海外留学はお金がかかります。学費、航空券代、保険代、ビザ申請料、そして現地の生活費。もし留学中に現地で働くことができるのであれば、生活費を賄うことができ、留学費用を大きく浮かせることができます。
しかし、働きながら留学する方法はあるのでしょうか。
本記事では働きながら留学する方法についてお伝えし、働ける国の特徴とどれくらい稼げるのか、そして現地での仕事の探し方まで一挙に紹介します。
働きながら留学する方法
働きながら留学する方法は大きく3つ。「ワーキングホリデー」「学生ビザ」「Co-op留学(有給インターンシップ)」です。
ワーキングホリデー
- ワーホリ協定国:オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリス、アイルランドなど26ヶ国
ワーキングホリデーとは2国間の協定に基づき、若者の異文化交流を目的に相互の国への長期滞在と生活費を賄うための就労を認める制度です。30歳までの制限を設けている国が多く、国によっては25歳や29歳までという国もあります。
協定国は26ヶ国。人気のある国はオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリス、アイルランド。ほかにも韓国、台湾などアジア圏にもあります。現在交渉中の国もあり、ワーホリ協定国はこれからも増えていくでしょう。
最長滞在期間は主に1年間ですが、イギリスは2年間。また、現地生活での一定条件を満たせばオーストラリアでは3年間まで延長可能です。
就労は制限なく認められますが、オーストラリアの様に1雇用主につき6ヶ月までの就労期間と定められている場合もあります。
ワーホリでできる就学期間は国により制限がある場合、ない場合があります。制限がある国ではオーストラリアが4ヶ月。カナダ、ニュージーランドは6ヶ月までの就学期間になります。イギリス、アイルランドは就学期間に制限はありません。
ワーキングホリデーであれば現地で就学しながら働くこともでき、学校卒業後はフルタイムで働く時間もできるため、人によっては現地で貯金を作ることも可能です。
学生ビザ
- 語学留学でも就労できる国:オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド、マルタ、フランスなど
学生ビザでも就労できる国は多いですが、内容によっては就労できない国もあります。カナダ、アメリカ、イギリスは語学留学での就労は認められていませんが、専門留学や大学などの正規留学の場合は就労が認められます。
語学留学でも就労が認められる国はオーストラリア、ニュージーランド、アイルランド、マルタ、フランスなど。主に週20時間で制限されています。語学留学で現地で働きたい人は就労できる国から選ぶと良いでしょう。
Co-op留学(有給インターンシップ)
- Co-op留学できる国:カナダのみ
就学期間の半分を座学、半分を有給インターンとすることで現地での生活費を大きく浮かせることができるカナダのみで行っている留学プログラムです。有給インターンの期間は就学の一部として考えられ、申請するビザは学生ビザになります。
学校や学ぶ内容により期間は異なりますが、最短半年~2年半程度まであり、1年もしくは2年のコースが多いです。
就学期間に学ぶ分野として人気があるものは、国際ビジネス・IT・ホスピタリティなど。ほかにも国際貿易や医療系などもあります。インターンをするところは学んだ分野に関連するところになります。
カナダのみでできる留学プログラムになり、そのほとんどはバンクーバーかトロントです。バンクーバーは有給インターンが基本になりますが、トロントは有給、無給どちらもできます。
バンクーバーの方が有給で稼げる可能性は高いですが、その分経験と英語力がないと自分が思い描いた就労先で働くことは難しく、現地の企業で働きたいという希望が強い人は無給インターンも多いトロントの方が可能性が上がります。
カナダ以外でもインターンを行っている国はありますが、有給でのインターンは英語力・経験ともに敷居が高いため、有給インターンに興味がある人はCo-op留学の方が間口が広いと言えます。
働ける国の特徴とどれくらい稼げるのか
次に働きながら留学できる国の特徴とどれくらい稼げるか、2022年12月現在の最低時給を含めてお伝えします。※日本円の時給目安は2022年12月のレートで計算しており、変動する可能性があります。
オーストラリア
- 最低時給:21.38オーストラリアドル(約2,000円)
世界でもトップクラスで稼げる国がオーストラリア。豊富な資源と世界中から訪れる観光客、そして20年以上右肩上がりを続ける経済状況から仕事も豊富。稼ぎたいという人にとって最も魅力のある国と言えます。
語学留学でも2週間で40時間(実質週20時間)の就労が認められ、節約して生活すれば学生ビザでも現地の生活費のすべてを賄うことが可能です。
ニュージーランド
- 最低時給:21.20ニュージーランドドル(約1,800円)
