最近は円安がニュースでも取り上げられていて、円の価値が大変下がっていますよね。これはこれから海外へ長期滞在する方にとってはかなり大きな打撃です。簡単に言えば、海外の学費や寮費などがどんどん高くなってしまうのですから…。今回は、円安の場合留学を強行すべきか断念すべきか、その判断基準をご紹介していきます。
円安が留学に及ぼす影響
海外で生活するに当たり、いろいろな物が必要になってきます。お土産だって買いたいでしょう。しかし、円安になると海外の物価は高くなりますから、そう簡単には手が出せないなんてこともありえます。せっかく留学をしているのに金銭の問題で買い物を渋るなんてことは、できればしたくないでしょう。
また、地域にもよりますが、海外ではチップも支払います。日本人の感覚ではわかりづらい習慣ですが、チップも込みであらゆるサービス料を考えるとやはり高いです。新聞の経済面を見ると今の為替レートでドルやユーロ、ポンドなどが、円に換算するといくらになるか載っています。日々円安を痛感するのは、こういった新聞やテレビで1ドルがどんどん高く感じるときではないでしょうか。
円安での留学は避けた方が良い?
円安の中で海外留学を検討しているなら、避けるべきかという問題は頭によぎるでしょう。この場合、答えは状況によって違うものになります。
留学を強行すべきは大学生
例えば、円安でも留学を強行した方が良いのは大学生です。特に、1年間の交換留学や語学留学を検討していて、その後は日本に帰国し、周りと一緒に就活をしようと考えている場合です。一般的には多いプランだと思います。この場合、留学を強行しなかったら次にいつ留学できるかわかりません。円安の影響がいつ収まるかなんて、誰にもわからないからです。実際、ロシアが突然ウクライナに戦争を仕掛けるなど、予想しなかったことが起きていますよね。
海外留学をしたいと考えているなら、その覚悟は相当なものだと思います。軽い気持ちでは、一人留学先へ旅立って行っても太刀打ちできないからです。そんなに強い思いがあるのに、円安という理由で留学をあきらめられますか?大学生なら、社会人になってから留学なんてそうそうできるものではありません。よって、留学するなら今しかない方も多いはずです。
確かにお金は、円高だったら良かったのになと激しく思うほど多くかかります。もしそれがご両親のお金なら、留学中に気兼ねなく使えないかもしれません。ですから、私がおすすめするのは、アルバイトをして少しでも自分でお金を貯めて、気おくれすることなく自由に現地でお金を使えるようにすることです。
余談になりますが、私自身はイギリスに1年間の留学をしたとき、すべて自分がアルバイトで稼いだお金で過ごしました。何が良かったかというと、どこに行って何をしてもお金を使うのに罪悪感がなかったことです。もしこれが親のお金だったら躊躇してしたかもしれません。そうならないよう、私は大学1年生のときからコツコツと1日4時間のアルバイトを週2で続けていました。長い目で見て早くに行動を起こせば、そんなに頑張らずともお金は貯まっていくものです。
留学を断念すべきは金銭的に厳しい方
留学にはただでさえお金がかかりますが、そこに円安が関わってくると相当の金額になってしまいます。それでも、社会人として働いて後でお金を貯めれば良いのですが、それすら難しい状況にある方は、円安が解消してから留学を検討すべきかもしれません。留学そのものを断念するのではなく、時期を待つのです。
もし、まだ学生で、留学費用は親に頼らざるを得ないという場合、親の収入や家計のことも考えてみましょう。一般的に、日本のサラリーマンが生涯に稼ぐお金は2~3億円と言われています。
日本のサラリーマンの一生涯の収入は2〜3億円といわれています。ただし、これは手取りではありません。税金や健康保険、介護保険などが20%と考えれば、収入がたとえ3億円なら6,000万円が取られます。家の住宅ローンを支払っていくときには利子もつきますから、7,000万円ほどかかるとしましょう。そして生活費は総務省家計調査2020から考えると、4人家族で年に400万円なので、30歳から80歳までと考えれば1.6億円かかります。
さらに子ども2人が塾に通っていれば年120万円。仮に小学校から高校までの12年間通っていたなら1,440万円です。
ざっくりとした計算になりますが、仮にお父さんのみが働いている家庭だと、留学費用をそこから捻出するのは厳しいことです。つまり、留学したいなら、ある程度は自分の力で稼がなければいけないということ。出世払いでも良いと言ってくれたら感謝して楽しむべきですが、それではどうしても今この時が苦しくなるというならば一度家族会議をしてみましょう。
奨学金が利用できないか調べてみよう
