海外のお金というのは日本のお金とは違うため、海外に行ったときには、現地の紙幣やコインに惑わされることもあるでしょう。また、レートも国によって異なりますから、今買おうとしている物が日本円でいくらなのかは、なかなか判断つきづらいですよね。
留学先やワーキングホリデー先として日本人にとても人気のあるオーストラリアの通貨も、日本の通貨とはかなり異なります。これから留学やワーホリ、旅行などでオーストラリアに行く予定の人は、オーストラリアでのお金のやりくりに頭を悩ませていたりするのではないでしょうか。
そこでこの記事では、オーストラリアのお金について詳しくご説明します。通貨のデザインやオーストラリアのお金の入手方法などもご紹介するので、こちらを参考に予習しておけば、オーストラリアに行って困ることが少なくなるはずですよ。
1.オーストラリアのお金は「オーストラリアドル」
まず基本知識からご紹介しましょう。
オーストラリアのお金は日本語では「オーストラリアドル」、英語では “Australian dollar” と呼ばれています。日本語のカタカナの発音とはかなり音が違うので、現地では発音に注意が必要です。
日本語での書き文字では、濠ドルやAUドルなどと表記されます。豪ドルの「豪」は、オーストラリアの漢字(濠太剌利・豪州)から来ています。濠は常用漢字ではないため、豪が使われるようになったのですね。
オーストラリアドルの日本円換算レート
2023年9月現在の1オーストラリアドルは、日本円にして約96円。ほぼ100円となっています。3年前の2020年9月では1オーストラリアドルが約80円ほどだったため、その頃に比べると、オーストラリアドルは高く感じるでしょう。
ドルにはたくさん種類がある
世界的にはドルと言えばアメリカのドルを指すことが多いため、それと区別するためにオーストラリアの通貨は「オーストラリアドル」と呼ばれていますが、オーストラリア国内では単に「ドル(dollar)」と言われます。
たとえば会計をするときなどに、わざわざ「25オーストラリアドル」と言うわけではなく、「25ドル」と言うということです。
アメリカやカナダ、ニュージーランドのドルと混同してしまいそうなときに限り「オーストラリアドル」と言いましょう。
2.オーストラリアドルの貨幣の特徴
オーストラリアドルには、5種類の紙幣と6種類のコインがあります。
コインはその6種類がシルバーコイン4種とゴールドコイン2種にわかれており、コインの色で多少貨幣価値がわかるようになっています。
オーストラリアの紙幣
オーストラリアドルの紙幣は5ドル・10ドル・20ドル・50ドル・100ドル。材質は「紙幣」と言いつつ、紙ではなくポリマー製で、しっかりしています。
日本の紙幣と同様に、それぞれ異なる人物が描かれているため、慣れれば数字を見なくても絵を見ていくらの紙幣なのかがわかるでしょう。
ちなみに描かれている人物は下記のとおりです。
5ドル札 | 表:エリザベス女王(先代英国君主)裏:国会議事堂 |
10ドル札 | 表:バンジョー・パターソン(詩人・作家)裏:ダム・マリー・ギルモア(詩人・作家) |
20ドル札 | 表:マリー・ライビー(元囚人の実業家)裏:ジョン・フリン(航空医療サービスの創始者) |
50ドル札 | 表:ディビッド・ユナイポン(アボリジニ初の発明家)裏:エディス・ディルクセイ・カーワン(豪州初の女性国会議員) |
100ドル札 | 表:ネリー・メルバ(オーストラリアを代表するオペラ歌手)裏:ジョン・モナシュ(第一次世界大戦時の将軍) |
日本人にとっては馴染みのない人ばかりで覚えづらいかもしれませんね。また、オペラ歌手が入っているのは、日本の感覚だと意外な感じがするでしょう。
そんな中、イギリスの先代女王であるエリザベス女王の紙幣があるのが特徴的。オーストラリアなのにイギリスの女王?と不思議に思うかもしれませんが、オーストラリアは英国連邦の一員ですから、オーストラリアの君主は先代はエリザベス女王、現在はその息子のチャールズ国王なのです。
ですが、今のところエリザベス女王が印刷された5ドル札はそのまま流通していますし、それがチャールズ国王に変わる気配はありません。またオーストラリアも自動的にチャールズ国王に変わるわけではないと言っているのだとか。
オーストラリアドルのコイン
前述のとおりオーストラリアドルには6種類のコインがあります。そのうち1ドルと2ドルコインは金色、それ以外のセントコインは銀色ですから、少し見分けやすいですね。
注意したいのは、オーストラリアドルでは価値が高いものの方がサイズが小さいということ。日本もそうですが、ヨーロッパなどでは価値が高いコインの方がサイズが大きいので混乱しないように気をつけましょう。
下記ではオーストラリアドルコインの絵柄をご紹介しています。ちなみに表はどのコインもイギリスのポンド通貨と同じくエリザベス女王が描かれているため、省略します。
ちなみにオーストラリアでも2023年からチャールズ国王デザインのコインが流通し始めるのだとか。以前のエリザベス女王デザインも引き続き使えるため、当面は長年在位したエリザベス女王デザインのコインを見ることが多くなるでしょう。
2ドル | アボリジニと南十字星 |
1ドル | カンガルー5頭(その他デザインあり) |
50セント | オーストラリアの紋章(その他デザインあり) |
20セント | カモノハシ |
10セント | コトドリ |
5セント | ハリモグラ |
オーストラリアドルコインの方は、オーストラリアを象徴するモチーフのものが多いですね。たとえばカモノハシはオーストラリア固有種。その他の動物もオーストラリアを彷彿とさせる動物がピックアップされています。
アボリジニはオーストラリアの先住民。特定の誰かというわけではなく、パッと見アボリジニであるとわかる男性が描かれています。
3.オーストラリアドルはどこで手に入る?
