留学へ行く国が決まったら、次は現地での滞在方法を決めなければなりません。国によって留学生の主な滞在方法は異なりますが、真っ先に頭に浮かぶのは「ホームステイ」ではないでしょうか。
世界的にみても、留学生にとって定番の滞在先はホームステイです。とくに留学初心者にはホームステイはおすすめといわれていますが、なぜホームステイが人気なのか、その魅力について詳しく解説していきます。
また、ホームステイの費用やホストファミリーと上手く生活するためのポイントもご紹介します。これを読んでホームステイに行けば、「失敗した~」と思うことはないので、ぜひ参考にしてくださいね。
ホームステイを解説!
海外留学の滞在先で一番有名な「ホームステイ」。何となく「現地の家庭で生活をする」ということは知っていても、「食事は?」「自分の部屋は?」「門限はあるの?」など、分からないこともたくさんあると思います。
そこでまずは、ホームステイの疑問について説明していきましょう。
ホームステイとは
ホームステイとは現地の一般家庭で「ホストファミリー」と呼ばれる家族と一緒に生活を送ることをいいます。学校が終わってからもホストファミリーと共に生活するので、24時間生きた英語に触れることができ、更なる語学の向上が期待されます。
欧米の留学ではホームステイは一般的ですが、東南アジア(フィリピン・マレーシア・インドネシアなど)は住宅事情によって学生寮・コンドミニアム・ホテルでの滞在が一般的です。
【注意】ホームステイは家庭ごとにルールが違う
ホームステイでは留学生を受け入れる家庭ごとに習慣やルールは異なります。親切に世話をしてくれる家庭もあれば、自分のことは自分でするというスタイルの家庭もあります。
実際にホームステイが始まってみると「あれ?」と思うことがあるかもしれません。しかし、ホームステイには正解というものはないので、各家庭のルールに従って生活するものと考えておきましょう。
「朱に交われば赤くなる」という言葉がありますが、留学先ではあなたが外国人ですからね。
ホームステイの費用はどれくらいかかる?
ホームステイにかかる費用がどのくらいなのか、気になる人も多いでしょう。ホームステイの費用は国や地域によって大きな差があります。同じ国でも都市部の場合は、住居費や生活費が高くつくので、必然的に料金が高くなりますが、その反面、郊外や田舎では比較的安い料金で滞在できます。
約2週間の短期留学でホームステイをしたときの参考費用はこちらです。
アメリカ…約24万円~55万円
カナダ…約23万円~47万円
オーストラリア…約25万円~44万円
ニュージーランド…約23万円~45万円
参考:School With
留学でホームステイを選ぶメリットは?
留学時の滞在先には「ホームステイ」「学生寮」「シェアハウス」「アパート」など、いくつかの選択肢があります。
その中でも王道は「ホームステイ」であり、語学の上達が一番期待できるともいわれています。
そんなホームステイのメリット・魅力はこちらです。
◆ホームステイのメリット
現地の一般家庭の生活が体験でき、文化や習慣を学べる
ホストファミリーと会話することで英語の上達スピードが早くなる
食事付き(2食or3食)のことが多いので、食費が節約できる
困った問題(体調不良・ケガ・事故など)が起きたときはホストファミリーが助けてくれる
第二の家族との生活で、ホームシックにかかりにくい
週末にホストファミリーがショッピングや観光に連れて行ってくれることもある
このようにホームステイのメリットは数多くあります。単に言葉の習得だけでなく、その国の家庭料理を食べたり文化を体験したりと、日本では経験できないことができるのです。
◆ホームステイのデメリット
ホームステイにはメリットがある一方で、デメリットもあります。メリットだけを考えていると、「思い描いていた留学と違う!」というギャップにストレスを感じてしまうかもしれません。
デメリットもしっかりと考慮して、滞在先を選ぶことをおすすめします。
ホストファミリーとの相性が悪いと、苦痛やストレスを感じやすい
各家庭ごとに留学生に対する対応が違う
食事が出ない家庭や、「自分のことは自分で」という放任主義の家庭もある
個室の部屋以外は共同なので、人との共同生活が気になる人は生活しずらい
ホストファミリーの英語がネイティブではない可能性もある
語学学校から遠いことがあり、通学が大変
ただ、「ホストファミリーと合わない」「外れだ」と思う前に、各家庭のルールやその国の習慣に合わせる努力をしましょう。日本の当たり前は外国では通用しません。その国の文化や習慣に馴染めるように努力をするのは外国人留学生の務めであると心得ておきましょう。
ホームステイで大切なこと
ホームステイをするにあたって、ホストファミリーと上手く生活をしていく秘訣をご紹介します。
①ホストファミリーに先入観を持たない
