海外旅行をしたことがある人は、現地の通貨に慣れずに困ったこともあるのではないでしょうか。特に硬貨は文字が小さいため、どれがどの硬貨なのかすぐにはわかりませんよね。
アメリカの通貨を見てみても、日本のものとは様子が異なります。そのため、これからアメリカに行く人は、アメリカの硬貨に慣れるまで時間がかかるかもしれませんね。
そこでこの記事ではアメリカの硬貨について、見た目や価値などをご紹介します。アメリカでの硬貨の使い方についても触れていくので、アメリカに行く予定がある人必見ですよ。
アメリカの通貨・硬貨について
アメリカの通貨は、みなさんご存知のようにアメリカドルと呼ばれます。
1ドルの価値は日本円で130円強(2023年5月現在)。そして、ドルよりも小さい単位が「セント」となっています。
日本には現在は円しかありませんが、昔は円の下に銭(せん)という単位がありました。ドルとセントの関係性は、円と銭の関係性と同じです。
ちなみに1ドルは100セント。そしてアメリカでは、1ドル以下の通貨に硬貨が用いられています。
アメリカの硬貨の種類
アメリカの硬貨は全部で6種類存在しています。日本も6種類ですから、この部分は共通していますね。
アメリカの硬貨の構成は1セント・5セント・10セント・25セント・50セント・1ドルとなっています。日本の硬貨と構成が似ているようにも見受けられますが、アメリカには25セントがあることが大きな違いです。
また、アメリカでは1ドルから紙幣があるため、500円のような大きな単位の硬貨は存在しません。
ちなみにアメリカの硬貨は確かに6種類あるのですが、50セント硬貨と1ドル硬貨はあまり流通していません。ですので、アメリカに長期滞在をしていても、なかなか出会うことがないかもしれませんね。
そもそも1ドルは紙幣があるので、硬貨の必要がないのです。
アメリカの硬貨の呼び方・見分け方
アメリカでは、それぞれの効果に通称がついています。ただし、前述でも触れているとおり、50セント硬貨と1ドル硬貨はそれほど流通していないため、通称もありません。
ここからは、アメリカの硬貨の呼び方や見分け方を硬貨ごとにご紹介します。通称の方もアメリカでの日常会話の中ではよく出てくるため、覚えておくと便利ですよ。
1セント硬貨(ペニー)
1セント硬貨は「ペニー(penny)」と呼ばれています。ちなみに、イギリスではアメリカで言う「セント」が「ペニー(複数形はペンス)」となっているので、1セント硬貨が「ペニー」と呼ばれるのは、そこから来ているのかもしれません。
また、このペニーという言葉は、英語のイディオムでもかなり使われていますから、覚えておくと良いでしょう。
アメリカドルにおける1セント硬貨(ペニー)は、日本の10円玉のような色をしています。描かれているのは、エイブラハム・リンカーン。アメリカで奴隷解放宣言を行った人です。
5セント硬貨(ニッケル)
5セント硬貨は「ニッケル(nickel)」と呼ばれています。ニッケルとは、銀白色の金属のこと。その通称を表すかのように、5セント硬貨は銀白色をしています。
ただ、他の硬貨もほぼ同じ色なため、5セント以上は見分けがつかないという人もいるでしょう。他の硬貨に比べるとやや厚みがあるのが、ニッケルの特徴です。
描かれているのは、トーマス・ジェファーソン。第3代アメリカ合衆国大統領であり、アメリカ独立宣言の起草者のひとりでもあります。
10セント硬貨(ダイム)
10セント硬貨は、5セント硬貨と同じく銀色なのですが、サイズが小さいため混乱しやすい硬貨でしょう。なぜ5セントよりも10セントの方が小さいのか不思議ではありますが、銀色で小さいコインが10セントと覚えておきましょう。
通称は「ダイム(dime)」。このダイムは会話の中でも結構出てくることが多いので、覚えておかないと混乱することもあるかもしれません。
描かれているのは、第32代アメリカ合衆国大統領のフランクリン D. ルーズベルトです。第二次世界大戦の頃に大統領を務めていた彼は、のちに世界恐慌からアメリカを回復させたと評価を受けています。
25セント硬貨(クォーター)
25セント硬貨は、「クォーター(quarter)」と呼ばれています。クォーターとは4分の1の意味で、25セント硬貨は1ドルの4分の1なので、こうした通称がついているのでしょう。
日本人的な感覚だと、4分の1というのが特別扱いされているのは不思議な感じがするかもしれませんが、割と英語では4分の1、つまりクォーターという単位がよく使われるので、慣れておくことをおすすめします。
25セント硬貨は5セント硬貨よりもやや大きい銀色のコインです。
