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留学で休職はできる?会社員・公務員・教員で変わる制度と期間の目安

更新日:2026.08.13

留学で休職はできる?会社員・公務員・教員で変わる制度と期間の目安

「留学したい。でも、いまの会社を辞めるのは怖い」

会社を辞めずに留学できるかどうかは、会社員・公務員・教員のどれに当てはまるかで大きく違います。

会社員の場合、留学のための休職は法律で守られた権利ではなく、勤務先の規則に定めがあるかどうかで決まります。

一方で公務員や学校の先生には、仕事を続けたまま学びに行くための制度が用意されています。

ただし使えるのは主に大学や大学院へ通う場合で、語学学校だけの留学やワーキングホリデーは対象から外れやすい点には注意が必要です。

この記事では、休職と退職どちらを選ぶべきかという判断から、立場ごとの条件、休める期間の目安、渡航までの進め方までを順に整理していきます。

先に結論だけ知りたい人へ

1会社員が留学を理由に休職する権利は法律にはない。就業規則に定めがあるかがすべての出発点
2公務員には自己啓発等休業、教員には大学院修学休業があり、身分を保ったまま学べる
3どの制度も原則として無給。収入がゼロになる前提で、留学費用とは別に生活費を用意しておく

この記事を書いた人

留学カウンセラー りょう 大学時代に英語力ゼロからアメリカ・カナダで2年間の正規留学を経験。語学学校から現地大学への進学までを実現。累計500名以上の留学相談を受けています!

目次

  1. 1. 留学のために休職はできる?会社員・公務員・教員で条件が違う
  2. 2. 休職して留学するメリットとデメリット
  3. 3. 会社を休職して留学するための3ステップ
  4. 4. 1ヶ月から1年まで|期間別に見た休職の現実
  5. 5. 公務員が休職して留学する方法|自己啓発等休業
  6. 6. 教員が休職して留学する方法|大学院修学休業
  7. 7. 休職して留学するまでの流れ|いつ何をすればいい?
  8. 8. 休職して留学するときのよくある質問
  9. 9. まとめ|休職して留学できるかは、調べた人から道が開ける

留学のために休職はできる?

まず、いちばん知りたい「会社を辞めずに留学できるのか」に答えます。

結論

会社員は「就業規則しだい」、公務員と教員は「制度を使えば可能」です

留学のための休職は、病気やけがによる休職と違って、法律で会社に義務づけられたものではありません。認めるかどうかは会社の判断に委ねられています。

押さえておきたい前提が3つ

1労働基準法に休職の定めはなく、制度の有無は会社ごとに違う
2公務員・教員の休業制度は大学や大学院での修学が対象で、語学学校のみは含まれにくい
3どの立場でも、期間が長くなるほど承認のハードルは上がる

ここで多くの方がつまずくのが、「何をしに行くかによって、使える制度が変わる」という点です。

同じ「海外留学のための休職」でも、大学院に進学するのか、語学学校に3ヶ月通うのか、ワーキングホリデーで1年働くのかで、通る道がまったく違います。

まずは下の図で、自分がどのルートに乗るのかを確認してみてください。

立場別|休職して留学するルート

会社員民間企業就業規則の休職条項なければ交渉か有給か退職 公務員国家・地方自己啓発等休業大学・大学院が対象 教員公立学校大学院修学休業専修免許状の取得が条件
語学留学・ワーホリ立場を問わず制度の対象外が多い個別の相談・交渉が必要

分かれ目は「大学・大学院に通うかどうか」です。語学学校やワーキングホリデーは制度に乗りにくく、個別交渉になりやすい点を先に押さえておいてください。

上の3行はタップすると、それぞれの解説へ移動します。

留学カウンセラー
りょう

相談を受けていて多いのが「制度がないから無理だと思っていました」というケースです。規定に書かれていなくても、期間を短くして相談し直したら通った、という方は実際にいます。あきらめる前に、まず条件を整理しましょう。