ネットで「ホームステイ」「ホストファミリー」と検索すると、でてくるエピソードのほとんどが良いエピソードです。「親切にしてくれた」「美味しい食事を毎食出してくれた」「週末に色々な場所に連れて行ってくれた」などの体験談を読んでいると、素晴らしいホストファミリーたちばかりなんだと想像してしまいますよね。
しかし、ホストファミリーも1人の人間です。親切にしてくれる人もいれば、留学生を引き受けることでお金をもらえるという「ビジネス的」な考えのホストファミリーもいます。
なかには「キッチンを自由に使っていいから食事は自分で用意すること」という家庭もあるのです。
必要なことは手伝ってくれるけれど、それ以外は割り切った関係を好むホストファミリーもいるので、過度の理想・先入観は持たないようにしましょう。
②コミュニケーションは自分から積極的にとる
日本人は恥ずかしがりやな人が多く、自分からコミュニケーションをとるのが苦手という人も多いですよね。しかしホームステイ先では、自分から積極的に話しかけてコミュニケーションをとりましょう。
「英語が下手だから…」「間違った英語を喋ったら恥ずかしいし…」という考えは全く必要ありません。ホストファミリーは何度も留学生を受け入れているベテランが多く、留学生だから英語が上手く話せないことは理解してくれています。
「もし会話で間違いがあれば直してほしい」と伝えておけば、正しい英語をしっかりと教えてくれるでしょう。そうした失敗の積み重ねが、語学の上達へと繋がるのです。
③いつも笑顔&大きな声で挨拶をする
人として当然のことですが、笑顔は大切です。異国からの留学生を「家族の一員」として迎え入れてくれるのですから、ホストファミリーには常に笑顔を心がけ、大きな声で元気よく挨拶をしましょう。
留学生は言葉が未熟なので、とくに最初の頃はホストファミリーと意思疎通がしづらいと感じるでしょう。しかし笑顔や元気の良さは、言葉が通じなくても万国共通で好印象を与えます。言葉がまだ上手く話せなくても明るくふるまい、頑張って話しかけようとする努力は相手にも伝わりますからね。
④各家庭のルールを守る
ホームステイでは、お世話になる各家庭ごとにそれぞれの「ルール」があります。門限や食事の回数に決まりがあったり、シャワーは5分で済ませるといったルールを設けている家庭もあります。
海外では水道代や電気代が高い地域もあり、水をたくさん使うと嫌な顔をされることもあります。そういった各家庭のルールを守らなければ最悪、退去しなくてはいけないので、しっかりとお互いにルールの確認はしておきましょう。
⑤自分はゲストではなく家族の一員だと思う
ホームステイ先ではあなたは家族の一員です。いつまでも「ゲスト」という気持ちではいけません。ホストファミリーがやってくれるのを待つのではなく、自分からどんどん手伝いをして家族の一員になれるように努力しましょう。
⑥意思表示はしっかりとする
日本人ははっきりとした意思表示をしたり、主張したりすることが苦手です。日本人同士ははっきりと伝えなくても「空気を読む」ことができます。しかし日本から一歩外へ出てしまえば、そんな常識は通用しません。「察してほしい」という考えでは生活していけないのです。
海外ではイエスかノーをはっきりと答えるのは普通のこと。「好き?嫌い?」と聞かれたら曖昧な返事をするのではなく、はっきりと答えましょう。「どっちでも…」という言葉は海外では受け入れられませんからね。
ホームステイの申込方法
留学先でホームステイを希望するなら、入学予定の語学学校か留学エージェントに頼む方法が一般的です。
語学学校や留学エージェントがあなたの細かな要望を聞きながら、適したホームステイ先をマッチングしてくれます。受け入れてくれる家庭は、老夫婦2人だけの家庭や子供がいる家庭など、家族構成はさまざまです。
海外では大型犬を飼っている家庭も多く、どうしてもペットは苦手という人や、タバコの臭い・煙を吸うとアレルギーが出るという人は、その旨を伝えておきましょう。
ホームステイ先が老夫婦の家庭の場合は、落ち着いた環境で勉強に集中できますし、子供のがいる家庭なら子供と一緒に簡単な日常会話や英語表現を学ぶことができます。
各家庭にはそれぞれの良いところがあるので、ぜひ日本ではできない貴重な経験をしてください。
まとめ
初めての留学であれば最初の滞在先はホームステイがおすすめです。海外で一人きりで生活をするのは不安や心細さが伴います。しかしホームステイではホストファミリーと一緒に暮らすので、困ったときは助けてもらえるし、色々な相談にのってもらえます。
ホストファミリーとの関係性は重要です。しかし積極的に自分からコミュニケーション取ろうと心がければ、より良い関係を築けるはずです。
英語が上手くなくても、人は心で通じ合えるものですよ。
しっかりと現地の文化を学んで、留学先で大切な第二の家族をつくってきてくださいね。