言語の中で、熟語とはとても難しいものです。特に英語の熟語は、複雑であったり、実際の動詞とは違った意味を持つ場合が多いです。ネイティブスピーカーは、そんな中で頻出単語をいくつか使っており、そこをしっかりと理解することでより英語を上手く話すことができるようになります。
今回は、ネイティブスピーカーが使う「Zip it」の意味と頻出熟語を紹介します!
1.英語の熟語とは?
英語の熟語(idiom)は、単語の組み合わせや表現が、そのままの意味ではなく、特殊で固有の意味を持つ言い回しです。これらの熟語は言葉やフレーズの組み合わせにおいて、一般的な意味とは異なる意味を持ち、文化的な背景や慣用句として使用されます。
熟語の作られ方
比喩的な表現
熟語はしばしば比喩的な表現であり、単語やフレーズがそのままの意味を持たず、より抽象的な概念を指します。
文化的なコンテキスト
多くの熟語は文化的な背景をベースにしており、ある国や地域の特有の状況や言い回しに由来しています。
歴史的な起源
ある熟語が歴史的な出来事や物語に由来していることがあります。これが熟語の理解において役立つことがあります。
2.英語の熟語とは?
英語の熟語には、いくつか覚えるコツがあります。
コンテキストで覚える
熟語を単なる単語の羅列としてではなく、具体的な文脈や状況で覚えると効果的です。例文や物語を通じて使われる熟語を理解することで、覚えやすくなります。
関連付けて覚える
熟語を日常の経験や感情と結びつけると、覚えやすくなります。例えば、熟語 「Break the ice」を「初対面の人との緊張を和らげる」と関連付け、具体的なシーンを想像すると覚えやすくなります。
イメージを使う
熟語を視覚的なイメージと結びつけることで、脳により強く印象づけられます。例えば、「Piece of cake」(非常に簡単なこと)をケーキを切るイメージと結びつけてみてください。
フラッシュカードを作成する
各熟語に対応するフラッシュカードを作成し、一方には熟語、もう一方の反面にはその意味や使用例を書きます。これを見返すことで繰り返し学習ができます。
日常で使ってみる
覚えた熟語を積極的に日常で使ってみましょう。実際に使うことで定着しやすくなります。
音読をする
熟語を含む文章やダイアログを音読することで、耳で聞くことと視覚的な印象を組み合わせ、記憶を強化できます。
テーマごとにまとめる
似たようなテーマや意味を持つ熟語をグループにまとめて覚えると、関連性が強調されて効果的です。
3.「Zip it」の意味とは?
「Zip it」の定義
「Zip it」は、相手に対して口を閉じるように言う際の口調の表現です。これは非常にカジュアルな言い回しで、他の同様の表現として「Shut up」や「Be quiet」等があります。
使い方
「Zip it」は通常、誰かがうるさい、口を滑らせる、またはあまりしゃべらないように要求する際に使用されます。言い回しは友好的でない場合があり、注意が必要です。日本語で「Zip」と聞くと、ジッパーやジップロック等の「何かを閉める」という意味になります。その為、口を閉じるという覚え方をしてください。
注意点
「Zip it」はカジュアルな表現であり、特にフォーマルな状況や上司、教師等の尊敬される相手には適していません。言い回しにはある程度の無礼さが含まれているため、相手の感情に気を配りながら使用することが重要です。ジョークや軽い冗談の文脈で使われることがありますが、相手の受け取り方には注意が必要です。
例文
- 会議の場面
- A「I think you’re wrong about that」
(それは、あなたが間違ってると思います。)
- B「Oh, just zip it! I’ve heard enough of your opinions.」
(あぁ…もう、黙って!君の意見は十分聞いたよ。)
- 学校の場面
- 先生「Alright, class, let’s settle down and start the lesson.」
(さぁ!みんな席ついて、授業始めるよ)
- 生徒「Why do we even have to learn this stuff?」
(なんでこんなこと勉強しなきゃいけないの?)
- 先生「Zip it and pay attention. It’s important.」
(静かにして、話聞いて。重要なことだから)
- 家での友達との会話
- A「Our neighbor’s parties are so loud every weekend.」
(ご近所さんのパーティーすごいうるさくない?)
- B「Have you talked to them about it?」
(話したことあるの?)
