英語の習熟度を測定し、評価するために、多くの英語検定試験が存在します。
それぞれの試験は、異なる焦点を持ち、異なる能力を評価する目的で設計されています。これらの試験は、留学、就職、昇進のチャンスを広げるなど、個人のキャリアや進学をサポートする重要な役割を果たします。
本記事では、さまざまな英語検定試験の中でも世界的に有名な5つの英語検定、「TOEFL」「IELTS」「TOEIC」「英検」「ケンブリッジ英検」のそれぞれの特長を解説し、どの試験があなたの目的に最も適しているのかを判断するための情報を提供します。
【目次】
1.TOEFL (Test of English as a Foreign Language): アカデミックな英語能力の評価
2.IELTS(International English Language Testing System):進学、移住、現地就職の指標
3.TOEIC(Test of English for International Communication):日本、アジアでの就職・昇進に強いビジネス英語検定
1.TOEFL (Test of English as a Foreign Language): アカデミックな英語能力の評価
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、非英語圏の人々のアカデミックな英語能力を測定するための試験です。主に、英語を教授言語とする大学や専門学校の入学要件になることが多く見られます。
TOEFLは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションで構成されており、各セクションは独立して評価されます。テストのスコアは、通常、各大学や専門学校が定めるスコア要件を満たすことが求められます。
TOEFLの特徴は、アカデミックな環境で求められる英語能力を総合的に評価することにあります。この試験では、学術的な英語を理解し、アカデミックなディスカッションに参加し、研究やレポートを作成する能力が試されます。
これにより、受験者が海外の教育機関で学ぶ準備ができているかどうかを測定することができます。TOEFLのスコアは、受験者の英語能力を正確に反映するものと広く認識されており、世界中の多くの教育機関で採用されています。
TOEFLは、インターネットベースのテスト(iBT)とペーパーベースのテスト(PBT)の2つの形式があり、インターネットベースのテストはより一般的に利用されています。iBTは、各セクションのスコアと総合スコアを提供し、個人の英語能力を幅広く評価します。各セクションは一定の時間内に完了する必要があり、試験の準備には、各種のスキルを練習する時間を確保することが重要です。
2.IELTS(International English Language Testing System):進学、移住、現地就職の指標
IELTSは、TOEFLと同様に、非英語圏の個人が英語のアカデミックな能力を測定するための試験です。この試験は、英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの国々でよく受け入れられています。
IELTSには、アカデミックな英語力を測定するアカデミックと現地生活や仕事で使用する英語力を測定するジェネラルの2つのバージョンがあり、受験者は自身の目的に応じて選択します。
アカデミックは、高等教育機関への入学を目指す人々や、プロフェッショナルな資格を求める人々向けの問題になっています。一方、ジェネラルは、主に就労や移住を目的とする人々に向けています。
この試験は、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4つのセクションから構成されており、各セクションで受験者の英語能力が評価されます。
IELTSは、試験のスピーキングセクションで実際の対面インタビューを含むことが特徴的です。これにより、受験者のリアルタイムでのコミュニケーション能力をより正確に評価することができます。
また、リーディングセクションでは、アカデミックなテキストの理解と分析能力が評価され、ライティングセクションでは、与えられたトピックに基づいてエッセイを書く能力が評価されます。
IELTSは、試験結果が公表される約2週間後にスコアが送られ、スコアは2年間有効となります。準備に関しては、受験者は模擬試験や過去問はもちろんのこと、現地の多くの語学学校で開講されているIELTS準備コースを受講するとより効果的です。
3.TOEIC(Test of English for International Communication):日本、アジアでの就職・昇進に強いビジネス英語検定
TOEICは、国際的なビジネスのコミュニケーションにおける英語の能力を評価することを目的とした試験です。特にアジア地域での企業では、社員の英語能力を測るためにTOEICスコアが利用されることが多いです。
この試験は、リスニングとリーディングの2つのセクションから構成されており、各セクションでのスコアが合計されて最終的なスコアが得られます。
