将来アメリカの大学に行きたいと思っている人の中には、どうすればアメリカの大学に入学できるのか疑問に思っている人もいるでしょう。日本の大学に行くのとは、さまざまな手続き・準備が異なりますから、不安に思うこともありますよね。
そこでこの記事では、アメリカの大学への留学を考えている人向けに、アメリカの大学に行くための方法を解説します。こちらを参考にして、アメリカ大学留学の計画を練ってみてくださいね。
アメリカの大学に入学するのに必要な条件
まずは、これをクリアしていなければ、アメリカの大学に入学することができないという必須条件からご紹介していきます。こちらをクリアできていない人は、クリアするために今から準備をはじめましょう。
高校卒業済み・もしくは卒業することが決まっていること
アメリカの大学に行くには、入学時点で高校を卒業している必要があります。入学審査の申し込みをする時点では高校生でも、入学時には卒業していることがほぼ決定しているなら、入学審査を受ける基準をクリアしています。
すでに社会人として働いている人がアメリカ大学留学を目指すことはもちろんできますが、その際には、高校以降の学校すべての教育機関からの成績証明書が必要です。
TOEFL iBT61点・TOEFL PBT 500点以上
アメリカの大学では英語で授業が行われます。そのため、その授業についていけるだけの英語力がなければ、入学自体ができません。
アメリカではすべての留学生にTOEFLの受験が必要とされています。このTOEFLで、各大学の求める点数以上が出せなければ、入学審査を受けることができないのです。
その点数はTOEFL iBTで61点以上、そしてPBTだと500点以上となっています。大学によっては、TOEFL iBT80点以上を要求しているところもあるので、自分が行きたい大学が何点を要求しているかを確認しておきましょう。
ちなみにTOEFL iBT61点は、TOEICでいうと600点程度のレベルです。80点はTOEICだと750点程度となります。
意外とそこまで高くないと思うかもしれませんが、これが最低限なので、この点数をクリアしていても、大学の授業についていくのが難しいと感じる人は多いです。
大学の経費や生活費に十分な経済力
アメリカ大学留学は、他の国と比べるととてもお金がかかることで知られています。詳しい費用は後述しますが、その費用をカバーできるだけの十分な経済力があると判断されなければ、アメリカの大学に入学させてもらうことはできません。
入学審査時には、経済力の証明として残高証明を提出することになります。アメリカの大学への進学を考える人には未成年も多いですから、残高証明は保護者のもので構いません。また、4年間すべてを賄える費用が銀行口座になくても、賄えると判断できるほどまとまったお金が入っていればOKです。
アメリカの4年制大学に必要な経費
高校卒業や英語力は、比較的クリアしやすい条件です。英語力は難しいと感じる人もいるかもしれませんが、英語の勉強は誰でもやろうと思えばできます。
多くの人がアメリカ大学留学を諦めてしまう要因は、経費ではないでしょうか。
そこでここからは、アメリカの4年制大学に必要な経費について、解説していきます。
学費
アメリカの大学は、日本と比べると学費がとても高額です。日本の国公立大学の学費と比べると、驚いてしまうかもしれません。
大学によって学費にはかなり幅がありますが、目安として1年間に300万円〜500万円程度はかかるとみておきましょう。4年間の合計ではなく、1年間です。
ですので、4年間通おうとすると1,000万円以上は必要になります。学費が高額な大学を選べば、数千万円に上ることもあるでしょう。
生活費
上記でご紹介した1年間に300万円〜500万円というのは、あくまで学費のみの話になります。
留学中に必要なお金は学費だけではありません。アメリカでの衣食住をまかなう生活費、そして交通費や交際費といった費用も必要でしょう。これらは、工夫次第で節約することができますが、ゼロにはなりません。
生活費はどの地域に住み、どんな物件に住むのかによってかなり幅があります。また、それぞれの過ごし方によっても大きく幅が出るでしょう。
目安としては、年間に200万円〜400万円といったところでしょうか。これを学費と合算すると、4年間で最低でも2,000万円は必要です。これが最低限必要な費用ですから、もう少し余裕を持って準備できると良いですね。
ちなみに入学時に大学に提示する残高証明には、その4年間分の費用がなくても大丈夫です。目安としては、行く大学でかかる費用(学費+生活費)の2年分は用意しておきましょう。
学費を支払う方法
ここまでの費用の説明を見て、「アメリカ大学留学は無理だ」と諦めてしまう人もいるかもしれません。しかしこれだけ高額な学費を、アメリカ人はどうしているの?と気になった人もいるのではないでしょうか。
