海外で生活する体験ができる自由度の高いビザと言えば、ワーキングホリデービザ。海外で暮らしてみたいと思っている人は、ワーキングホリデーで渡航することも考えているのではないでしょうか。
しかし学費やホームステイ代が明確な語学留学などと違って、ワーホリはどのくらい費用がかかるのか、検討がつきづらいはず。
そこでこの記事では、ワーキングホリデーに必要な費用についてまとめてみました。ぜひ、ワーキングホリデーの費用を用意するときの参考にしてくださいね。
ワーキングホリデーにはどんな費用が必要?
ワーキングホリデーは学生ビザに比べると、自由度が高いビザです。勉強することも働くこともできるため、費用は人それぞれ。現地での過ごし方によっても、準備しておくべき初期費用が異なります。
まずワーキングホリデーにはどんな費用がかかるのか、渡航前と渡航後に分けて考えてみましょう。
渡航前に必要な費用
- 語学学校費用(※)
- ホームステイ・寮費用(※)
- ビザ申請料金
- 飛行機代
- 銀行残高証明のための貯蓄
- ワーホリ保険料
このほか、現地で必要な服などを購入する人もいるかもしれませんが、渡航前には、大体上記の費用が必要です。
※がついているものについては、それぞれ語学学校に通う場合、ホームステイや寮滞在をする場合に限ります。ワーホリは語学学校が必須ではないため、学校に行かない人はその分の費用は必要ありません。
渡航後に必要な費用
- 滞在費(家賃・光熱費など)
- 食費
- 交際・レジャー費
- 帰りの飛行機代
渡航後に必要な費用は、ざっくりこんな感じでしょうか。こちらについては、人によって費用に大きなバラつきが出る部分です。
ワーホリビザは現地での就労が可能なため、渡航後に必要な費用については、現地で稼ぐこともできます。ですから、ワーホリ期間中の生活費やレジャー費用を、渡航前からすべて用意しておく必要はありません。
国別!ワーキングホリデーに必要な初期費用の目安
日本人がワーキングホリデーで渡航できる国は非常に多く、国によって物価にもバラつきがあります。ですから、渡航先によって、必要な費用も異なるのです。
ここからは日本人に特に人気のワーホリ渡航先に絞って、必要な初期費用の目安を具体的にご紹介します。どの国についても語学留学費用も換算していますが、語学留学をしない場合は、その費用は除いて考えてくださいね。
また、2023年2月現在は円安傾向にあるため、どの費用も少し多めに見積もっています。
オーストラリア
ワーキングホリデーで最も人気の国であるオーストラリア。ワーホリで必要な初期費用は下記のとおりです。
項目 | 費用目安 |
ビザ申請料金 | 約5万円(510豪ドル) |
航空券(片道) | 約5万円〜 |
語学学校(3ヶ月) | 約30万円〜 |
生活費(4ヶ月分) | 約50万円 |
留学・ワーホリ保険(1年間) | 約15万円〜 |
合計 | 約105万円〜 |
生活費には家賃や食費を含んでいます。語学学校に通っている間はほとんど仕事はしないことを想定し、生活費は4ヶ月分で算出しています。
オーストラリアのワーホリ初期費用は105万円が目安。
残高証明は「帰国航空券代と5,000豪ドル以上(約47万円)の預金」とされていますので、銀行残高に100万円あれば余裕でクリアできます。
オーストラリアは物価が高いのですが、その分賃金水準も高く、カフェなどのアルバイトでもフルタイムで働けば簡単に月収が20万円を超えます。そのため、仕事を始めれば、貯蓄も可能になるでしょう。
ニュージーランド
次に紹介するのは、オーストラリアからほど近い場所にあるニュージーランドです。こちらもオーストラリアと並ぶワーホリ人気国です。
項目 | 費用目安 |
ビザ申請料金 | 無料(NZ国内の場合:245NZドル) |
航空券(片道) | 約6万円〜 |
語学学校(3ヶ月) | 約30万円〜 |
生活費(4ヶ月分) | 約40万円〜 |
留学・ワーホリ保険(1年間) | 約15万円〜 |
合計 | 約91万円〜 |
ニュージーランドのワーホリ初期費用目安は91万円。残高証明は「4200NZドル(約36万円)以上」とされています。
ニュージーランドはオーストラリアよりも若干物価が安めですが、航空券代がオーストラリアよりも高額になりがちなことや、語学学校費用はさほど変わらないことから、初期費用はオーストラリアとそれほど開きはありません。
物価とのバランスを考えると、賃金水準は高め。ですが、オーストラリアよりは賃金は少し低くなっています。
カナダ
ワーホリ人気国の1つであるカナダ。オーストラリアよりは物価が安いとされていますが、実際のところは、下記のとおりとなっています。
項目 | 費用目安 |
ビザ申請料金 | 約3万円(261カナダドル) |
バイオメトリックス登録 | 約1万円(85カナダドル) |
航空券(片道) | 約7万円〜 |
語学学校(3ヶ月) | 約30万円〜 |
生活費(4ヶ月分) | 約45万円〜 |
留学・ワーホリ保険(1年間) | 約15万円〜 |
合計 | 約101万円〜 |
カナダのワーホリ初期費用目安は101万円。残高証明に必要なのは「2,500カナダドル(約25万円)以上とされています。
オーストラリアよりは物価が安いカナダですが、渡航時にビザ申請料金のほかに、バイトメトリックス登録をするための費用が必要なことや、LCCが使えないため航空券が高額になりがちなことから、初期費用はオーストラリアとあまり変わりません。
ただし、現地での生活は、オーストラリアよりは割安感があるため、長期的に見れば費用が抑えられるでしょう。
ワーキングホリデーの初期費用は100万円を目標に!
