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カナダは世界の中でも移住先として大変人気の国です。そしてカナダ政府もまた、毎年たくさんの移民を受け入れており、実に人口の20%以上を移民が占めているほどです。それほど多くの移民希望者が集まるカナダには、政府が定めた数多くの移民プログラムが用意されています。そのため、希望者は自分に合ったプログラムを見つけて申請する必要があります。
そこで今回は、カナダへの移住を希望している方のために、移住の方法や永住権の取り方、カナダ移住に必要や費用などを解説していきます!
みんなが気になるカナダ移住のメリット・デメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
カナダ移住がしたい!その方法とは
「カナダに住みたい」と「カナダに移住したい」ではその意味が変わってきます。「住みたい」であれば、語学留学などの留学でも可能ですが、「移住したい」となると永住することを目的として移り住むことを意味していますからね。
カナダ移住を希望する場合はどのような方法があるのか、永住権を取得する方法などをご紹介します。
永住権を取得する方法
カナダには現在、60種類以上もの移民プログラムがあります。このプログラムの中から自分に合ったものを選び、永住権を取得するというのが一般的な方法です。
移民プログラムには、カナダ連邦政府が申請基準を定める「フェデラルプログラム」と、それぞれの州が定める「ノミニープログラム」があります。移住したい州が決まっているなら州が定めるノミニ―プログラムの申請が必要となります。
州ごとに定められたプログラムの中でも有名なものをいくつかご紹介します。
①スタートアップビザプログラム
2018年に正式に開始された、カナダで起業や投資などの新しいビジネスをスタートさせようとしている外国籍の人を対象としたプログラムです。申請するにはいくつかの条件がありますが、主なものはこちらです。
・カナダ移住の際、十分な資金や財産が証明できる(最低半年間以上生活できる資金がある)
・英語orフランス語レベルが中級以上(スコア提出が必須)
・起業するビジネスがカナダの経済に貢献できる可能性が高いこと
②エクスプレスエントリー
2015年に導入されたエクスプレスエントリーは、優れた技術や技能を保持する人が対象のプログラムです。申請者の優れた部分が評価対象となり、本人の学歴や職歴、語学力などから総合的に判断されます。評価は1,200点満点で採点されるのですが、高得点者から優先的に永住権の招待状が届きます。
③ファミリースポンサーシップ
カナダ国籍をもつパートナーと結婚した人や、パートナーがカナダ永住権を持っているという人が対象のプログラムです。申請の際にはパートナーとの関係を証明する書類の提出が求められます。籍を入れていない「事実婚」の場合も申請対象ですが、カナダ国籍を持つパートナーと1年以上同棲していることが証明できるものが必要となります。
カナダで仕事を探す方法
カナダで就労するには、就労可能なビザを持っていることが大前提です。そのため、永住権やワーホリビザ、就労ビザなどが必須となります。そして、ビザの次に必要なのが「英語力」。英語が初級者レベルだと、就ける仕事は限られますし、低賃金の仕事の中からしか選べません。
日本食レストランのウェイターなどの簡単な仕事なら初級レベルでも就労は可能ですが、
オフィスワークなどで働く場合は最低限中級レベル以上は必要となります。
カナダで仕事を探すなら、カナダ政府のサイトや求人サイトに登録して応募する方法があります。
・カナダ政府のサイト「Job Bank」
・人材CANADA
・Indeed(インディード)
移住におすすめの都市は?
カナダ移住におすすめの3つの都市をご紹介します。
①バンクーバー
西海岸に位置するバンクーバーは、比較的温暖な気候で「世界一住みやすい都市」と言われるほどの都市です。
日系企業などのアジア企業が多く、就労ビザを発行してくれる企業も多いので、日本人は移住しやすいでしょう。
②ビクトリア
バンクーバーと同じ西海岸に位置し、温暖な気候と雄大な自然が魅力の都市です。
バンクーバーよりこぢんまりとした街ですが、その分、日本人やアジア人が少ないため就職先を見つけやすいという情報もあります。
③トロント
カナダ最大の都市であるトロントは、さまざまな人種が集まった移民の都市と言えます。
大都市のため就職先がたくさんあり、外国人でも職を探しやすい場所です。
色々な職種の求人があるため、自分の希望の仕事を探せるでしょう。
カナダ移住のメリット&デメリット
魅力溢れる国「カナダ」は人気の旅行先ですが、移住という点からみてもさまざまなメリットがあります。毎年これほどたくさんの移住希望者が集まるカナダの「移住のメリット&デメリット」を簡単にご紹介します。
カナダ移住のメリット
まずはカナダ移住のメリットをご紹介します。
①社会保障・福祉が充実している
カナダは「国民皆保険制度」を採用しているため、基本的に国民の医療費負担はなく、薬代なども税収で補っています。歯科や眼科などの一部は負担がありますが、基本的に医療費無料なのは、かなり大きなメリットです。国民が安心して生活できる要因の1つです。
また、日本の課題でもある「子育て支援」についても手厚く保証されており、義務教育期間13年間の学費は無償で高校までは税金で通えます。児童手当制度も充実しているので安心して子育てができるというわけです。
②質の高い教育を受けられる
世界教育水準ランキングで上位に入るカナダの教育機関。公立校でも教育水準が高く、しっかりとした教育が受けられるため、カナダでは小学校~高校まで多くの子供が公立校へ進学します。日本ではよりよい教育を受けさせるためにと「私立校」を選ぶ家庭が多いのですが、カナダでは学費が安い公立校でも十分な教育が受けられるというわけです。
