カナダは、ロシアに次ぐ世界で2番目に大きな国土を持つ国です。
そのため、同じカナダ国内でも地形や気候が異なり、都市と自然が共存する、素晴らしい国でもあります。
そこで、「カナダの壮大な自然を感じる有名スポット5選とカナダ世界自然遺産」と題して、大きな北アメリカ大陸にあるカナダの自然を感じられるスポットをご紹介します。
カナダの自然の特徴
カナダには10の州と、3の準州があり、この大きな国土を持つカナダでは、
場所や地域によって特徴が異なります。詳しくみていきましょう。
カナダの地形と気候
▶︎地形
カナダの地図を見ると、湖が多いことに気がつきます。
これは、元々カナダ全体が氷河に覆われていて、その氷河が長い年月をかけ溶けて、凸凹に水が溜まった氷河湖になるそうです。
そして、カナダ大陸の地形は大きく3つに分けられます。
東部
東部は、大きなハドソン湾を中心に、カナダ楯状地と呼ばれる古い安定した陸地が広がっています。
また、北部にいくと、陸が入り組んだフィヨルドもみられ、小さな島が点在しています。
東部にある主な都市は、首都であるオタワや、カナダ最大の都市でもあるトロント、フランス語圏のモントリオール・ケベックなどがあります。
中部
中部は、アメリカから陸繋ぎで続く、降水量が多く草の丈が長いプレーリーと、降水量が少なく草の丈が短いグレートプレーンズの広大な平野が広がります。
中部にある主な都市は、カルガリー、エドモントン、クマのプーさんの発祥の地としても知られているウィニペグなどがありますが、日本人にはあまり馴染みがないかもしれません。
西部
西部は、これもアメリカから陸続きで広がる広大なロッキー山脈などがあり、険しい山地を形成しています。
太平洋沿岸部にある主な都市は、カナダの玄関口とも言われるバンクーバーや、温暖で美しい町並みで知られるビクトリアがあります。
▶︎気候
地形がここまで異なるので、気候も異なります。
カナダ大陸の気候は、大きく5つに分けられます。
セントラルカナダ
大陸の東側で、トロントやモントリオールをはじめとするカナダの人口密集地域は、日本のように四季があり、夏はとても暑く、冬はとても寒いはっきりした気候が特徴です。
アトランティックカナダ
セントラルカナダより更に東の大西洋沿岸では、夏は涼しく快適ですが、冬は積雪量が多く、気温が−20度になることもあります。
また、1年間を通じて曇りの日が多い気候です。
プレーリー
大陸の内陸部にある平野では、年間を通して、日中は暑く乾燥した晴天、夜は冷え込む気候で、冬は一段と乾燥して寒さが厳しくなるのが特徴です。
また、標高2000m級のロッキー山脈周辺では、気候の変化も多いです。
ウエストコースト
大陸の西部、バンクーバーやビクトリアなどブリティッシュコロンビア州を中心とした太平洋沿岸では、湿気が少なく夏でもカラッと過ごしやすく、冬は他の都市よりも寒くならず、雪が降ることもほとんどありません。
ノーザンカナダ
北極海沿岸の北部地域では、ツンドラ気候で冬は極度に寒く、気温が−45度以下になる日もある厳しい気候が特徴です。
カナダの自然を体感できる有名スポット5選
このようにカナダは場所によって地形も気候も異なるので、世界でも有名な観光スポットがたくさんあります。
そこで、カナダの代表的な有名スポット5つに絞ってご紹介します!
1.世界三大瀑布の一つ「ナイアガラ滝」
世界で最も有名な観光スポットの一つにも入る「ナイアガラの滝」は、
カナダとアメリカの国境をまたぎ、氷河湖のエリー湖からオンタリオ湖に流れ、その途中にある滝です。
場所
カナダ東部の街、トロントから南南西にわずか120kmのところで、日本でいうと東京=静岡間くらいの距離です。
行き方
トロントから行くのが近く、鉄道・バス・車・飛行機など手段がありますが、
一番安く楽に行けるバスを利用すれば、トロント市内から約2時間で、金額は19カナダドル(約2,100円)くらいで行くことができます。
ベストシーズン
夏も冬も楽しめますが、やはりベストシーズンは氷が溶ける夏の5月末〜8月末が、
水の量も多くて、水の迫力が増します。
服装
夏のシーズンに行くなら、濡れてもいいTシャツとサンダルでも大丈夫ですが、移動のバスなどは寒いので、羽織ものは持っていきましょう。
また、水しぶきで濡れる可能性もあるので、着替えがあればいいと思います。
2.世界遺産を体感する大自然「バンフ国立公園」
広大な敷地を誇る「バンフ国立公園」は、ユネスコ世界遺産にも登録されている、アメリカから連なるロッキー山脈の一部分です。
バンフ国立公園の中には、いろんな見どころがありますが、特にエメラルドブルーの色をしたモレーン湖は、自然の色とは思えないほど美しいです。
場所
大陸の西側にあるカルガリーにあるカルガリー空港が最寄りの空港となります。
バンクーバー空港からカルガリー空港までは、国内線で飛行時間1時間20分なので、
東京=大阪間くらいの距離です。
行き方
カルガリー空港に到着したら、レンタカーやバスに乗って2時間ほどで、玄関口の街バンフへ行き、そこからバンフ国立公園へ入ります。
ベストシーズン
ロッキー山脈に行くなら、やはり夏の6月〜8月がベストシーズンです。
特に6月は観光客もあまり多くないので、おすすめです!
