イギリスに行く予定がある人や、滞在を考えている人は、イギリスの気候がどんなものか気になっているのではないでしょうか。あまり良い噂のないイギリスの気候。雨が多いだとか寒いだとかよく聞きますから、それを理由にイギリス行きを断念する人もいるかもしれませんね。
しかし、イギリスの気候は思っているほどは悪くないかもしれませんよ。
この記事ではイギリスの気候について、その実態をご紹介します。おすすめの服装もご紹介するので、渡英準備の参考にしてくださいね。
イギリスの主要都市の年間気温
イギリスの緯度は北海道と同じくらいですから、暖かい国だとは言えません。では実際にはどのくらいなのか、主要都市に絞って年間気温をご紹介します。
ロンドン
まずはロンドンの月別最高平均気温と最低平均気温を見てみましょう。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
最高 | 9 | 9 | 12 | 15 | 18 | 21 | 23 | 23 | 20 | 16 | 12 | 9 |
最低 | 4 | 5 | 6 | 7 | 10 | 13 | 15 | 15 | 13 | 10 | 7 | 5 |
意外とそれほど寒くない感じがしますね。こちらは1ヶ月の平均値ですので、実際はこれよりも最高気温が高い日、最低気温が低い日もあります。
しかしロンドンは寒くても0度を下回ることが非常に少なく、イギリスの中では温暖寄りな気候だと言えます。
また夏場は30度を超える日もあり、クーラーのない一般家庭では暑いことも。ただ夏は湿気が少ないため日陰は涼しく、日本の30度よりもずっと過ごしやすいでしょう。
マンチェスター
次はイギリスで第二の都市と言われることのあるマンチェスターです。マンチェスターやその他のロンドンよりも北の街への留学を考えているなら、こちらが参考になるでしょう。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
最高 | 7 | 7 | 10 | 12 | 15 | 18 | 20 | 20 | 17 | 13 | 9 | 8 |
最低 | 3 | 3 | 4 | 6 | 9 | 12 | 14 | 13 | 11 | 9 | 6 | 4 |
全体的に2~3度程度、ロンドンよりも気温が低めなのがマンチェスターをはじめとした北イングランドの街の特徴です。(街によってはもう少し寒暖差がある場所もあります)
確かにロンドンよりは寒いのですが、それでも札幌と比べると、冬の寒さは厳しくありません。
夏は夜に冷え込むことがあるものの、全体的に過ごしやすい気候です。
つまりイギリスはそれほど寒くない!
こうして年間気温で見てみると、イギリスは北海道と同じくらいの緯度でありながら、実はそれほど寒くないことがわかったでしょう。
寒さが苦手な人でも、日本の本州の冬を乗り切れているならイギリスでもさほど苦労はしません。
ただ少し暖かい時期が短いことはネックになるかもしれません。特に夏が大好きだという人は、イギリスの気候をつらく感じるでしょう。逆に夏の湿気が苦手な人は、過ごしやすいと感じるはずですよ。
イギリスは雨が多いのは本当なのか
多くの人がイギリスの気候に関して抱く「雨が多い」というイメージですが、これは本当なのでしょうか。
確かに、イギリスは雨が降る日が他のヨーロッパ諸国と比べると多めかもしれません。しかし、噂されているほどではないというのが実情です。むしろ日本の方が雨が多いと感じる人もいるくらいなんですよ。
と言うのも、イギリスでは大雨が降ることはとても稀。もし雨が降ったとしても、数時間くらいで止んだり、小雨だったりといった様子です。長くイギリスに住んでいると、傘を持ち歩いた日が本当に少ないことに気づくでしょう。
曇りの日はやや多めですが、晴れている日も少なくなく、雨か晴れかといった気候ではあまり困ることはないでしょう。
ただ風が強いことがあるので、冬の風が強い日に雨が降ったりするとちょっとつらいかもしれません。それも年に数日のことですから、日本と同程度と思えば、「イギリスは雨が多い」「イギリスは気候が良くない」とは言えないのではないでしょうか。
イギリスに行くのにおすすめな季節
緯度の割にはそれほど寒くなくて、さらに実は雨もそれほど多くないと知って、イギリスに行きたくなってきた人も多いのではないでしょうか。そこでここからは、短期滞在・長期滞在どちらも対象にして、イギリスに行くのにおすすめな季節について解説します。
イギリスに行くタイミングはこちらを参考にすれば、気候に困ることはないでしょう。
8月下旬〜10月
イギリスに行くのにおすすめしたいのは、8月〜10月の間です。特に長期滞在の人にとっては、9月・10月はベストシーズン。9月10月のイギリスはまだそれほど寒くなく過ごしやすいので、着いた時には日本の夏から逃れられてホッとするでしょう。
それでいて、他のシーズンと比べると急激に日本との寒暖差があるわけではなく、体調も崩しづらいのです。
もちろん短期の人にとってもこの時期は観光を楽しめる時期です。8月だとちょっと人が多いかもしれませんが、過ごしやすい気候の中で街歩きが楽しめますよ。
