海外での暮らしは不安がいっぱい。
言葉の壁だけでなく、治安も気になるポイントです。
そんな中、カナダはトロントやバンクーバーなど安全で暮らしやすいと留学先やワーキングホリデー先として人気のトップに常にランクイン。
しかし実際のところ、治安は本当にいいのか気になりますよね。
2021年に出た最新データをもとに説明していきます。
是非これから留学やワーキングホリデーでカナダに行く際にご参考にしてください。
治安をしめすカナダの犯罪指数は日本の2倍!
NUMBEOというサイトが、過去3年間の犯罪増加数、空き巣、窃盗や日中の女性の一人歩きの安全性など世界中から様々なデータを収集してランキングを出しています。
詳しくはこちら→国別犯罪指数 2021 (numbeo.com)
犯罪指数は、特定の都市または国における犯罪の全体的なレベルの推定値です。20 未満の犯罪レベルは非常に低く、20〜 40 の犯罪レベルは低い、犯罪レベルは 40〜 60 は中程度、犯罪レベルは 60〜 80 レベルが高い、最後に 80 を超える犯罪レベルは非常に高いと見なします。
2021年の国別犯罪指数では日本が21.95に対して、カナダは41.19とほぼ倍です。カナダと並んで、ワーキングホリデーで人気のニュージーランドは42.26、オーストラリアは42.44とカナダの方が少し安全です。
犯罪がよく起こっているイメージがあるアメリカで47.74なので、なんとなくカナダは危険なんじゃないの?と感じてしまいます。
では、見方を変えて確認してみましょう!
結局、カナダの治安は良いの?
マップ上の色が赤に近いほど危険で、緑に近いほど安全を表しています。
アメリカは赤と緑の中間色の黄色。カナダは緑よりのカラーで示されていることからも安全と言えそうですね。
とはいえ、犯罪指数は日本の2倍です。
自分の身は自分で守り、犯罪に巻き込まれない暮らし方が必要です。
画像引用:NUMBEO
治安のよいカナダでも犯罪に巻き込まれる可能性は常にある
どんなところに危険が潜んでいるのかあらためて確認してみましょう。
荷物の置きっぱなし
治安の良い日本で暮らしていると、ついやってしまいがちな荷物の置きっぱなし。
セルフサービスのカフェなどでの席確保のためや、なにかの手続きをする際などに一瞬荷物から目を離すなど、その一瞬で犯罪は起こります。
iPhoneやパソコンなどは高額で転売できるため、置き引きの対象になりやすいです。
また置き引きだけでなく、一瞬荷物から目を離したすきに薬物を入れられて知らぬうちに運び屋にされてしまったりという事件も発生しています。
異性との出会い
日本人の女性は若く見られ、性犯罪の対象になりやすいです。
とくに海外の暮らしに慣れていない人や若い日本人女性は嫌なことがあってもNOと言わないと思われています。
性犯罪が起こりやすい環境に身を置かないことがベストですが、もし強く誘いがあったとしてもハッキリNOという勇気を持ちましょう。
さらに危険を感じたならば、お店の人に助けを求めるか、大勢の人がいる場所へ逃げましょう。※後述しますが、お店の人が必ず信用できるというわけでもありません。
お酒の席では、目を離したり、トイレに行っている間に飲み物に睡眠薬を入れられて犯罪に巻き込まれるということも多く報告されています。
目を離した飲み物には口をつけないほうが良いでしょう。
住居の契約
留学やワーキングホリデーなどである程度長期で滞在するとなれば、住まいを定期契約することになります。
その際に起こりやすい契約上のトラブルがあります。
長期で住居を契約するときにはデポジットといって敷金のようにある一定のお金をオーナーに預けないといけないことがあります。
それはたいていの場合、解約時に返金されるのですが、そのデポジットを預かっていないと言われたり、預かった金額をごまかされたりというトラブルが少なくありません。
もちろん英語を理解できていなくて正しく認識できていなかったということもありますが、英語ができないということにつけこまれて、騙されるということが多く報告されています。
契約時にはかならず契約書をもらい、内容を確認してからサインやお金を預けるなどしましょう。
労働
例え、外国人であっても労働を認められたビザを所持している限り、カナダの最低賃金は適応されます。
最低賃金を下回る賃金での契約や労働は違法です。
また労働を許可されていないビザの場合は、双方の合意があっても働くことは違法になるので絶対にしてはいけません。過去にはカラオケバーで違法労働を脅されて違法なサービスを強要されたり、給料をごまかされたりした事例があります。(安全の手引令和3年 (emb-japan.go.jp)より引用
夜の一人歩き
危険な国に比べると絶対にダメ!というわけではありませんが、とくに女性の夜のひとり歩きは危険です。
帰宅が遅くなる場合は人が多い道を通り、歩きスマホやイヤホンの利用はやめましょう。
