留学前に要チェック！フィリピンの通貨ペソについて徹底解説

留学前に身につけておくべき情報は、言語だけではありません。新たな国で生活するためには、その国の文化、料理、習慣、そしてお金のことを理解しておくと、より深みのある留学生活が送れる様になります。

本記事では、フィリピンに留学を検討している方に向けて、現地での生活に欠かせないフィリピンの通貨、ペソについて詳しく解説します。

通貨の基本情報から為替レート、両替の方法までお伝えします。
また、留学する際のお金の管理やペソに関する一般的な質問とその回答も準備しましたので、本記事を読めば、フィリピンペソについては鬼に金棒状態です。

さあ、フィリピン通貨・ペソの世界を覗いてみましょう！

 

１．フィリピンペソとは？ – 基本情報

フィリピンペソ（Philippine Peso）は、フィリピン共和国の公式通貨であり、通貨コードはPHPです。ペソは「ペソ」という単語自体がスペイン語で「重さ」を意味します。語源がスペイン語ということからも分かる通り、ペソは元々がスペインの通貨です。

なぜスペインの通貨がフィリピンで使われているかと言いますと、フィリピンは元スペイン領という歴史があるからです。ペソはフィリピンを含め、スペインの植民地だった9か国で使われている通貨単位なので、「フィリピンペソ」という呼び方が本来は正しいです。

現在のペソは、1ペソを100センタボ（もしくはセンティモ）に分けることで価値を計算します。紙幣は通常、20、50、100、200、500、1000ペソがあります。硬貨は1、5、10、25センタボと1、5、10ペソです。

2023年7月現在の1ペソのレートは約2.5円ですので、100センタボ＝2.5円と考えると1センタボは0.025円となり、昔日本で流通していた銭の様な存在になります。

ペソの価値は、経済的な指標、特にインフレーション、GDP成長率、財政状態などが為替レートに影響を及ぼします。また、日本円の価値もレートに反映されます。昨今の円安の影響もあり、ペソは日本円に対して上昇傾向にあります。

もちろんこれから変動も考えられますが、留学生としてフィリピンに滞在する際には為替レートの変動にも注視すると良いでしょう。

２．ペソの歴史 – フィリピン経済への影響

フィリピンペソの歴史は、フィリピンの植民地時代にさかのぼります。16世紀から19世紀にかけてスペインによって統治されていた時期、フィリピンはスペインの通貨であるペソを使用していました。

その後、1898年にアメリカがフィリピンを支配すると、アメリカドルに連動したペソが導入され、一時期1ドル＝2ペソのレートで固定されていました。

しかし、第二次世界大戦中の日本の占領により、通貨の価値は大きく失われ、戦後の復興期には経済的な混乱が続きました。

独立後のフィリピン政府は、中央銀行を設立し、通貨安定化に取り組みました。それにも関わらず、政治的な混乱や経済的な困難により、ペソの価値は一貫して安定しているとは言えませんでした。

ペソの価値はフィリピン経済の健康状態を反映しており、その変動はフィリピンの経済状況を理解するための重要な指標となっています。

３．フィリピンペソの現行紙幣と硬貨 – 顔ぶれと特徴

フィリピンペソの紙幣と硬貨は、そのデザインと価値により、フィリピンの歴史と文化を象徴しています。紙幣は20、50、100、200、500、1000ペソの6種類あり、それぞれ異なる色とフィリピンの歴史的な人物、または重要な風景が描かれています。例えば、1000ペソ紙幣には、第二次世界大戦時のフィリピンの英雄が描かれています。

しかし、2022年4月から新紙幣が流通し、現在の1000ペソはフィリピン初のポリマー紙を使用し、フィリピン鷹（フィリピンの国鳥）が描かれています。

硬貨は1、5、10、25センタボと1、5、10ペソの7種類があり、フィリピンの象徴的な英雄やフィリピンの国花、国鳥などがデザインされています。一部の硬貨は、裏面にフィリピンの地図が描かれているのが特徴的です。

フィリピンに滞在する際には、これらの紙幣と硬貨を識別できるようになると生活しやすくなります。

４．ペソへの両替方法 – 為替レートの理解と両替所の選び方

フィリピンに留学や旅行で訪れる際は日本円をフィリピンペソに両替する必要があります。両替にはいくつかの方法があり、それを知っておくと、自分の状況により使いこなすことができ、手数料の節約にもつながります。