休職して留学するメリットとデメリット

制度の中身に入る前に、そもそも休職を選ぶべきかどうかを整理しておきましょう。

休職と退職は、どちらが優れているという話ではありません。

ただ、この2つは失うものと得るものがはっきり違います。

休職して留学する3つのメリット

まずは、会社に籍を残したまま渡航することで得られるものから見ていきます。

①帰る場所があるから、思い切って挑戦できる

休職の最大の価値は、帰国後の仕事が決まっていることです。

退職して留学した方から「後半は就職活動のことばかり考えていた」という声をよく聞きます。

残り3ヶ月というタイミングで日本の求人を見はじめてしまうと、目の前の学びに集中できません。

戻る場所があるだけで、限られた期間を最後まで学習に使えます。

留学の後半、何に時間を使うか

退職して渡航した場合

渡航
前半
残り3ヶ月
で不安に
日本の求人を
探しはじめる
学びが
止まる

休職して渡航した場合

渡航
前半
残り3ヶ月も
戻る先がある
学習と挑戦に
使える
伸ばして
帰国

分かれ目は2マス目だけです。帰る場所の有無が、後半3ヶ月の使い道を変えます。

この図の読み取り方は、前半には差が出ないという点です。

差が開くのは、帰国が見えてきた後半からです。

②職歴に空白が生まれない

休職中も会社に籍があるため、履歴書の上では在職期間として続きます。

将来的に転職する場合も、経歴の説明が一段しやすくなります。

ブランクそのものが不利になるわけではありませんが、説明の手間が要らないのは確かなメリットです。

履歴書の上での見え方

休職して1年間渡航した場合

在職が
途切れない

退職して1年間渡航した場合

空白の
説明が要る

点線が空白期間です。不利になるとは限りませんが、毎回説明する手間はかかります。

③学んだことを、そのまま今の仕事で試せる

身につけた語学力は、使う場面がなければ半年で錆びます。

その点、休職なら職場も業務内容も分かっている状態で戻れます。

海外の取引先を担当させてもらう、英語の資料を引き受けるなど、活かす場面を自分から作りにいけます。

帰国してから語学力を使うまでの道のり

休職から復帰する場合

同じ職場へ復帰業務も人も分かるすぐ使う場面を作れる海外案件・英語の資料

退職して転職する場合

転職先を探す数ヶ月かかることもまず職場に慣れる英語を使うのはその後

ゴールはどちらも同じですが、休職のほうが英語を使いはじめるまでが短いのが違いです。

この図の読み取り方は、マスの数の差がそのまま時間の差になるという点です。

休職して留学する3つのデメリット

一方で、休職を選んだからこそ生まれる負担もあります。

どれも渡航前に知っておけば対処できるものばかりなので、順に確認していきましょう。

①無給なのに社会保険の負担は続く

意外に思われるのが、休職のほうがお金の面で不利になる場合があることです。

会社に籍があるあいだは会社の健康保険と厚生年金に入り続けるため、自己負担分を毎月納める必要があります。

退職した場合と並べると、差は次のようになります。

毎月の保険料・年金の負担イメージ

休職する(会社の健康保険・厚生年金が継続)

月4〜5万円

退職する(国民健康保険・国民年金へ切り替え)

月3〜4万円

点線の分だけ、退職したほうが軽くなることがあります。在籍していること自体が支出になるのが休職の落とし穴です。

この図の読み取り方は、休職のバーが常に長いという点です。収入がゼロでも、休職なら毎月の支払いが発生し続けます。

納め方は会社によって違うので、休職の相談と一緒に確認しておきましょう。

※金額は月給30万円前後の場合の目安です。退職後の負担は前年の所得・お住まいの自治体・軽減制度の利用によって大きく変わります。

②現地で働けるかどうかが会社しだいになる

在籍したままである以上、会社の副業に関する規定は休職中も適用されます。

そのため、現地で稼いだお金をあてにした資金計画が組みにくくなることがあります。

現地で働けるかどうかの分かれ道

休職して渡航会社に籍が残る会社の規定しだい事前の確認が必要
退職して渡航会社との関係が切れる制限なく働けるビザの条件の範囲で
休職+語学留学そもそも働かない問題になりにくい貯金でまかなう前提