4月〜6月
次におすすめなのは4月から6月の間です。少々寒い日もありますが、こちらの時期も日本との寒暖差が少なめで、さらにサマータイムになっている頃なので遅めの時間までイギリスの街並みを楽しめるでしょう。
長期の人にとっても短期の人にとってもおすすめの時期です。
中期から長期の人だと、この時期に渡英すればイギリスが暖かい時期を存分に味わえるので、冬が苦手な人にもおすすめです。
さらに日本で夏が苦手という人も、イギリスならあまり問題にならないでしょう。イギリスの夏はカラッとしているので、日本ほど暑くは感じませんし、暑いのは日中だけです。
それなら短期滞在者は7月8月でもいいのでは?と思うかもしれませんが、7月8月だと航空券が高くなることや、イギリスの観光地などが混み合いやすいことから、おすすめには挙げていません。
あまり金銭的な面は気にしない人でも、この時期は語学学校なども混み合いますので、おすすめできません。
11月・1月〜2月
最後におすすめするのは11月、そして1月〜2月の間です。
この時期はサマータイムも終わり、イギリスが最も暗く寒い時期。ロンドンでも15時位になると薄暗くなってくるほど、イギリスの冬は暗いです。
ですがこの時期は航空券が安いことや、日本との気候の差があまりないことなど、メリットも多いんです。さらに11月に渡英すれば、クリスマスシーズンのイギリスを楽しむことができますよ。短期であっても長期であっても、11月は渡英をおすすめできる時期です。
短期の人には1月〜2月はおすすめしませんが、長期ならこの時期も十分考慮に入れる価値があります。特に2月は航空券が安く、もうすぐ春が来るので、暗いイギリスの冬をそれほど長い期間味わう必要がないのです。
2月はもうクリスマス・新年ムードもなく、味気ないと感じるかもしれませんが、長期の人ならこの時期の渡英も考えてみても良いでしょう。
12月を除外しているのは、クリスマスシーズンのため航空券が高くなったり混雑したりすることが理由です。12月も初旬であれば、11月と同じようなメリットを楽しめるでしょう。
これだけ準備しておけばOK!イギリスでおすすめの服装
イメージしているよりは寒くないイギリスの気候ですが、やはり日本の本州よりは気温が低く、夏の間も寒暖差が激しいという心配なポイントもあります。
そこで、イギリス滞在中を快適にすごせるおすすめの服装をまとめてみました。どんな服装を準備すれば良いか悩んでいる人は、ぜひこちらを参考にしてくださいね。
羽織もの類
特に夏場にイギリスに行く人が重宝するのが、カーディガンや大判スカーフ、ジャケットなどの羽織ものです。日中は暑く、羽織ものなんて必要ないと思うかもしれませんが、夏場の昼と夜の寒暖差が激しいイギリスでは、羽織ものは本当に重宝します。
また、冬の間も室内で羽織ものはよく使いますよ。イギリスの家はセントラルヒーティングという暖房設備があり、家の中では薄着でいられますが、羽織ものがあればセントラルヒーティングが切れている時にも暖かく過ごせるでしょう。
ヒートテック
冬場は冷え込むこともあるイギリス。ヒートテックはいくつか持っておくと、とても重宝します。インナーにヒートテックを着ているかどうかで、かなり寒さの感じ方が違うのです。
日本でヒートテックを使っている人はもちろん、日本では使わないという人も、イギリスに滞在する時には持っていると安心ですよ。
ヒートテックは薄いものが多いので、かさばらない点も嬉しいですね。
ちなみにヒートテックは現地の人にも人気です。イギリスも都市部にはユニクロがあるので、現地でもヒートテックが購入できるのです。
ただ小柄な人だと、サイズ面で困ることもあるかもしれません。日本からもいくつか持っていっておいて、現地で買い足すのがおすすめです。
コート・ジャケット類
コートやジャケット類は、日本の冬場に使っているもので十分でしょう。日本の暖かい地域に住んでいる人は、暖かいロングコートやダウンジャケットを用意すると良いかもしれません。
イギリスの冬には暖かいコートやジャケットが必要ですが、現地でもコートやジャケットは購入できます。イギリスの気候に合ったものがたくさん販売されているため、荷物を少しでも減らしたい中・長期滞在者なら、現地で調達するのもアリです。
濃いめの色の服
こちらは気候とは関係ない話なのですが、服装つながりということでご紹介します。
イギリスの水は硬水で、軟水の日本とは水質が異なります。その硬水の影響で、白い服が洗濯を重ねるにつれて灰色っぽくなってきてしまうことを覚えておきましょう。
ですから、白い服はあまりおすすめできません。一応対策をする方法はあるのですが、濃いめの服で統一しておくと色移りの心配も少なくなるでしょう。
意外と過ごしやすいイギリスの気候をさらに過ごしやすくしよう
今回ご紹介したとおり、イギリスの気候は噂されているほど悪くはありません。ですが、やはり日本よりは寒く、冬場は暗いという問題はあります。
そんなイギリスの気候をさらに過ごしやすくするためにも、今回ご紹介したおすすめの時期や服装を参考に、イギリス行きの計画を立ててみてくださいね。