フィリピンペソへの両替方法を以下にお伝えします。

日本国内

日本国内では銀行でペソに交換できるところは限られていて、両替できない場合が多いです。気軽に交換できるのは空港の両替所ですが、レートが高く設定されています。

また、外貨宅配サービスというのもあり、レートは良いですが自宅で受けとる必要があり、発送に時間がかかる場合があります。

そこでおすすめは「キャッシュパスポート」。こちらであれば空港よりレートが良いだけでなく、日本の銀行にいれた日本円を現地のATMで現地の通貨でおろすことができますので、使いすぎも防げます。

とは言え、出発時に現地通貨が手元にないというのは、緊急時やふとした買い物で困りますので避けた方が良いです。レートは良くないと思いますが、当面の生活費（5,000〜10,000円）を空港でペソに両替し、現地到着後はキャッシュパスポートを使う、もしくは日本よりレートの良い現地で両替することをおすすめします。

フィリピン現地

空港の両替所
空港には通常、両替所が設置されています。到着時に必要な通貨を確保するには便利ですが、レートは一般的に都市部の銀行や両替所よりも悪いです。

銀行
空港と比較するとレートも良く、安全に両替ができます。フィリピン国内のほとんどの銀行では外貨両替サービスが可能です。ただし、利用時間や手数料は各銀行により異なるため、事前に確認しておいた方が良いでしょう。

外貨両替所
観光地やショッピングモールには専門の両替所があり、比較的良好なレートで両替することが可能です。ただし、偽札や詐欺の両替商もあり、信頼できる大手の両替所で交換することをおすすめします。

ATM
フィリピンのATMはほぼ全てが国際カードに対応しており、現地で直接通貨を引き出すことが可能です。しかし、各取引ごとに手数料が発生するため、どれくらい手数料が発生するのかは理解しておいた方が良いでしょう。

５．よくある質問と回答 – ペソに関するFAQ

フィリピンペソに関する情報を整理してきましたが、まだ疑問が残っている方もいるかもしれません。以下に、フィリピンペソに関するよくある質問とその回答をまとめました。

Q：フィリピンではクレジットカードは使えますか？
A：はい、都市部のショッピングモール、ホテル、レストランなどではクレジットカードが普通に使用できます。しかし、一部の小規模な店舗や市場では現金のみの取り扱いが一般的です。

Q：ATMからペソを引き出すことはできますか？
A：はい、フィリピンのATMからは通常、ペソを引き出すことができます。ただし、手数料がかかることが多いですし、カードの種類によっては使用できないATMもあります。

Q：ペソの硬貨はどれくらいの価値がありますか？
A：1、5、10、25セントの硬貨と、1、5、10ペソの硬貨があります。1ペソは日本円で約2.5円（2023年7月時点）です。

Q：食事やタクシーの代金はチップを払うべきですか？
A：サービスの質によりますが、一般的にレストランやタクシーでのチップは10％程度が適切とされています。

Q：フィリピンペソ以外の通貨で支払いは可能ですか？
A：一部の観光地や大手商店では米ドルでの支払いを受け付けている場合もありますが、一般的にはフィリピンペソでの支払いが求められます。外国通貨を直接使用するよりも、現地通貨に両替してから使用した方が利便性が高いです。

Q：フィリピンで高額紙幣（500ペソ、1000ペソ）は使いやすいですか？
A：大都市の商業施設やレストランでは問題なく使用できますが、市場やストリートフードの売り場などでは小額紙幣の方が扱いやすいです。また、偽札防止のために高額紙幣を受け取る際には十分に確認してから受け取るようにしましょう。

Q：フィリピンでのペソの取り扱いには注意点がありますか？
A：まず、ペソ紙幣は比較的紙質が薄く、取り扱いに注意が必要です。また、フィリピンでは現金主義が一般的なため、常に十分な現金を持っていることが重要です。また、公共の場では財布の中身を見せびらかさないようにし、盗難にも注意しましょう。

これらのFAQに加えて、具体的な疑問や問題が発生した場合は、現地語学学校の日本人スタッフやインターネットなどの信頼できる情報源を活用することをおすすめします。

６．まとめ

本記事では、留学前に知っておきたいフィリピンの通貨ペソについて詳しく説明しました。
ペソの基本情報、歴史、現行紙幣と硬貨の顔ぶれと特徴、そして両替方法について述べ、最後はよくある質問をFAQにまとめましたので、ぜひご活用ください。

フィリピンペソは、フィリピン共和国の公式通貨であり、その歴史はフィリピンの経済史と密接に関連しています。紙幣と硬貨のデザインは国の歴史と文化を反映しており、これらを理解することでフィリピンをより深く理解することができます。

本記事が、フィリピンでの留学生活をより充実させるためのひとつのきっかけになれれば大変うれしく思います。