国際的な環境で学びたいと思っている場合、大学留学を決意することも多いでしょう。しかし、金銭的な事情や家庭の事情などで、大学留学が難しい人もいるはずです。
そういう人は、さまざまな国から大学生が集まる、グローバルな大学に進学するのはいかがでしょうか。留学ほどではなかったとしても、グローバルな大学ならインターナショナルな雰囲気が味わえるはずです。
この記事ではイギリスの教育専門誌である「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」が発表した、2022年度の日本国内にあるグローバルな大学ランキングに沿って、国際的な大学をご紹介します。グローバルな大学に行くメリットも解説していくので、現在大学選びをしている人はぜひ参考にしてくださいね。
グローバルな大学ランキングTOP15
冒頭でも触れたイギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」では、世界の大学を対象に、さまざまなランキングが作成されています。
今回ご紹介する「グローバルな大学ランキング:日本版」は、留学生の比率や外国人教員の比率、そして日本人学生が留学する比率、外国語で行われる授業の比率などといった点から評価され、ランキングされたものだとか。
そのトップ15を抜粋し、上位5校については特徴も詳しくご紹介していきます。
参考元:THE世界大学ランキング日本版 国際性ランキング2022年
1.立命館アジア太平洋大学(大分県)
九州では最も国際的な大学として知られる大学です。このランキングでも毎年上位にランクインしていますが、2022年度は1位に輝きました。
学部も国際経営や観光関連など、国際的なものが多いのが特徴的。
外国語で行われる授業はなんと全体の78.1%。外国人学生比率は52%と、半分以上の学生が外国人という、まさに国際的な大学です。また、日本人学生の19.1%が留学を経験しており、交換留学も盛んな大学です。
2.国際基督教大学(東京都)
国際基督教大学も、このランキングの上位常連校です。漢字だとわかりづらいですが、「国際キリスト教大学」という名前からも察せられるとおり、国際性の高いカリキュラムと制度が整っています。
外国人学生比率は11%、日本人学生の留学率は14.7%。そして、外国語で行われている口座の比率は33.7%となっています。上記の立命館アジア太平洋大学に比べると少なく見えるかもしれませんが、他の大学に比べればかなり高い比率を誇っています。
3.大阪女学院大学(大阪府)
大阪女学院大学は、名前のとおり私立の女子大学です。こちらもキリスト教系で、創立は1884年と非常に歴史のある大学です。
外国人比率は14.7%、日本人学生の留学率は10.4%。外国語で行われる授業の比率は25.7%とこちらももちろん高めの水準を誇ります。
こうしてみると1位にランクインしている立命館アジア太平洋大学は、この辺りの水準がずば抜けていることがわかりますね。
4.宮崎国際大学(宮崎県)
宮崎国際大学は「国際教養学部」という学部があり、大学生のうちに高い英語力でコミュニケーションができるような環境が整っています。
外国人学生比率は6.4%とやや控えめですが、日本人学生の留学率は15.1%と高いのが特徴的。留学生の比率は控えめなものの、外国語で行われている講座の比率は30.1%と高めになっているのも特徴です。
5.創価大学(東京都)
創価学会員が学生の大半を占めるという創価学会がグローバルな大学としてランクインしているのは不思議な感じもしますが、意外と国際性の高い大学の様子。
外国人学生比率は7.8%、日本人学生の留学率は13%、そして外国語で行われる授業の比率は29.6%となっています。
「国際教養学部」という学部があり、国際関連はこちらに集中している模様です。
6.国際教養大学(秋田県)
大学名からして国際色が感じられる国際教養大学。外国語で行われる授業の比率が74.5%と非常に高いのが特徴です。
外国人学生比率は4.7%と控えめなものの日本人学生の留学比率は20.1%と高水準。外国語環境で学びたい人にぴったりですね。
7.関西外国語大学(大阪府)
日本有数の外国語大学である関西外国語大学。
外国人学生比率5.9%、日本人学生留学率は11.7%、そして外国語で行われる授業の比率は20.7%となっています。英語以外にスペイン語の学科があるのが特徴です。
8.上智大学(東京都)
キリスト教系の大学は国際色を感じさせる学校が多いですが、こちらの上智大学もカトリック系の大学です。
外国人学生比率は9.9%、日本人の留学比率は7.9%、そして外国語で行われる授業の比率は21.6%となっています。上位校と比べると日本人の留学比率がやや控えめですね。
9.東北大学(宮城県)
東北大学は国際的な大学の中では珍しく国立大学です。
外国人学生比率は12.1%、日本人学生の留学比率は8.7%、そして外国語で行われる授業の比率は19.3%となっています。
10.神戸市外国語大学(兵庫県)
公立大学である神戸市外国語大学。
外国人学生比率は4.9%、日本人学生の留学比率は12.3%、そして外国語で行われる授業の比率は22.4%です。
順位が近い大学に比べると、留学する学生の比率が高めなのが特徴です。
11.東京国際大学(埼玉県)
