留学や旅行で海外に滞在すると、さまざまなカルチャーショックを体験することもあるかもしれませんね。異国に行けば、文化の違いによるカルチャーショックが起こるのは当然のことですが、事前に具体的な違いを知っておけば、ショックを軽減できるかもしれません。
そこでこの記事では、留学中などに体験するカルチャーショックについて具体例をご紹介します。これを参考に海外との文化の差を学んでおけば、心の準備ができるはずです。
留学中に体験するカルチャーショック!よくある10の例
海外の文化は日本とは全然違うとわかっていても、実際に体験するとびっくりしてしまうことは多々あるはずです。特に留学などで長期間の海外滞在をする場合は、驚くことが多いでしょう。
ここでは、留学中に体験するカルチャーショックを、実際に留学した人たちの体験談をもとにまとめてみました。こちらは英語圏へ留学した人たちの体験をまとめたものですが、特に欧米の国でも共通する内容が多いですから、英語圏以外に行く方も参考になるはずです。
室内で土足と裸足の境界がない
日本には玄関があり、靴はそこで脱ぎますが、海外では土足と室内の境界がないことが多いです。家のドアはありますから「玄関」という概念はありますが、家の中でもそのまま靴で過ごす人も多いです。
最近では日本などの国の影響を受けて、室内では靴を履かない人も多くなってきてはいますが、日本人に比べるとそのあたりの境界は緩め。室内では室内履き、もしくは裸足で過ごすという人でも、急いでいたら、靴のまま家の中に入ってしまうことも少なくありません。
日本人的には、家の中でまで靴を履いているとくつろげないかもしれませんね。しかしだからと言って、みんなが土足で歩いている場所で裸足になる気にもなれないでしょう。
こうした事情から、留学をする際にはリラックスできるサンダルなどを室内履きとして用意することをおすすめします。
料理の品数が少ない
特にホームステイをする人にかかわることですが、海外のお家ごはんは、品数が少なめなことが多いです。これは国にもよるのですが、特に英語圏はその傾向が強く、主菜がどーんとあって終わり。なんてことも珍しくありません。
日本だと、人によっては2~3品と汁物という食事が習慣化している人もいるでしょう。そういう人だと、海外に行った時に、料理の品数が少ないことにビックリするかもしれません。
そして日本での米のように「主食」という概念があまりなく、ご飯やパンが添えられない食事も普通です。主食としてというわけではありませんが、じゃがいもが添えられていることは多いので、炭水化物に困ることはないでしょう。
日本人に比べると体の距離が近い
英語圏を含め、欧米では日本人に比べると他人との体の距離が近いです。他人の体に触れることに抵抗がないため、肩を叩くくらいのことは、それほど親しくない間柄でも普通です。
また、国によっては「はじめまして」の挨拶であっても、頬を近づけ合うチークキスと軽いハグをかわすことも。
日本人はパーソナルスペースが広く、人との距離を取りたがる人が多いですから、体の距離の近さに疲れてしまう人もいるかもしれません。でも逆にその文化が好きだという日本人もいますから、合うかどうかは人によるでしょう。
知らない人とでも気軽に話す
個人差や地域差はありますが、英語圏では日本に比べると、知らない人と気軽に話す雰囲気があります。
たとえばバス停でバスを待っている時に、知らない人と「バスなかなかこないね」「今日は天気が良いね」という程度の会話をかわすのは普通です。道で困っていそうな人を見つけたら「大丈夫?」と声をかけるのも普通ですし、逆に困っている時に「助けてくれませんか?」と声をかけるのも、日本に比べると気軽に出来ます。
慣れていないと突然話しかけられるかもしれませんが、その時の周辺の状況や天気についての会話や、道案内、ベビーカーや重たいものを持ちあったりするくらいの会話なら、怪しむ必要はありません。
ちなみに日本だと、大阪はこの「知らない人とでも気軽に話す」傾向が強い地域です。欧米から来た外国人の中には、大阪を好む人も多いのですが、それは大阪の人が彼らにとって会話がしやすいからの模様。
ですから、日本人でも大阪の人のように知らない人とでも気軽に話すなら、留学でカルチャーショックを受けることはあまりないでしょう。
貧富の差が激しい
英語圏に行ってある程度過ごせば、日本よりも貧富の差が激しいことに気づくかもしれません。海外は日本に比べればホームレスがとても多いですし、なんとなく見た目で貧富の差がわかってしまいます。
日本にいると、「あの人貧乏そうだな」なんて感じることはほとんどないでしょう。ですが、海外に行けば、パッと見て、なんとなく良い生活はしてなさそうな人がわかってしまいます。
これは日本は収入の差は激しいものの、本当に貧しい生活をしている人はかなり少ないからだと考えられます。また、日本人は割と見た目に気を使う人が多いことも関係しているかもしれません。
