の施設は?雰囲気は?
ANUのキャンパスは、キャンパスを北東から南西に流れるサリバンクリーク(小川)を挟んで、8つの区域に分けられるほど広大です。
その広大な敷地には、図書館が3つ、コンピューター室、アートギャラリー、スポーツ施設、託児所、カフェ、レストラン、銀行、旅行会社、本屋、医療センター等があり、小さな郊外の街のようになっています。
そして、全学生の約20%近くにあたる5,000人以上が、キャンパス内の学生寮で暮らしていて、夕方になると野鳥やカンガルーが遊びに来るほど、自然豊かな雰囲気です。
5. ANUがある都市の雰囲気は?
ANUは、オーストラリアの首都キャンベラにあり、キャンベラはオーストラリアのどの州にも属さない、ACT政府特別地域に指定されています。
そのため、大学のすぐそばには、オーストラリア連邦議会、首相官邸、オーストラリア高等裁判所などの重要な政府機関が集まるほか、国の重要な美術品や芸術品を展示する国立博物館、国立図書館、国立美術館などもあります。
他のシドニーやメルボルンのような都会とは異なり、賑やかさはありませんが、
オーストラリアの政治の中心に相応しい、勉強に集中できる環境が整っています。
6. ANUの入学条件は?
現在、残念ながらANUでは、入学準備コースのファウンデーションコース、ディプロマコースが停止されていて、日本の高校を卒業したばかりの人については直接入学ができなくなっています。
もし、高校卒業からすぐに入学を希望するのであれば、国際バカロレア等の高校卒業資格を持つ場合のみ直接学部入学が可能になります。
もしくは、専攻に関わらず学士号を取得している場合には、直接入学ができ、学士号の卒業資格と英語のスコアで入学の判断がされます。
7. ANUの学費は?
名門校のオーストラリア国立大学の学費は気になりますよね。
授業料は、専攻する学部や年度によって多少異なることがありますので、参考程度にしてください。
<1年間の授業料>
学部の場合
ビジネス・経済:A$45,360(約430万円)
人文学 :A$42,560(約403万円)
政治・国際学 :A$45,360(約430万円)
科学 :A$47,940(約454万円)
名門大学となれば、授業内容や研究設備などが充実しているので、他の公立大学と比べると、授業料が高くなるのは避けられません。
ですが、もし経済的な支援が必要であれば、オーストラリア政府がANUの学生向けに出している奨学金制度もあります。
また、日本政府や民間団体が支援している奨学金制度もありますので、使えるものは使っていきましょう。
8. ANUに日本人はいる?
全くいないわけではありませんが、多くありません。
ANUは、学生の大体30%くらいが留学生なので、アジア人が特別目立つことはありませんが、日本人はほとんど見かけないようです。
また、ANUには「ANU Japan Club」というサークルようなものがあり、日本人留学生や日本に興味のある様々な国籍の学生が集まり、定期的にlanguage exchangeや、キャンプ、sukiyaki partyやkaraoke nightといった、日本文化に関するイベントをやっているそうです。
日本が恋しくなった時に、このようなイベントがあると嬉しいですね。
9. ANUの大学院は?
ANUの大学院コースには、国際関係学、公共政策、経営学(MBA)、環境学があり、
特に、国際関係学では、太平洋アジアを主軸に置いて国際関係について学ぶことができるので、日本人にとっても興味深い学部です。
また、オーストラリア政府からも教育の質の高さから、最高ランクのA1を付けられたことのあるビジネス経済学部(College of Business and Economics)も人気です。
大学院の入学条件は、学士号を取得していることと、最終学歴での成績(GPA/評点平均)、必要な英語力が備わっているかで判断されます。
10. ANU卒業後の就職は?
ANUの卒業生には、オーストラリアの元首相や、政府官僚、最高裁判事、ノーベル賞受賞者などがいますが、一般的な日本人の就職先としては、オーストラリア国内の一般企業や、日本国内でも就職できる可能性も高いようです。
大学側の就職サポートも充実しており、オーストラリア卒業生就業率のランキングでも上位に入っています。
参考:Times Higher Education “Global Employability” University Ranking 2021
日本の大学と違う点は?
オーストラリア国立大学について、色々見てきましたが、そもそも日本の大学と大きく異なる点がいくつかあります。
・1年は2学期制
ANUでは、学期の始まりは2月と7月です。
前期が2月からスタートし、学期末には試験があり、2週間ほどの休みを挟んで、また後期が7月からスタートし、学期末の試験と休みの流れになります。
・入学から卒業まで3年
オーストラリアの大学では、順調に行けば大体3年で卒業のスケジュールになります。
もし、正式な入学の前にファンデーションコースや別の大学のカレッジ、語学学校を経由したとしても、日本の大学と同じ4年くらいで卒業できます。
・入学試験はない
日本の大学のような入学試験は、オーストラリアにはありません。
留学生の場合、オンラインで大学側に必要書類を送り、入学が許可されたら、メールで入学許可証が来ます。
その後、学生ビザの申請をし、取得できれば渡豪となります。
ANUの場合も、入試試験がない分、提出書類である最終学歴の成績表は、かなり重要になりますので、今後入学を目指すのであれば、成績と英語力はしっかり身につけておいてください。
まとめ
「オーストラリアの国立大学 ”ANU” の気になることをまるごと回答!」と題して、
オーストラリア国立大学についてご紹介してきました。
ANUは、オーストラリア国内でもトップクラスの大学です。
また、世界に出ても引けを取らない名門大学でもあります。
その分、日本人の留学生にとっては、直接入学するのに少々ハードルが高いように思いますが、直接入学する以外にも、日本の大学からの編入や、ANUが直接入学を認めているセカンダリー資格を終えることで、進学を目指すこともできます。
また、オーストラリア国内には、ANU以外にも魅力的な大学がたくさんあります。
たくさんの選択肢の中から、自分が学びたい分野がある学部を選べるように、事前の下調べはしっかりしてくださいね。
みなさんの大学生活が充実した日々になることを祈っています。
最後までお読みいただきありがとうございます。