マルタ島の公用語について
マルタ島の公用語は、「英語」と「マルタ語」です。
過去にフランスとイタリアに支配されていた歴史を持っているマルタ島では、現在でもフランス語とイタリア語を流暢に話す人たちも多く住んでいます。
1934年までは、イタリアがマルタ島を植民地支配していたため、イタリア語が公用語となっていました。
イタリアからの植民地支配が終わると、マルタ島はイギリスの占領下になり、イタリア語の代わりに英語が公用語として使われるようになりました。
1964年に「マルタ共和国」として独立しますが、英語を使っていた期間が長く、イタリア語、英語、マルタ語を話す人たちが多くいます。
マルタ島の人たちは何語を話せる?
マルタ共和国の歴史は浅く、イタリア語と英語の影響を強く受けているため、現在でも国民の約7割が3か国語を話せると言われています。
とくに、現在のマルタ共和国は、観光業をメインにしているため、英語圏の観光客やイタリアからの観光客を相手にする仕事が非常に多いです。
実際に、学校教育の中で英語学習には力を入れているとのことで、義務教育を受けただけで大半の子どもたちが英語を流暢に話しています。
マルタ共和国に行くと、レストランのメニュー、銀行、ツアー会社、公共交通機関など街中の表記は、ほとんど英語です。
マルタ語が話せなくても安心して旅行ができるので、ヨーロッパ旅行の行き先として日本人からも人気です。
マルタ共和国の人たちは、観光大国で生まれ育っていることもあり、とてもお世話好きでヨーロッパ屈指の優しい国民性を持っていることで知られています。
道に迷ったときや助けが必要なときは、積極的に声をかけてみると、親切に対応してもらえる可能性が高いです。
マルタ語の歴史
マルタ語は、「フェニキア」「カルタゴ」「ローマ」など複数の文明の影響を受けて現在の言語が成り立っています。
とは言っても、現在のマルタ語を形成している大半は、「アラブ語」と「イタリア語」であり、日本人には発音しやすい言葉です。
ちなみに、アラブ語をベースとした言語はたくさんありますが、ローマ字を使用しているのはマルタ語に限ります。
世界中の言語の中でも特殊であることがわかります。
マルタ島で話されている英語には訛りがある?
マルタ島の現地の人たちは、マルタ語訛りのイギリス英語を話します。
マルタ語は、ローマ字がベースとなっているため、イタリア語や日本語の発音に近く、マルタ島に住む人たちの英語は、聞き取りやすいと言われています。
まるでカタカナ英語を話しているようなイントネーションですので、英語が得意でない方でもマルタ島の人たちとはコミュニケーションが取りやすいです。
英語の訛りがある場所を留学先に選んで大丈夫?
英語の訛りがあるのであれば、英語学習のためにマルタ島を留学先に選ばない方が良いのでは?と考える方もいるかもしれません。
しかし、マルタ島の英語の語学学校で教員をしている人たちは、訛りがほとんどないため、学習に悪影響が出ることは心配しなくて良いでしょう。
また、英語の初心者であれば、ネイティブが話す英語よりも第二か国語の人が話す英語の方が聞き取りやすいです。
マルタ島の人たちが話す英語は、日本語のカタカナ英語とも近いため、アメリカやイギリスなどで留学するよりもスピーキング・リスニングの上達が期待できます。
注意点として、マルタ島で使われているのはアメリカ英語ではなくイギリス英語です。
アメリカ英語とイギリス英語では、以下のように単語によって全く異なる言葉が使われていることがあります。
英単語 | イギリス英語 | アメリカ英語 |
アパート | flat | apartment |
電話する | ring | call / phone |
エレベーター | lift | elevator |
1階 | ground floor | 1st floor |
2階 | 1st floor | 2nd floor |
フライドポテト | chips | french fries |
ガソリン | petrol | gas / gasoline |
郵便 | post | |
ゴミ箱 | dustbin | garbage can |
映画 | film | movie |
駐車場 | car park | parking lot |
サッカー | football | soccer |
まったく違う英単語が使われていることがあるため、マルタ島への英語留学が決まったのであれば、準備期間はイギリス英語を勉強するのがおすすめです。
マルタ語の挨拶一覧
マルタ島では、英語が通じるとお伝えしましたが、マルタ語を知っておくと現地の人と仲良くなれるチャンスがあります。
日本でも外国人観光客が「こんにちは」「ありがとう」だけでも日本語を使っているだけで嬉しくなりますよね。
現地の言葉を話すというのは、その国の文化や言語をリスペクトする意味にもなります。
ぜひ、滞在中にいくつかの言葉を覚えて現地で使ってみてください。
日本語 | マルタ語 | 読み方 |
おはよう | Bongu | ボンジュ |
こんにちは | Insellimlek | インセッリムレク |
こんばんは | Bonswa | ボンスワ |
ありがとう | Grazzi hafna | グラチハフナ |
私の名前は○○です | Jisimni ○○ | イスィムニ |
すみません | Skuzani | スクザニ |
ごめんなさい | Jidjispiacini | イディスピアチニ |
はい | Iva | イヴァ |
いいえ | Le | レ |
おやすみ | II-Iajl it-tajjeb | イルライル イッタイイェブ |