貧富の差が見た目で判断できると、自分が偏見の目を持っていることに気づいて悲しい気持ちになってしまうかもしれません。しかし、貧しい人が多い地域は治安が悪いことも多いため、見た目で貧富の差が判断できれば、危ない地域に近づかないようにする判断材料にもなります。
鼻水をかんだティッシュを複数回使う
日本人の多くの人が驚くのが、外国人が鼻水をかんだティッシュを複数回使うことかもしれません。日本人だと鼻をかんだティッシュはそのままゴミ箱に捨てるでしょう。しかし、外国人は折り畳んでポケットに仕舞い込み、また使う……なんて人も少なくありません。
これは、海外のティッシュが日本のものに比べると硬いことが関係しているかもしれません。また、エコ意識が高かったり、鼻水はかむのが当たり前だったりすることも関係しているでしょう。
日本人は鼻水が出るとかまずにすする人も多いですが、海外だとこれは厳禁。気持ち悪がられることもあるので、人前で鼻水をすすってしまわないよう気をつけましょう。
シャワーは毎日浴びない人も
日本人はシャワーやお風呂に毎日入るのは当たり前という人が多いはず。しかし海外だと、毎日入らない人も多いです。特に乾燥が激しい地域や寒い地域では、その傾向が強め。
また、シャワーは毎日浴びたとしても、髪の毛を洗うのは週1回なんて人も珍しくありません。
特に日本人女性は髪の毛を毎日洗う人も多いですから、週1なんてビックリしてしまうかもしれませんね。ですが、逆に欧米の方々が、毎日髪の毛を洗ったら痛みそう……と日本人の習慣にビックリすることもあるんですよ。
違法ドラッグが手に入りやすい
海外では日本より圧倒的に違法ドラッグが手に入りやすいです。大麻くらいなら、誰でもすぐに買えてしまいます。
ですから、海外に行くと大麻や違法ドラッグを目にすることもあるでしょう。ひょっとすると、ハウスシェアのシェアメイトが大麻を吸っているなんてこともあるかもしれません。
そんな状況にビックリしてしまうかもしれませんが、海外の多くの地域ではドラッグは違法ですし、そんな光景を見ても絶対に手を出してしまわないように注意してくださいね。
ベジタリアンが多い
特に欧米ではベジタリアンやビーガンと呼ばれる人がとても多いです。どこのレストランでも、ベジタリアン・ビーガン向けのメニューがありますし、ビーガンミートと呼ばれる植物性の食材を使ってお肉のようにみたてた商品も種類が豊富です。
日本ではベジタリアン人口がとても少ないですから、この状況に驚く人もいるはず。ですが、数少ない日本のベジタリアンたちにとって、欧米諸国は食生活面では過ごしやすいかもしれません。
仕事の休暇が多い
全ての国がそうというわけではありませんが、欧米は仕事の休暇が多く、しかもしっかり休暇が取れることが多いです。2週間のバカンスを1年に1〜2回するのは当たり前。むしろ、みんなそのために働いているような雰囲気さえあります。
連続した有給休暇が取りづらい日本からするとちょっと羨ましい状況ですね。有給休暇を申し訳なさそうに取る必要もなく、むしろ取らないと「休暇はいつとるの?」なんて急かされることもあるんですよ。
留学中にカルチャーショックを受けたらどうすればいい?
留学中にカルチャーショックを受けた場合、ただビックリしたり、新鮮に感じて面白いと思ったりするくらいなら、特に問題はないでしょう。
しかし、カルチャーショックの内容によっては、慣れない異文化がストレスになってしまうこともあるかもしれません。
海外に行ったら、その国の文化に溶け込もうとする努力は大切です。しかし、無理をしすぎる必要はありません。
たとえば、家の中を土足で歩くことは、現地の人を変えるのは難しいですから、慣れるしかないでしょう。ですが、体の距離が近すぎてつらいときには「日本人はあまりハグなどをしないから」と説明することで、カルチャーショックから起こるストレスを軽減することができるでしょう。
いくら現地の文化に溶け込みたいと思っていたとしても、すぐに自分を変えると、それがストレスになってしまうこともあります。
せっかくの留学生活ですから、なるべくストレスを抱えず、楽しく暮らしていたいですよね。
重要なのは、異国の文化に敬意や理解を示すこと。そして、どうしても現地の人と同じ行動ができないと感じることには解決策を見つけることです。
相手の方も、あなたの敬意や理解を感じれば、同じように日本文化への敬意を示してくれます。現地の人と同じようにはできなくても、相手のことを傷つけないような気遣いができれば、特にトラブルにはならないでしょう。
カルチャーショックはストレスに感じるより楽しんで!
海外滞在が始まると、カルチャーショックの連続で心が疲れてしまうこともあるかもしれません。ですが、あまり気にしすぎると、却ってどんどんストレスが溜まってしまうもの。
カルチャーショックを受けた時には、それをストレスに感じるよりも、むしろ「面白い!」と思ってその違いを楽しんでみましょう。
違いを楽しめれば、たとえ現地の人と同じように行動できなかったとしても、気持ちは軽くなるはず。そんな体験も貴重な体験だと、大事に受け止めてみてはいかがでしょうか。