もめるのは働くときだけです。現地で稼ぐつもりがないなら、この問題は起きません。

読み取り方としては、いちばん下の行が休職と相性のよい形だということです。

現地で働く前提なら、相談の段階で可否をはっきりさせておくことが欠かせません。

③「必ず戻る」という前提が選択肢を狭める

海外で暮らすうちに、考えていた進路が変わることは珍しくありません。

現地で仕事の話をもらった、もっと学びたい分野が見つかった、というケースです。

同じチャンスが来ても、休職か退職かで動き方が変わります。

現地でチャンスが来たときの動き方

休職して渡航した場合

現地で
誘いを受ける
復職の約束が
ある
会社と
再交渉
見送る
ことが多い

退職して渡航した場合

現地で
誘いを受ける
戻る義務が
ない
ビザを
検討できる
挑戦
できる

分かれ目は2マス目だけです。戻る約束があるかどうかで、その後の選べる幅が変わります。

この図の読み取り方は、休職が悪いという話ではないという点です。

キャリアそのものを変えたい人にとっては、安心と引き換えに自由が減るということです。

休職と退職、どちらを選ぶかの分かれ目

判断の基準はシンプルです。

留学の目的が「いまの仕事の延長線上にあるかどうか」で決めてください。

休職が向いている人

・いまの仕事を続けたい

・語学力を業務に活かしたい

・期間を1年以内で区切れる

・貯金で全額まかなえる

退職を検討したい人

・キャリアを変えたい

・現地就職も視野にある

・1年以上滞在したい

・現地収入をあてにしたい

どちらにも当てはまると感じたら、まずは休職を相談してみるのが安全です。

断られてから退職を検討することはできますが、辞めてしまうと元には戻せないからです。

留学カウンセラー
りょう

迷っている方には「休職から相談する」順番をおすすめしています。ダメだった場合に退職へ切り替えることはできますが、その逆はできません。順番を間違えないだけで、選択肢は残せます。

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会社を休職して留学するための3ステップ

ここからは、民間企業に勤めている方が実際に休職を認めてもらうまでの進め方を見ていきます。

まず知っておきたいのは、留学のために休職で行く人は多数派ではないという事実です。

社会人留学の経験者は休職と退職どちらを選んだか

退職した

57.5%

休職した

20.7%

休職を選べた人は5人に1人。少数派ですが、確かに存在する道です。

この図の読み取り方は、休職が例外的な選択だという点です。

だからこそ、思いつきで相談しても通りません。

次の3ステップの順番で進めてください。

※出典:スキルアップ研究所「社会人の留学・ワーキングホリデーに関する調査」(2024年6月/社会人ワーホリ・留学経験者87名)

休職が認められるまでの3ステップ

1調べる就業規則で使える制度があるか確認する
2相談する直属の上司 → 人事部門の順に話を通す
3粘る「前例がない」と言われても代案を出す

この表で押さえてほしいのは3番目です。1回断られた時点で終わりにしないことが、休職できた人との差になります。

STEP1|就業規則で使える制度があるか確認する

上司に切り出す前に、必ずやっておきたいことがあります。

それは、自分の会社の就業規則を自分の目で確認することです。

社内の共有フォルダに置かれていることが多く、見当たらなければ人事や総務に問い合わせれば閲覧できます。

使える枠は3種類ある

規則を開いたら、次の3つのどれかに当てはまらないかを探してください。

1

自己都合休職(留学休職・自己啓発休職)

もっとも正攻法の枠です。名称は会社によって留学休職、自己啓発休職、キャリア休職などさまざまなので、名前ではなく中身を見てください。

2

社内の海外研修・企業派遣制度

大手企業や外資系では選抜制の海外派遣制度を持っていることがあります。費用を会社が負担する場合もあり、条件が合えばもっとも負担が軽い方法です。

3

有給休暇+長期休暇の組み合わせ

1ヶ月前後の短期留学なら、そもそも休職の手続きを踏まずに実現できることがあります。制度がない会社の現実的な第一歩です。

規則で確認すべき5つの項目

制度が見つかったら、条件まで読み込んでおきましょう。

どんなときに休職できるか:病気やけが以外に「自己都合」「その他会社が認めた場合」の記載があるか
休職できる期間の上限:3ヶ月なのか1年なのかで留学プランが変わる
復職の条件:復職後に一定期間の勤務を求められることがある
社会保険料の取り扱い:本人負担分をどう納めるかの手順が書かれていることがある
勤続年数の扱い:休職期間が退職金や昇給の勤続年数に算入されるか