- A「Yeah, but they just told me to zip it.」
(あるよ。でも、彼ら黙れって言ってきた。)
4.ネイティブスピーカー頻出熟語20選
ここからは、ネイティブスピーカーが日常的に使う熟語を紹介していきます。これらをしっかりとマスターすることで、より自然で、レベルの高い英語を話すことができるようになります。
- Break a leg
幸運を祈る際に使われます。舞台等でのパフォーマンス前によく使われます。また、仕事の場面では大きなプレゼンや、会議の前に「がんばろう!」という意味でも使われます。
- Hit the hay
寝る、就寝するという意味で使われます。
- Bite the bullet
困難な状況に立ち向かうこと、困難に耐えることを指します。特に自分が困難な状況に耐えている時に使います。人に対しては、あまり使いません。
- Break the ice
初対面の人との緊張を和らげる。この熟語が、「Icebreaker」の語源にもなっています。
- Cost an arm and a leg
非常に高価である、という意味で使われます。日本語で、「大金をはたいて」という意味になります。
- Cost a pretty penny
相当な金額がかかる、高価なことを指します。もう1つの費用に効果であるという意味の熟語です。
- Cost a fortune
大金がかかる、非常に高価なことを指します。この熟語は、家を買う事や、有形のモノを購入する際によく使われる熟語です。
- Piece of cake
とても簡単なこと、容易な課題を指します。日本語で意訳する場合は、「朝飯前だよ!」という事で、「It is a piece of cake!」になります。
- Burn the midnight oil
夜遅くまで働く、努力することを指します。特に仕事の場面で使われることが多い熟語です。
- Hit the nail on the head
正確なことを言う、的を射るという意味で使われます。相手の意見等に対して使う為、自分自身にはあまり使わないものです。
- Under the weather
元気がない、体調が悪いという状態を指します。また、友達との誘いを断る際にも使われる言葉です。
- Kick the bucket
亡くなる、という意味で使われます。遠回しに人の死を表したいときに、「die」を避けて使われます。
- Once in a blue moon
めったにないこと、非常にまれな出来事を指します。基本的には、ポジティブな表現として使われる熟語です。
- Burn bridges
つながりを関係を悪化させることを指します。また、関係を断ち切る際にも使われる言葉です。
- Hit the jackpot
大当たりを引く、非常に成功することを指します。また、ゲームや歌詞等でも「jackpot」だけが使われることがあります。
- Jump on the bandwagon
流行に乗る、人気のあることを始めることを指します。
- Bite off more than you can chew
やりすぎる、能力以上のことを引き受けることを指します。
- Cut to the chase
要点に入る、本題に移ることを指します。仕事の会議でよく使われる熟語です。また、スポーツの場面では監督がよく使う熟語になります。
- Hit the road
旅立つ、出発するという意味で使われます。車で出かける際に、使う熟語です。
- Burn the candle at both ends
過労である、働きすぎることを指します。個人よりは、チーム全体で働きすぎている場合に使われる熟語です。
- Spill the beans
秘密を漏らす、情報を明かすことを指します。カジュアルな表現になる為、基本的には友達との会話や、今まで言ってなかったことをいう際に使われます。
- Every cloud has a silver lining
どんな困難な状況にも良い面がある、という意味です。話の初めや終わりに使われる用語です。
- Jump on the bandwagon
流行に乗る、という意味です。主に大人が子供に使う時に使ったり、自分自身を表す際に使います。
- Keep an eye on the ball
注意を集中する、という意味です。とてもカジュアルな表現になります。
- Let the cat out of the bag
秘密を漏らす、という意味です。ネガティブな表現の際に用いられます。
- Pull someone’s leg
冗談を言う、という意味です。「someone」のところは、「his(彼の)」、「her(彼女の)」、「their(彼らの)」のどれかが入ります。また、固有名詞として人名が入る場合もあります。
- Speak of the devil
話題になっている人が偶然に姿を現す、という意味です。特に話の冒頭に使われることが多いです。日本語でいう「話していると…」や、「そう言えば」という意味です。
- Take the bull by the horns
問題に果敢に取り組む、という意味です。ビジネスの場面でも、カジュアルな場面でも両方で使える表現になります。
- Throw in the towel
諦める、という意味です。主に「give up」は子供っぽく、こちらは大人が使うような表現になります。
- Don’t count your chickens before they hatch
成功が確実でない限り期待しないでおくべきだ、という意味です。冗談を言う時や、怒っている時に使う表現です。
5.終わりに
ここまで英語の頻出熟語を紹介してきました。これらの熟語は、ネイティブスピーカーが日常的に使っている為、洋画や洋ドラマ等を見ている方はより耳にする事が多いでしょう。特に「Zip it」は、強い意味を持つ言葉なので、しっかりと理解して使用する事が大切です。熟語の覚え方も紹介しているので、ぜひ覚えて使ってみてください。