海外に行くと、日本では当たり前や常識が通用しなかったなんて経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、アメリカと日本を比較した違いをご紹介します。
アメリカを舞台にした海外ドラマや洋画を見ていても日本ではあり得ないことが起こったりしますよね。
もともと、アメリカは移民大国ということもあり、島国の日本と比べると、人種、宗教、ルーツが多種多様です。
複雑なバックグラウンドが絡み合うことによって、日本とは違った文化や習慣が根付くようになりました。
日本での常識でアメリカへ渡航すると、トラブルに巻き込まれたり、知らぬ間にマナー違反をしてしまうことも。
留学や旅行、ビジネスなどでアメリカへ渡航予定のある方は事前に確認しておきましょう。
アメリカってどんな国?
正式名称「アメリカ合衆国」は、48の州、アラスカとハワイの2つの州、首都ワシントンD.C.から構成されています。
各州に自治権があるため、まるで国家のように存在していて、隣接する州を跨ぐとガラリと雰囲気が変わることも多いです。
・首都:ワシントンD.C.
・面積:約9,826,675.00㎢
・人口:約332,000,000人
・公用語:英語
・通貨:アメリカ・ドル($)
「アメリカンドリーム」という言葉がある通り、世界中から夢を追いかけたり、生活を変えたい人がアメリカにやってきます。
2020年度の国勢調査によると、アメリカの人種別割合は、白人61.6%、アフリカ系12.4%、アジア系6.0%、ネイティブアメリカン1.1%と続きます。
日本人を含むアジア系の人種は、マイノリティーに分類されます。
アメリカと日本の違い(国民性)
アメリカと日本の国民性の違いを見ていきましょう。
ストレートな表現を好む
アメリカ人は、日本人のような婉曲的な表現は避けて、YESかNOをはっきりと伝えます。
ジム・キャリー主演のコメディ映画「イエスマン」にある通り、アメリカ人はNOと言うことに抵抗がありません。
誘いや提案を断られた側も相手を尊重する姿勢を持っているため、ギクシャクするようなこともほとんどないです。
逆に質問に対して、日本人との会話のようにどっちつかずの返事をすると不快にさせる可能性があるため要注意です。
スモールトークが好き
アメリカ人は、スモールトーク(世間話)が大好きです。
日本では出社をするとすぐに業務を始めることがほとんどですが、アメリカでは近況報告などに時間をかけます。
相手に話を聞くことが大好きなアメリカ人も多いので、ご自身のこと、日本のことを話してスモールトークを楽しみましょう。
時間にルーズ
アメリカ人は、日本人と比べると時間感覚がゆっくりとしていて時間を守らないことが多いです。
日本は公共交通機関を使う人が多いですが、アメリカは国土が大きいため車移動をします。
渋滞や事故など道路交通状況によって時間に間に合わない状況が頻繁に起こることが関係しているかもしれません。
謙遜はしない
アメリカ人は、謙遜することがほとんどありません。
日本にいるときと同じ感覚で謙遜をすると、「自己肯定感が低い人」「身内を卑下する人」と悪いイメージを与えかねません。
ビジネス面では「これできる?」に対して「少しなら…」と言ってしまうと能力がない人材と判断されるリスクもあります。
アメリカ人に褒められた時は素直にありがとうといい、自分のできることはそのまま伝えるようにしましょう。
アメリカと日本の違い(日常)
アメリカと日本の日常の違いを見ていきましょう。
室内では靴を脱がない
アメリカでは、基本的に自宅を含む室内で靴を脱ぐ習慣がありません。
ホームステイや友達の家に招待された時、土足でベッドに寝転がる姿を見てカルチャーショックをうけるかもしれません。
ただし、各家庭によってはスリッパに履き替えたり、靴を脱ぐ習慣がある場合もあるため、臨機応変に合わせましょう。
道路は右側通行
日本は右ハンドルで左側通行が当たり前ですが、アメリカでは左ハンドルで右側通行が一般的です。
アメリカで運転する時は、慣れるまでスピードを出しすぎたり、複雑な道を走ることは避けましょう。
現地の人に同乗してもらい練習してからひとりで運転を始めると安心です。
マイルと華氏(℉)表記が基本
日本のメートル法は「マイル」、日本の摂氏(℃)は華氏(℉)に変換して表記されて混乱しやすいです。
距離を把握するためには「1km=1.6マイル」で計算できます。
温度を把握するためには、「華氏(℉)から30を引いて2で割る ≒ 摂氏(℃)」で計算できます。
世界有数の銃社会
アメリカは日本と異なり、一般人でも自宅で銃やライフルを保有することができます。
法律上、ライセンスの取得や銃や弾丸の制限があるものの、実際は守られてないことも多いです。
精神疾患や衝動性が原因で、大人数を銃殺する事件が頻繁に発生していて、日本人が被害者になった事件もあるため要注意です。
アメリカでは、暗い道や人気のない道を避けたり、トラブルになった時相手を刺激しないようにしてください。
アメリカと日本の違い(食事・ショッピング)
アメリカと日本の食事・ショッピングの違いを見ていきましょう。
使用済みでも返品できる
アメリカは返品大国と言われているので、レシートが残っていれば値札をカットしたり使用済みでも返金・交換対応です。
日本では少しでも使った後がわかると返金・交換をしてもらえないので、アメリカの方がショッピングしやすいです。
チップを払う
ファストフードやフードコートなどセルフサービス系以外の飲食店では、原則チップの支払いがマナーです。
もちろん、チップは義務化されているわけではないものの、スタッフはチップをもらう前提で基本給が低く設定されています。
食事代の15〜20%を目安にチップの支払いをするようにしましょう。
ホテルで荷物やベッドメイクをしてもらった際は、1〜2ドルほど支払うと良いでしょう。
食べ残しはテイクアウトOK
日本の飲食店は、食べ残しの持ち帰りを許可していないことが多いですが、アメリカでは持ち帰りがOKです。
