ワーキングホリデー(ワーホリ)は、異文化文化を体験しながら働ける魅力的な制度です。しかし、国ごとに異なる就労制限や条件があるため注意が必要です。この記事では、ワーホリの労働時間や就労形態の制限を国別に解説します。フリーランスは可能か?職種やエリアの制限は?など安心して働くための前提知識を解説します。不安を解消し、自分に合ったワーホリを見つけましょう!
ワーキングホリデーの就労制限とは?
ワーキングホリデーの就労制限は国ごとに異なりますが、いくつかの共通する基本的な就労制限があります。
一般的な就労条件
- 労働時間: ほとんどの国で週40時以内の制限があります。
- 職種制限: 一般的には制限がありませんが、特定の職種で資格が必要な場合があります。オーストラリアやニュージーランドでは、ビザ延長に際し職種が指定されています。
- エリア制限: 一般的には制限がありません。オーストラリアでは、ビザ延長に際し勤務エリアが指定されています。
- 自営・フリーランスの可否: 自営業やフリーランスはどの国でも原則として認められていません。
注意点
- ビザの条件は遵守する: ビザの条件を違反すると、滞在の継続が困難になるだけでなく、将来的な再入国にも影響を与える可能性があります。
- 雇い主に迷惑が掛かる場合も: 就労制限やビザ条件に違反した場合、雇用主とともに法的責任が問われる可能性があります。
- 労働時間: 一般的に週40時間以内。
- 職種制限: 一般的に制限なし。
- エリア制限: 一般的に制限なし。
- 自営・フリーランス: いずれの国でも不可。
国別の就労条件を徹底解説
ここでは、英語圏の主要5カ国(オーストラリア、カナダ、イギリス、ニュージーランド、アイルランド)の就労条件を比較し、それぞれのポイントを解説します。
国名 | 労働時間 | 職種制限 | エリア制限 | フリーランス/自営業 |
---|---|---|---|---|
オーストラリア | 制限なし | ビザ延長条件として農業や観光業での就労 | ビザ延長条件として地方での就労 | 不可 |
カナダ | 40時間以内が一般的 | 制限なし | 地域制限なし | 不可 |
イギリス | 週48時間以内 | 制限なし | 地域制限なし | 不可 |
ニュージーランド | 週40時間以内 | ビザ延長条件として農業での就労 | 地域制限なし | 不可 |
アイルランド | 週40時間以内 | 制限なし | 地域制限なし | 不可 |
オーストラリア
- 労働時間: 制限はありません。なお、労働時間以外では、同一の雇用主の下で働ける期間は最長6カ月までという制限があります。
- 職種制限: 制限はありませんが、ビザ延長条件として、農業や観光業の職種が指定されています。
- エリア制限: 制限はありませんが、ビザ延長条件として、地方での就労が定められています。
オーストラリアのビザ延長(セカンドビザ・サードビザ)についてはこちらで更に詳しく解説しています。
【2024】オーストラリアのワーキングホリデービザの申請条件、方法、費用など解説
カナダ
- 労働時間: 法的には制限がありませんが、残業代が発生するため週40時間以内が一般的。
- 職種制限: 制限はありません。
- エリア制限:制限はありません。
カナダでは最低賃金が州ごとに異なり、高時給のエリアを選ぶことが収入を最大化するポイントです。
イギリス
- 労働時間: 最大48時間まで。
- 職種制限: 制限はありません。
- エリア制限: 制限はありません。
1日8時間くらい働いていました。最後のほうは人で不足でめちゃめちゃ働かされましたね。週7日の11連勤とか(笑)。
このように、イギリスでは労働時間制限があるものの、実際には勤務先によって変動したという報告もあります。不明な点は面接で確認しておくとよいでしょう。
ニュージーランド
- 労働時間: 週40時間以内。
- 職種制限: 制限はありません。
- エリア制限: 制限はありません。
アイルランド
- 労働時間: 週40時間以内。
- 職種制限: 制限はありません。
- エリア制限: 制限はありません。
フリーランスで働ける?代替案と注意点
フリーランスや自営業が制限される理由
