留学が決まり、出発が近づいてくると必ずでてくる疑問に、「ホームステイ先へのお土産はどうすればよいだろう?」というものがあります。
お土産は日本の文化なので、結論としては持参しなくても大丈夫です。しかし、ほとんどの日本人留学生はお土産を持っていくので、日本人留学生がお土産を持参するというのは現地でも知られています。
到着してすぐの会話の糸口にもなりますので、お土産は持参することをおすすめします。そして、せっかく持っていくのであれば喜ばれるお土産を選びたいものです。
本記事ではお土産を選ぶポイントとチェック事項。そして留学経験者から聞いた喜ばれたお土産と避けたほうよいお土産についてお伝えします。
お土産を選ぶポイントは「相手の立場に立つ」
これからお土産を選ぶ際のチェック事項と喜ばれたお土産、避けたほうがよいお土産についてお伝えしますが、お土産を選ぶ際の大前提があります。
それは、「相手の立場に立つ」ということです。
当たり前のことのようですが、意外と抜けてしまう視点のため、一番最初にお伝えします。たとえば、ご年配の夫婦、子供のいる家庭、いない家庭など家庭状況により喜ばれるお土産は異なってきます。
そのため、相手の状況を想像してお土産を選ぶと、より喜ばれるお土産にたどり着くことができます。これから紹介するお土産についても、候補はある程度絞っておいてもよいですが、ホームステイの家族構成が分かってから購入するのがベストです。
お土産を選ぶ前の4つのチェック事項
お土産を選ぶ前にチェックしておきたい項目は以下4つです。
- 食事制限
- 持ち込み制限
- 気候
- 値段
こちらの4つについて解説します。
チェック1. 宗教、アレルギー、好みによる食事制限は大丈夫か?
日本ではあまり多くないかもしれませんが、海外では宗教により食べられないものがあります。宗教上禁止されている食べ物の例は以下になります。
≪宗教上禁止されている食べ物の例≫
- ヒンズー教:牛
- イスラム教:豚、アルコール
肉自体を持っていこうとする人は少ないかもしれませんが、食品の材料に肉が含まれているだけでNGですので気をつけてください。アルコールは宗教上禁止されていないか、また人によってはアルコール自体飲めない人もいるので注意しましょう。
また、最近では日本でも聞くようになった「ベジタリアン」や「ビーガン」などの菜食主義の人は肉や魚を食べることがほとんどありません。
ファミリーがアレルギーを持っている可能性や食の好みもありますので、持っていく場合は事前のメール挨拶と一緒に食べられないものがないか聞いておくとよいでしょう。
チェック2. 持ち込み制限の物ではないか?
海外に持っていくものには、持ち込み制限がかかっているものがあります。
特にオーストラリアは厳しく、「生肉」「卵」「種子」関連は持ち込み禁止。カップラーメンなどに「卵」の漢字や卵らしき絵があるだけで没収、処分されます。
余談になりますが、私の友人はホームステイファミリーが喜ぶだろうと思い、オーストラリアに紅白まんじゅうを持参したのですが、それを英語で説明できず、その場でまんじゅうを真っ二つにナイフで切られ、挙句の果てに没収されました。
食品を持っていく場合は、加工食品、缶詰、パッケージ商品などにして、聞かれた場合でも英語で説明できるように準備しておくことをおすすめします。
チェック3. 現地の気候に合っているか?
特に注意したいのが、チョコレートやキャンディーなどの気温で溶けてしまうもの。湿気に弱いものです。
現地によっては気温が想定外に暑かったり、湿度が高かったりします。気温や湿度に影響されるものを持参する場合は、現地の気候を調べてから持っていくようにしましょう。
チェック4. 値段は高すぎていないか?
