高校や大学によっては交換留学制度がある学校があります。その交換留学で選ばれるには、英語力が重要に思えますが、実は英語力と同等以上に重要なことがあります。それは「志望動機」です。
交換留学を検討する際には避けては通れない志望動機は、選考基準においてもっとも重要といえます。また、なぜ交換留学をしようと思ったのか、という志望理由や目的がしっかりしていないと、現地で挫折してしまう要因にもなりかねません。いずれにしても明確にしておくとよいでしょう。
本記事では交換留学希望者の皆が悩む志望動機の書き方、ポイント、そして例文についても徹底解説します。交換留学希望者は必見の内容になっていますので、ぜひご覧ください。
交換留学で志望動機が重要な理由
交換留学の書類には提出するものが色々ありますが、選考でもっとも重視されるのが志望動機です。
志望動機の提出は選考基準のひとつとされていて、聞かれることはほとんど決まっています。
≪志望動機で聞かれること≫
・なぜ留学をしたいのか
・留学をしたら何を学びたいのか
・帰国してそれをどう活かしたいのか
志望動機を重視する理由としては、目的意識が明確で、帰国後に大きな成果を残せそうな生徒を選考したいからです。
もっと現実的な話をすると、学校側も留学では大きな金額を使います。その大きな金額を使ってでも、それに見合う成長をして、学校の評判を良くしてもらわないと割が合いません。
そのへんは裏事情になりますので、本来は生徒側は気にする必要はないのですが、学校側の本音を知ることで、選考に通りやすい志望動機を作成するヒントになります。つまり、自分を留学させることで学校側にこれだけのメリットがある、と思ってもらえればよいのです。
志望動機を書く前に準備すること
志望動機の書き方には手順とコツが存在します。まず手順としては、先ほどもお伝えした志望動機で聞かれることを先に準備することです。
≪志望動機で聞かれること≫
・なぜ留学をしたいのか(理由)
・留学をしたら何を学びたいのか(目的)
・帰国してそれをどう活かしたいのか(将来像)
つまり、留学の理由・目的・将来像を明確にすることからスタートすればよいのです。まずは自分が留学に行きたい理由・目的・将来像を思いつくまま箇条書きしてみてください。それを文章にまとめるコツは、この後にお伝えします。
志望動機を書くコツ:PREP法
志望動機を作成する際の便利な書き方にPREP法があります。
PREP法とは、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の略で、この4つに文章をまとめると読み手が非常にわかりやすいため、自分の思いが伝わりやすい文章になります。
では、具体的にPREP法を使った志望動機の例文について見てみましょう。
志望動機の例文
今回はホスピタリティの分野で将来活躍したいと思っているA君の例の一部を紹介します。
B大学(オーストラリア)留学志望理由
①Point(結論)
私は世界中の人々を笑顔にするホスピタリティのプロになるという夢があります。
その夢を叶えるため、ホスピタリティの分野で定評と実績があるオーストラリアのB大学への交換留学を強く希望いたします。
②Reason(理由)
私が世界中の人々を笑顔にしたいという夢をもったきっかけは、小学生の頃に家族で訪れた海外旅行での出来事でした。外国人である私たちに対して、家族の思い出作りになるおもてなしやサプライズの数々があり、私もいつか世界や日本でこういう仕事をしてみたいと強く思いました。
大学進学後、ホテルのアルバイトスタッフとして働き、その思いを実現しようと思ったのですが、言語や文化の壁もあり、自分の思いを実現するには至りませんでした。
世界で通用するホスピタリティの力をつけるためには、言語・文化・知識を学ぶ必要があるということを痛感しました。そこで、たどり着いたのがB大学への交換留学です。
③Example(具体例)
オーストラリアは国際観光収入ランキング世界第7位のインバウンド先進国です。また、B大学はホスピタリティの分野では国内ランキングでもトップ3に入り、加えて観光業についても学ぶことができます。
④Point(結論)
帰国後はB大学での専門分野を将来の仕事に活かすだけでなく、オーストラリアでの生活で得た異文化対応力や言語力を活かし、多くの外国人に日本を好きになってもらえるきっかけを作れるようにいたします。
省略している部分もありますので理由や具体例は、さらに客観的な事実を追加しながら肉付けが必要ですが、全体的にはこのような流れを意識するとよいでしょう。
志望動機を書くときの3つの注意点
志望動機を書くコツをお伝えしましたが、次に志望動機を書く際の3つの注意点についてお伝えします。
嘘は書かない