この5点を押さえたうえで相談すると、話がぐっと具体的になります。

STEP2|直属の上司 → 人事部門の順に話を通す

相談する順番には決まった型があります。

必ず直属の上司からです。

先に人事へ行くと、上司が後から知る形になり関係がこじれます。

伝えるときの軸は、留学で得たものを戻ってからどう還元するかです。

相談がまとまりやすいのは、次の3つの工夫をしたケースです。

第1案と第2案をセットで出す

「1年が難しければ6ヶ月でも」と幅を持たせると、会社側は却下ではなく調整の話として受け取れます。ゼロか100かの提案は断られやすくなります。

繁忙期を外した日程で提案する

期末や大型案件の時期を避けるだけで、承認のハードルは下がります。自分の希望より、部署のカレンダーを先に見て日程を組み立てましょう。

引き継ぎ計画を自分から出す

上司がいちばん不安に思うのは、あなたの成長ではなく現場が回るかどうかです。誰に何を渡すかを先に示すと、話が一段進みます。

STEP3|「前例がない」と言われても代案を出す

いちばん多い返答が「社内に前例がない」です。

ここで引き下がってしまう方が多いのですが、これは制度がないという意味であって、認められないという意味ではありません。

次の4つを順に試してみてください。

特別休職として個別に検討してもらう:既存の枠に当てはまらなくても、個別の判断で認められた例はある
復職の意思を書面で示す:いつ戻るかを紙で約束すると、会社側の不安が具体的に減る
期間を短くした案に切り替える:1年が無理でも3ヶ月なら通ることがある
時間を置いて再度相談する:1回断られて終わりではない。部署の状況が変われば答えも変わる

育児休業や介護休業で長期の不在をどう乗り切ったか、社内の事例を探しておくのも効きます。

最後に、会社員の休職留学の条件をまとめておきます。

会社員の休職留学 早見表

根拠
法律ではなく就業規則。会社が認めるかどうかで決まる
期間の目安
1ヶ月〜1年
3ヶ月以内なら比較的通りやすく、1年は少数派
給与
原則として無給。傷病手当金の対象にもならない
相談の時期
渡航の6〜12ヶ月前が目安

会社員の休職留学は「制度を探す」より「交渉の材料を用意する」ほうが結果につながります。

この表で読み取ってほしいのは、給与の行です。休職を認められても収入はゼロになるため、資金計画は退職する場合とほぼ同じ厳しさで考える必要があります。

1ヶ月から1年まで|期間別に見た休職の現実

休職して語学留学に行きたいと考えるとき、期間の設定は成否を大きく左右します。

「1年行きたい」から交渉を始めるのか、「まず1ヶ月から」と提案するのかで、返ってくる答えは変わります。

期間ごとの現実的なラインを整理しました。

期間別|休職の現実と費用の目安

期間
必要な手続き
通りやすさと費用の目安
1〜2週間
有給休暇のみ
休職の相談すら不要
約15〜30万円
1ヶ月
有給+特別休暇
または短期休職
もっとも現実的なゾーン
約30〜50万円
3〜6ヶ月
休職制度の利用
引き継ぎ計画が必須
制度がある会社なら可能
約80〜220万円
1年
長期休職
または退職
認める会社は少数派
約250〜350万円

通りやすさと得られる英語力は反比例します。だからこそ「何ヶ月必要か」を先に決めることが大切です。

3ヶ月を超えると、休職制度がない会社ではほぼ交渉が必要になります。

※費用は語学学校の授業料・滞在費・渡航費・保険を含めた目安です。国・都市・学校・滞在方法・時期・為替によって変動します。

短期でも語学留学の効果は出るのか

「1ヶ月では意味がないのでは」と心配される方は多いです。

たしかに、英語を自在に操れるようになるには年単位の積み重ねが要ります。

ただ、1ヶ月で変わるものもあります。

短い期間でも、次の3つは持ち帰れます。

1

英語を話すことへの心理的なハードルが下がる

間違えても伝わる、という体験を積むだけで、帰国後に英語を使う場面での動き方が変わります。

2

自分の弱点がはっきりする

語彙なのか、聞き取りなのか、そもそも話す度胸なのか。何を伸ばすべきかが体感でわかります。

3

帰国後の学習計画が具体的になる

現地で通用しなかった場面が記憶に残るため、日本に戻ってからの勉強が続きやすくなります。

渡航前に目標を「話せるようになる」ではなく「自分の課題を特定して帰る」と設定し直すと、短期でも手応えは変わってきます。

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公務員が休職して留学する方法|自己啓発等休業

公務員の方には、身分を保ったまま学びに行くための制度が用意されています。

それが自己啓発等休業です。

国家公務員については法律で定められており、地方公務員についても各自治体が同じような制度を用意しています。

制度の対象になるのは、大学や大学院での修学と、国際貢献活動の2つです。

大学等での学びは海外の学校でも認められており、公務員のまま海外の大学院に進学することが可能です。

自己啓発等休業 早見表(国家公務員の場合)