「東京」とつきつつも、埼玉県にあるこちらの大学。
外国人学生比率が21.1%と、留学生が多いのが特徴です。日本人学生の留学比率は3.2%、外国語で行われる授業の比率は25.3%で、留学する学生がやや少なめです。
12.梅光学院大学(山口県)
山口県と、地方にある梅光学院大学が上位にランクインしています。元々は女子大学だった学校で、キリスト教系です。
外国人学生比率は5.1%と控えめですが、日本人学生の留学比率は22.1%とかなり高い水準です。外国語で行われる授業の比率は20.9%となっています。
12.麗澤大学(千葉県)
上記の梅光学院と同率12位の麗澤大学は、千葉県柏市にある大学です。
外国人学生比率は11.7%、日本人学生の留学比率は9.9%、そして外国語で行われる授業の比率は8.7%となっています。比率のバランスが良いですね。
14.福岡女子大学(福岡県)
福岡女子大学は福岡市にある公立大学です。
特筆すべきは日本人学生の留学比率17.7%という点。留学が盛んなことがわかります。
外国人学生比率は9.8%、そして外国語で行われる授業の比率は9.4%となっています。
15.東京外国語大学(東京都)
東京外国語大学は国立の外国語大学です。
こちらも留学が盛んな大学で、日本人学生の留学比率が27.2%と非常に高いのが特徴的。
外国人学生比率は12.1%、外国語で行われる授業の比率は8.6%です。
国際的な環境で学ぶ5つのメリット
なんとなく「グローバル」「国際的」といった言葉に惹かれて大学を選ぶと、大学に行ってから後悔してしまうおそれもあります。
国際的な環境の整った大学で学ぶ場合のメリットを知っておけば、その環境が本当に自分に必要なものかどうかがわかるでしょう。
ここからは国際的な環境で学ぶメリットを5つご紹介しますので、大学を選ぶ際にはこちらも参考にしてくださいね。
高い語学力が身につく
この記事でご紹介した「グローバルな大学ランキング」を見ると、外国語大学も多数ランクインしてます。このことからわかる通り、国際的な大学に行けば、高い語学力を身につけられる環境が整っています。
大学によっては、英語だけではなく、フランス語やスペイン語、中国語などの重要な言語も専門的に取り扱っていることもあり、大学や専攻の選び方によっては身につくのは英語力だけではありません。
将来外国語を使って仕事をしたいと思っている人、英語以外の言語を専門的に学びたい人にとっては、国際的な大学は検討すべき選択肢。
ただし、大学によってどの言語が学べるのかが異なりますから、事前にしっかりチェックをしてくださいね。
外国人の友達を作りやすい
「グローバルな大学ランキング」は、外国人留学生の多さも加味されてランキング化されています。ということは、ここでご紹介した大学は、比較的留学生が多い大学だということです。
そんな環境にいれば、国際性の低い大学に行くよりも、外国人の友達を作りやすいはずです。その大学で学びたいことがあり、さらに外国人の友達も欲しいということなら、国際的な大学を進路に選ぶのも良いでしょう。
ただ、普通に大学に通っているだけでは、外国人の友達は作りづらいかもしれません。友達を作るには、自分から積極的にコミュニケーションを取ったり、大学内で行われる国際交流イベントなどに積極的に参加することをおすすめします。
国際感覚が身につく
「グローバルな大学ランキング」の上位にランクインしている大学では、外国語を含め、国際関連の授業が充実しています。また、一緒に学ぶ生徒たちに外国人が多いですから、国際的な感覚を自然と身につけることができるのです。
グローバル化が進む昨今。国際感覚を身につけた状態で社会に出ていけることは、就職時だけではなく、実際に仕事が始まってからも大きなメリットとなるはずです。
交換留学が充実している
「グローバルな大学ランキング」の上位に入っている大学は、交換留学の制度などが充実している大学が多いです。
3〜4年制の大学留学は難しくても、1年間などの交換留学ならできるという人もいるのではないでしょうか。また、日本の大学を卒業したいけど、留学もしたいという人もいるはずです。
そんな人にぴったりなのが交換留学制度。国際的な大学に入れば、交換留学の選択肢が多かったり、留学がメリットになるような制度が充実していたりします。
国際的な大学に行き、交換留学もしたいなら、大学選びをしている際に交換留学制度についても確認しておきましょう。
就職時の可能性が広がる
国際的な大学に行き、語学力や国際感覚を身につけ、さらに交換留学も経験していれば、就職時に可能性が広がるというメリットもあります。
語学力があればそれを生かした就職が可能ですし、将来海外で仕事ができるような職に就ける可能性もあります。
大学を卒業してからも、国際的な環境に身を置きたいなら、大学時代から国際感覚を身につけておくことは、大きなメリットとなるでしょう。
グローバルな大学で国際感覚を身につけて社会へ!
グローバルな大学は、そうではない大学と比べると、さまざまなメリットがあります。普通の大学では経験できないようなことが、経験できるかもしれません。
特に将来的にも国際的なお仕事をしたいと思っているなら、国際的な大学から進学先を選ぶのもおすすめ。自分のやりたいことや、望むキャリア、学力なども加味しながら、満足行く大学選びを実現しましょう!