短期留学とは、一般的に1週間から3ヶ月までの留学のことを指します。1年などの長期留学では数百万円以上の費用が必要ですが、短期留学なら数十万円程度で抑えられます。また、生活上の都合で短期留学しかできない方もいるかもしれません。
では、その短期留学にはどれほど費用がかかるのでしょうか。先に費用がわかっていれば、留学に向けた準備もしやすいはず。この記事では短期留学にかかる費用の目安や、少しでも費用を抑える方法などを紹介します。
1.短期留学に必要な費用の内訳
短期留学をするほとんどの人が、現地の語学学校に通います。その場合、必要になる費用の内訳は以下のとおりです。
・ビザや電子渡航認証の費用
・航空券代
・海外旅行保険
・語学学校の学費
・ホームステイ・寮滞在費
・現地での娯楽費用(交際費・旅費等)
このうち、特に注意するべき費用について、項目別に解説します。
ビザや電子渡航認証ついて
日本人が英語圏へ短期留学をする場合、学生ビザの申請は必要ありません。ですが、アメリカのESTAやカナダのeTAなどのように、渡航前に事前に渡航認証を申請しておかなければならない国があることに注意しましょう。
これらの電子渡航認証は、アメリカのESTAが21米ドル、カナダのeTAが7カナダドルなどと安価ですから、それほど負担にはなりません。
航空券について
長期留学の場合は、往復航空券ではなく片道航空券でも良いのですが、短期留学の場合は往復航空券を購入するのがベストです。帰りの飛行機チケットを持っていない場合、入国審査の時に問題になる恐れがあります。
保険について
留学だと海外留学保険が必要と思うかもしれませんが、短期の場合は通常の旅行保険でOKです。通常、「海外留学保険」と謳ってあるものは、3ヶ月以上のプランとなっています。保険加入は必須とされていないことがほとんどですが、万が一のときのために加入をしておきましょう。
2.短期留学に必要な費用の目安
短期留学に必要な費用の内訳がわかれば、ある程度どのくらいの費用が必要なのか計算ができるでしょう。しかし、まだ渡航先や語学学校が決まっていない場合は、なかなか計算するのが難しいですよね。
そこでここでは、短期留学に必要な費用の目安を国と期間別に表にまとめてみました。まだ渡航先や学校を決めてない人は、こちらを留学プラン作成の参考にしてくださいね。
国 | 1週間 | 1ヶ月 | 3ヶ月 |
アメリカ | 40万円強 | 60万円前後 | 120万円〜 |
カナダ | 35万円前後 | 50万円前後 | 100万円前後 |
オーストラリア | 30万円強 | 50万円強 | 100万円〜 |
ニュージーランド | 35万円前後 | 55万円前後 | 100万円前後 |
イギリス | 40万円強 | 65万円前後 | 130万円〜 |
※表に含まれる費用は、航空券代・語学学校費用・ホームステイ費用です。海外旅行保険や現地での交際費・娯楽費用は含まれていません。
※2023年時点の各費用・為替レートを参考に作成したものです。
短期留学の費用は大きな違いはない
英語圏の中ではアメリカやイギリスが物価が高いと言われていますが、短期留学の場合は、そこまで大きな違いを感じません。ただし、現地での生活の仕方によっては、アメリカ・イギリスのような物価が高い国だと、一気に費用がかさむおそれがあります。オーストラリアも物価が高くなってきていますから、上記の費用に交際費や旅費なども考えて余裕を持って資金を準備しましょう。
目安としては1週間留学なら50〜60万円、1ヶ月留学なら60〜80万円用意しておけると安心です。
3ヶ月から留学費用が100万円レベルに
数十万あれば叶うと思われている短期留学でも、3ヶ月になると費用が100万円を超えるレベルになります。また、各国の物価の差も感じやすいです。アメリカやイギリスだと、3ヶ月留学でも150万円は資金を用意しておいた方が良いかもしれません。
航空券費用の高騰
