語学を勉強している人で留学を考えている人は少なくないでしょう。しかし最近は円安の影響で留学をやめる人も多くなっています。
円安は留学を諦める決定的な理由になり得るでしょうか?この記事では以下の内容を解説します。
・円安とは
・円安を原因に留学をやめるべきか
・日米間の物価比較&節約術
1.アメリカ留学にも影響を与える円安とは?
多くの人がテレビのニュースで聞いたことがあるであろう「1ドル○○円」というワード。これは「為替相場の動き」を説明したものです。為替相場の動きというのは各国の通貨同士でお金を両替するときの基準値のことです。
その基準値を基に、日本円が高いときには「円高」、日本円の価値が低いときには「円安」と呼ばれます。実際に両替しようとした際には、円高時に海外に行くと得をし、円安のときに海外に行くと損をすることになります。
これがどんな目的で海外に行こうとしても変わらない原則であるため、留学に行こうとしている人にも影響が出てしまっているのです。この記事を執筆している2022年9月末時にはかなりの円安となっているため、留学費用はかなり高額なものとなっています。
1年ほど前から日本が貧乏になっていると言われるようになりました。海外の物価は年々上がっていますが、アメリカのみならず、中国や東南アジアでも物価は上昇しています。
現在留学しようとすると、1年で最低3万ドルほどかかるのですが、現在の為替レートで日本円に換算すると400万円弱。昔は1ドル80円の時もありましたが、現在は約140円まで上がってしまっているので、留学のハードルもかなり上がってしまっています。
具体例を挙げると、日本人学生に人気な留学先であるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)では、昨年であれば1年間の授業料と滞在費で約644万円でした。しかし、1ドル135円ほどになっている今年に行くと、約813万円かかってしまいます。
さらにもう1つの例を挙げると、日本人でも多くの人に知られているハーバード大学には、昨年であれば約798万円で留学することができました。しかし今年留学することになると、約1,006万円もかかってしまいます。
留学費用が200万円も変わってしまうと、これまで目標金額に設定していた金額では足りなくなってしまったり、精神的に行く気持ちが薄れてしまったりすると思います。普段の生活ではそれほど気にすることがない為替ですが、実際に海外と関係を持つことになれば絶対に切り離せないものです。
自分の意志で変化させることはできないものではありますが、どのようなことをすればより確実に留学に行くことができるのかを自分自身で改めて考える必要があります。
2.円安のタイミングでのアメリカ留学はやめるべき?
先ほどまで円安とはどのようなものなのかを説明してきました。ここからは「円安で留学を諦めるのは得策か」ということについて考えていきます。
このことを考える際には先ほどの具体例でも挙げましたが、実際にアメリカへ行った場合を考えるとわかりやすいです。
例えばファーストフード店でホットドッグを買うとき、値段が5ドルだったとします。1ドル80円の時には400円で買うことができますが、1ドル120円の時には600円もかかってしまいます。
1食につき200円の差はこの瞬間のみで考えると我慢できるかもしれませんが、これが1年間毎食続くのを想像してみてください。かなりしんどいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
先ほどの章での解説とこの具体例で留学費用を抑えるためには円高のタイミングで行くことがベストであるということは理解して頂けたと思います。現在のように円安が進行している状況での留学はお勧めすることはできません。
しかし過去から見れば今が1番の円安となっていますが、これが元に戻るかどうかは誰もわかりません。もしかしたら現在から未来にかけて見ると、今が1番の円高かもしれません。
円高になるタイミングを待ち続けていたが、円安がさらに進行してしまったという可能性は少なからず存在します。タイミングを待っていたが、円安が進んでしまい留学事態を諦めるということになってはあまりにももったいないです。円高、円安という情報だけにとらわれず、どこかのタイミングで決断することが重要です。
周りの人たちは「円安の時に行くのは得策ではない」と言うかもしれませんが、仮に今後も円安が進むとしたら今のうちに払った方が結果的には割安な費用で留学することができます。
この判断を自分だけでするのはかなりハードルが高いと思うので、留学エージェントに相談することをおすすめします。現時点での為替レートで留学にはいくら必要なのか、日々の費用の変動はどのように起こっているのかという情報を得る上でも手助けしてもらえるはずです。
