海外旅行や留学をする際に準備しておかなければならないもののひとつが、コンセント用の変換アダプターです。
コンセントの形が日本のものとは異なる国は多く、変換アダプターを用意しておかなければ、渡航後に持って行った充電器が使えないなんてことにもなりかねません。
そこでこの記事では、世界の主要な国々のコンセントの種類について解説します。電圧の違いにも触れていくので、渡航先のコンセントの種類や電圧を調べて、必要なアダプターなどを購入してくださいね。
「コンセント」は英語ではない
コンセントの種類をご紹介する前に、海外では「コンセント」という言葉は通じないことをお知らせしておきます。
日本で「コンセント」と呼ばれているものは、電力供給のためのプラグを差し込む、壁に設置された差込口のことをいいます。
「コンセント」はカタカナなので、英語からきていると思っている人もいるでしょう。しかし英語ではコンセントのことを「outlet」もしくは「socket」と呼びます。「power outlet」「electrical outlet」などの言い方がされることもありますが、基本的には「outlet」で通じます。また、イギリス英語では「socket」と呼ばれることも多いです。
海外旅行や留学の際には、コンセントは「outlet」だと覚えておきましょう。また、英語圏以外の国に行く場合は、その国でも呼び名も覚えておけると良いですね。特に英語の通用度が高くない国では、名称を覚えておくとスムーズです。
世界のコンセントの種類
ではここからは、世界にどんなコンセントの種類があるのか、主要なものだけをピックアップしてご紹介します。
タイプA:日本・アメリカなど
タイプAというのは、日本と同じ形のコンセント形状のことをいいます。日本のほかには、アメリカ、カナダ、中南米のほとんどの国がこの形状をしています。
つまり、後述する電圧の問題がなければ、南北アメリカ大陸のほとんどの場所で、日本のコンセントプラグが使えます。アメリカ大陸に旅行・留学する際には、アダプターなどは必要ありません。
ただし、アメリカなどで電化製品を購入した場合は少し注意が必要です。日本のコンセントプラグは横に2本細いプラグがあるだけですが、アメリカの電化製品には、これにプラスしてその下に少し太めの丸いプラグがあるからです。
上の2つだけでも電力供給ができるため、日本のプラグはアメリカで問題なく使えます。しかし、アメリカの電化製品でプラグ形状が三又になっているものは、そのままでは日本で使うことができず、変換アダプターが必要です。
タイプC/SE:ヨーロッパ・韓国など
ヨーロッパで主流なのは、丸型のプラグが横に2本並んでいるタイプCと呼ばれる形状です。韓国もこの形状を採用しています。
ヨーロッパのほとんどの国々がこの形状なので、ヨーロッパへの旅行や留学の際にはタイプAからタイプCの変換アダプターを購入しておきましょう。
ちなみに同じヨーロッパでも、イギリスは全く別の形状を導入していますので、イギリスに行く場合には注意が必要です。
タイプBF:イギリス・シンガポールなど
前述のイギリスはタイプBFと呼ばれる、世界的に見ても大きめのプラグ形状を採用しています。これは、角型のピンが上に1つ、下に2つ並んでいるという形です。
イギリスのほかにはシンガポールやマレーシアもこの形状が主流となっています。
日本のコンセントプラグとは全く異なるため、イギリスやシンガポール・マレーシアに行く場合には、変換アダプターの購入が必要です。
タイプO:オーストラリア・ニュージーランドなど
最後にご紹介するタイプOというのは、オーストラリアやニュージーランドで採用されているコンセント形状です。
上がハの字状に2つのピンが並んでおり、その下に1つピンがついているという形をしています。
ちなみにこの形状は日本では「O形プラグ」と呼ばれていますが、海外では「I形」と呼ばれているので、名前の違いに注意しましょう。
もちろんタイプOの国々に行く場合にも、変換アダプターの購入が必要です。
コンセントの変換アダプターはどこで購入できる?