ここまでご紹介したとおり、ワーキングホリデー人気国の間では、初期費用に大きな開きはありません。ですから、ワーキングホリデーをしたいと思うなら、初期費用は100万円必要だと思っておくと良いでしょう。
ちなみに中国語を学びたい人に人気の台湾だと、もう少し費用が抑えられます。ですが、物価が高いイギリスや北欧の国々だと、もう少し費用が高額になります。
マイナーな国だと、仕事が見つかりづらいことも考慮して、少し多めの資金を用意しておくと良いでしょう。
ワーキングホリデーの費用を少しでも抑える方法とは?
ワーキングホリデーの費用が100万円は必要だと知って、少し驚いている人もいるかもしれませんね。余裕を持ってワーホリをするためには、100万円は用意しておくと安心です。それだけあれば、残高証明の問題も余裕を持ってクリアできます。
ですが、ワーホリは学校に通う必要がなかったり、就労が可能だったりするため、実はワーホリ費用として貯めた100万円をほとんど使わずに帰国することも可能なのです。
ここからは、ワーキングホリデーの費用を抑える方法を解説していきます。
飛行機は安い時期+LCCも活用する
飛行機代は時期や航空会社によって数万円以上の差が出てくる費用です。より費用を抑えるためには、オフシーズンの安い時期や格安航空会社(LCC)も活用しましょう。
オフシーズンは国によってバラつきがありますが、日本からの渡航客が多い時期は、飛行機が高額になりがちです。そのため、GWの時期や夏休み・冬休みといった日程は避けることをおすすめします。
また、週末出発よりも、平日出発の方が安くなる傾向もあるので、費用を見比べてみてくださいね。
大都市に滞在しない
どこの国でも、大都市に滞在すると物価が高いため、生活費が高くなってしまいます。ですから、費用を抑えたいなら、大都市に滞在しないことも一つの手です。
ただし、あまりに田舎に行きすぎると、物価は安いかもしれませんが、仕事がなかなか見つからないという問題も発生します。
おすすめなのは、外国人でも仕事が見つかりやすい地方都市。生活も便利ですし、物価も高すぎず、快適な生活ができるでしょう。
ワーホリ保険はフリープラン(バラ掛け)がおすすめ
ワーキングホリデーに行く際には、海外留学・ワーホリ向けの保険をかけなければなりません。多くの保険会社がセットプランを用意していますが、フリープランと称して、バラ掛けができるプランのある保険会社もあります。
バラ掛けにして不要な補償内容をカットすれば、それだけ保険の費用も抑えられます。
ただし、万が一のことを考えると、補償をカットしすぎるのは禁物です。
渡航前に語学力を磨いておく
渡航前に語学力を磨いておけば、それだけ語学学校に通う期間を短くできます。人によっては、語学学校なしでも不安を感じないレベルにできるでしょう。
語学力を磨いておけば、それだけ現地で仕事も見つけやすくなるため、いち早く仕事を始めることができるのもメリットです。
オンライン英会話などを活用すれば、格安で毎日でも英会話の特訓ができるため、そうしたサービスを活用しましょう。
現地で働く
現地で働けば、ワーキングホリデーの総額はぐっと抑えることができます。オーストラリアのように賃金水準が高い国だと、むしろ貯蓄をして帰国をするワーホリメーカーも多いんですよ。
総額ベースで考えれば、ワーホリ費用がゼロだった……なんてことになるかもしれません。
自炊をしたりなど節約生活をする
ワーホリ費用を抑えたいなら、現地での節約生活をするのもおすすめです。海外に行くと、ついつい散財しがちな人もいるかもしれませんが、長期滞在をするなら、自炊したり、無駄な物を買わないことを意識したりして、節約をしてみましょう。
近年、英語圏は物価がどんどん上がってきており、特に外食は日本よりもずっと高額です。
しかし、自炊をするとむしろ日本よりも安くなることもあるのです。
特に野菜や果物は、日本よりも安い国が多いですから、積極的に自炊をすることは、大きな節約につながりますよ。
ワーホリ費用は工夫次第で抑えられる!格安&充実したワーホリ生活を
ワーキングホリデーをするためには、目安として100万円という多額の費用を準備しなければなりません。しかし、航空券代などを抑えたり、現地で働いたりすれば、準備した費用をほとんど使わずに帰国することもできるのです。
過ごし方次第で、ワーホリ費用はぐっと抑えることができます。費用を抑えたい人は、今回ご紹介した費用を抑える方法を参考に、格安かつ充実したワーホリ生活を叶えてくださいね。