海外留学というと「高校生・大学生になってから」と考える人も多いと思います。
しかし2020年からは小学生での英語教育が必修化され、日本でも以前に比べて英語に触れる機会が増えてきています。グローバル化により外国との距離がどんどん縮んでいるからこそ、外国に興味を持つ子どもも増え、中学生で海外留学することはそんなに珍しいことではなくなりました。
そこで今回は、中学生が早期に留学するメリットやデメリット、留学の種類や留学におすすめの国をご紹介します。
中学生でも留学は可能?
中学生で留学と聞くと、「早すぎない?」「まだ子どもなのに一人で外国に?」と心配する親御さんも多く、日本ではまだまだ「留学はもっと大きくなってから」という意識が強い傾向があります。
ただ、国際化が進む今日、日本以外の国では中学生での留学はそれほど珍しくはありません。早くから世界に出て広い視野を持ち、グローバルな人になるためには留学は大変良い経験と言えます。
2020年からは新型コロナの影響で、海外留学へ簡単にはいけない環境となりましたが、それまでは若年層の留学者が年々増えていました。新型コロナが落ち着いたら、念願の留学に行けるように、中学生でも行ける留学の種類や費用などについて詳しくご説明します。
中学生の留学の種類
中学生の留学を大きく分けるとこの様に分類されます。
- 短期留学(サマースクール/スプリングスクール)
- 長期留学(ボーディングスクール)
- 親子留学
①短期留学
夏休みや春休みの長期休暇を利用して、海外の短期語学研修プログラムに参加することを「サマースクール/スプリングスクール」などと呼びます。語学研修はもちろん、現地のアクティビティも楽しめる内容になっているので、現地でしか体験できない楽しい思い出ができます。
学校を欠席しなくても参加できるので気軽にチャレンジしやすく、長期留学を考えている人は長期留学の事前準備として参加することも多いのがこの短期留学です。
また、数週間と言えども1人きりで留学するのが不安という場合は、団体留学(グループツアー)という、出発から帰国まで引率員が付き添ってくれる短期留学もあります。数人のグループで留学をするため、ひとりぼっちになることはないので安心です。
②長期留学
中学生の13週間以上の長期留学は、短期留学よりも受け入れてくれる国・学校は少な
く限られます。ホームステイをしながら現地の公立・私立中学校に通う方法や、ボーディングスクールという全寮制の学校に入学して、学生や教師と同じキャンパス内で生活する方法があります。
ボーディングスクールは少人数制なので学生への目が行き届きやすく、同じキャンパス内で大人と一緒に暮らすため、中学生の留学でも安心です。教師たちが24時間学生と向き合ってくれる環境があり、語学だけではなくコミュニケーション力や忍耐力などの向上も期待できます。
③親子留学
「留学はさせてあげたいけれど、やっぱり1人で留学となると心配」という親御さんも多いですよね。その場合は「親子留学」という形で、子供と一緒に海外へ留学する方法があります。
数週間の短期留学から長期まで、色んなバリエーションの親子留学を数多くのエージェントが取り扱っています。今後の進路のためにも、お父さんかお母さんのどちらかと一緒に親子留学する人も実は多いんですよ。
留学先の滞在方法
中学生の留学での滞在方法は「ホームステイ滞在」「寮滞在」がメインとなります。大学生や社会人であれば「シェアハウス」「アパート」などの選択肢もありますが、中学生には難しいですからね。
①ホームステイ滞在
ホストファミリーの家で家族と寝食を共にしながら生活をするので、その国の文化や風習を一番肌で感じられる滞在方法です。
24時間一緒に暮らすので、もし何か困ったことがあってもホストファミリーが力になってくれるから安心です。食事も現地の家庭料理が食べられ、週末には家族みんなでショッピングやお出かけをする機会もあるかもしれません。
②寮滞在
語学学校や現地の学校の寮に滞在する方法で、各国から留学に来た同年代の友人と交流ができ、仲良くなれるのが寮滞在のおすすめポイント。寮生活は集団行動になるので、同室の友人たちとの協調性も養われ、また寮母さんが24時間いてくれるので中学生の留学でも安心です。
費用
留学にかかる費用は、行く国や滞在期間によって大きく変わります。そのため今回は一般的に必要と言われている留学費用の目安をご紹介します。
1週間 | 2週間 | 1年 | |
アメリカ | 35~45万円 | 40~60万円 | 400~700万円 |
カナダ | 30~40万円 | 35~60万円 | 400~700万円 |
ニュージーランド | 20~30万円 | 30~40万円 | 300~400万円 |
オーストラリア | 30~40万円 | 40~60万円 | 300~600万円 |
フィリピン | 15~25万円 | 20~40万円 | 200~300万円 |
参考:留学くらべーる
中学生が留学するメリット・デメリット
中学生の留学は決して早すぎることはありません。早期に留学することのメリットは数多くあり、今後の人生においても大変貴重な経験ができるでしょう。そんなメリット・デメリットをみていきましょう。
メリット
中学生での早期留学のメリットはこちらです。