後ろにも気を付け、警戒してあるくようにしてください。
公園や路地など男性でも夜は危険と言われている場所があります。
遠回りになってもかならず避けて歩いてください。
ドラッグの誘惑
カナダにはマリファナ(大麻)が法で認められている州があります。
2018年10月17日に使用が合法化され、18歳以上であれば30gまでの大麻の所持や共有して使用することが認められました。
しかしながらカナダ滞在時も日本人には日本の法が適用され、日本の大麻取締法で処罰されます。
合法の国だからと安易に薬物に手を出すことはやめましょう。
外務省 海外安全ホームページ|海外における薬物犯罪 (mofa.go.jp)
他人をうかつに信用しない
犯罪はどこにでも潜んでいますし、だれしもが犯罪者である可能性があります。
バスの運転手がひとり客を襲ったり、警察官ということで信用させて犯罪に及ぶこともあります。
ホテルの従業員が犯罪をはたらくこともあるので、○○だから大丈夫という意識は捨てて、貴重品は人の目につく所に置かずに安全なところに管理しておきましょう。
行動のパターン化
日本でも日常的にそうであるように、人はつい行動がパターン化しがちです。
何時のバスにのり、何時にこの道を通り、このカフェでコーヒーを買う。
そのことにより、犯罪者から狙われることもあります。
なかなか日々の行動を変えることは難しいですが、たまには意図的に変えることも身の安全のために大切です。
カナダ滞在前にしておくべきこと
在留届の提出
在留届の提出
在留届の提出は、3か月以上の長期滞在者には法律により義務づけられている制度です(旅券法第16条)。
オンラインで提出が可能なので、自分の身を守るためにも必ず提出しましょう。
在留届 – インターネットによるオンライン在留届 (mofa.go.jp)
「たびレジ」の登録
在留届義務のない3ヶ月未満の短期滞在者でも現地での安全情報を受け取ることができる「たびレジ」というサービスを外務省が提供しています。
たびレジ – 外務省 海外安全情報配信サービス (mofa.go.jp)
渡航予定がない、決まっていない方も登録して現地の安全情報を受け取ることが可能です。
カナダへの留学やワーキングホリデーを検討中の方など、事前に安全情報を知りたい人は登録しておくことをおすすめします。
テロや大規模災害、緊急性のある事態が発生した場合には、在留届の提出時やたびレジ登録時に登録したメールアドレスに外務省から一斉緊急メールが送信されます。
パスポートのコピーを取っておく
パスポートを盗まれても大使館へいけば最終的にはなんとかなります。
しかし手続きに時間を要することになり、労力も大変です。
例えコピーでも写真付きで身元を証明できれば、手続きがスムーズに進みます。
もしもの時に備え、パスポートのコピーを取り、別のところに保管しておきましょう。
もしもカナダで犯罪に巻き込まれたら
強盗など命の危険にさらされたら抵抗はしないこと
強盗など命の危険にさらされたら抵抗はしないこと
万が一、刃物や拳銃などをもった強盗に襲われたりなど命の危険にかかわる状況になれば、金品の要求などには素直に答え、抵抗することは避けてください。
911に連絡
命の危険がなければ911に連絡、もしくは近くの警察へ届け出をしましょう。
現地大使館に連絡
英語に自信がなければ、大使館へ連絡もしくは駆け込み、助けを求めてください。
在カナダ日本国大使館 (emb-japan.go.jp)
<緊急連絡先>
在カナダ日本国大使館(オンタリオ州オタワ市を担当)
電話番号:(613)241-8541
在トロント日本総領事館(オタワ市以外のオンタリオ州を担当)
電話番号:(416)363-7038
在モントリオール日本総領事館(ケベック州、ニューファンドランド・ラブラドール州、プリ ンスエドワードアイランド州、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州を担当)
電話番号:(514)866-3429
引用:外務省 海外安全ホームページ|安全の手引き カナダ (mofa.go.jp)
まとめ
カナダは外務省からも渡航を認められていて、危険な国ではありません。しかし、日本に住んでいる感覚で行動することは危険を呼び寄せます。
・夜道をひとりで歩く
・バーで知り合った人についていく
・男だから大丈夫と考える
・ブランド品などを身につける
など日本ではこんなことで?という行為や考えが犯罪に巻き込まれるきっかけになります。
とくに海外生活に慣れた頃が危険です。
『今日犯罪に巻き込まれるかもしれない』
そういう意識を常に持ち、最大の警戒心をもって、過ごすようにしてください。
警戒心があれば、危険に巻き込まれる可能性は下がります。
治安がよいと言われるカナダは日本人にとっても安心の国であることは間違いありません。
繰り返しになりますが、自分の身は自分で守るという意識をもって過ごすようにしましょう。