みなさんもよくご存知の通り、アメリカは車社会の国です。
地域によっては1人1台の車が必要というところもあるほど、車は移動する際の重要な足となっています。
一方、日本人の移動手段で重要な役割を果たしているのが公共交通機関であり、特に電車・地下鉄は私たちの「足」と言っても過言ではありません。
「アメリカには電車は走っているの?」「留学生や観光客は車移動できないけど、どうすればいいの?」という人のために、今回はアメリカの鉄道について詳しい情報をお届けします!
これから留学を考えている人や、アメリカの各都市を電車で観光したいという人は、この記事を参考にして計画を立ててみてくださいね。
アメリカの電車情報
アメリカは日本に比べて鉄道がそれほど発達していません。
アメリカのとある調査では、社会人の実に75%以上が車通勤をしており、公共交通機関を利用して通勤している人は、わずか5.2%だったというデータがあります。
広い国土を持つアメリカでは自宅から駅までの距離が遠く、徒歩での移動は難しいということもあり、「移動するなら車が便利」という考えが一般的になっていったのです。
そんなアメリカの鉄道事情を聞くと、「そんなに電車を使う人が少ないの?」「そもそも電車って走ってるの?」と不安に思った人もいますよね?
大丈夫です、安心してください!
アメリカの電車は、アメリカ大陸を横断する「長距離列車」と、都市部を走る「短距離列車」の2種類があります。
それぞれの特徴やチケットの購入方法について説明していきます!
参考:The American Community Survey
電車の種類
世界第3位の広い国土を持つアメリカ。
その広大な土地の全ての都市を網羅しているわけではありませんが、長距離列車であれば各主要都市への移動は比較的簡単です。
「電車の旅を楽しみたい」という人は、アムトラックでアメリカ大陸を横断してみてはいかがでしょうか。
①長距離列車「アムトラック」
全米の主要都市を結ぶ電車「アムトラック」は、アメリカで唯一の長距離旅客列車です。
シカゴから各都市へ路線が伸びていて、全長3,400キロでアメリカ46州を結んでいます。
西海岸の都市「ロサンゼルス・サンフランシスコ」から東海岸の「ニューヨーク・ワシントンD.C」への電車移動も可能です!
ただ、移動距離は同じ東海岸にあるニューヨーク~ワシントンD.C間で約3時間、ニューヨーク~ロサンゼルス間では約65時間もかかるので、のんびりと車窓からの景色を見ながら旅をしたい人、時間に余裕がある人におすすめです。
②短距離列車
アメリカの大都市部には短距離を走る列車が運行しています。
ニューヨーク、ワシントンD.C、ロサンゼルスなどには郊外を結ぶ路線も伸びているので、市民の移動手段としても利用されています。
車社会のアメリカでは都市部の車渋滞が深刻な問題になっていて、特に渋滞がひどいロサンゼルスでは1時間の移動距離でも+40分程余分にかかってしまうと言われています。
電車を利用すれば渋滞を回避できるので、会社や学校に遅刻せずにすみますね。
チケットの購入方法
それでは実際にチケットを予約・購入方法について解説します!
アムトラックと短距離列車では購入方法が異なるのでご注意くださいね。
アムトラックの場合
アムトラックはチケットを予約して乗車する方法と、当日駅構内の券売機でチケットを購入する方法があります。
旅行者が多い時期には指定席が全て売り切れてしまうこともあるので、乗車日程が分かっているなら早めの予約・購入がおすすめです!
チケットの予約・購入方法は以下の3つの方法があります。
①ネット予約
②電話予約
②スマホのアプリで予約
ネット予約の場合は、Webサイトから乗車日時・乗車駅・降車駅を入力して希望のチケットを予約します。
座席タイプによって料金が異なるので、間違わないようにご注意ください。
アムトラック公式サイト:https://www.amtrak.com/home.html
電話での予約を希望する場合は、アムトラック運営会社「1-800-872-7245」へ電話して音声案内に従って購入するという形になります。
ただ、それなりの英語力が必要となるため、先ほどのネット予約か、この後に説明するアプリでの予約が手間もかからず便利です。
スマホアプリを利用する場合は、アムトラックの専用アプリをダウンロードすればそこから予約・購入が可能です。
チケットもe-ticketの画面を提示すればOKなのでと発券の手間もなく簡単です。
ちなみに、時間・料金の目安ですが、ロサンゼルス~ニューヨーク間の所要時間は約65時間、乗車料金は約230ドル(約31,280円)です。
ロサンゼルス~サンフランシスコ間は所要時間約11時間、乗車料金は約80ドル(約10,800円)です。
※2022年7月下旬のレート1$=136円で算出
短距離列車の場合
短距離列車の場合は、各都市によってチケットの購入方法が異なります。
ただし、アムトラックのように予約の必要はないので、乗車したい時に駅で即時購入できます。
基本的には、日本の電車と同じように切符を購入するか、チャージ式のICカードを購入して利用します。
留学生に人気の都市ロサンゼルスでは、日本の交通系ICカードに似た「Tapカード」というものを購入し、チャージして使えます。
Tapカードは駅構内の自動発券機で購入可能です。
ニューヨークでは、メトロカードと呼ばれる地下鉄の切符を駅構内で購入し、乗車します。
このカードは、事前に利用できる料金が決まっているものや利用額が選べるものなど、いくつか種類があります。
自分に必要なものを購入してくださいね。
チケット発券方法
短距離列車の場合は日本と同じように、駅の券売機でチケットを購入してそのまま改札を通れば良いのですが、アムトラックの場合は予約したチケットを乗車前に発券しなくてはなりません。
ネットで予約した場合は、自分のEメールアドレスに届いたe-ticketをあらかじめプリントアウトしておけば大丈夫です。
もし、事前にプリントアウトできなかった場合は、駅構内にある発券端末機「Quik-Trak」を利用すればOKです。
発券されたチケットはとても大切なので電車を降りるまで失くさないように保管しておきましょう。
あとは、チケットを持って改札を通過し、希望の電車に乗ればOKです。
その際、プラットホーム・電車を間違えないように注意してくださいね。
電車を利用するメリット&デメリット
アメリカで電車を利用するメリットとデメリットをご紹介します。
メリット①留学生や観光客が気軽に移動できる
車社会のアメリカでは、車を持たない留学生や観光客の移動が制限されてしまいます。
しかし、電車やバスなどの公共交通機関を利用すれば留学生も気軽に移動でき、観光地を巡れますよね!
