オーストラリアと言えば、きれいな海や温暖な気候、オペラハウスなどの世界遺産などなど。これらのイメージは浮かんできますが、「オーストラリアの人気料理」と聞かれて答えられる人は少ないのではないでしょうか。
オーストラリアは移民が多いこともあり、独自の食文化が確立していません。日本は和食、中国は中国料理、イタリアはイタリア料理と連想されますが、オーストラリア=オーストラリア料理とはならないはずです。
そこで今回は、オーストラリアの食文化の歴史や家庭料理を解説していきます。代表的な食べ物についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
オーストラリア食文化の歴史・特徴
オーストラリアは以前、英国からの流刑植民地であったため、囚人や植民者と共に文化も導入されました。そのため、オーストラリアの食文化の歴史は浅いといえます。
歴史的にオーストラリアに強い影響を与えたイギリスでも食文化は停滞していたため、オーストラリア独自の食べ物や料理はあまり多くはなく、イメージが思い浮かぶほど種類があるわけではありません。
しかし、オーストラリアには多国籍な食文化があります。
第二次世界大戦後、移民政策が推進され、多くの移民が受け入れられました。これにより、チャイナタウンやイタリア人街などが見られ、ベトナム、タイ、日本などの国からの人々が集まっています。
移民たちの影響を受けてオーストラリアの食文化は発展してきたと言えます。イギリス文化を基盤に、多くの移民たちが持ち込んだ料理やスパイスなどが融合し、新しい食文化を生み出しています。
オーストラリアの代表的な料理としては、ビーフパイやフィッシュアンドチップスが挙げられます。また、バーベキューやシーフードも人気があります。しかし、それ以外にも様々な国の料理が楽しめるレストランやフードトラックも多く、特に都市部では多様な食文化が盛んです。
オーストラリアの食文化は、多様性が特徴であり、それは移民たちの文化的背景や歴史的経緯によるものが大きく影響しています。今後も、新しい食文化の誕生が期待され、世界中からの食文化の影響を取り入れることで、ますます多様な食の楽しみ方が広がっていくことでしょう。
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《地域別》オーストラリアの伝統料理
冒頭でもお伝えした通り、オーストラリアには独自の食文化が根付いていません。そのため、日本のように地域別に有名な伝統料理が多いわけではなく、基本的にはオーストラリア全土で似たような料理を楽しめるのが特徴です。
その中でもシドニーでおすすめなのが、シーフード料理です。南半球最大のシーフードマーケットがあるシドニーでは、海の料理がよく食べられています。バケツに盛られたエビは、お酒と一緒に味わうのが最高です。またシドニーでは、アジア系の料理やヨーロッパ系の料理も楽しめます。
後にオーストラリアの伝統料理の部分でもご紹介しますが、後述するパスティと呼ばれる軽食は、オーストラリアの中でも南オーストラリア州で多く食べられます。昔イギリスから伝わった料理であり、歴史的な背景が関係しているのでしょう。
広大な国土を持つオーストラリアは、気候の違いだけでなく、歴史的な背景も地域によって異なります。先住民や移民などの歴史的な背景に注目して料理を楽しむと、新たな発見があるかもしれません。
オーストラリアの家庭料理について
オーストラリアは、多民族国家であるため、食事の傾向は家庭によって異なりますが、朝食は、トーストやシリアルが一般的です。
また、昼食は軽めに済ませることが多く、サンドウィッチやスープが主流です。ホームステイ先によっては、自分で食事を用意するように指示されることもあるかもしれません。夕食は、肉やパン、パスタ、ジャガイモ料理などがワンプレートで提供されることが一般的です。
多国籍なオーストラリアでは、ホームステイ先によっては、米料理やパスタが主流の場合もあります。アジア系のホストファミリーの場合は、中華料理やタイ料理、インド料理などが提供されることが多いです。また、イタリア系のホストファミリーの場合は、ピザやパスタ、ケーキなどが提供されることがあります。
ホストファミリーとの交流を深めるためにも、食事の時間は大切にされることが多く、留学生にとっても貴重な時間になるはずです。
オーストラリアの代表的な食べ物について
オーストラリアの代表的な料理は多くはないのですが、存在しないわけではありません。オーストラリア固有の食べ物もあり、特にイギリス文化の影響を受けて地元に根付いているものが多くあります。