大学もほとんど国立・公立であり、私立大学よりも安い費用で教育が受けられます。
③日本よりも労働環境が良い
日本ではサービス残業・休日出勤などはごく一般的なことですが、カナダは仕事とプライベートをはっきりと分けて働く人が多く、残業や休日出勤をした場合はきちんと相当の賃金が支払われます。
基本的には企業側も家族との団欒やプライベートを優先すべきと考えているため、無駄な残業はほとんどなく、定時での帰宅を推奨しています。長期休暇や有給休暇も取りやすく、日本よりもはるかに労働環境が良いと言えます。
④大自然と共存できて多文化に触れられる
カナダは大自然に囲まれた国で山や川、広い公園がたくさんあります。一年を通して四季もあるため、マリンスポーツやウインタースポーツ、キャンプや紅葉を楽しむこともできます。
大自然の中でその季節のアクティビティが楽しめるのは、カナダの雄大な自然があるからこそです。また、都市部には世界各国から集まった移民たちが暮らしているので、世界中の色々な文化に触れられるのもカナダの魅力の1つです。
カナダ移住のデメリット
メリットがある一方で、少なからずデメリットもあります。移住してから後悔しないためにも、カナダ移住のデメリットも把握したうえで、ぜひ移住を検討してみてくださいね。
①冬の寒さが厳しい
カナダの気候は世界的に見ても「過ごしやすい」と言われています。夏は日本に比べて涼しく、湿気が少ないため大変過ごしやすいのですが、冬は場所によっては日本よりも寒い地域が多いのが難点です。
特にカナダ東海岸のトロント・モントリオールは降雪量が多く、冬の最高気温は0度以上にならないことも珍しくありません。比較的暖かい西海岸でも冬は雨が多く曇りがちな天気が続きます。
②物価が高い
カナダの物価は日本よりも高めです。スーパーで売られている一般的な食材は、日本とそれほど大きな差はありませんが、日本の食材はカナダでは3倍近い価格で売られていたり、外食費も日本の2倍~3倍程かかったりします。
自炊できればそれほど問題ではありませんが、日本の感覚で外食を続けていれば大きな出費となります。
③希望の職業に就きにくい
カナダに移住する場合、国際結婚して養ってもらえるようなケース以外は、基本的には仕事を探して働かなければなりません。
移民に寛容なカナダですが、就職・雇用に関しては「カナダ人を優先的に」という考えがあるため、移民の就職は難しいと言えます。特に希望の職種がある場合は、希望通りの職につけるかどうかは、それまでの本人の経験や実績の有無にかかってきます。
日本よりも失業率が高めのカナダで、「楽に仕事が見つかる」ということはないので、しっかりと情報収集して就職活動をしなくてはなりません。
カナダ移住に必要な費用
カナダ移住に必要な費用はどれくらいかかるのか、気になりますよね。
ビザ申請代や初期費用、現地での生活費など、具体的にみていきましょう。
ビザ・永住権申請費用
就労許可証 約160CAD(16,640円) ワーキングホリデービザ 約160CAD(16,640円) 永住権(州推薦プログラムは州によって違いあり) 約1,000CAD(104,000円) 電子渡航認証(eTA) 7CAD(728円)
就労許可証 | 約160CAD(16,640円) |
ワーキングホリデービザ | 約160CAD(16,640円) |
永住権(州推薦プログラムは州によって違いあり) | 約1,000CAD(104,000円) |
電子渡航認証(eTA) | 7CAD(728円) |
※2022年8月中旬時点のレート(1CAD=104円)で算出
ビザ・永住権の申請は個人でも可能ですが、少し複雑なため移民コンサルタントを利用する方もいます。その場合は、上記の費用にコンサルタント費用が別途必要となります。
初期費用
渡航前に必要な費用はこちらです。
航空券代 | 9~15万円 |
旅行保険(3ヶ月) | 5~6万円 |
パスポート申請代 | 11,000~16,000円 |
航空券の価格はシーズンによって大きく変わるため、人気の時期をずらしたり格安航空会社を利用すれば節約できます。また、カナダの永住権を取得できればカナダの健康保険に加入できますが、すぐに加入できるとは限らないので、最初は旅行者用の健康保険に加入しておくと良いでしょう。
現地での生活費
現地での生活費は移住スタイルによっても大きく異なりますが、1ヶ月の平均的な生活費の目安はこちらです。
家賃(アパート) | 700~900CAD(72,800~93,600円) |
光熱費 | 50CAD(5,200円) |
食費 | 250CAD~(26,000円~) |
交際費・外食費など | 100~200CAD(10,400~20,800円~) |
交通費 | 50~100CAD(5,200~10,400円) |
日用品 | 30~50CAD(3,120~5,200円) |
食費は自炊を頑張ればかなり節約できる項目ではあるので、スーパーで食材を買って努力すれば1ヶ月2~3万円程に抑えられます。
友達と遊びに出かけたり外食を重ねたりすると、一気に出費が増えてしまうので、交際費や外食費の使い過ぎは要注意です。
まとめ
カナダへの移住方法やメリット・デメリットについてご紹介しました。
カナダへの移住を希望する場合は、永住権や就労ビザを取得するところから始めましょう。そのためにも英語のレベルアップを図り、少しでもたくさんの職種の中から選択できるようにしておくと、渡航してからの生活もかなり楽になりますよ。希望の仕事に就くことは決して簡単ではありませんからね。
また、現地での生活にかかる費用のことも考え、日本にいる時から計画的に貯蓄することもお忘れなく!
できることから始めてくださいね。