アメリカ人も全員がお金持ちなわけではありません。では一般的なアメリカ人がどうしているのかというと、奨学金です。アメリカの大学は非常に高額ですから、奨学金を使って進学するのが一般的な方法となっています。
そして日本人向けにも、アメリカ大学留学用の奨学金があるのです。人数は限られていますが、返済義務がないものもあり、もしも奨学金に受かればずっとアメリカ大学留学が現実味のあるものとなるでしょう。
以下のリンク先では、日本国内で公募されているアメリカ留学用の奨学金制度が一覧で紹介されています。奨学金に興味がある人は、こちらをよく見て、自分が申し込めそうなものがあるか検討してみてくださいね。
日米教育委員会(フルブライト・ジャパン:奨学金制度一覧
アメリカの大学への入学審査に必要な書類
お金の問題が解決したら、いよいよ本格的に入学審査の申し込み準備をはじめましょう。アメリカの大学では、日本の入試のような試験はなく、すべて書類審査で行われます。
入学審査に必要な書類は大学によって異なりますが、大体以下のような書類を求められることになります。
また、すべての書類が英語になっている必要がありますので、日本語のものを揃えてしまわないように注意しましょう。
入学願書 | 英語ではApplication formという。申し込み書。 |
卒業証明書 | 高校以降の卒業証明が必要。 |
成績証明書 | 高校以降の成績証明が必要。 |
TOEFLスコア証明 | 各大学が要求するスコアをクリアしている必要がある。 |
エッセイ | 大学側から課された内容どおりの英作文を書く。ない場合も。 |
健康診断書 | 大学の書式に沿って書いてもらうように医師に依頼する。 持病や障害があってもそれで入学拒否になるわけではないので、正確に書いてもらうこと。 |
財政証明 | 十分な金額が入っている銀行の残高証明書。複数の口座を合算してもOK。 |
どの大学でも要求されるのは、大体このくらいでしょうか。大学によって、必要書類箱となりますから、これは参考までにして、自分が入学したい大学の情報をチェックしておきましょう。
アメリカの大学の入学条件をクリアできない場合は?
英語力や資金、または成績などが原因で、アメリカの大学の入学条件をクリアできない場合もあるでしょう。また、高校を卒業していなくて、アメリカ留学を断念する人もいるかもしれません。
そんな場合には、もう少し日本で英語力を養ったり、高卒認定試験を受けたり、貯金をしたりという方法もありますが、実はほかにもアメリカ大学留学を実現する方法があるのです。
その方法が、コミュニティカレッジへの入学。コミュニティカレッジとは、2年制の公立大学のことです。
コミュニティカレッジは、4年制大学よりもより幅広い人に学びの機会を与えてくれるもので、学費も4年制大学よりも安く、入学難易度も低めに設定されています。さらに卒業後は4年制大学へ進学できるチャンスも!
ここからはもう少しこのコミュニティカレッジについて深堀していきます。
コミュニティカレッジの入学条件などについて
コミュニティカレッジへの入学は、4年制大学に比べるととても難易度が低いです。以下に特に異なる部分をリストにしていますので、4年制大学の場合と比べてみましょう。
- 高卒資格を持っていなくてもOKな場合が多い(カレッジによる)
- TOEFL iBT 45~61点程度(TOEIC換算だと450~600点程度)
- 英語力が問われない場合もある(英語コースあり)
- 学費は4年制大学の半額以下
どうでしょうか。これならクリアできると思った人もいるのではないでしょうか。英語力に不安がある人の場合、コミュニティカレッジなら、現地で英語力を鍛えることが可能です。
それでもある程度日常生活に困らないくらいの英語力は必須ですから、日本で勉強しておくようにしましょう。
4年制大学への進学
どうしてもアメリカの4年制大学を卒業したいという人にも、コミュニティカレッジはおすすめできる留学先です。なぜなら、コミュニティカレッジで二年間学べば、その後4年制大学に進学できるチャンスがあるからです。
しかも3年次編入ができるため、4年制大学を卒業するまでの費用も抑えることができるんですね。
学力や英語力、経済力などに不安がある人は、コミュニティカレッジへの留学も検討してみましょう。
アメリカ大学留学は計画的に!早めに準備を始めることが大切
アメリカの大学に入学願書を送るまでには、さまざまな準備が必要です。書類を揃えることももちろん準備の1つですが、英語力を鍛えておいたり、銀行残高の問題を解決したり、健康診断を受ける医師を探しておいたりと、やることはたくさんあります。
ですから、準備はできるだけ早めに始めた方がよいでしょう。留学するのはまだ先……と思っている人も、どんなことが必要なのか情報だけはしっかり収集して、あとで間に合わないなんてことがないように準備をしておきましょう。