カナダと言えば、多くの人がトロントやバンクーバーを思い浮かべるかもしれません。
しかし、カナダの首都は実はオタワです。
その国の中心と言える首都が、カナダを代表する都市であるトロントやバンクーバーではなく、なぜオタワになったのでしょうか。そして、オタワはどのような街なのでしょうか。
今回は、カナダを訪れる前に知っておきたいオタワの歴史、特徴、そして魅力について探っていきます。
【目次】
1.オタワが首都になった理由と歴史
オタワがカナダの首都に選ばれた理由は、その歴史と地理に密接に関連しています。
オタワは元々、リドー運河が作られるための労働者の町として設立されました。この運河は、アメリカからの侵攻を防ぐために作られた防衛路線の一部でした。
オタワが首都となったのは1857年のことです。カナダ東部の大都市、トロントとモントリオールの間に位置するオタワは、英語圏とフランス語圏の境界線に近く、またアメリカからの攻撃を防ぐための戦略的な位置にあったからです。
当時のカナダ総督、ジェームズ・ブルース卿(エルギン伯爵)がこの決定を下しました。
彼は、オタワがそれぞれ異なる文化を持つ英語圏とフランス語圏の間で平等な立場を保つことができると考えました。
歴史的な背景から、当時のカナダでは移民が増え、英語圏とフランス語圏の文化を持つカナダ人の間でそれぞれの主張を言い合う不穏な空気がありました。そこで、カナダの第一都市トロントと第二都市モントリオールの間に位置するオタワを首都に選出したのです。
オタワは首都に指名されて以来、国の行政の中心として発展し続けました。
パーラメントヒルには、立派なゴシック復興様式の議会図書館と国会議事堂が立ち並び、カナダの法律が議論され、決定されます。オタワは、カナダの心臓部として、国の重要な決定がなされる場所としてその役割を果たしています。
2.オタワの地理的・文化的特徴
オタワはオンタリオ州東部、ケベック州との境界近くに位置しています。地理的にフランス語圏と英語圏の接点に位置するため、街は英語とフランス語の二言語を公用語としており、それぞれの文化が融合した独自の雰囲気を持っています。
オタワはその美しい自然環境でも知られています。市内には広大な公園や緑地が点在し、リドー運河は夏はボート遊びやウォーキング、冬は世界最長のスケートリンクとして市民や観光客に楽しまれています。
また、ガティノーパークのような大自然に囲まれた場所では、ハイキングやキャンプ、スキーといったアウトドア活動を楽しむことができます。
オタワはカナダの首都ということもあり、美術館、博物館、公共図書館などの文化施設が豊富です。特にカナダ美術館、カナダ戦争博物館、カナダ自然博物館、カナダ科学技術博物館などは、カナダの文化と歴史を深く理解するための重要な場所となっています。
これらの施設はカナダの多様性と開放性を象徴しており、地元の人々だけでなく観光客にも大変人気があります。
3.オタワ観光の魅力とおすすめスポット
オタワは首都としての風格と豊かな歴史、美しい自然環境を併せ持つ、カナダを訪れる人々にとって魅力的な観光地です。その中でも、特に訪れる価値があるスポットをいくつか紹介します。
パーラメントヒル
カナダの政治の中心地であり、ゴシック復興様式の建築物が立ち並びます。議事堂の中には、ライブラリーや展望塔などもあり、見学ツアーも可能です。
リドー運河
夏には運河クルーズやサイクリング、冬には世界最長のアイススケートリンクとして利用されます。運河沿いには美しい公園もあり、季節を問わず楽しむことができます。
バイワードマーケット
オタワ最古の市場であり、地元の食材やクラフト、衣料品などが購入できます。多くのレストランやカフェもあり、地元の料理を楽しむことができます。
カナダ国立美術館
カナダのアートを広く展示しており、歴史的な作品から現代アートまで幅広く楽しむことができます。
ガティノーパーク
オタワ市内から車で短時間の場所にある自然公園。ハイキング、サイクリング、キャンプ、スキーなど、四季を通じて様々なアウトドア活動が楽しめます。
それぞれのスポットが、オタワの歴史、文化、自然という三つの要素を体現しています。
これらのスポットを訪れることで、オタワの多様な魅力を発見することができるはずです。
4.オタワの美味しいグルメと地元の名物料理
オタワの食文化はその多文化的な背景から多種多彩で、世界各地の料理を楽しむことができます。しかし、それだけでなく、オタワには地元特有の美味しいグルメや名物料理もあります。