2023年現在、各国への航空券が以前よりも高額になっています。以前は短期間なら10万円未満で航空券が手に入った地域も、現在は10万円台半ば〜後半くらいの費用が必要なことも少なくありません。そのため以前に比べると、短期留学にかかる費用が高くなっています。短期間であればあるほど、費用差を感じやすいでしょう。
3.短期留学の費用を抑えるコツ
短期留学でも50万円以上の費用が必要と知り、驚いた人もいるかもしれませんね。ですが、工夫次第では30万円くらいの費用でも、短期留学が叶う場合もあります。ここからは、短期留学の費用を抑えるコツをご紹介していきます。
地方都市への滞在も考える
短期留学の費用の大部分を占めるのが、語学学校の費用とホームステイや寮への滞在費用です。一般的に大都市は物価が高く、特に家賃は地方都市と比べるとかなり差があります。そのため、アメリカならニューヨーク、イギリスならロンドンのような大都市に滞在すると、語学学校も滞在費用も高額になりがちです。
同じ留学期間でも地方都市を選べば、費用はぐっと抑えられます。特に1ヶ月以上の留学を考えている場合は、物価の違いで費用がかなり変わってきます。よって、留学費用を抑えたい場合は地方都市への滞在がおすすめです。イギリスならマンチェスター、オーストラリアならケアンズのような都市に滞在すれば、留学生活を楽しみつつ費用の節約もできるでしょう。
円高のときを狙う
円安か円高かは、留学費用に大きな影響があります。
たとえば、語学学校とホームステイ費用が総額で2,000米ドルだったとしましょう。これを2023年時点の円安傾向にある為替レートで計算すると、約27万円となります。しかし、円安が始まる前の2021年の為替レートで計算すると、約22万円くらいとなります。その差は約5万円。さらに、現地で飲食したり旅行をしたりするお金も、すべて円安の影響を受けるため、総額で考えればもっと差が開くことになります。
留学を急いでおらず、なるべく留学費用を抑えたいなら円高のときを狙うのがおすすめ。為替レートは常に変化しているものなので、定期的にチェックしてみてください。
なるべく安い航空券を手に入れる
短期留学の場合は、航空券代も費用の大部分を占めています。ですから、なるべく安い航空券を手に入れることも、留学費用を抑えることにつながります。
オフシーズン時期なら航空券が安いため、費用を抑えたいならオフシーズンがおすすめ。しかし、どの国も冬場は冷え込みますから、現地の天気には注意しましょう。
LCCを活用するのもおすすめです。日本からだと、オーストラリアとの間にLCCがあるため、オーストラリアやそのお隣のニュージーランドだと、格安航空券を利用できるでしょう。ただし、LCCは荷物などの制限が厳しく、あまり荷物が多いと逆に割高になる場合も。自分の荷物量とも相談しつつ、航空券を選びましょう。
クレジットカードの海外旅行保険を活用
3ヶ月未満の留学の場合、クレジットカード付帯の海外旅行保険も利用可能です。現在持っているクレジットカードに海外旅行保険も付帯されているなら、追加で保険を購入する必要はありません。
ただし、各カードで利用規定が定められていますので、必ず確認しておきましょう。条件によっては利用できない場合もありますから、注意が必要です。
準備にお金をかけすぎない
留学の準備中、現地で着る服や日用品をついつい買ってしまうことがあります。ですが、ほとんどのものは現地で手に入ります。留学費用の総額を抑えるためには、事前に買いすぎないことが重要です。既に持っているものの中で、うまくやりくりできると良いですね。
留学エージェントを使う
短期留学で留学費用に限りがある場合は、留学エージェントを使うのもおすすめです。期間と予算を伝えれば、そのニーズに応じた留学プランを提案してもらえるからです。逆に、条件に無理があれば、目安を教えてもらえるでしょう。
4.短期留学は手頃な費用でも叶う!
短期留学は長期留学とは違い、数十万円程度の費用で実行すできます。あまり資金がなくて留学を諦めてしまっている人でも、数十万円程度なら貯蓄することができるのではないでしょうか。
長期留学は難しくても、短期留学なら行けるという方は多いはず。長期留学を諦めている方も、短期での留学体験を検討してみてはいかがでしょうか。