オーストラリア留学中のお金の管理方法として、デビットカードを検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、デビットカードを初めて利用する方にも分かりやすいように、その特徴を現金やクレジットカードのメリット・デメリットと比較します。オーストラリア留学へ持っていくお金の管理方法を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1.オーストラリアへどのようにお金を持っていけばいいのか
- 2.オーストラリアのキャッシュレス社会の実情
- 3.オーストラリア留学でデビットカードがおすすめな理由
- 4.オーストラリア留学で使えるおすすめのデビットカード
- 5.まとめ
1.オーストラリアへどのようにお金を持っていけばいいのか
オーストラリアへのお金の持っていき方は、主に以下の3通りです。
- 現金
- クレジットカード
- デビットカード
一つの選択肢に絞り込むのではなく、紛失や機械トラブル等のリスクを考慮して、複数を組み合わせる方法がおすすめです。特におすすめなのは「現金1カ月分+デビットカード」。ここでは、3つの方法のメリット、デメリットを説明していきます。
1.現金
オーストラリア留学に現金を持っていくメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット
- カードよりも準備の手間がかからない
- 時間・場所を選ばずに利用できる
- (手持ちの場合)ATMの手数料がかからない
デメリット
- 紛失・盗難時に全財産を失うリスクがある
- 店舗によっては、現金払いに前向きでないところがある
現金の場合、オーストラリア留学前の準備は外貨への両替のみです。他の決済手段と比較すると準備の負担を抑えられます。渡航前または渡航後に、現地通貨へ両替しておきましょう。
とはいえ、全額を現金で持っていく方法はおすすめできません。紛失・盗難時に全財産を失うリスクがあるためです。多くの場合、渡航直後の居住費や学費等はオーストラリア渡航前に支払います。現地で大金が必要なケースは多くないため、必要最低限(目安10万円~15万円)にとどめましょう。
また、後ほど詳しく説明しますが、オーストラリアではキャッシュレスが普及しているため、店舗によっては現金での支払いに前向きでないところもあります。クレジットカードやデビットカードと組み合わせて準備しましょう。
2.クレジットカード
オーストラリアにクレジットカードを持っていくメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット
- オーストラリアで口座を開設する必要がない
- 支払い能力の証明として利用できる
- 現金のATM引き出しと比べて手数料が安い
- 24時間いつでも現金を引き出せる
デメリット
- 国際ブランドによっては利用できない店舗がある
- お金を使い過ぎるリスクがある
- ATMの機械トラブル等によって、現金を引き出せないことがある
クレジットカードは後払いのため、口座残高がなくても決済できます。発行には審査を要することから、社会的信用の証明としても利用可能です。また、オーストラリアはキャッシュレス社会のため、ほとんどの店舗でカード決済できます。
一方、仕組みを理解せずに利用すると金銭トラブルの原因になります。口座残高を超えても買い物ができてしまうので、お金を使い過ぎないように注意しましょう。
また、クレジットカードの国際ブランドにも要注意です。日本ではJCBに対応している店舗がたくさんありますが、オーストラリアで対応している店舗は多くありません。「クレジットカードを持っていったのに、現地で使えなかった…」ということにならないよう、複数の銘柄を持っていくとよいでしょう。
3.デビットカード
デビットカードとは、支払いと同時に口座からお金が引き落とされる仕組みのカードです。使い方はクレジットカードとほとんど同じですが、決済のタイミングが異なります。クレジットカードとデビットカードの違いは以下の通りです。
クレジットカードとデビットカードの違い
- 決済のタイミング:クレジットカードは後払い、デビットカードは即時払い
- 年齢制限:クレジットカードは未成年者の申し込み不可、デビットカードは未成年者の申し込み可
- 利用上限:クレジットカードは口座残高以上の利用が可能、デビットカードは口座残高が上限
未成年者やお金の使い過ぎが心配な方は、クレジットカードよりもデビットカードの方がよいかもしれません。
デビットカードのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 原則、審査なしで発行できる
- 口座残高以上の買い物をする心配がない
- 現金よりもお金の管理がしやすい
- カードによってはポイント還元の特典がある
デメリット
- 外貨での決済時に海外事務手数料がかかる
- カードによっては、海外での決済に対応していない
デビットカードとクレジットカードの使い勝手は、ほぼ同じです。大きな違いは、カード申し込み時の審査の有無と利用可能な上限枠です。
デビットカードは申し込み時の審査が不要で、口座残高を超える買い物をしてしまうリスクがありません。オーストラリア留学時の決済手段として人気の理由は、ここにあります。
2.オーストラリアのキャッシュレス社会の実情
オーストラリアでは、日本よりもキャッシュレス化が進んでいます。小さな店舗をはじめ、駅に設置されている自動販売機から、管理者が常駐していない駐車場に至るまで、ほとんどがキャッシュレスに対応しています。
さらに、日本の都心で見られるような大道芸人やアーティストでさえ、小型のカード処理端末を常備しているほどです。
