これからアメリカに留学などで滞在する人は、「アメリカでは大麻が合法」なんて話を聞いたことがあるかもしれませんね。それを聞いて怖いと思う人、合法なら使ってみたいと思う人、さまざまかと思いますが、そもそもアメリカでは本当に大麻が合法なのでしょうか。
この記事ではアメリカでの大麻にまつわるお話と、日本人がアメリカで大麻を使うことについて解説していきます。合法だと思い込んで使ってしまうと、思わぬトラブルになる場合もありますから、こちらの記事を参考に、アメリカに渡航する前にしっかり認識を確かにしておきましょう。
そもそも大麻ってなに?
大麻はマリファナとも呼ばれますが、名前は知っていても、具体的にどんなものかは知らない人もいるでしょう。そこで、まずは大麻がどういうものなのかを解説します。
大麻は大麻草という植物由来の薬物。危険ドラッグの一種とされており、日本では使うことも栽培することも禁止されています。しかしオランダをはじめとした海外では、合法になっている国もあり、薬物・ドラッグの中では手に入りやすいです。
実は大麻には、「医療用大麻」と「嗜好用大麻」があります。どちらも同じ大麻草を原料としたものですが、医療用大麻は医療を目的としたものですから衛生面は安心。ですが、基本的には嗜好用大麻と大きな違いはありません。
ちなみに、日本では医療用大麻の使用も禁止されています。
CBDは危険ドラッグではない
近年、日本でもCBD(カンナビジオール)という成分の入ったオイルなどが販売されるようになりました。こちらも大麻草を原料としているものですが、大麻に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)という危険な成分が入っていないものになります。
CBDはリラックス効果があるとされており、欧米では愛用している人も多いです。2022年11月現在、日本でもCBDは危険ドラッグとはされておらず、取り締まりの対象にはなっていません。そのため、アメリカでも日本でもCBDを使用するのは今のところ問題ありません。
アメリカは大麻合法の国?
大麻について基礎知識をつけたところで、改めてアメリカでは大麻が合法とされているのかどうかを解説していきます。
前述のとおり、大麻には医療用大麻と嗜好用大麻があり、アメリカではこの2つの取り扱いが異なります。また、アメリカはとても大きな国ですから、州によって法律が異なるのもポイントです。
2022年11月現在のアメリカでは、医療用大麻が合法になっている州が37州、そして嗜好用大麻も合法の州が18州+首都ワシントンとなっています。アメリカには51州ありますから、半分以上の州で医療用大麻が合法になっていて、約3割の州で嗜好用大麻もOKということになります。
アメリカで医療用・嗜好用大麻両方が合法になっている州
アメリカで医療用大麻だけではなく、嗜好用大麻まで合法になっている州は、以下のとおりです。
- アラスカ州
- アリゾナ州
- カリフォルニア州
- コロラド州
- コネチカット州
- イリノイ州
- メイン州
- マサチューセッツ州
- ミシガン州
- モンタナ州
- ネバダ州
- ニュージャージー州
- ニューメキシコ州
- ニューヨーク州
- オレゴン州
- バーモント州
- バージニア州
- ワシントン州
- 首都ワシントン(コロンビア特別区)
ただし、これらの州であっても、大麻の売買には厳密なルールがあります。また、公共の場で吸うことはできず、大麻を使う場合は自宅などに限られるなどのルールも決められています。また、21歳以上という年齢制限も敷かれています。
そのため、誰でも気軽に大麻を吸えるわけではないことは覚えておきましょう。
大麻が合法な州は危険?
日本は大麻が簡単に手に入る環境ではありませんから、アメリカには大麻が合法な地域があると知って、怖く思った人もいるでしょう。嗜好用大麻が使える州は避けようと考える人もいるかもしれませんね。
ですが、大麻が合法だからといって、必ずしも治安が悪いというわけではありません。たとえば、殺人件数ランキング下位であるバーモント州やメイン州などでは、嗜好用大麻が合法となっています。
逆に殺人件数ランキング上位常連のカリフォルニア州も嗜好用大麻が合法となっていることから考えても、大麻が合法なことが直接犯罪に結びついているとは考えづらいです。
欧米でも大麻の使用が禁止されている国の方が多くはありますが、それらの国でも大麻は比較的手に入れやすく、欧米人には「若い頃に大麻を吸ったことがある」という人は少なくありません。
非合法ではあるものの、他の危険ドラッグに比べると、「大麻くらい」と考える人がとても多いのですね。
つまり、アメリカを含む欧米では、大麻を使うことが日本ほどタブー視されておらず、「大麻を使う人=危険」というイメージはあまりありません。そのため、欧米では大麻が合法かどうかと治安はあまり関係がないのです。
アメリカの大麻が合法な州なら大麻を使ってもいい?