文章を書き進めると、自分のストーリーを膨らませたくなりますが、嘘を書くとばれた時の印象が最悪です。万が一発覚した時は、ほぼ間違いなく落選になります。
また、自分自身も書いていて気持ちよくないと思います。熱意を持って伝えようとするあまり、嘘にならないように気をつけてください。
客観的な事実を入れる
先ほどの例文でいえば、「オーストラリアは国際観光収入ランキング世界第7位のインバウンド先進国」、「B大学はホスピタリティの分野では国内ランキングでもトップ3」という箇所になります。
この部分を、「オーストラリアは観光業でも世界的に評判が高そうです。」「B大学はホスピタリティで有名なようです。」という文章だと具体性に欠けます。
また、「私の経験的にオーストラリアはホスピタリティの勉強になると思います。」というような主観的な分析は説得力がないので、具体例の部分は客観的な事実を入れるようにしましょう。
目的、目標はぶらさない
PREP法でいえば、最初の「Point(結論)」と最後の「Point(結論)」に一貫性を持たせるということです。
たとえば最初は、世界中の人々を笑顔にするホスピタリティのプロが夢だと言っておきながら、何の分野でも通じるグローバルな人材になりたい、と漠然としたもので締めると辻妻が合わなくなります。
志望動機を書く際に役に立つ英語表現
志望動機にはよく使う表現があります。そのよく使う表現に合わせた英文についてお伝えします。志望動機を書く際の参考にしてください。
- 「~で活躍したい。」
→「I would like to be active in ~.」
- 「私がこの目標を持ったきっかけは~です。」
→「The event that led to me setting this goal is ~.」
- 「留学を通して~を実践的に学びたい。」
→「I would like to learn ~ practically,through study abroad.」
- 「1つ目の理由は〜です。2つ目の理由は~です。」
→「The first reason is ~.The second reason is ~.」
- 「~に貢献したい。」
→「I would like to do something contribute to ~.」
志望動機以外に準備する3つのこと
志望動機が留学願書においてもっとも重要ですが、交換留学の選考を通るためには、志望動機以外に準備することもあります。主に以下3つのことを準備しましょう。
語学の勉強
交換留学は語学留学とは違い、現地で専門分野を学びます。授業は当然英語で行われますので、一定レベルの英語力が必要になります。
ほとんどの場合、英検やTOEFLのスコアが示されているので、そのスコアをクリアするのが大前提です。しかし、そのスコアは最低限の基準です。提出スコアを超えていたとしても、授業についていくために語学力は常に研鑽する必要があります。
専門分野を学ぶ
交換留学では専門分野を英語で学ぶことになりますが、ただでさえ英語ネイティブでない私たちが英語で専門分野を学ぶのは大変です。しかし、その専門分野について詳しくなっておくと現地での授業が楽になります。
ネットで検索すれば、専門分野の内容もたくさんの情報を見つけることができます。英語の情報は量が多く、英語自体にも慣れますので、情報収集はできる限り英語で行うことをおすすめします。
自己分析
志望動機を書くうえでも必要ですが、実際の留学でも自己分析をすることで挫折につながりにくくなります。
自分の過去・現在・未来をしっかり考え、思いついたことを箇条書きしてみましょう。自分は過去に何があり、なぜ交換留学をしたいのか、そして将来は何をしたいのかを真剣に考えてみましょう。
この自己分析が志望動機を書くうえでも、留学を成功させるうえでも重要になってきますので、自己分析は交換留学をしたいと思った時点ですぐにしておいたほうがよいです。
留学に向けては志望動機以外も様々な準備が必要ですので、下記記事も参考にしてみてください!
海外の大学に行くには何をすればいい?大学留学に必要な準備3選
まとめ
留学の志望動機についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。交換留学の場合、英語力の規定があり、どうしても英語力だけに目がいきがちですが、英語力以上に志望動機のほうが重要なことがわかりました。
英語力が高い生徒よりも、熱意のある志望動機を書けた生徒のほうが選考に通ったという例はたくさんあります。
学校の狙いもしっかり理解したうえで、自身の留学を成功させるためにも、まずは自己分析。そして書き方のコツを参考に志望動機を作ってみましょう。
あなたの留学の夢が叶うことを心から願っています!