描かれているのは初代アメリカ大統領のジョージ・ワシントン。アメリカの建国の父として讃えられる歴史上の人物です。
50セント硬貨
50セント硬貨はあまり流通していないため、通称がないのですが、呼ぶときには「50 cents coin(50セント硬貨)」というよりも「Half dollar(ドルの半分)」と呼ばれることが多いです。
こちらも銀色の硬貨で、サイズは日本の500円玉よりも大きめ。本当に見かけないので、もしも見つけたらラッキーですね。
描かれているのは、ジョン F. ケネディ大統領。暗殺されたことでよく知られていますが、アメリカの歴史の中でも高評価をされている大統領のひとりです。
1ドル硬貨
1ドル硬貨も50セントと同様に、あまり見かけることのない硬貨です。
大きさは50セント硬貨よりも大きめですが、色は銀色か金色とバラバラなのが特徴的。現在作られているものは金色で統一されていますが、昔は銀で作られていました。
これまでにさまざまな歴史上の偉人などが描かれてきた1ドル硬貨ですが、2000年以降から2023年現在までは、サカガウィアという女性が描かれています。
大統領でもない彼女は日本人にとっては全く馴染みがありませんが、ミシシッピ川の西側の土地を測量する、最初の米国の探検隊の道案内をしたアメリカ先住民族の女性だそうです。
アメリカでは硬貨が溜まってしまいやすい!
アメリカで日常的に使われているのは、1セントから25セントまでの4種類のコインと、実はシンプルです。それにもかかわらず、アメリカにいると硬貨が溜まってしまって困ることもあるはず。
ここからはその理由と溜まった硬貨の使い道などをご紹介します。
アメリカで硬貨が溜まりやすい理由
アメリカで硬貨が溜まってしまう理由のひとつは、なかなかアメリカの硬貨に慣れなくて、上手に使えないことです。ですが、それも慣れてしまえば解消されるはず。
しかしアメリカでは、たとえ硬貨の種類に慣れたとしても、気づくと硬貨が溜まってしまっているかもしれません。
これはアメリカでは、日本のような硬貨の使い方をしないためです。
たとえば日本では128円の物を買ったときに1,028円を出して払うということをするのは一般的です。しかし、アメリカではあまりそういう習慣がなく、そういったお金の出し方をすると、28円の部分を返されてしまうかもしれません。
とは言え、128円に1,028円を出すというような、パッと見ればわかりやすい出し方ならまだ対応してもらえます。しかし、170円に220円を出すというような出し方をすると、大混乱を招いてしまうかもしれません。
結果、200円だけ取って後はつき返され、おつりとして30円もらう……という形になることも多いです。
アメリカ人が170円のものを買った場合、170円ジャストであれば170円を出しますし、なければ200円だとか1000円だとかで払い、その他の細かい硬貨を出すという感覚はあまりないのです。
そのため、アメリカにいると小さい硬貨を使う機会があまりなく、知らず知らずに硬貨が溜まってしまいやすいんですね。
溜まった硬貨の使い道
では、その溜まった硬貨を、アメリカ人はどう使っているのでしょうか。
もしも硬貨が溜まっている場合は、レストランなどでチップとして出していることが多いでしょう。特にカジュアルなレストランなら、小さな硬貨が混じっていたとしても、相場かそれ以上のチップがもらえれば、喜んでもらえます。
また、募金箱に入れるというのも、使い道のひとつです。特に小さな金額の硬貨は溜まりやすいですし、使い切るよりは募金箱に入れるのも手ですね。
そんな風に工夫しながら、溜まっていく硬貨を消化していきましょう。
硬貨を溜めすぎないためには?
そもそもカード社会なアメリカですから、まだまだ現金社会が色濃い日本人のように、硬貨を溜め込んでしまうことはあまりありません。
つまり硬貨を溜めすぎないためには、カードで支払いをすれば良いのです。
また、レストランなどで現金で支払う場合は、会計を切り上げた分の紙幣を出して、おつり分をチップ代わりに受け取ってもらうようにすると良いでしょう。特にこのやり方は、少しおしゃれなレストランではスマートなやり方です。
ただし、チップが少なくなりすぎないように気をつけてくださいね。
アメリカの硬貨の種類を覚えてスムーズなアメリカ滞在を
文中のとおり、アメリカには6種類の硬貨が存在しているものの、実際に広く使われているのはそのうちの4つです。そう思えば結構覚えやすいですよね。
硬貨の種類がわかっていれば、会計時にまごつくこともなく、スムーズに支払いを済ませることができるでしょう。アメリカに渡航する前に、硬貨の種類は全部覚えておいてはいかがでしょうか。