飛行機よりも時間はかかってしまいますが、その分料金は安いので時間に余裕がある人は電車の旅もおすすめです。
メリット②渋滞から解放される
都市部では通勤・通学ラッシュの時間は道路が大変混雑します。
公共交通機関でもバスを利用すると渋滞にはまってしまう可能性が高いので、早めの行動が必要となります。
しかし、電車なら交通渋滞にはまることはないので安心です。
渋滞で車が進まないというストレスを感じずに生活できますよ。
デメリット①長距離移動は時間がかかる
通勤・通学の短距離ならいいのですが、他の州への長距離移動はかなり時間がかかります。
サンフランシスコ~ロサンゼルスは、飛行機なら約1時間の距離ですが、電車で移動すると約11時間もかかってしまいます。
留学生の長期休暇中の旅なら良いかもしれませんが、時間に余裕がない人は時間を取るか費用の安さを取るかの選択をしなくてはなりません。
デメリット②時刻表通りに電車が来ない
電車は交通渋滞に巻き込まれないとは言え、日本のように時刻表通りに電車が来るとは限りません。
海外は数十分の遅れは至って普通のことなので、多少の遅れは覚悟しておかなければなりません。
電車利用時の注意点
最後に、電車を利用する時の注意点についてご説明します。
日本で電車に乗り慣れている人も多いでしょうが、アメリカの電車に乗る時は日本の感覚で乗車してはいけません。
トラブルに巻き込まれない為にも、注意点をしっかりと頭に入れておいてくださいね。
電車の中でうたた寝をしない
日本では電車の中でうたた寝をしている人をよく見かけます。
この光景は日本ではよくあることですが、アメリカの電車内で居眠りをしているとカバンを盗られたり、ポケットの中のスマホや財布を盗られたりとスリに遭う危険があります。
居眠りしていても何も盗られない、落とした財布が戻ってくるような治安の良い国は世界中でも日本ぐらいですからね。
女性の場合はその他の犯罪に巻き込まれる危険もあるので、電車内での居眠りは絶対にやめましょう。
深夜の乗車は控える
深夜や早朝は電車を利用する人が少なく人目がないため、最も犯罪が起きやすい時間と言われています。
終電間際の時間だけでなく意外に早朝も危険なので、1人で乗車することのないように気をつけてくださいね。
人が少ない車両に乗らない
日本で電車に乗る時は「できるだけ人が少ない車両に乗りたい」と考える人も多いかもしれませんが、アメリカで電車に乗る時はできるだけ人気の少ない車両は避けた方が無難です。
周りの目がないので恐喝などのトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
電車は遅れるものだと思う
先ほども書いたように、日本の電車は世界でも1、2を争う程時刻表通りに運行しています。
こんな国は世界中でもまれなので、日本の感覚で電車を待っていてはストレスが溜まってしまいます。
公共交通機関で10分程度の遅れはごく一般的で、30分~1時間程遅れることも珍しくありません。
「電車は遅れるもの」と思って、余裕を持った行動をするように心がけてくださいね!
まとめ
アメリカの郊外や田舎では電車を利用する機会はほとんどないかもしれませんが、都市部は公共交通機関が発達しているので利用する機会もあるかもしれませんね。
チケットの買い方や乗り方など、最初は戸惑うことが多いと思いますが、日本とそれほど大きな違いはないので、すぐに慣れるはずです。
電車を乗りこなせれば、留学中や観光中の行動範囲がグッと広がるので、ぜひトライしてみてくださいね。
電車の旅を満喫して、素敵な思い出を作ってください!