留学とはお金がかかるもの。現地での生活費を賄うため、もしくはもっと娯楽を楽しむために現地でアルバイトをしたいと考えている人もいるでしょう。
しかし、留学中にアルバイトをすることは可能なのでしょうか?留学のために取得する学生ビザは働くためのビザではありませんから、「もしかしたらダメなのかも?」と不安に思う人もいるでしょう。
そこでこの記事では、留学中のアルバイトについて解説していきます。国によっても制度が異なるため、代表的な英語圏に絞って国別の情報も紹介していくので、留学中のアルバイトを考えている人はぜひ参考にしてくださいね。
留学中にアルバイトはできる?
留学中にアルバイトができるかどうかは、留学の期間や種類、ビザの種類、そして渡航先で決まります。
同じ留学でも期間によってはバイトができない場合もありますし、ビザによっても異なるのですね。また、国によっても留学生のアルバイト規定は大きく異なります。
そこでまずは、どんな留学ならアルバイトができるのかを簡単に解説します。
短期語学留学の場合はアルバイトはできない
数週間、または3ヶ月以内といった短期の語学留学の場合は、アルバイトはできません。また、語学以外のスキルを身につける留学であっても、短期の場合はアルバイト不可となっています。
短期留学の場合、日本人ならほとんどの国で観光ビザによる留学が可能です。学生ビザを取得する場合も、アルバイトができない短期学生ビザとなるため、短期留学の場合は現地でアルバイトをする方法がありません。
短期留学を考えているなら、現地での生活費を日本で貯めたお金で賄えるように準備をしておきましょう。
ワーキングホリデービザでの留学なら問題なし!
ワーキングホリデービザを取得して、語学留学をしようとしている人もいるでしょう。この場合は、たとえ学校に通う期間が短期間だったとしても、アルバイトができます。これは、持っているビザが就労可能なワーキングホリデービザだからです。
ただし同じワーホリビザでも、国によって就労制限が課されていたりいなかったり、就労時間に制限があったりとまちまち。ワーホリビザを持っているなら現地でアルバイトはできますが、各国の就労制限については事前にしっかり把握しておきましょう。
長期語学留学や専門・大学留学の場合は?
長期の語学留学や専門・大学留学の場合は、現地でアルバイトできる場合が多いです。特に大学留学の場合は、学校の長期休暇中はフルタイムで働ける国がほとんどなんですよ。
語学留学については、たとえ長期であってもアルバイト不可の場合もあります。長期語学留学や専門・大学留学の場合は、国によって就労規定に差がありますから、常に最新情報をチェックして、自分がどの程度バイトができるのかを確認しておきましょう。
留学中のバイト事情を国別にご紹介!
前述のとおり語学留学を含めた長期留学なら、現地でアルバイトができる可能性が高いです。
しかし学生ビザでどの程度働けるのかという就労規定は、国によってまちまち。そこでここでは、主要な英語圏の5つに絞って、長期の学生ビザにおける就労規定をご紹介していきます。
ただし、ビザに関する規定は毎年のように更新されており、下記の情報は2023年1月現在のものとなります。実際に留学する際には、常に最新の情報を確認するようにし、こちらは参考までにしてください。
アメリカ
アメリカではたとえ長期であっても、語学留学でのアルバイトは禁止されています。
また語学留学に限らず、基本的には学生ビザのアルバイトはできません。
しかし、大学や大学院への留学に限っては、大学キャンパス内でのアルバイトはOK。ただしこちらも週20時間までと決められています。
キャンパス内に限られるなら、あまり求人はないのでは?と思うかもしれませんが、図書館やキャンパス内のカフェや売店など、意外と働くところはあります。また、大学院なら教授の補助というお仕事も。
さらにアメリカで大学や大学院を卒業した人は、その後「Optional Practical Training (OPT)」を取得し、1年間アメリカで働くことができます。
この制度では働く場所はキャンパスに限られていませんが、トレーニング目的ですから、留学先の大学、もしくは大学院で学んだことに関連のある職種でなければなりません。
カナダ
カナダもアメリカと同様に、長期であっても語学学校に通う学生はアルバイト禁止です。
そして専門学校や短大、大学、大学院への留学ならアルバイトOK。時間は週に20時間までと定められていますが、就労場所の規定はありません。
ちなみにワーキングホリデーの場合は、1年間フルで就労が可能です。
その他に、カナダには「Co-opプログラム」という制度もあります。こちらは大学や専門学校で学び、その学んだ分野に関する職種で就労ができるというプログラムです。