服装
夏のシーズンでも、標高の高い山々が連なる場所なので、日本人にとっては肌寒いと思います。Tシャツの上に簡単に脱ぎ着できるパーカーがあればいいと思います。
3.どこまでも続く自然の赤い絨毯「メープル街道」
カナダといえば、メープルシロップですよね。
そのメープル(楓)の葉が、秋に一気に紅葉し、日本の紅葉のような風景になり、絵に描いたような美しい風景になります。
場所
大陸の東側で、北はケベック州のケベック・シティから、オタワを経由して南はオンタリオ州のナイアガラまでの、全長約800kmに及ぶルートに楓の木が群生していて、日本人はこのルートのことを「メープル街道」と呼んで親しんでいます。
行き方
大陸の東側のトロントか、モントリオールから陸路で行くのがおすすめです。
モントリオールからレンタカーで1時間くらいのところにある、ローレンシャン高原からは、山々の紅葉を一望できるので、絶景ポイントに迷った時は行ってみてください。
ベストシーズン
紅葉のシーズンは、9月中旬から10月下旬にかけてなので、この時期がベストシーズンになります。ですが、この時期は観光客が集中しますので、レンタカーやバスは事前予約が必須です。
服装
カナダ東海岸の10月は、日本の11月下旬くらいだと思った方がいいです。
日中でも肌寒く、夜には氷点下になる場合もありますので、長袖は必要です。
4.赤毛のアンの世界観感じる「プリンスエドワード島」
夢のように美しいプリンス・エドワード島の自然の中で、アンは少女から乙女へと成長していくー。
日本でも、2017年に上映された小説「赤毛のアン」の舞台になった島です。
場所
カナダ東部のはずれ、セントローレンス湾に浮かぶ島で、カナダで一番小さい州でもあります。
行き方
島の空港で、シャーロットタウン空港が最寄りの空港になります。
バンクーバーからの直行便がないので、カナダのどの都市からもトロントで経由になり、
トロントからシャーロットタウン空港までは、約3時間です。
ベストシーズン
夏でも比較的涼しく、逆に冬は凍てつくほどの寒さになりますので、島を訪れるベストシーズンは夏の間の6月〜10月です。
服装
夏のシーズンでも比較的涼しいと思いますので、日中は半袖でも十分です。
夜は冷えるので、長袖を準備しておきましょう。
5.一生に1度は見たいオーロラ「イエローナイフ」
カナダといえば、イエローナイフのオーロラを想像する人も多いのではないでしょうか。
イエローナイフはオーロラベルトの真下にあり、晴天率が高いことから、数日滞在すれば必ずオーロラが見れるとも言われています。
場所
大陸の北西部に位置し、北極圏からはおよそ400km南の場所で、イエローナイフは北極圏への玄関口とも言われています。
行き方
バンクーバーもしくは、カルガリーからイエローナイフ空港までは約2時間半ほどです。
イエローナイフ空港から中心地まではタクシーで15分くらいで、更にそこからオーロラを見に行くには、ガイド付きのツアーに申し込むのが一般的です。
ベストシーズン
オーロラを見るには、日照時間が短い方がいいので、冬の11月中旬〜4月がベストシーズンになります。夏でもオーロラは出ますが、日照時間が長いので見れない日があります。
服装
冬の最も寒いシーズンに行くと、平均気温が−22度にもなり、この寒さの中でオーロラ鑑賞をしなければいけないので、防寒具は必須です。
カナダの世界自然遺産10ヶ所
カナダに行ったら必ずいきたい有名スポットを5つご紹介しましたが、カナダには世界に認められた世界自然遺産もあります。
世界遺産条約の中で、「顕著な普遍的価値」を有すると認められた自然を、人類共通の財産として保護し、後世に伝えていくことを目的にリストされてたものになります。
日本は4ヶ所に対して、カナダには10ヶ所もありますので、エリアごとにご紹介します。
東部
・グロスモーン国立公園
地球科学の歴史が見られること、および自然が非常に美しいということから認められた。
・ミステイクン・ポイント
化石が豊富に埋蔵されていて、世界で最も重要な化石・地質地域として認められた。
・ジョギンズの化石の崖群
ジョギンズの崖に露出している石炭紀の岩と化石は、世界最良のものとして認められた。
・ミグアシャ国立公園
デボン紀の化石、特に魚類から四肢動物への進化を考える上で重要な化石が多く発見されていることから認められた。
中部
・恐竜州立公園(ダイナソール州立公園)
世界最大級の恐竜化石層があり、39もの恐竜の種がここで発見され、500以上の標本が世界中の博物館に移送・展示されていることから認められた。
・ウッド・バッファロー国立公園
公園内には生物学的に多様性に富んだ世界最大の内陸三角州ピース・アサバスカ・デルタがあり、野生のシンリンバイソンも数多く生息することから認められた。
西部
・カナディアン・ロッキー山脈自然公園
3,000メートル級の山々がいだく氷河、氷河湖、滝、峡谷、鍾乳洞、化石などの
今なお残る手つかずの自然が評価された。
・ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園
ロッキー山脈の真中にあり、氷河に削られた地形が特徴で、200を超える湖沼、広大な森林からなる公園が評価された。
・クルエーン/ランゲル=セント・イライアス/グレイシャー・ベイ/タッチェンシニー=アルセク
数多くの高峰や無数の氷河、ツンドラ地帯の森林や平原など、氷河期の壮大な自然美が残ることから認められた。
北部
・ナハニ国立公園
第1から第4の名前が付けられた峡谷は、壮大な峡谷を形成し、この地域の歴史、文化、地理が評価されて、認められた。
まとめ
「カナダの壮大な自然を感じる有名スポット5選とカナダ世界自然遺産」と題し、
カナダの自然について見てきました。
カナダには、後世に残さなければいけない自然が数多くあります。
一生に一度は自分の目で見ておきたいものですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。