牧畜が盛んなオーストラリアでは肉系の食べ物が多く、海の幸も多いためシーフード料理も美味しく食べられます。
オーストラリアで試してもらいたい代表的な料理、食べ物、飲み物などについてお伝えします。
1:フィッシュ&チップス
フィッシュ&チップスは、イギリスでも有名な料理です。ビーチ沿いには多くの店舗があり、浜辺で食べるのが定番となっています。白身魚を揚げたものとフライドポテトを、塩やモルトビネガーをかけていただきます。
イギリスのものよりもあっさりしており、10ドル程度の手軽なものから、高級レストランでマトウダイなどを使ったタイプまで様々な価格帯があります。
2:ベジマイト
オーストラリア発祥の食べ物で、国民食とも呼ばれるのがベジマイトです。ペースト状で、茶色くて塩辛い発酵食品で、日本だと味噌に近いといわれています。朝食でトーストにぬって食べるオーストラリア人が多いです。
トーストやクラッカーに塗って食べるのが一般的な食べ方ですが、独特な味わいのため、好き嫌いが分かれます。トーストにぬる場合は、薄めにぬるのがコツです。日本でいえば外国人が納豆に挑戦するのに似ている感じですので、いきなり張り切りすぎない様に注意しましょう。
3:ルーミート(カンガルー肉)
カンガルーの肉は、ルーミートと呼ばれ、オーストラリアではスーパーで手軽に購入できます。クセが少なく、様々な調味料や香辛料に合うのでおすすめです。赤身で低脂肪、低カロリー、高タンパク質とダイエット食品としても人気です。
スーパーで販売されるカンガルーは、野生のカンガルーを捕獲して精肉しています。オーストラリアの衛生管理基準は厳しいので、野生の肉でも安心して食べられます。また、ワニやエミューなども食べることができます。
パブでもよくメニューにのっています。ワニ肉がメニューにのっている場合もありますので話のネタに食べてみるのもありですよ。
4:ミートパイ
手のひらサイズで食べやすいミートパイはオーストラリアでは誰もが大好きな食べ物のひとつです。ひき肉、牛肉、グレービーソース(肉汁をベースにしたソース)を包んだものが一般的で、ほかにもチキン、野菜、カレーなど種類も豊富です。
手軽に食べたい時はスーパーの冷凍食品コーナーで購入したものをレンジでチンしてケチャップをつけて食べるのがオーストラリア風。
本格的なミートパイを食べたい人は専門店のミートパイがおすすめ。特にゴールドコーストからブリスベンに向かう途中にあるミートパイ屋さんは毎日大盛況で遅い時間に行くと売れ切れてしまうくらいです。
専門店のミートパイは絶品ですので、ぜひ一度食べてみてください。
5:シュニッツェル
日本でいうとカツレツが一番イメージしやすいかもしれません。もともとはドイツの料理で、肉は特に指定されたものはありませんが、一番人気はチキンです。
肉を薄くたたいてパン粉をつけて揚げるだけで完成です。グレービーソースをかけていただくと、おいしいです。お値段は20ドル前後で、パブでオーダーすることもできます。
6:フラットホワイト
フラットホワイトは、エスプレッソにスチームドミルク(蒸気で温めたミルク)を入れたもので、オーストラリアでは一般的なコーヒーです。
また、ミルク入りのコーヒーはホワイト・コーヒーと呼ばれています。日本のドリップコーヒーに近いものは、ロングブラックと言われています。アイスコーヒーには、ミルクと砂糖が入ったものが基本で、生クリームがつくこともあります。
オーストラリアのカフェにはたくさんの聞きなれないメニューがあり、カフェ文化が根付いていますので、コーヒー好きにはたまりませんね。
7:カラマリ
カラマリとは日本語でイカのことを指し、オーストラリアではイカをフライしたものをカラマリといいます。料理を提供してくれるパブでもメニューにのっていて、「カラマリ&チップス」としてフライドポテトと一緒に提供されることが多いです。最近では日本のパブでも見かけることが多くなってきました。
8:オイスター
オイスターとは日本語で牡蠣のことを指します。日本でも牡蠣は食べられますが、オーストラリアで牡蠣が食べられることは意外と知られていません。オーストラリアの牡蠣は日本の牡蠣よりもサイズが大きく、肉厚ジューシー。シドニー・ロック・オイスターが人気です。
オーストラリアではバジルの味付けでフライにしたりもしますが、レモンを絞って生で牡蠣を食べることもできます。オーストラリアの海には菌が少ないので牡蠣では当たらないという噂も少しだけありますが、これは真っ赤な嘘ですので、実際に食べる時には気をつけましょう。