まず挙げられるのは、カナダ全土で愛される料理「プーチン」です。フライドポテトにチーズカードとグレービーソースをトッピングしたこの料理は、モントリオール発祥と言われていますが、オタワでも至る所で見かけることができます。
いくつかのレストランでは、伝統的なレシピから一風変わったバリエーションまで、様々なプーチンを提供しています。
次に、地元のマーケットで手に入る新鮮な地元産の食材を活かした料理も見逃せません。特にバイワードマーケットは、季節のフルーツや野菜、チーズ、ベーカリー製品、肉など、地元産の食材が揃う場所です。
ここで手に入る食材を使った料理は、オタワの豊かな土地の恵みを味わうことができます。
また、オタワはビールの醸造でも知られており、数々のクラフトビール醸造所が点在します。その中には、ビールの試飲や醸造ツアーを楽しめる場所もあり、ビール好きにはたまらないでしょう。
5.オタワの住民のライフスタイルとコミュニティ
オタワ住民のライフスタイルは、自然環境、歴史、そして文化的多様性から大きく影響を受けています。体育活動やアウトドア活動、地域社会への参加を重視する人が多いです。
市内には無数の遊歩道、サイクリングコース、公園、スポーツ施設があり、市民は一年中これらの施設を利用しています。特に、リドー運河は市民の憩いの場となっており、夏はカヌーやカヤック、冬はスケートと、季節を問わず活用されています。
また、オタワの住民はコミュニティ活動にも積極的な人が多いです。市内には多数のボランティア団体が存在し、地域の清掃、子供の教育、老人支援など、さまざまな社会貢献活動が行われています。これらの活動は、コミュニティの絆を強化し、地元の価値を高める役割を果たしています。
このようなライフスタイルとコミュニティへの参加は、オタワが持つ豊かな自然環境と文化的多様性を保つための基盤となっています。それはまた、訪れる人々にとっても、この街の真の魅力を感じ、その一部を体験する機会を提供してくれます。
6.オタワで留学、ワーホリをする魅力
オタワは留学やワーキングホリデー(ワーホリ)で訪れる人の穴場的な都市とも言えます。以下、具体的な点を解説します。
1. 豊富な教育機関
オタワにはカールトン大学やオタワ大学など、質の高い教育を提供する大学があります。これらの学校では、様々な専攻分野が提供されていて、留学生が自分の興味やキャリアゴールに合わせてプログラムを選ぶことができます。自然が多いため、伸び伸びと学ぶことができます。
2. ワーホリ
オタワはカナダの首都であるため、政府関連の仕事が多いですが、技術、ヘルスケア、教育、観光など、様々な分野で仕事があります。キャリアを身につけたい人やワーホリでよく聞く日本食レストランなどではない仕事をしたい人にとってはチャンスが溢れています。
ただし、英語が話せることが前提になりますので、自分の英語力にある程度自信があり、それを試したい人がチャレンジできる都市とも言えます。
3. 日本人が少なく、多文化的な環境
オタワは日本人が少なく、さまざまな文化的背景を持つ人々が暮らしています。そのため、留学生やワーホリの人々は、カナダ文化を学びつつ、英語環境に浸かることができます。
4. 安全な都市環境
オタワは治安の良い都市としても知られています。市内はきれいに保たれており、公共交通機関も整備されています。また、住民は親切でフレンドリーなため、安心して生活することができます。
以上のように、オタワは教育の機会、仕事の機会、多文化的な環境、そして安全性という観点から、留学やワーホリにも向いている都市と言えます。
しかし、日本人が少なく、英語をある程度話せないと仕事を見つけるのは難しいため、ワーホリでオタワに興味がある人は、渡航前に英語学習に力を入れておきましょう。
7.まとめ
カナダの首都オタワの歴史を学ぶことで、カナダの国民性や文化、そしてその形成に至る過程を理解することができたのではないでしょうか。
また、オタワの魅力的な観光スポットや美味しいグルメ、そして地元の人々のライフスタイルとコミュニティ活動を体験することで、単なる観光以上の視点でこの都市を楽しむことができます。
オタワは自然の美しさ、そして文化の豊かさがあり、学ぶ、働く、暮らすのに適した都市です。日本人が少なく、治安が良い環境は留学やワーホリの穴場的な都市とも言えます。
留学やワーホリでカナダに渡航する人は、自然、文化、グルメ、観光など、カナダの首都オタワをぜひ満喫してください。