治安が良く、大自然に囲まれた国ニュージーランド。島国特有の優しい国民性が日本人と相性が良く、ワーホリでも人気のある国のひとつです。時給も高く、オーストラリア同様に語学留学でも週20時間まで就労することができます。
カナダ
- 最低時給:15.65カナダドル※BC州(約1,500円)
カナダは州により時給が異なりますが、留学で人気が高いバンクーバーがあるBC(ブリティッシュコロンビア)州の最低時給は15.65カナダドル。日本円で約1,500円になります。
オーストラリアやニュージーランドと比較すると少し安目に感じるかもしれませんが、カナダはチップ制の国のため、飲食などのサービス業では時給+チップが稼げる場合が多く、仕事先によってはオーストラリア以上に稼げる場合もあります。
語学留学での就労は認められず、専門学校への留学や大学などの正規留学の場合は週20時間までの就労が認められています。
しかし、就学期間の半分を有給インターンで稼ぐことができるCo-op留学をすることができる唯一の国で、座学期間も週20時間の就労が認められていますので、Co-opであれば留学期間を通して働きながら学ぶことができます。
イギリス
- 最低時給:9.50ポンド(約1,600円)
イギリスでは語学留学の学生ビザは就労は認められていません。ただし、大学や大学院等への正規留学の学生ビザであれば週20時間までの就労が認められます。
最低時給はカナダより若干高いですが、世界的に見ても物価が高く、週20時間のアルバイトで生活費すべてを賄うのは難しいです。
しかし、フルタイムであれば生活費全般をカバーするのは十分可能です。ワーホリで2年間滞在できますので、働きながら長期で海外に滞在したい人はイギリスワーホリにトライしてみるのも良いでしょう。
アイルランド
- 最低時給:10.50ユーロ(約1,500円)
アイルランドは語学留学でも週20時間まで就労することができ、6月1日~9月30日、12月1日~1月15日のホリデー期間はフルタイムで週40時間働くことができます。
アイルランドの学生ビザは最長で発給される期間が8ヶ月(6ヶ月の就学と2ヶ月のホリデー)。学生ビザの延長は現地で最大2回可能。25週以上の語学留学はコース修了前に英語能力試験の受験が必要になります。
学生ビザは少し複雑で、1回で就学できる期間が限られていますので、就学期間も就労時間も制限がないワーホリを利用するのもひとつの手です。
現地での仕事の探し方
次に、現地での仕事の探し方についてお伝えします。
求人サイト
最もメジャーな探し方になり、留学で人気のあるほとんどの国で日本語のサイトが存在します。
【各国の日本語サイト】
- オーストラリア
日豪プレス:https://nichigopress.jp/classified/work/
- ニュージーランド
ニュージーだいすき:https://nzdaisuki.com/classified/job
- カナダ
e-Maple:http://www.e-maple.net/classified.html?cat=WO
ワーホリシロップ:https://workingholiday-syrup.com/classified/job
- イギリス
MixBイギリス:https://uk.mixb.net/job
- アイルランド
MixBアイルランド:https://irl.mixb.net/job
求人サイトのメリットは毎日の様に求人がでてきて気軽に仕事探しができること。デメリットは競争率が高くなりますので、行動力が必要になることです。
飛び込み
時代錯誤に感じるかもしれませんが意外と効果があるのが飛び込みです。履歴書に自分をアピールするためのカバーレターを添えて、足で稼ぐやり方になります。
これも量でカバーする必要がありますが、その時に求人がでていなくても急に人が欠けた時は真っ先に声をかけてもらえる場合が多いです。また、そろそろ求人を出そうと思っているタイミングに飛び込みをした場合、かなりの高確率で働くことができます。
紹介
最も高い確率で働くことができるのが紹介です。ホームステイ先や学校で自分が仕事を探していることを周りに話し、何かあれば紹介してほしいということを伝えておきましょう。
紹介で働く仕事先であれば外れの環境になる可能性が低く、職場にとっても安心して雇用でき求人する手間が省けるため、双方にメリットがあります。
まとめ
働きながら留学できる方法、国、仕事の探し方についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
留学しながら働く方法は主にワーホリ・学生ビザ・Co-op留学の3つ。また、国により語学留学でも働ける国、働けない国がありますので、語学留学を予定している人は働ける国をしっかりチェックしましょう。
各国の時給、特徴、求人サイト、探し方について理解したら、あとは国を決めて留学するのみです。働きながら海外留学を満喫しましょう!