対象者
在職期間が2年以上の職員
自治体によっては3年以上・4年以上とする例もある
期間
大学等での修学は2年以内(規則で定める場合は3年以内)
国際貢献活動は3年以内
対象となる学び
大学・大学院などの課程(海外の大学も可
語学学校のみの留学は対象になりにくい
給与
支給されない(身分は保有される)

「学位を取りに行く留学」なら制度に乗り、「英語を身につけに行く留学」なら乗りにくい。これが公務員の分かれ目です。

この表で見てほしいのは、対象となる学びの行です。

語学学校だけの留学は制度の対象外になりやすいため、大学の付属コースなど、大学等の課程に位置づけられるプログラムを選ぶかどうかが分岐点になります。

※制度の詳細・承認の基準・申請期限は所属先によって異なります。必ず人事担当部署の要綱で最新の内容をご確認ください。

申請は早めに。半年前が目安になる

自己啓発等休業でとくに注意したいのが、申請の締め切りです。

自治体によっては、休業を始める日の半年前までに申請するよう定めている例があります。

大学院の出願や合否判定のスケジュールも重なるため、渡航の1年前から動き始めるのが安全です。

おおまかな流れは次の3ステップになります。

1

進学先の候補を絞り、上司に相談する

制度の対象になる課程かどうかを確認したうえで、所属の人事担当部署に要綱を照会します。

2

出願・受験し、合否の結果を報告する

合格が確定してから申請に進む流れが一般的です。出願時期から逆算して準備を始めます。

3

勤務先に正式に申請し、承認を受ける

休む期間と学ぶ内容をはっきり書いて申請します。申請の締め切りは勤務先の決まりに従ってください。

また、申請にあたっては「その学びが公務にどう役立つか」を具体的に書くことが求められます。

自分のためだけの留学ではなく、職務への還元をセットで説明できるかどうかが、承認の分かれ目になります。

留学カウンセラー
りょう

公務員の方から「まず上司に相談すべきか、大学院を決めてからか」とよく聞かれます。おすすめは、行きたい学校をいくつか絞った段階で一度相談することです。何も決まっていない状態で相談するより、話がずっと具体的に進みます。

教員が休職して留学する方法|大学院修学休業

公立学校の教員には、教員だけが使える休業制度があります。

それが大学院修学休業です。

教育公務員特例法の改正によって創設され、2001年度から運用されている制度です。

一種免許状または特別免許状を持つ教諭などが、教育委員会などの許可を受けて、専修免許状を取るために大学院で学ぶあいだ、仕事を休める制度です。

ポイントは、在学先に国内外を問わないことです。

つまり、教員の身分を保ったまま海外の大学院に留学する道が開かれています。

大学院修学休業 早見表

対象者
一種免許状または特別免許状を持つ教諭・養護教諭・栄養教諭・講師など
期間
1年を単位として3年を超えない範囲
目的の条件
専修免許状の取得を目的としていること
在学先
国内外の大学院の課程
海外の大学院も対象に含まれる
身分と給与
身分は保有されるが、給与は支給されない

退職せずに大学院へ行ける制度ですが、「専修免許状を取ること」が前提条件になります。

専修免許状の取得につながらない留学には使えないため、語学力向上だけを目的とする場合は別のルートを検討することになります。

※条件付採用期間中の方や初任者研修中の方など、対象外となる場合があります。詳細は各教育委員会の要綱をご確認ください。

教員が使える3つのルートの違い

教員が身分を保ったまま大学院で学ぶ方法は、大学院修学休業だけではありません。

大きく3つのルートがあり、どれを選ぶかで費用も条件も変わります。

ルート
給与
選びやすさ
現職教員派遣
支給される場合あり
選抜あり・枠が少ない
大学院修学休業
支給されない
自分で学校を選べる
自己啓発等休業
支給されない
専修免許以外も対象

