海外留学やワーホリをする際には必ず留学費用がどれくらいかかるのかを考えると思います。特に、現在は円安であることもあり、留学費用を理由に留学するかを考え直している方も多いでしょう。
円安時に留学すると損をするとよく言われますが、円安はどのようなことかをしっかりと理解しているでしょうか?
また、円安が理由というだけで留学はやめるべきでしょうか?
この記事では以下の内容を解説します。
・円安時の留学は危険なのか
・円安でも留学するべき理由
・円安による留学費用高騰の解決策
1.円安でオーストラリア留学は危険?
海外とのやり取りをする際には必ず外国との為替相場の動きに影響を受けます。為替とはニュースの最後によく聞く「1ドル○○円」というものです。これはドルだけでなく、各国の通貨にも存在します。
簡単に説明をすると以下の通りとなります。
・円高:日本円の価値が高く、海外に行くと得をする
・円安:日本円の価値が低く、海外に行くと損をする
現在は円安なので、海外留学をすると損をするということになります。為替は常に変動をしているので、これから円高になっていく可能性もありますし、逆にもっと円安が進行するという可能性もあります。
2012年頃は1ドル82円程度となっていたのですが、現在は1ドル90円程度まで変化しています。例を出すと以下の通りです。
500mlのコーラが4.8ドルで売っていた場合、2012年時には393円で買えたのが、現在では432円もかかってしまうのです。これが食費、渡航費、滞在費などすべての費用に掛かることになります。
そのため、円安の時には留学はしない方がいいと言われるのです。
ただし、円安のピークがいつなのかは誰にもわかりません。円高の時に留学をするために今はやめておいたとしてもこの円安の水準から元に戻る保証はどこにもないのです。もしかすると、今以上に円安が進行してしまうかもしれません。
そうならないためにも円安だけを理由に留学をやめることはしないでください。
2.円安でも留学するべき理由
円安で留学費用が高騰することで、留学期間を短くしたり留学自体をやめてしまったりする人が多くいます。しかし円安が理由なだけで本当に留学はやめるべきでしょうか?
留学をすることによるメリットは語学力が身につくことだけではなく、その他にも多くのメリットがあります。ここではその中でも特に大きなメリットを説明します。
最も大きなメリットとは、世界情勢を身をもって感じられるということです。
コロナ禍やロシアとウクライナの戦争によって、今まで以上に世界の分断が広がりました。その影響によって物価高などが起き、世界各地の生活にも影響が出ています。
コロナ禍の対応でその国々の違いがよくわかりました。ヨーロッパでは日常回帰に向かって早い時期からマスクを外すための実験などが行われていました。一方、日本では今もなおどこでも、屋外ですらマスクをつける人が多くいます。
その理由として文化的な背景が指摘されていますが、海外に出ることによって日本で普通だったことが普通ではなかったと実感することができます。その結果として、自分の視野を広げることにもつながります。
海外に留学するということは語学力が上がるだけでなく、普段とは違う経験をすることによって自分の視野を広げるためにも有効なのです。この経験は海外に出なければ得ることができません。
3.留学費用高騰の解決策
ここまで円安時でも留学を選択肢から消すべきではないということを説明してきました。その一方で、円安以前の留学費用では留学することはできないという事実は受け入れなければなりません。
ここではその事実を解決するための方法を3つ説明していきます。
1.働きながら学ぶ
1つ目の留学費用高騰の解決策は「現地で稼ぎながら学ぶ」ということです。
これを実行することのメリットとして考えられるのは以下の2つです。
・留学前に準備すべき資金が減る
・現地で稼ぐことにより為替の影響を受けずに生活できる
現地で働くということは生活しながら資金を作れるということになります。そのため、留学をする前に作る資金を減らすことが可能になります。このことはかなり大きなメリットです。
多くの人は現地に行く前に資金が足りるか不安になりますが、現地で働くことができるという事実からその不安を減らすことができます。
また、現地で働くということは日本円をオーストラリアドルに換金する手間がなくなるということです。さらに換金しないということは為替の影響を受けないことにもつながります。