現地の人たちもお腹いっぱいになったら当たり前のように持ち帰り、翌日食べたりします。
持ち帰りたい時は、「Can I have a box, please?(お持ち帰りの箱をいただけますか?)」とスタッフに声をかけましょう。
レストランで店員を呼ぶ行為はマナー違反
アメリカのレストランでは、テーブルごとに担当のウエイター/ウエイトレスがつきます。
テーブルの案内から注文、サービスとお会計まで同じ人が行うシステムです。
注文しようと「Excuse me」と声をかけてしまうと、その人が仕事を全うしていないように見えてしまいます。
よほど怠惰なスタッフではない限り、声をかけられるまでテーブルで待つようにしてください。
飲酒は21歳から合法
日本では20歳からお酒が飲めますが、アメリカでは21歳から飲酒が許可されています。
飲食店では、厳しい身分証のチェックがあるため、外でお酒を飲む場合は年齢を証明できるものを持ち歩きましょう。
アメリカと日本の違い(学校)
アメリカと日本の学校の違いを見ていきましょう。
ディスカッションがメインの授業が多い
日本では先生が一方的に授業する座学がメインですが、アメリカでは授業の大半がディスカッションです。
先生によってはほとんど黒板に文字を書くことなく、生徒に質問をしながら話をすることも多いです。
また、クラス内では頻繁にグループワークを実施していて、話し合ったことを発表するプレゼンが成績に大きく関わります。
日本の授業よりも積極的に授業と向き合う姿勢が求められます。
板書の写し作業はほとんどない
ディスカッションがメインということもあり、日本の学校のようなノート提出は滅多にありません。
日本ではノートを丁寧に書いているかどうかが授業参加として判断されますが、アメリカでは授業の貢献度が重視されます。
「What do you think about this?(これについてどう思いますか?)」と聞かれた際には、できるだけ自分の意見を述べましょう。
語学学校でもライティングは予習・復習の宿題に回されることが多く、授業の大半はリスニングとスピーキングに重点が置かれています。
大学は入学するより卒業する方が難しい
日本は、大学受験が大きなライフイベントとなっていて、塾や予備校に通ってたくさん勉強をします。
一方、アメリカでは大学受験のハードルはそこまで高くないものの、入学してから勉強する量が膨大です。
試験の他にエッセイやプレゼンがあり、日本の大学生のようにバイトやサークルばかりに時間をかけることは難しいでしょう。
予習が必要
アメリカの学生は、基本的に予習をしたうえで授業に参加しています。
もちろん先生からレクチャーを受けることができるものの、メインはディスカッションですので、基礎知識を頭に入れていないと授業についていけないからです。
また、大半の授業では次回までに読んでおくべき教科書やプリントの指示が出されます。
英語力が十分にあれば、一通り読むだけで予習が終わるかもしれませんが、留学生として授業を受けるのであれば、現地学生以上に予習の時間が必要です。
アメリカと日本の違い(コミュニケーション)
アメリカと日本のコミュニケーションの違いを見ていきましょう。
くしゃみをしたら声をかける
アメリカでは、くしゃみをした人に「Bless You(ブレッスユー)」という文化があることは有名です。
Bless Youを直訳すると、「神の御加護がありますように」という意味になりますが、くしゃみの場面では「お大事に」といったニュアンスで使われています。
自分がくしゃみをした側の場合、先に「Excuse me(失礼しました)」というか、Bless Youに対して「Thank you(ありがとう)」と返せばOKです。
Bless Youは大人数でいる静かな場所でも使われるほど、くしゃみをした人に対して言うのがマナーになっています。
アメリカ人とふたりでいるときに、相手がくしゃみをして日本のように何も言わないと、相手は困惑してしまうかもしれません。
異なる意見のときは議論を楽しむ
日本では、意見が食い違うときに協調性を重視して、自分の考えを伝えることを躊躇する場面が多くありますが、アメリカでは議論をコミュニケーションとみなしています。
些細なトピックに対して、ああでもない、こうでもないと言い合っている場面が見られますが、これは対立していると言うより会話の一部でしかありません。
相手と考えが違うとき、「You are wrong.(間違ってる)」というのではなく、「I tihnk 〜(私はこう思ってる)」という表現で会話を楽しみましょう。
「みんな違ってみんないい」の考えのもと、相手を尊重する考え方が養えるでしょう。
差別発言は厳禁
もちろん日本でも差別発言は許されませんが、多種多様なバックグラウンドを持つ人たちが集まるアメリカでは、日本以上にタブー視されています。
衝動的に出た一言で暴力に発展することもあるため、人種、性別、LGBTQなど絶対に差別発言はしないように意識してください。
学校や会社で差別発言をしたことが発覚すると、退学、停学、解雇などに発展するケースも珍しくありません。
知らない人とも会話を楽しむ
アメリカでは、公共交通機関を待っているときや街中で突然声をかけられることがよくあります。
知らない人に対して、「その服素敵だね」「元気?」とオープンに会話を楽しむのがアメリカ流のようです。
初めのうちは、怪しい人なのかな?と警戒するかもしれませんが、慣れてくると自然と会話を楽しめるようになるでしょう。
とはいえ、話しかけてくる人たちが全員健全とは限りませんので、身の危険を感じるようなことがあれば、距離を取ることが大切です。
まとめ
この記事では、アメリカと日本の違いについてお伝えしました。
もちろん、アメリカと日本のどっちが良い!と比較するための話ではありません。
日本人としてアイデンティティをしっかりと持ったうえで、アメリカの良い部分を吸収したり、日本と違う部分は楽しみながら異文化を体験してください。