このプログラムでカナダに渡った場合は、プログラム規定内での有給就労が可能です。
イギリス
イギリスの学生ビザにはいくつか種類があり、その種類によってアルバイトの可否が決まっています。
たとえば、6ヶ月間の「Student Visitor Visa」や11ヶ月までの「Short-term Student Visa」では、アルバイトはできません。語学留学の場合は、このどちらかのビザを取得することがほとんどですから、アルバイトはできないということです。
専門学校、大学、大学院への留学の場合は、「Tier4 Student Visa」という学生ビザを取得することになります。
このビザを持っていて、条件を満たしていれば大学・大学院生は週20時間まで、休暇中は40時間までアルバイトが可能です。専門学校生なら週10時間までと定められています。
語学留学の場合もTier4の学生ビザが必要な場合もあるのですが、このビザを持っていても語学留学はアルバイト禁止です。また、公立カレッジへの留学の場合も、アルバイトは不可となっています。
イギリスにはワーキングホリデービザもありますが、こちらは就労制限はなく、ビザの期間である2年間は現地で自由に働けます。
オーストラリア
オーストラリアは長期留学で学生ビザを保有しているなら、語学留学であってもアルバイトが可能です。ですから、オーストラリアでバイトができないのは、学生ビザを持っていない短期語学留学の場合となります。
学生ビザを持っている学生は、学校の種類にかかわらず、2週間に40時間まで働くことができます。夏休みなど長期休暇中はフルタイム就労OK。
他の英語圏の国々に比べて規定がやや緩めなため、留学しつつアルバイトもしたいなら、最適な国と言えるでしょう。
ワーキングホリデーの場合は、同一雇用主のもとでは6ヶ月までしか働けません。その他の制限はありませんから、自由に仕事を選ぶことができますよ。
ニュージーランド
ニュージーランドも語学留学でも週20時間のアルバイトが可能な国ですが、NZQAのカテゴリー1に登録されている語学学校に14週間以上通うことが条件となっています。
NZQAのカテゴリー1とは信頼性が高いと認められている学校のことです。ニュージーランドに中期以上の語学留学を考えていて、アルバイトを希望するなら、学校がカテゴリー1に登録されているかどうかを確認しましょう。
大学や大学院への留学は、1年間で120単位以上を取得する場合は最大20時間までのアルバイトができます。ニュージーランドの場合も長期休暇中はフルタイム就労OKです。
ワーキングホリデービザの場合は、就労制限はありません。1年間の間、同じ場所で働くことも可能です。
留学中にアルバイトをするときの注意点
ここまで主要英語圏の学生ビザでのアルバイト規定についてご紹介しましたが、留学中にアルバイトをする時には注意すべき点もあります。
ここからは、留学中のアルバイトにおける注意点を解説します。
違法性のある仕事はしない
当然のことですが、違法性のある仕事はしないようにしましょう。仕事内容が法に触れるかどうかというだけではなく、規定の時間以上働いたり、税金を払わなかったりということがあってはいけません。
現地での就労に違法性が認められた場合は、強制帰国になることもありますから、「バレなければ大丈夫」と決められたルールを無視することは避けてくださいね。
学業がおろそかにならないように注意!
学生ビザで海外に渡っている限り、その留学の本分は学業です。アルバイトで疲れて学校に行けず、単位を落としてしまったり、修了証がもらえなかったりということがないようにくれぐれも注意!
そして、学んだことをその後に生かせるように、アルバイトに励みつつ、学校での勉強もがんばりましょう。
できればローカルジョブがおすすめ
せっかくアルバイトをするなら、できればローカルジョブをおすすめします。ローカルジョブとは、日本食レストランや日本食材店などではないお仕事のこと。
現地のカフェやレストランで働けば英語環境ですから、英語でのコミュニケーションにすぐ慣れることができるでしょう。
ただ、日本食レストランだと、無料で日本食の賄いが出ることもあるので、英語でのコミュニケーションにこだわらないなら、それもアリかもしれません。
バイト可能なビザを持っているなら留学中に現地で働いてみよう!
語学留学の場合はアルバイトが不可な国が多いですし、大学・大学院への留学でも、一定の規定が定められている国ばかりです。つまり、留学でアルバイトができるのは貴重な機会。もし、アルバイトができるビザを持っているなら、一度は現地で働いてみることをおすすめします。
ただし、留学の目的である学業には影響が出ないように注意!まずは週2日や数時間など、短時間のアルバイトからはじめてみてはいかがでしょうか。