オーストラリアに渡航予定がある人は、オーストラリアドルを事前に入手しておきたいと考えるでしょう。また、オーストラリア国内のどこに行けば、日本円をオーストラリアドルにできるのかも気になりますよね。
ここでは、オーストラリアドルを手に入れる方法をまとめてみました。
オーストラリアドルを取り扱う日本の銀行
以前に比べると外貨両替ができる銀行が少なくなっている様子ではありますが、オーストラリアドルを扱う日本の銀行では、日本円をオーストラリアドルに両替することができます。
ただし、銀行で両替をするとレートはあまりよくなかったり、手数料を取られたりすることも。
両替レートはインターネット上で公表されていることも多いので、事前に確認しておくと良いでしょう。
オーストラリア渡航までに時間があって、近くにオーストラリアドルを取り扱う銀行がある人にとっては、便利な方法ではないでしょうか。また信頼性も高く、安心して両替ができる方法でもあります。
空港の両替所
国際空港の両替所では、日本円をオーストラリアドルに両替することができます。忙しい人でも、空港に行ったときに両替ができるので便利ですよね。両替をしようと思っている人は、並んでいる場合もありますから、早めに空港に向かうようにしましょう。
両替レートなどを気にする場合は、空港では当面必要になる現金のみを両替し、残りはオーストラリア国内でどうにかすると良いでしょう。
街中の両替所
空港ではなく観光地周辺ではさまざまな通貨を取り扱う両替所が存在します。最近では、自動販売機のような無人両替機も見られますね。
こうした両替所のレートは場所によってさまざまなため、しっかり見比べるのが肝心。多少レートが悪いと感じるくらいなら両替してしまった方が良いかもしれませんが、他の方法に比べてかなりレートが悪い場合は、その両替所は避けた方が良いでしょう。
オンライン通販
実は外貨は通販ができます。インターネットで「オーストラリアドル 宅配」などのように検索すると、自宅までオーストラリアドルを宅配してくれるサービスがたくさん見つかります。
店舗に出向く必要がなく、家に届けてくれるので非常に便利なサービスですよね。もしもオーストラリア渡航までに時間があるなら、オンライン通販を利用するのもおすすめです。
オーストラリアのATM
実はオーストラリア国内のATMでも、日本のキャッシュカードやクレジットカード、デビットカードなどを使って簡単にオーストラリアドルが手に入ります。
クレジットカードを使う場合は、キャッシングというサービスとなり金利がかかる場合がありますのでご注意を。引き落とし日を待たずにすぐに銀行振込で返済可能なクレジットカードもあるので、すぐに返済できる場合はそうした方が良いでしょう。
デビットカードの場合は、リアルタイムでカードに紐づけられた日本の銀行口座から引き落としがされます。
クレジットカードやデビットカードを使う場合は、VISAやMasterCardなどの国際ブランドを用意しておくと安心です。JCBだと受け付けてくれないATMもあるので注意しましょう。
また、国際キャッシュカードを発行している銀行なら、事前に国際キャッシュカードの申し込みをしておきましょう。国際キャッシュカードを持っていれば、オーストラリア内の対応しているATMでお金を引き出すことができます。
4.まとめ
オーストラリアのお金は、日本とは異なる特徴が多いです。慣れるまでは大変かもしれませんが、日本円換算については2023年9月現在は1豪ドル=100円で計算すれば良いので、ちょっと簡単になっていますよね。
安全かつ安心な形でオーストラリアドルを入手しつつ、素敵なオーストラリア滞在を叶えてくださいね。