ただし、カード決済ができても、自分が保有するカードの国際ブランドによっては利用できないこともあります。複数の銘柄を持っていくことで、決済できないリスクに備えましょう。
3.オーストラリア留学でデビットカードがおすすめな理由
オーストラリア留学でデビットカードがおすすめな理由は、以下の5つです。順番に解説していきます。
- ATMの手数料が無料(現地で口座開設する場合)
- 現金よりも、紛失・盗難時のリスクを抑えられる
- お金の管理がしやすい
- スムーズに決済できる
- 財布がかさばらない
1.ATMの手数料が無料(現地で口座開設する場合)
オーストラリアの4大銀行のATMでは、手数料を払うことなくお金を引き出せます。滞在期間が長期であれば、現地の銀行口座を開設してデビットカードを作る方法がおすすめです。
2.現金よりも、紛失・盗難時のリスクを抑えられる
オーストラリアは治安がよい国として知られていますが、大金を持ち歩いていればトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。日本でも繁華街や夜道、人通りの少ない時間帯に犯罪リスクが高まるのと同様です。
全財産を現金で持ち歩いた場合、紛失や盗難で戻ってこないリスクがあるでしょう。デビットカードの紛失時は、コールセンターへ連絡すれば使用を停止できます。
3.お金の管理がしやすい
初めての海外留学の場合、オーストラリアで見るもの、体験することの全てが新鮮に感じるでしょう。海外の友人と楽しい時を過ごす中で、お金を使い過ぎてしまうことも珍しくありません。渡航直後の浪費があだとなって、後々の生活が苦しくなってしまわないよう、きちんと管理する必要があります。
現金がメインであれば、お金を使う度に自分で記録しておかなければ収支を把握できません。一方、デビットカードは、利用明細をオンラインで確認できます。使った分を小まめに確認して、使い過ぎを防ぎましょう。
4.スムーズに決済できる
日本円と同じように、オーストラリアドルにも紙幣と硬貨があります。硬貨はゲームセンターのメダルのような絵柄になっており、慣れていないとそれぞれの判別が難しく感じます。
オーストラリアでの買い物に慣れていないと、会計に時間がかかるかもしれません。デビットカード決済時は端末にタッチするだけなので、現金よりも簡単です。
5.財布がかさばらない
日本での会計時、紙幣と硬貨を上手に組み合わせて極力おつりを出さないように工夫する方もいるでしょう。外貨の場合、硬貨の判別が難しく、会計時にあせって紙幣ばかりを出してしまうことがあります。
あなたも、小銭が増えて財布が重くなった経験をしたことがあるのではないでしょうか。デビットカードで決済すれば、そのような心配もありません。
4.オーストラリア留学で使えるおすすめのデビットカード
オーストラリア留学で使えるおすすめのデビットカードは、以下5つです。- Wise(ワイズ):世界中どこでも使える海外送金アプリ
- Revolut(レボリュート):英国初の金融アプリ
- 楽天銀行デビットカード:ポイント還元率1%の特典あり
- Sony Bank Wallet(ソニー・バンク・ウォレット):Visaデビット付キャッシュカード
- りそなデビットカード:ポイント還元率0.5%の特典あり
カード会社名 | 発行手数料 | 年会費 | 海外事務手数料 | ATM手数料 |
---|---|---|---|---|
Wise(ワイズ) | 1,200円 | 無料 | 無料(アカウント内に決済通貨を保有している場合)※1 | 無料(毎月2回・3万円以下の場合)※2 |
楽天デビットカード | 無料 | 無料~※3 | 3.08% | 記載なし |
Sony Bank Wallet(ソニー・バンク・ウォレット) | 無料 | 無料 | 無料(決済通貨を保有している場合)※4 | 1.79%※5 |
Revolut(レボリュート) | 無料 | 無料~※6 | 無料(決済通貨を保有している場合)※7 | 無料(2.5万円まで)※8 |
りそなデビットカード | 無料 | 無料 | 4.4% | 利用手数料220円+事務処理手数料4.4% |
※2:毎月2回以内でも1カ月あたりの出金額が3万円を超えた場合、出金額×1.75%の手数料が発生。3回以上の場合、1回あたりの出金で70円かかり、3万円を超えると70円+出金額×1.75%の手数料が発生
※3:カードの種類によって異なる
※4:両替を伴う支払いの場合は1円につき数十銭~(国によって異なる)の為替手数料、円普通預金口座を開設していない場合には、1回につき1.79%の事務処理手数料が発生
※5:アカウント内に決済通貨を保有していない場合、別途、為替手数料が発生
※6:スタンダードプランは年会費無料、その他プランは月額980円~
※7:スタンダードの場合、月75万円まで指定時間内であれば無料。限度額を超えた場合、0.5%の両替手数料が発生。週末には別途週末手数料1%が発生
※8:2.5万円を超えた場合、2%の手数料が発生
5.まとめ
オーストラリアへのお金の持っていき方は、現金・クレジットカード・デビットカードの3種類です。それぞれにメリット・デメリットがあるので、複数の選択肢を組み合わせて準備しましょう。クレジットカードとデビットカードの使い勝手はほぼ同じのため、現金とデビットカードまたはクレジットカードで検討してみてください。
オーストラリアではキャッシュレス化が進んでいるため、カードを持ち歩けば基本的に買い物に困ることはありません。ただし、国際ブランドによっては使えないこともあるので、カード作成時にご注意ください。万が一、カードが使えなかった時に備えて、少額の現金も持ち歩きましょう。