ワーキングホリデービザの基本条件として、ほとんどの国で自営業やフリーランスとして働くことは禁止されています。この制限は、主に以下の理由に基づいています。
- 就労条件の明確化: フリーランスの場合雇用契約がなく、ビザの管理が困難であるため、政府の不正就労の懸念があります。
- 税務上の問題: フリーランスや自営業は所得報告の管理が複雑で、税収管理を適切に行うための仕組みが整っていない場合があります。
フリーランスに近い働き方の例
フリーランス希望者でも、工夫次第で自分のスキルを活かせる働き方があります。以下は代替案の一例です。
- リモート対応可能な仕事: オンライン環境を活用して働くリモートワークは、フリーランスに近い柔軟性を持つ働き方です。
例)
カスタマーサポート:企業の顧客対応をリモートで担当
オンラインチューター:日本語や自分の専門分野を活かしオンライン環境で教える - 短期プロジェクト型の業務: 一時的な契約で従事する職種も、フリーランス的な自由度を持つ働き方に近いです。グラフィックデザインや通訳、農業や観光業での短期的な業務があります。
- 現地企業でスキルを活かす: 現地の企業と直接契約し、パートタイムとして働くことも可能です。ワーホリは基本的に1年で長期雇用が前提ではないため、結果的に業務内容や役割がフリーランスと似通ってくる場合もあります。
- リモート対応可能な仕事: オンラインチューターやカスタマーサポートなど。
- 短期プロジェクト型の業務: グラフィックデザインや通訳、農業など。
- 現地企業でのパートタイム雇用: 就職先により自由度が高い働き方ができることも。
違反リスクの回避方法
ビザや就労の制限に違反すると、せっかくのワーホリが将来にネガティブな影響を与えることになりかねません。条件を守りながら、柔軟な働き方を見つけることは可能です。注意しましょう。
- 雇用契約を結ぶ: 現地の企業と正式な雇用契約を結ぶことで、労働内容が明確になり、ビザ条件を遵守できます。口頭での契約にならないようにしましょう。
- 業務内容を確認する: 提供するサービスや業務が現地法やビザ条件に合致しているか事前に確認しましょう。疑問があれば、ワーホリエージェントのサポートに相談するとよいでしょう。
- 雇用形態を正しく選ぶ: 自己判断でフリーランスや自営業として営業せず、合法的な雇用形態を選ぶことが大切です。
ワーキングホリデー中の収入と生活費|リアルなシミュレーション
ワーキングホリデーでの収入は、労働時間や職種、国の最低賃金など大きく影響されます。また、生活費を考慮しながら働くことで、どの程度の貯蓄が可能かが見えてきます。ここでは、主要5カ国の収入例と生活費のバランスを示し、現実的な収支シミュレーションを行います。
国名 | 平均時給 | 月収の目安(フルタイム) | 月間生活費の目安 | お金の貯まりやすさ |
---|---|---|---|---|
オーストラリア | 約20~25 AUD | 約3,200~4,000 AUD | 約2,000~2,500 AUD | ★★★ |
カナダ | 約15~20 CAD | 約2,400~3,200 CAD | 約1,800~2,200 CAD | ★★ |
イギリス | 約9~12GBP | 約1,500~2,000 GBP | ロンドン:約1,500~2,000 GBP 地方都市:約1,200~1,500 GBP | ★ |
ニュージーランド | 約18~22 NZD | 約2,800~3,500 NZD | 約1,800~2,200 NZD | ★★ |
アイルランド | 約10~13 EUR | 約1,600~2,100 EUR | 約1,300~1,700 EUR | ★★ |
収入と生活費のバランスを考える
収入と生活費のバランスは国によって異なりますが、最も貯金しやすい国はオーストラリアです。以下は、収支のシミュレーション例です。
- オーストラリアの例:
平均時給: 20~25 AUD
月収(フルタイム勤務): 3,200~4,000 AUD
月間生活費: 約2,200 AUD(中間値)
貯蓄可能額: 約1,000~1,800 AUD - イギリスの例(地方都市):
平均時給: 9~12GBP