いずれのルートを選ぶ場合でも、最初の一歩は校長への相談です。

学校の運営に支障がないかを確認したうえで、教育委員会などへの正式な申請に進む流れになります。

相談の前に、次の3点を自分で確認しておくと話が早く進みます。

専修免許状につながる課程か:進学先の大学院で、取得を目指す専修免許状の課程を履修できるか
自分が対象者に含まれるか:条件付採用期間中や初任者研修中などは対象外になる場合がある
復帰後の勤務の見込み:休業のあとも引き続き勤務することが前提となっている自治体が多い

休職して留学するまでの流れ|いつ何をすればいい?

制度と費用のことがわかったら、あとは動き出す順番です。

会社を休んで行く留学は、思い立ってすぐ行けるものではありません。

会社の承認、学校の申し込み、ビザの手配と、順番に進めていく必要があるからです。

休職して留学するまでの逆算スケジュール

112ヶ月前就業規則を確認し、目的と期間を固める
29〜10ヶ月前会社に相談し、休職の条件を確認する
36ヶ月前渡航先と学校を決め、正式に休職を申請する
43ヶ月前ビザ申請と航空券の手配、社会保険料の納付方法を確認
51ヶ月前引き継ぎを完了し、住民票と各種契約の手続きを済ませる

この表で押さえてほしいのは2番目の段です。会社に話を切り出すのは、渡航の9〜10ヶ月前がひとつの目安になります。

留学カウンセラー
りょう

会社に話すタイミングは、早すぎても迷いが伝わってしまいます。学校の候補と費用の見通しがついてから切り出すと、「本気なんだな」と受け止めてもらえることが多いですよ。

休職して留学するときのよくある質問

最後に、休職して留学を目指す方から実際によく届く質問をまとめました。

Q

休職期間は勤続年数や退職金に算入されますか?

A

会社の規定によって異なります。休職期間を勤続年数から除外する会社もあれば、算入する会社もあります。退職金や昇給に影響するため、申請前に就業規則と退職金規程の両方を確認してください。

Q

休職中に現地でアルバイトをしてもいいですか?

A

在籍している以上、副業・兼業の規定が適用されます。現地で働く予定があるなら、休職の相談と同時に人事へ確認し、可否をはっきりさせておきましょう。ビザの就労条件とあわせて整理する必要があります。

Q

休職して1ヶ月だけ語学留学することはできますか?

A

可能です。ただし1ヶ月であれば、休職の手続きを取らずに有給休暇と連休を組み合わせるほうが早いこともあります。まずは取得できる有給の日数を数えることから始めてみてください。

Q

休職中に転職活動をしてもいいのでしょうか?

A

法律上禁じられているわけではありませんが、復職を前提に認められた休職である点は意識しておきたいところです。留学中に進路を考え直したくなったら、まずは信頼できる上司に率直に相談するほうが後々こじれません。

Q

休職が認められなかったら、どうすればいいですか?

A

期間を短くした案で再度相談する、有給休暇を活用した短期留学に切り替える、転職のタイミングに合わせて渡航する、という3つの選択肢があります。留学そのものをあきらめる前に、形を変えられないか検討してみてください。

まとめ|休職して留学できるかは、調べた人から道が開ける

ここまで、休職して留学する方法を立場別に見てきました。

最後に、この記事の要点を整理します。

この記事のまとめ

会社員の休職は法律上の権利ではなく、就業規則に定めがあるかで決まる
公務員は自己啓発等休業、教員は大学院修学休業で身分を保ったまま学べる
ただし制度の対象は大学・大学院が中心で、語学留学やワーキングホリデーは乗りにくい
休職中は原則として無給。収入がゼロになる前提で資金を準備しておく
会社に切り出すのは渡航の9〜10ヶ月前が目安。12ヶ月前から逆算して動くと間に合う

休職して留学できるかどうかは、多くの場合「制度があるか」ではなく「どこまで準備したか」で決まります。

就業規則を開いてみるところから、はじめてみてください。

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本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。制度の内容・要件・申請期限は変更される場合があるため、実際の手続きの際は勤務先の就業規則、人事担当部署、各自治体・教育委員会の要綱で最新の情報をご確認ください。

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