はじめまして | Ghandi pjacir | アーンディ ピャチル |
さようなら | Sahha | サッハ |
スペルと読み方をみてわかるとおり、ほとんどのマルタ語がローマ字読みです。
マルタ語は、アラビア語とイタリア語の融合した言語とされていますが、アルファベット表記と読み方はイタリア語の影響を強く受けています。
日本人にとっては発音しやすい言語ですので、レストランや街中で話してみてください。
マルタ島の魅力
最後にマルタ島の魅力をみていきましょう。
ビーチが綺麗
マルタ共和国は、マルタ島とゴゾ島がメインとなっている島国です。
エメラルドグリーンの透き通った海で泳いだり、日光浴をするのに最適なビーチがたくさんあります。
とくに、マルタ島とゴゾ島の間にある「コミノ島」と呼ばれる小さな島は、観光客からの人気も高く、マルタ島の魅力を引き立てる大きな存在です。
マルタ島やゴゾ島からフェリーで20〜30分の距離でアクセスがしやすく、大きな波がたたない穏やかなビーチのため、家族や友達と行くのに向いています。
海では、取り返しのつかない事故が起こるリスクがありますが、穏やかな波の浅瀬であれば、ゆったりとした時間を楽しめます。
また、綺麗なビーチがあるところには、大型施設が建てられたりしますが、コミノ島は、リゾート開発がまったく行われていません。
小さな海の家が数件あるだけで、ローカル感を楽しめます。
世界遺産に登録されている街がきれい
マルタ島は、16世紀にヨーロッパの複数国から侵攻されないように、建物で道路が守られている特殊な街並みになっています。
現在は、ユネスコの世界文化遺産に登録されており、歴史的な建造物が昔と変わらぬ姿で残り続けているため、中世の世界観をみてみたい方におすすめです。
外からの侵入を防ぐために、道路を挟んだ高い建物がずっと並んでおり、左右対称の映像演出が特徴的なウェス・アンダーソン監督の映画に迷い込んだような気分を楽しめます。
狭いだけではなく、街の至るところで急な坂道や階段が長く続いているため、自転車や車での移動は困難なケースが多いです。
とはいえ、マルタ島で生まれ育った人たちは、独特な街並みの雰囲気に誇りを持っているとのことで、国全体で景観を守ることを意識しています。
多少不便に感じるかもしれませんが、スニーカーなど歩きやすい靴を履いて、タイムスリップしたような街並みで写真を撮ってみましょう。
食事が美味しい
ヨーロッパは、イタリア、フランス、スペインなど美食の大国が多いですが、マルタ島は、ヨーロッパ各国からの食文化の影響を強く受けています。
簡単にいうと、ヨーロッパの食文化のいいとこ取りをしたのがマルタ料理です。
とくに、パスタ料理とシーフード料理は絶品で、どのレストランでもハイクオリティな料理を提供してもらえます。
イタリアやフランスでは、レストランの雰囲気が良いだけで高額なサービス料が発生することもありますが、マルタ島は一貫してお手心価格で食べられます。
ゴゾ島で作られたワインがあるため、お酒と一緒にマルタ料理をお楽しみください。
のんびりとした国民性
ヨーロッパは、スリが多くいたり、接客が冷たいなどのイメージがあるかもしれませんが、マルタ島の人たちは、フレンドリーで親切な人が多いです。
実際に、マルタ島を旅行中に、手袋を落としたら、すれ違った男性がわざわざ拾って声をかけてくれたという経験をした日本人もいます。
マルタ島に滞在した人の大半が「現地の人がやさしい」と口を揃えていうほど、優しい人たちが多い国ですので、安心して滞在期間を楽しめるでしょう。
国際色豊か
マルタ島は、過去に近隣国からの植民地支配を受けていた歴史を持っていることもあり、多くの人種の人たちが共存しています。
日本は、島国で独自の言語を話すため、外国人はまとめてマイナーな人種として認識されますが、マルタ島では、多国籍の人たちが当たり前のように一緒に暮らします。
「アジア人だから…」「日本人だから…」という理由で差別に遭う可能性も低いです。
実際に、マルタ島には、ヨーロッパ各所から英語を学びにきている学生も多く、とくに6〜8月は、サマースクールシーズンになるため、より国際色の豊かさが際立ちます。
観光をしていてもたくさんの観光客とすれ違ったり、語学留学をしていてもヨーロッパ系やアフリカ系の学生たちと交流する機会があります。
格安で留学できる
マルタ島は、ヨーロッパの中でも物価の安い国のひとつですので、アメリカやイギリスと比べて安価に留学できるのが魅力です。
実際に、4週間の留学費用を比較してみると、アメリカやイギリスは20万円以上するところ、マルタ島であれば15万円以下に抑えられます。
授業料のみならず、食費、交通費を含む生活に必要な滞在費用も節約できるため、「ヨーロッパに留学したいけれど資金面が心配」という方におすすめです。
まとめ
この記事では、マルタ島の言語について解説しました。
マルタ島は、イタリアとイギリスから支配を受けた背景があり、現地の人たちの約7割が「マルタ語」「イタリア語」「英語」の3か国語を話します。
現在のマルタ共和国の公用語は「マルタ語」と「英語」の2種類ですが、言語には柔軟な国であることがうかがえます。
マルタ島は、英語学習の留学先として注目されていますが、のどかな国民性が魅力で、観光先としても非常におすすめです。
街中が英語の表記で溢れているため、マルタ語をまったく知らない方でも安心して滞在できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
この記事では、知っていると便利なマルタ語の挨拶をまとめて紹介しているので、マルタ島に行く機会のある方は、ぜひ使ってみてください。