日本とコンセントプラグの形状が異なる国に行く場合は、変換アダプターの購入が必要です。では、その変換アダプターはどこで入手できるのでしょうか。
ここからは、コンセントの種類に応じた変換アダプターの購入場所や方法をご紹介します。
街の家電量販店
変換アダプターは大きめの家電量販店であれば、ほとんどの形状が販売されています。逆に小規模な家電量販店だと変換アダプター自体がなかったり、マイナーな形状のものは売られていなかったりするので、規模の大きいお店がおすすめです。
お近くに大きめの家電量販店があるなら、見に行ってみると良いでしょう。
インターネット通販
インターネット通販なら、どんなタイプの変換アダプターでも販売されています。Amazonはもちろん、各大手家電量販店の通販サイトを使っても良いでしょう。
ただしインターネット通販では現物がチェックできないため、しっかり商品紹介文を読み、正しいものを購入するようにしてくださいね。
また、口コミをチェックして、質が良さそうなものを選ぶとより安心です。
国内外の空港
実は変換アダプターは、国際空港内にあるショップでも販売されています。日本国内にある国際空港なら、日本のコンセントから別のコンセント形状に変換するアダプターが手に入りやすいでしょう。
海外に行くと、日本のコンセントからの変換アダプターは見つからないこともあるかもしれません。特に日本からの渡航が少ない国や、小さめの国際空港に行く場合は取扱いがない場合もあります。
変換アダプター購入時の注意点
変換アダプターは家電量販店や通販サイト、空港などで購入が可能ですが、購入する際には気をつけるべきこともあります。
ここからは、変換アダプターを購入する際の注意点を解説していきます。
渡航先のコンセント形状を事前に確認すること
変換アダプターは形状を間違って購入してしまうと、現地で使うことができません。ですから、渡航先のコンセント形状は事前にしっかり確認しておきましょう。
この記事でご紹介したコンセントタイプだけを参考にするのではなく、渡航先の公式情報もチェックしておくことをおすすめします。
国によっては場所によって形状が異なる場合があるからです。また、ヨーロッパ内でも例外があったりするため、渡航先のピンポイントな情報を確認することはとても重要なのです。
複数の国に行くならマルチ変換アダプターがおすすめ
旅行や留学で複数の国に行く予定がある場合は、国によって1つ1つ変換アダプターを購入するのではなく、複数の形状が使えるマルチ変換アダプターがおすすめです。
マルチなものは、1つのタイプへの変換アダプターよりも高額かつ大きめなのですが、どこの国でも使えるため、いくつも購入する必要がありません。
マルチのものでも比較的小さめなものもありますし、複数の変換アダプターを用意するのとどちらが良いかを考えてみてくださいね。
日本にいる間に購入しておくのがベター
コンセントの変換アダプターは、できるだけ日本にいる間に購入しておきましょう。
渡航先でも購入は可能ですが、日本のタイプAから他のタイプへの変換アダプターは、日本国内の方が入手しやすいです。
渡航先によっては見つからない場合もありますから、日本で用意しておくのが安心でしょう。
予備を用意しておこう
変換アダプターは1つあれば十分と思うかもしれませんが、2〜3個は準備しておくことをおすすめします。複数のものを充電したくなった際に予備があると便利ですし、変換アダプターは小さいものもあり、失くしてしまうおそれもあるからです。また、故障の心配もありますよね。
特に長期滞在の場合、現地では変換アダプターが手に入りづらいかもしれないことを考慮して、予備も用意しておくことをおすすめします。
コンセントの形状だけではなく海外では電圧も異なる!
海外に行く時には、場所によってはコンセントの変換アダプターが必要です。しかし、日本の電化製品を使う場合、気にしなければならないのはコンセントプラグの形状だけではありません。
各国のコンセントはそれぞれ電圧が異なっており、この電圧が持っている電化製品に適合していないおそれがあるからです。
主要な国々の電源電圧は下記のとおりです。
電圧 | 国 |
100V | 日本 |
110V | 中国、韓国、ジャマイカ、キューバなど |
120V | アメリカ、カナダ、メキシコ、フィリピンなど |
220V | タイ、スペイン、ポーランド、ルーマニアなど |
230V | イギリス、オランダ、ニュージーランドなど |
240V | オーストラリア、マレーシア、マルタなど |
こうして見るとわかるとおり、日本の100Vというのは珍しく、また世界的に見ても弱めの電圧です。その電圧に適合するように作られた日本の電化製品を、たとえばイギリスなどで使うと、火事になるおそれもあります。
そのため、海外に日本の電化製品を持っていく時には100Vから240Vに対応した電化製品か、変圧器を持っていく必要があります。
ただ変圧器は結構重量があるため、荷物になってしまいます。
現在、スマホやパソコン、ゲーム機などの充電器は、「100V-240V」などの表示がある全世界共通のものが多いです。ですから、電化製品を持っていくなら、全世界で使える規格のものを持っていくのがおすすめです。
ドライヤーなども全世界で使える商品が販売されていますから、長期滞在ならそれを購入しても良いのではないでしょうか。
コンセントの種類にあった変換アダプターを準備しよう
今回解説したとおり、海外では日本とは異なるコンセントプラグの形状が採用されています。ですから、海外に渡航する場合には、現地の形状にあった変換アダプターを用意しておきましょう。また電圧にも要注意です。
変換アダプターがいらない国もあるので、渡航前に現地の情報をしっかりチェックしておいてくださいね。