お土産はこれからお世話になる挨拶みたいなものです。その挨拶にあまりにも高価なものを持っていくと、相手が気を使ってしまいます。
お土産の相場は1,000〜3,000円程度。内容がよければ100均のものを工夫して持っていっても大丈夫です。
ただし、100均は最近海外にも進出しており、現地で売られているものとかぶる可能性もあります。そのため、100均であればそれを組み合わせて手作りの何かにするなり、ほかのものを別でつけたり、何かしら工夫するようにしましょう。
留学経験者が選ぶ喜ばれたお土産、避けたほうがよいお土産
これまでお土産を選ぶ前の4つのチェック事項に触れてきましたが、これから具体的な商品を、食品やお菓子、雑貨などに分けて紹介します。
留学経験者が実際に喜ばれたお土産、そして避けたほうがよいお土産についてお伝えします。
喜ばれたお土産:食品、お菓子編
食品は選ぶのが簡単に感じますが、実はセンスが必要で、相手の状況を想像する必要があります。以下、喜ばれた食品、お菓子のお土産例になります。
≪喜ばれたお土産:食品、お菓子≫
- キャンディー
- カップラーメン、袋ラーメン
- お菓子
- 調味料
- 抹茶系
- 緑茶
- 日本酒、焼酎
食品系の鉄板で喜ばれるのが「キャンディー、ラーメン、お菓子」です。
この3つは現地でも売られていますが、日本のものは世界トップクラスといっていいほどレベルが高く、大変喜ばれます。
特に現地のスーパーで売られているカップラーメンは、日本では考えられないくらいまずいです。そのため、日本のカップラーメンの美味しさにびっくりする人もいます。
ただ、理由は分かりませんが、出前一丁だけはどの国に行っても現地のスーパーで売られていますので、出前一丁は避けたほうがよいでしょう。
そして、日本のお菓子は子供のいる家庭で喜ばれます。特に日本の女子高生に人気のお菓子は味のレベルが高く、喜ばれます。お菓子をもっていく際はリサーチするのもよいかもしれません。
調味料はそれを使って料理を教えられる人向けです。コミュニケーション手段のひとつにもなります。
抹茶系、緑茶、日本酒、焼酎は親日家ファミリー向けです。海外の人にとっては少し癖がありますので、好みが分かれる可能性がありますが、珍しいものではありますので喜ばれます。
喜ばれたお土産:雑貨
雑貨に関しては一工夫することで喜ばれる度合いが一気に上がります。以下、喜ばれた雑貨のお土産例になります。
≪喜ばれたお土産:雑貨≫
- 指が分かれている靴下
- 手ぬぐい、ハンカチ
- Tシャツ
- 箸
- 折り紙
指が分かれている靴下は海外で売られていることはほとんどないため、珍しがられて喜ばれます。また、疲れにくいため、実生活でも役に立ちます。
手ぬぐいやハンカチ、Tシャツ、箸などは日本柄のものがおすすめですが、漢字の名前をいれることでさらに喜ばれます。
たとえばリチャードさんなら、「利茶亜土」など漢字で名前をいれる。そして、渡す際にそのことを説明すると、まず間違いなく喜ばれます。現地では漢字はクール(かっこいい)と思っている人が多く、しかも自分の名前入りのものは世界でひとつです。
また、喜ばれるだけでなく、コミュニケーションのきっかけになるのが折り紙です。自分でも折り鶴など何かしらは折れるようにしておき、現地で教えてあげてあげるとよいでしょう。特に子供やご年配の方からは喜ばれます。
喜ばれたお土産:そのほか
今まで紹介したもの以外でも喜ばれるものはたくさんあります。
≪喜ばれたお土産:そのほか≫
- 文房具
- 和食器
- 印鑑
- けん玉
まず文房具。日本の文房具は大変質が高く、最近では当たり前になった書きやすいペンや消えるペンなどは現地ではめったに目にすることはなく、大変喜ばれます。
また、和食器は日本を感じることができ、開けた瞬間に喜びの声があがることもあります。
印鑑は前述したように、ファミリーの名前で漢字の印鑑を作ってあげると大変喜ばれます。
そして、コミュニケーションツールにもなるけん玉。自分が少しはできるようになってから、子供たちに教えてあげると、ホームステイ初日から盛り上げることができます。
避けたほうがよいお土産
次は避けたほうがよいお土産についてお伝えします。
≪避けたほうがよいお土産≫
- 癖が強い日本食
- お守り
- お面
- 浴衣、着物
- 現地でも放映されているアニメグッズ
まず癖の強い日本食は本当に食べられないという人が多いので気をつけましょう。
たとえば、梅干し・干物・佃煮など。自分たちは当たり前にごはんのお供として食べていますが、ほとんどの国でお米は主食ではなく、お供にするには癖が強すぎて食べれない場合があります。
食品は世界的にも食べられているラーメンやお菓子にしておいたほうが無難といえます。
また、お守りは宗教上受け入れられない人もいます。お面は日本的なものではありますが、怖がられる場合もあり、避けたほうがよいでしょう。
浴衣や着物は喜ばれる場合もありますが、喜んでくれるのは主に親日家のファミリーです。ほとんどのファミリーの場合、使いようがなく、タンスのこやしになってしまう可能性が高いです。サイズを合わせるのも難しいため、避けたほうがよいもののひとつになります。
最後に日本のアニメグッズですが、これは流行りが難しいため、現地での流行が終わっている可能性があります。よほど詳しい人か、しっかり現地の流行をリサーチできる人以外は避けたほうがよいでしょう。
まとめ
ホームステイ滞在する際には欠かせないお土産についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
せっかく持っていくのであれば喜ばれるものを持っていきたいですが、4つのチェック事項を確認して持っていくようにしましょう。
また、一番大事なのは相手の立場に立つことです。自分がホームステイファミリーで海外から留学生が来た場合、何をもらったらうれしいかを想像するとお土産も選びやすくなります。
今回の記事では具体的なお土産品も挙げていますので、お土産選びの際にはぜひ読み直して、ホームステイファミリーと仲良くなる最初のきっかけを作ってください。