月収(フルタイム勤務): 1,500~2,000 GBP
月間生活費: 約1,350 GBP(中間値)
貯蓄可能額: 約150~650 GBP
チップ文化のある国での稼ぐ
ニュージーランド以外の4カ国(オーストラリア、カナダ、イギリス、アイルランド)ではチップ文化が根付いており、チップを得られる仕事を選ぶことで収入を増やせます。
人気の職種:
- サーバー(レストランやバー)
- ホテルのベルスタッフ
- 観光業のガイド
ポイント:
- 顧客満足度を上げる接客で高額なチップを得られる可能性が高い。
- 時間あたりの収入を効率的に上げられる。
収入を増やし、支出を減らすポイント
- 高時給の職種を選ぶ: 工場勤務や農業などは時給が高めで、短期間で多く稼ぐことが可能。
- シェアハウスで家賃を抑える: 家賃を節約することで生活費全体を下げることが可能です。
- 自炊を基本とし、外食を減らす: 食費を効果的に削減できます。
- 交通費を削減する: 自転車や徒歩を活用することで移動コストを抑えられます。
よくある疑問と回答
多くの方が共通して抱く疑問をFAQ形式で解説します。
Q1: フリーランスで働けますか?
A: ワーキングホリデービザでは、フリーランスや自営業は原則として禁止されています。ビザ条件に違反しないためには、現地企業と契約する形態で働くことが必要です。ただし、リモートワークに近い職種(例: オンラインチューターやカスタマーサポート)を選べば、フリーランス的な柔軟性を持ちながら働ける可能性があります。
Q2: ビザ条件を違反するとどうなりますか?
A: ビザ条件を違反すると、ビザが取り消されるリスクがあり、その国への再入国が難しくなる場合もあります。例えば、労働時間の制限を超えたり、自営業を行ったりすると違反とみなされる可能性があります。違反を避けるためには、事前に条件をしっかり確認し、疑問点は現地のサポート機関や専門エージェントに相談すると安心です。
Q3: 初心者でも仕事は見つかりますか?
A: ワーキングホリデー初心者でも多くの仕事があります。特に、飲食業、観光業、農業などの分野では未経験者を歓迎する求人が多数あります。しかし、まだ英語がまったく不自由な状態で渡航すると仕事が見つからないか、条件の悪い仕事しか得られない場合があります。事前に英語学習と面接や履歴書の対策をしておくことをおすすめします。夢カナ留学で行う英語の準備について詳しくは下記をご覧ください。
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Q4: ワーキングホリデー中にどれくらい貯金できますか?
A: 国や職種、生活スタイルによりますが、オーストラリアやニュージーランドのように最低賃金が高い国では、月に1,000~1,500 AUDの貯金が可能です。一方、生活費が高いイギリスのロンドンなどでは、収入と支出のバランスを慎重に計画する必要があります。
Q5: ワーキングホリデー後のキャリアに役立ちますか?
A: ワーキングホリデーの経験は、異文化適応能力や語学力、国際的な視野を養う上で非常に役立ちます。帰国後の面接ではしっかりとワーホリで得た経験をアピールできるよう準備と練習をすることが大切です。「夢カナキャリア」ではワーホリから帰国された方の就職サポートを無料で行っています。詳しくは下記をご覧ください。
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ワーキングホリデー中の疑問や不安は、情報収集と適切なサポートを受けることで解決できます。この記事の情報を活用し、より安心してワーキングホリデーを計画してください。
まとめ|ワーキングホリデーで自由に働くために知るべきこと
最後に、この記事で見てきた項目をまとめます。これらについて、事前に確認してワーホリの計画を立てましょう。
- 就労制限の基本:
労働時間、職種制限、エリア制限、自営不可などのルールを理解することが重要です。 - 国別の特徴と比較:
国ごとの条件や働きやすさを比較し、自分に合った渡航先を選びましょう。 - 収入と生活費のバランス:
最低賃金や生活費の目安をもとに現実的な収支計画を立てることで、充実した滞在が可能になります。