- 英語学習への意欲のアップ
- 英語の吸収力が高い
- 留学経験が「自信」「自立性」を高める
- 将来の選択肢が増える
海外で24時間英語漬けの環境を経験し、現地の人とコミュニケーションをとることで「英語をもっと話せるようになりたい!」という学習意欲が現れ、帰国してからも英語の勉強を頑張る学生が増えます。
また、10代前半という頭が柔らかい時期に留学することで英語の吸収も早く、変なクセのついた英語ではない、よりネイティブに近い英語の習得が見込めます。さらに親元を離れて海外での生活を経験することで、自信につながり自立心を高めてくれます。
そして今度訪れる「進路選択」の際にも、海外の高校や大学、海外での就職なども視野に入り、人生の選択肢が増えるというメリットもあります。
デメリット
メリットがある一方で、デメリットもいくつかあります。海外留学を検討する際は、メリットだけで決めるのではなく、しっかりとデメリットについても理解しておきましょう。
- お金がかかる
- 本人の強い意志がないと無駄になる
- 日本よりも治安が悪い
- 異なる文化に馴染めないこともある
留学のデメリットという点では、やはりお金がかかるということです。1~2週間の短期留学でも国によっては50万円以上が必要で、この金額は決して「安い」とは言い難い金額ですよね。
また、留学は本人の意志・本気度によってその成果に大きな差が出るものです。本人の「海外留学をして英語の勉強をしたい」という強い意志がないと、ダラダラとした時間を過ごしてしまい、留学の意義を感じられないという結果になりかねません。「親に言われるから行く」ではなく、しっかりとした本人の気持ちが大事です。
そして日本ほど治安の良い国は世界には少ないと言えます。留学先の治安の心配はつきものですので、治安等を含めて留学先を選ぶ必要があります。異文化にすぐに馴染める場合は良いのですが、なかなか順応できない子は、海外での生活は苦痛と感じる場合もあります。
中学生におすすめの留学とは?
中学生でもできる留学の種類はいくつかあるのですが、そのなかでも筆者がおすすめする留学タイプ・おすすめの国についてご紹介します。
まずは短期留学から始めよう!
中学生の留学の場合、いきなり1人で長期留学に行くのはハードルが高く、まずは短期語学留学や休暇を利用して行く「サマースクール・スプリングスクール」がおすすめです。
1~4週間程度で自分の行きたい期間を選べますし、もしも「外国の生活は自分には合わない」と思っても、数週間で帰国して日本の生活に戻れます。まず最初の「お試し留学」という点では、大変おすすめです。
この短期留学で英語や海外への興味が強くなれば、今後は長期留学も視野に入れて進路を選んでみるのも良いですし、より学習にも熱が入ることでしょう。
興味を持ったことにチャレンジする気持ちはぜひ育んであげたいものです。
オススメの国3選
世界には中学生の留学を受け入れてくれる国が複数ありますが、その中から特におすすめの3つの国をご紹介します。
◆カナダ
学生留学から社会人留学まで幅広い人気を誇るカナダ。
自然豊かな国の代表とも言えるカナダは、移民の国のため外国人に対してとても親切に接してくれます。また、訛りの少ないキレイな英語を話す人が多いため、英語学習者には大変ありがたい環境です。
バンクーバーやトロントなどの都市部には日本人もたくさん住んでいるので、初めての留学でも暮らしやすいと言われています。留学先として大変人気なので、外国人用の語学学校やボーディングスクールも数多くあり、自分に合った学校が探せますよ。
◆ニュージーランド
人口よりも羊の飼育数の方が多いとも言われるニュージーランド。
ニュージーランドの魅力は治安の良さと、フレンドリーな人が多いので初めての海外留学でも安心して生活できるところです。
また、ニュージーランドは留学生向けの支援制度が整っているのが特徴で、18歳以下の留学には入学前に保護者と緊急時の連絡方法を決めておく等の細かいサポートがあります。中学生を受け入れている私立・公立学校も多いので、中学生でも留学しやすい国と言えます。
◆オーストラリア
最後はみんなが一度は憧れる南半球のオアシス、オーストラリアです。
オーストラリアもニュージーランドと同様、他の国に比べて治安は良く、10代の学生でも留学しやすい国です。
オーストラリアもまた移民の国のため、外国人にとても寛大で人懐っこい国民性という特徴があります。のんびりとした人が多く、自然の中でのびのびと英語を学べる環境が揃っています。
オーストラリアも留学生をフォローしてくれる制度が数多くあるので、保護者の方も安心できるでしょう。
まとめ
10代前半という多くのものを吸収できる時期に、外国の文化や英語に触れることはとても良い経験になります。
早くから世界を知ることで広い視野が持て、留学の経験が今後の人生にも多くの影響を与えるはずです。
もし本人に「留学に行きたい!」という意志があるのなら、まずは短期のサマースクールやスプリングスクールを利用して留学にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。その後、もっと勉強したいと強く願うのなら長期留学という選択肢もありますからね。
悔いのない人生を送るためにもぜひ背中を押してあげてください。