9:ラムチョップ
定番の肉料理として挙げられるのがラムチョップ。オーストラリアは羊の放牧が盛んで、オーストラリア産の羊肉は高品質で美味しいと有名です。
一般的にラムチョップはオーブンやフライパンで調理され、バーベキューなどの屋外でも楽しめる人気メニューです。独特の臭みで苦手な人も多い羊肉ですが、定番の肉料理であるラムチョップをぜひオーストラリアで楽しみましょう。
10:バラマンディ
バラマンディとは魚の名前で、東南アジアやオーストラリア北部に生息する食用の魚を指します。日本ではあまりなじみがありませんが、体長2mほどの大きな白身魚としてオーストラリアでは定番です。
淡白な味で食べやすく、どんな料理にも合います。癖もないので日本人の口にも合うはずです。
11:ラップ
薄く焼いたトルティーヤに野菜やサーモン、チーズなどが包まれたメニューです。日本のサラダラップと似ているので、日本人にも想像がつきやすい料理でしょう。
軽く食べられるランチとして人気で、たくさんの野菜を摂取できる点も魅力的です。また意外とお腹も膨れるので、忙しいときでもサクッと食べられます。
12:パスティ
パスティとは、イギリスのコーンウォール地方から伝わった、具入りのペイストリー(小麦粉にバターやショートニングなどの油脂、塩や砂糖、卵などを加えて焼き上げた生地)です。かわいらしい半月型の見た目が特徴で、中にはひき肉やジャガイモ、ニンジン、玉ねぎが包まれています。
具材は特に決まりがなく、お店によって異なるそうです。主に南オーストラリア州で食べられるので、足を運んだときはぜひ食べてみてください。
13:パブロバ
オーストラリアのスイーツを代表するのが、子どもから大人まで人気のパブロバ。オーブンで焼いたメレンゲの上に、生クリームやフルーツをたっぷり乗せたデザートです。ケーキのような見た目ですが、外側はカリっと、中はふわふわとした食感です。フルーツはイチゴやキウイ、ブルーベリーが代表的。
発祥に関しては諸説があるようで、ニュージーランドで作られたといった説もあります。しかしオーストラリアでは人気のスイーツなので、ぜひ一度味わってみてください。
オーストラリアでの国民的な飲み物・スイーツは?
オーストラリアでは、コーヒーや紅茶、ワイン、ビールが国民的な飲み物として親しまれています。
特にオーストラリアのコーヒー文化は世界的に有名です。エスプレッソの発祥地、イタリアからの移民の影響で伝わり、その後独自のコーヒー文化が根付いています。エスプレッソとは、細かく挽いたコーヒー粉に圧力をかけて一気に抽出するコーヒーです。濃縮されたコーヒーで、苦い味が特徴です。
さらにワインも有名で、州ごとに特徴が異なります。南オーストラリア州ではバロッサバレーがワイン産業の中心地で、赤ワインのシラーズが代表的です。白ワインとなると、ニューサウスウェールズ州のハンターヴァレーがオーストラリアワイン産業の起源となった場所で、シャルドネの評価が高いです。
スイーツに関しては、パブロバやラミントンがオーストラリアでよく食べられています。ラミントンとは、四角いスポンジ生地にチョコレートをコーティングし、上からココナッツをまぶしたお菓子です。手軽に食べられる大きさで、パブロバと同じくオーストラリアを代表するスイーツとして人気を集めています。
【おまけ】オーストラリアで日本食を食べることはできる?
多国籍でアジアからの移民も多いため、オーストラリアでは日本食をはじめとしたアジア料理を食べられます。お寿司やラーメン、天ぷらなどの日本食レストランは、特にシドニーやメルボルン、パースといった大都市には多いです。
それだけでなく、スーパーでも日本食品が手に入ります。アジアスーパーや日本食スーパーも広く展開されているので、自炊をする際にも便利です。外食でも自炊でも、日本食を楽しめます。
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まとめ
オーストラリアは、歴史的に独特の食文化が発展していないため、他の料理大国に比べると伝統的な料理が少ないです。しかし、移民を多く受け入れてきた多民族国家だからこそ、日本食を含む多国籍な料理を楽しめます。
また、代表的な食べ物がないというわけではありません。フィッシュ&チップスやベジマイト、ミートパイなど、試してみるべき人気の料理はたくさんあります。オーストラリアに訪れたら、今回ご紹介した料理をぜひ楽しんでみてください。