円安という情勢の中で留学をするためには、調べておいて損がないことがあります。それは奨学金です!奨学金には、返済しなければならないものと返済しなくて良いものがあります。どちらの場合でも、留学の足しになるのなら利用しない手はありません。
大学生であるならば、大学から奨学金がもらえないか調べてみましょう。知らされていないだけで、利用できる制度があるかもしれません。留学を手配してくれる大学であれば、留学支援センターなどへ足を運び、どのような制度があるか相談してみることをおすすめします。自分から動かないと情報が飛び込んでこないので、サポートしてくれる場所を適切に知っている人が得をする仕組みになっています。
ひとつの例としては、外国語学部があり、留学制度を活発に取り入れているところは支援も充実しており、留学者全員に20万円ほどの奨学金が配られることがあります。返済義務がないため、実質もらえるものです。また、成績優秀者に対し、限定でさらに10万円の奨学金が上乗せされる制度を設けているところもあります。
あとは、大学が国や自治体が運営している組織に働きかけて、生徒が留学中であっても奨学金を確保してくれたりもします。実際、交換留学中に急に大学からメールが来て、月に8万円を3カ月もらえることになったという学生もいます。合計したら24万円が無料でもらえるわけです。もし、大学から20万円、国から24万円もらえたら、44万円分の楽ができることになりますよね。これはかなり大きなアドバンテージです!
滞在場所はできるだけ安いところにしよう
円安の中でもどうしても留学したいなら、比較的費用が抑えられる滞在場所を見つけることをおすすめします。例えば、留学先の大学が運営している寮や、シェアハウスですね。
食事つきの学生寮
寮の場合は、学食での朝食、夕食込みでの金額が提示されているところも多いです。食事を作るための光熱費や、カップ麺などの食費も考えたいなら学食と寮の費用がセットになっているところを選びましょう。もし学食の食事がバイキングなら、好きなだけ食べられてかなりお得です。
ただし、気を付けなければならないのは、寮は防音性が低かったり、エレベーターが壊れていたり、決して快適性を追求した建物ではないということです。お金をかけた寮なら例外ですが、海外の寮にあまり期待はできません。
国際色豊かな学校に留学するのであれば、あらゆる習慣や文化を持った人たちが好きに暮らします。派手にパーティーをし、自分の部屋の前の廊下で酔っぱらって寝そべっている人たちがいる中で寝られるでしょうか。壁が薄いなら、耳栓をしても効果がないかもしれません。そういった場合には、相手にわかってもらうように英語で説明する必要が出てきます。寮とはいえ、ご近所づきあいが上手くないと快適に暮らせません。
また、寮ではトイレとお風呂は共有というところも多いですし、年齢、国籍、性別関係なしに部屋が割り振られることもあります。
シェアハウスで滞在費を節約
世界各国からやってくる学生たちにもまれたくないなら、寮よりもシェアハウスでの生活をおすすめします。寮より小規模なので、性格が合う人たちなら過ごしやすくなるでしょう。一人部屋でプライベート空間を完璧に守りたいというならば向いていませんが、それでも円安の中留学するなら費用を大幅に抑えることができます。
基本的に食事や掃除などの家事は当番制になることが多いですが、そこに住む住人同士で話し合ってルールを決めることになります。現地で手に入れたいものがどこに売っているかわからない場合は、シェアハウスで暮らす仲間に教えてもらって徐々に料理を作れるようにしていきましょう。こうすることでより現地のことがわかるようになるので、生活力がつきます。
シェアハウスではプライベート空間が少ない分、住人と仲良くなりやすいので、現地で友達作りに困りそうと予想している方は考えてみましょう。また、体調不良になったときに住人に世話をしてもらうこともできるため、海外で一人暮らしをするよりはかなり心強いです。現地のことをよりよく知っている人に薬を買ってきてもらったり、現地にある食材で消化に良いものを作ってもらったりしてもらえば大いに助かりますよね。他人との暮らしに慣れていない分、こういったメリットもあるので円安時には考えておきたいものです。
まとめ
海外に長期滞在したいときに円安になると、「なぜ今なのか」と困ってしまいますよね…。しかし、留学自体をあきらめる前に、まずはもらえる奨学金がないか、制度をしっかり調べてみましょう。また、今からでもアルバイトをしてお金を貯めれば、少しでも足しになります。現地で寮やシェアハウス生活を送ることで家賃は安くなりますし、やりようによっては節約が可能です。暮らし方を上手く考えて、世界情勢に振り回されずに留学する方法を見つけてみましょう!