TOEICは、ビジネスの現場で遭遇する可能性がある実務的なシチュエーションを想定した問題が出題されるため、ビジネス現場での英語利用能力をより現実的に評価することができます。
リスニングセクションでは、対話や短い会話などを聞いて、それに関連する質問に答える形式となっています。リーディングセクションでは、メール、報告書、広告などのビジネス関連のテキストを読んで、それに関連する質問に答える形式となっています。
また、TOEICには、スピーキングとライティングの能力を評価するための別の試験も存在します。これらの試験は、ビジネスの現場で求められる英語のコミュニケーション能力を総合的に評価することを目的としています。
TOEICの準備には、専用のテキストブックやオンラインリソースを利用することが一般的です。模擬試験を繰り返し解くことで、試験の形式や問題の傾向を理解し、効果的な対策を立てることが可能となります。
TOEICのスコアは、求職活動や昇進の際にも利用されることがあり、ビジネスパーソンにとっては重要な資格となることがあります。この試験は、英語のコミュニケーション能力を客観的に示すことができるため、自身のキャリアにおいて価値あるものとなります。
試験は年間を通して多くの日程で実施されており、受験者は自身の都合に合わせて試験を受けることができます。
4.実用英語技能検定(英検): 日本の英語能力評価試験
実用英語技能検定(英検)は、日本国内で非常に人気のある英語能力試験で、主に日本人の英語学習者を対象としています。この試験は、7つの異なるレベル(1級から5級、準1級および準2級)があり、各レベルは受験者の英語の理解力およびコミュニケーション能力を評価します。
英検は、言語力の広範な評価を提供し、リーディング、リスニング、ライティング、およびスピーキングの4技能を評価するためのセクションが含まれています。この試験は学校や企業での英語能力の評価に広く利用されており、受験者が求められる英語レベルを明示する有効な方法とされています。
特に1級や準1級は高い英語能力を示すものであり、大学入試や就職活動において有利な資格とされています。また、準2級や2級は中学校や高等学校の英語教育の一環としても推奨されており、学校教育の成果を測る一因となっています。
日本の英語教育の進行に伴い、英検はますます国際的な認知を得ており、一部の国際機関や海外の教育機関でも受け入れられるようになっています。しかし、全ての海外機関が英検のスコアを認めているわけではなく、目的に応じて他の国際的な英語検定試験を受けなければいけない場合も多く、提出先の要件に含まれるか確認が必要です。
英語能力試験は多くの選択肢がありますが、英検は日本の英語学習者にとって受験しやすく、信頼されている資格の1つであり、日本の英語教育の枠組みにおいて重要な位置を占めています。
5.Cambridge English Exams: 生涯有効な英語資格
ケンブリッジ英語検定試験は、国際的に認知された英語能力の評価システムで、英語のコミュニケーション能力を測定し評価することを目的としています。
ケンブリッジ英語検定は、多様な英語能力試験を提供しており、受験者の英語レベルや目的に合わせて最適な試験を選べる柔軟性があります。
Key English Test (KET)
初級レベルの英語能力を測定し、基本的な日常英語の理解とコミュニケーション能力を評価します。
Preliminary English Test (PET)
中級初級レベルで、日常英語の理解と簡単なコミュニケーション能力を評価します。
First Certificate in English (FCE)
中級レベルの英語能力を測定し、多様なコンテキストでのコミュニケーション能力を評価します。
Certificate in Advanced English (CAE)
上級レベルで、高度なコミュニケーション能力と英語の理解力を評価します。
Certificate of Proficiency in English (CPE)
最上級レベルの英語能力を測定し、専門的なコミュニケーション能力と高度な英語の理解力を評価します。
ケンブリッジ英語検定は英国を始めとする多くの国で認知されており、国際的な資格としての価値が高く、英語の学習やキャリア向上のための助けとなる資格の1つとして知られています。
試験の難易度と目的に応じて、受験者は自身の英語能力と目標を適切に評価し選択することが可能であり、英語能力の確認と向上に役立ちます。また、資格の有効期限がないため、半永久的に自身の英語力の証明として使用することができます。
6.まとめ
英語能力を正確に測定し評価するためには、多くの英語検定試験が提供されています。それぞれの試験は、異なる目的と特徴を持ち、受験者の英語レベルや目的に応じて選択することが重要です。
また、試験選びに際しては、受験料や受験地、そして試験の目的と内容を慎重に検討し、効果的な準備を行っていきましょう。
本記事の情報を基に、自分にとって最も適した英語検定試験を選び、英語能力の確認と向上を図ってみてください。