3.日本との物価比較&節約術
前述の章までで円安による留学時に起こる影響を説明してきました。海外で生活をする上では為替による影響は逃れられません。日米間の物価の差を知り、為替による影響を最小限にするためにどのようなことをするべきかをこの章で説明していきます。
1.日米間の物価の違い
ここではスーパーマーケットとスターバックスを用いて日米間の物価の違いを比較していこうと思います。
まず、アメリカのスーパーマーケットから見ていきます。
・桃:約130円
・玉ねぎ:約130円
・卵(12個):約453円
次に日本のスーパーマーケットを見ていきます。
・桃:約300円
・玉ねぎ:約100円
・卵(10個):約200円
アメリカの商品はサイズが大きいものとは言え、日本と比べると比較的高いように感じます。しかし桃の例を見るとわかると思いますが、果物によっては日本の方が高いものもあります。
さらに、スターバックスの値段を比較していきます。
・カフェラテ(トール):日本 455円 アメリカ $3.75
こちらを見るとわかる通り、スターバックスでは価格差はあまりありません。日本とアメリカの物価を比較しようとしたのですが、商品によっては日本が高くなっていたり、比較するものによってかなり価格差が異なりました。
そのため、わかりやすく物価が異なるということはしにくいのですが、この価格差に加えて前章まで見てきた円安があるので、やはり料金は割高だと考えるべきでしょう。
2.留学時の節約術
ここまでの内容を見てきて、想像以上にお金がかかると感じている人も少なくないと思います。しかしこれらはあくまでも一例であり、日本で過ごしている際に個人の差があるのと同じようにアメリカでも節約をしながら生活をすることは可能です。
1.外食は控える
これは日本で過ごしていても同じだと思います。やはりどこの国でも自分の家で料理をするより外食をした方がお金がかかってしまいます。アメリカの場合は日本以上に割高になってしまいます。ランチのメニュー表には$16.99となっていたが税金やチップで最終的には$22となってしまうことも普通に起こるほどです。自炊をすると1食あたり$3~$5ほどで済んでしまうので、圧倒的に自炊をした方が食費がかかりません。
2.生活用品はディスカウントストアで買う
アメリカには日本と同じように有名なディスカウントストアがあります。以下の3つはアメリカでは知らない人がいないほどです。
・Marshall
・Ross
・TJMax
これらのディスカウントストアではタオルやキッチンツールなどの生活品から服やコスメなども買うことができます。すべて新品で質も普通のお店とそれほど変わらないので、留学し始めの頃や何かを買いそろえるとなった時にはまずはディスカウントストアを探すことから始めてみましょう。
3.交通費は7Days Passや30 Days Passを利用
車を持たない留学生は移動手段で交通機関を使うのは必須となります。日本でも毎日切符を買うより定期代の方が安く済みますが、それはアメリカでも同じです。
アメリカには7Days Passや30Days Passと呼ばれるものがあります。これらの定期代のようなものを使うことで交通費を節約することができます。調べれば誰でもすぐに買えるものなので、是非この節約術を使ってみてください。
4.大学や教会のフリーミールを利用
留学先の大学や近くの教会でフリーミールが提供されることがよくあります。これを利用すれば食べ物を無料で手に入れることができます。
また、この場所に行くことで新しい友達ができたり、英語を話す機会が増えることで英語力を向上させたりすることもできます。
前述の章で日本よりもアメリカの方が食費がかかると伝えましたが、この機会を利用できればお金を使わずとも食事をすることができます。これを利用してもいいことしかないので、是非利用してみてください。
4.まとめ
ここまで円安とは何かということから円安がアメリカ留学に与える影響、円安でもできる節約術を紹介してきました。
円安の状態で海外に行くのは費用が高くなってしまうこともあり、乗り気ではなくなってしまうかもしれません。
過去から現在までを見ると1番高い費用となるかもしれませんが、将来的にはこの機会を逃すともっと高い留学費用が必要となってしまっている可能性もあります。
たしかに円安で費用は高くなっていますが、それでも得られる経験は自分の人生に良い影響を与えてくれるはずです。費用だけをみて考えるのではなく、目に見えないものも含めて留学に行くかどうかを考えてみてください。