現在、円安が進んでいるため日本円だけで資金を作ろうとするとかなりの金額が必要になりますが、現地で働くのであればその金額だけを稼げばいいということになります。加えて、オーストラリアから日本に帰国した際にオーストラリアドルから日本円に換金すれば逆に円安の恩恵を受けることができ、収入を増やすこともできます。
ここで注意しなければならないことはオーストラリアに行く人全員が働けるわけではないということです。現地で働くには働くことが許可されているビザを取得する必要があります。
海外で働くことが許可されているビザは以下の通りです。
・永住ビザ
・労働ビザ
・学生ビザ
・ワーキング・ホリデービザ
・その他の労働が許されるビザ
この記事では留学でよく使われる「学生ビザ」と「ワーキング・ホリデービザ」を説明します。
1.学生ビザ
学生ビザとは語学学校や大学に通うことを前提としたビザです。学業が本来の目的であるため、労働は週に20時間までという制限があります。
ただ、学校内での仕事は条件が緩和される特例などがある場合があります。本業は学業とはいっても生活をするための費用がなくては学業に集中することもできないので、より多くの時間を労働に費やせるように工夫してみましょう。
2.ワーキング・ホリデービザ
ワーキングホリデーとは、異なった文化の中で休暇を取りながら就労も認められている制度です。学生ビザのように学業が本来の目的ではないため、フルタイムでの勤務も可能です。
申請は18〜30歳までで、国によって人数の制限があったり、同じ国に対しては1回しか使えないなどの条件があるので、検討している場合は注意してください。
2.日本で英語力を高めておく
留学先で効率よく生活するためには働く時間を確保することが重要です。そのためには日本でできる語学の学習は必ずやっておきましょう。
「英語は留学してから頑張る」という考えで留学した人の多くは留学後に後悔をしていることが多いです。英語力が低ければレベルの低いクラスにしか入れず、日本人と同じクラスになってしまう可能性が高まります。
また、言葉が通じないと働く際にもネガティブポイントが増え、仕事を見つけにくくもなってしまいます。学校に通う時間を少なくし、多くの時間を労働に費やすことができれば、生活が楽になるだけでなく、現場で使える英語力を身に付けることができます。
このように、日本にいるうちから英語力を伸ばしておくことは、留学する上ではメリットばかりです。できることはできるときにしておきましょう。
3.いつでも申し込みをできる準備をしておく
留学を考えている方は出発時期に関わらず、いつでも準備に取り掛かれるようにしておきましょう。そうすれば円安から円高に移り変わったタイミングですぐに手続きをすることで、留学費用を節約しながら渡航することができます。
多くの人は語学学校選びで時間をかけますが、かかる費用によって決断を変えるということは少なくありません。円高を狙えば費用が安くなり、その影響で行きたい学校を選択できる可能性も出てきます。
為替相場は1年に2〜3回の周期で変動していきます。1年のうちに最低でも1回はチャンスが来るということです。そのチャンスを掴めるように準備を進めていれば、安い費用で留学することが可能になります。
ここまでは為替に焦点を当てて見てきましたが、為替以外にも以下のようなメリットがあります。
・航空券を早く取ることで安く買える
・留学エージェントで早期申し込み特典を受けられる
・予算計画が立てやすい
多くの場合、留学手続きは3〜4ヶ月でできますが、安く手続きを進めるのであれば、早めに始めた方がいいです。早く始めたいが、まず何からすればいいかわからないという方は留学説明会に参加したり、カウンセリングを受けてみたりしましょう。
わからないからと言って後回しにしてしまうと、留学費用が高くなり、手続きをする時間が無くなることで留学先も雑に決めることに繋がってしまいます。まずは、自分にできることから始めてみてください。
4.まとめ
今回の記事では円安とオーストラリア留学について説明してきました。
本文でも言ってきましたが、円安だからといって留学をやめることは得策ではありません。円安でも費用を削減しながら留学をすることが可能だということがこの記事でわかったと思います。
留学をすることのメリットは語学力の向上だけではなく、その他にも様々なメリットがあります。今、留学をしなければそのメリットを得ることすらできなくなってしまうかもしれません。
できるだけ早く留学をするための準備に取り掛かり、できるだけ安く留学ができるように工夫してみましょう。やり方次第では、円高時の留学よりも多くのことを得ることができるはずです。