大麻が合法とされている州なら、大麻を吸ってみても良いのでは?と考える日本人もいるでしょう。実際、アメリカに留学すると現地でできた友達が大麻を吸っているところを目撃することもあるかもしれません。
ですが日本では、日本国民が国外で大麻を使うことも禁止しています。つまり、日本人は大麻が合法な地域に行っても大麻を吸うことができないのです。
海外にいればバレない……なんて安易には考えず、たとえ現地でできた友人が大麻を使っていたとしても、使わないようにしてください。誘われても、断固として断るべきです。
アメリカに限らず外国人として海外に滞在する際、日本国内の法および現地の法に触れるようなことはするべきではありません。下手をすると日本にいるときよりも、大変な思いをすることがありますから、くれぐれも日本の法も現地の法も守るようにしてください。
大麻が合法とされている州なら、大麻を吸ってみても良いのでは?と考える日本人もいるでしょう。実際、アメリカに留学すると現地でできた友達が大麻を吸っているところを目撃することもあるかもしれません。
ですが日本では、日本国民が国外で大麻を使うことも禁止しています。つまり、日本人は大麻が合法な地域に行っても大麻を吸うことができないのです。
海外にいればバレない……なんて安易には考えず、たとえ現地でできた友人が大麻を使っていたとしても、使わないようにしてください。誘われても、断固として断るべきです。
アメリカに限らず外国人として海外に滞在する際、日本国内の法および現地の法に触れるようなことはするべきではありません。下手をすると日本にいるときよりも、大変な思いをすることがありますから、くれぐれも日本の法も現地の法も守るようにしてください。
アメリカと日本では大麻を取り巻く環境が異なる
アメリカの多くの州で大麻が合法とされていると聞いて、アメリカ人はみんな大麻を吸っていると勘違いしてしまう人もいるでしょう。しかし実のところは、ある程度年齢を重ねていれば、大麻を吸っていない人の方が圧倒的大多数です。
確かに若い頃は興味本位で、ちょっと吸ってみる……なんて人はいます。しかし、仕事を始める頃になると、法律で罰されなくても、会社の社則で大麻の使用が禁止されている場合もあり、日常的な大麻利用が支持されているというわけではないのです。
日本にも大麻合法化を求めている人が一定数いるようですが、その人たちは「大麻よりタバコの方が有害」「海外では合法化されている」といった理由で、合法化を求めているようです。
しかし、アメリカで大麻が合法化されているのは、大麻の流通を法でコントロールすることによって、マフィアなどによる大麻の売買を抑制し、犯罪率を減少させるためなのです。
決して、一般市民の娯楽のためではないのですね。
アメリカは犯罪率の高い国で、その犯罪にはアメリカ国内外のマフィアが関与していることも多いです。そうした犯罪を少しでも減少させるために、大麻の売買を合法化し、マフィアの資金源とはさせないようにという取り組みが、嗜好用大麻の合法化なのです。
確かにアメリカ滞在中に、大麻を吸っている若い人を見かけることもあるでしょう。
しかし、決して、アメリカでは大麻を使いたい一般人が多いというわけではありませんから、誤解しないようにしましょう。
アメリカで大麻を勧められたら?
もしもアメリカ滞在中に、友人に大麻を勧められたらはっきりとお断りをしましょう。前述のとおり、日本人の大麻使用は海外であっても認められていません。
そして、もしも知らない人に大麻を勧められた場合は、危険な場合もありますから、はっきりと断り、その人物には絶対に近づかないようにしてください。
現地で知り合った日本人が大麻を吸っているのを目撃してしまった場合は、やんわりと日本の法律では海外でも吸ってはいけないことになっていることを教えてあげましょう。もしかすると、そのことを知らない可能性もあるからです。
それを伝えても尚、大麻を使っている日本人のことは放っておきましょう。その人物が大麻を吸っていてもトラブルになっていないからと言って、自分も吸うなんてことはしないでください。
繰り返しになりますが、アメリカでも大麻を吸うことが一般的なわけではありません。大麻を吸っている人は、「学がない」「育ちが悪い」と見られることもありますから、大麻と距離を取って過ごすようにしてください。
アメリカでは大麻が合法の州がある!しかし一般的ではないことを忘れずに
今回ご紹介したとおり、アメリカには嗜好用大麻が合法となっている州があります。しかし、そんな州であっても、日本人は大麻を吸うことはできません。
また大麻が合法となっていても、それが一般的なわけではなく、多くの人は大麻を吸っていません。ちなみにアメリカではタバコを吸っている人の比率も日本よりずっと少ないです。
なぜ大麻が合法になっているかという事情を忘れることなく、アメリカに行っても大麻とは距離を取るようにしてくださいね。