留学先として近年人気が高まっているマレーシア。日本からそう遠くないこともあり、海外旅行先としても密かに人気のあるマレーシアですが、まだまだお隣の韓国や、英語の格安留学先として人気のフィリピンに比べると、マレーシアという国に確固たるイメージがある人は少ないでしょう。
そのため、マレーシアの通貨について知らない人もいるかもしれませんね。
通貨はその国に渡航すれば、必ず触れることになりますから、これからマレーシアに行く人はマレーシアの通貨がどんなものなのかを知っておくと安心です。
この記事ではマレーシアの通貨やその歴史、種類、そして両替方法まで詳しく解説します。マレーシアに留学する人も、旅行で渡航する人も、こちらでマレーシアの通貨の予習をしておきましょう。
【目次】
1.マレーシアの通貨はマレーシアリンギット
マレーシアの通貨は、マレーシアリンギットと呼ばれます。表記としてはRMと表記されます。これは、マレーシアでは「マレーシアリンギット」ではなく、逆の「Ringgit Malaysia」が正式名称だからです。
RMという略称も公式略称ですから、マレーシアのリンギットについて書き言葉で表現する際にはRMと書いてしまってOK。
ちなみに1マレーシアリンギットは2023年10月時点で約30円。ですから、マレーシアで物の値段を日本円で知りたくなったら、価格に30を掛ければ、日本円での値段が大体わかります。
2.マレーシアリンギットの歴史
マレーシアに旅行をしたことがある人は、マレーシアの通貨はリンギットだと知っていたでしょう。マレーシアに興味があったり、行ったことがある人にとって、リンギットは馴染み深い通貨です。
しかし実はマレーシアリンギットは通貨の中では比較的歴史が浅く、マレーシアの通貨はリンギットではない時代もありました。
リンギットが導入されたのは1967年。誕生してからまだ56年ほどしか経っていない通貨なのですね。
では、マレーシアの通貨がリンギットの前は何だったのかと言うと、「マレーシアドル」という通貨でした。英語も公用語のマレーシアですから、ドルという通貨名を使っていても不自然ではありません。
ちなみにお隣のシンガポールの通貨はシンガポールドルですから、マレーシアもそれと同様の通貨を使っていたのです。
マレーシアの通貨がリンギットになった当初は、リンギットという単位にドルも併記されていたのだとか。そのため、その頃の紙幣は「リンギットドル」と呼ばれることもあります。
通貨の単位を突然変えても、なかなか浸透はしないため、当初はそういう対策を講じていたのかもしれませんね。
歴史の浅い通貨とは言え、さすがに誕生から50年以上経っているため、今ではマレーシアドルだった頃のおもかげはなく、リンギットが定着して使われています。
3.マレーシアリンギットの種類
日本円をはじめとしたほとんどの通貨がそうであるように、マレーシアリンギットにも硬貨と紙幣があります。
また、リンギットにはリンギットよりも小さい単位があり、そちらは「SEN(セン)」と呼ばれます。セントではなく、センなので違いに注意しましょう。100センが1リンギットとなっており、この点は多くの国々の通貨と共通しています。
ちなみに、日本円も以前は円よりも小さい単位がありました。円未満の単位は「銭(せん)」と呼ばれていたので、ちょっと似ていますね。
セン(SEN)硬貨
1リンギット未満の小さい単位はセンと呼ばれ、マレーシアではすべて硬貨となっています。セン硬貨の種類は5種類。ただ、1センを見かけることはほとんどありません。
では、お店でセンの端数が必要な場合はどうするのかというと、一般的には切り下げとなります。
ここからは、セン硬貨の見た目をそれぞれご紹介します。すべての硬貨に共通して表面はハイビスカスの花が描かれています。
- 1セン:
ほとんど見ることのないセン硬貨ですが、こちらは丸く銅でできた硬貨です。日本の十円玉のような色をしています。 - 5セン:
5センは1センとは違い、よく見る硬貨です。こちらも丸く、色は100円玉のような銀色となっています。 - 10セン:
10センは5センよりも微妙に大きいコイン。色は5センと同じなので、しっかり数字を見てみわけましょう。 - 20セン:
現在流通している20センは、2種類あります。これは20セン硬貨が2011年に一新され、金色になったため。それ以前に使われていた銀色の20セン硬貨も流通しています。
マレーシアのセン硬貨は、色だけでその価値を見分けるのが難しいので、額面をチェックすることが必要です。 - 50セン:
50セン硬貨も20センと同様に、銀色と金色のものがあります。大きさは流通している4つの硬貨の中で一番大きいため、すぐに見分けることができるでしょう。
マレーシアの硬貨は色だけで額面を見分けることはできませんが、普通に流通している硬貨は4種類と種類が少ないため、外国人にとってもすぐに覚えやすいのが特徴です。
コインが大きくなるにつれ、額面も大きくなっている点もわかりやすくて嬉しいですね。
リンギット紙幣
リンギットの紙幣は、全部で6種類。こちらは硬貨よりも種類が多いので、慣れるまでは大変かもしれませんね。ただ、それぞれ色が違うため、色で見分けやすい通貨です。
ちなみに表面には初代マレーシア国王であるアブドゥル・ラーマンが描かれています。描かれている人物で見分けることはできないため、色で覚えると良いでしょう。
リンギット紙幣は以前は紙製でしたが、現在はポリマー製となっています。材質が日本のものと異なるため、そんな点に着目してみてもおもしろいですよ。
- 1リンギット:
1リンギットは青色で、裏にはワウ・ブランという三日月型の凧が描かれています。旧リンギット紙幣は水色のような色でしたが、新リンギット紙幣はそれよりもだいぶ濃い色となっています。 - 5リンギット:
5リンギットは緑色の紙幣です。旧紙幣ではクアラルンプール国際空港やペトロナス・ツインタワーなど、クアラルンプールを象徴するものが描かれていました。
現在はマレーシアの国鳥であるサイチョウが描かれています。 - 10リンギット:
10リンギットは鮮やかな赤色の紙幣です。旧紙幣ではマレーシア航空の飛行機やプトラLRTなど乗り物が描かれていましたが、新紙幣ではシンプルにラフレシアがどーんと描かれたデザインとなっています。 - 20リンギット:
20リンギットは2012年に誕生した比較的新しい紙幣です。色は鮮やかなオレンジ色で、裏には大きくウミガメが描かれています。 - 50リンギット:
50リンギットは青緑の紙幣です。5リンギット紙幣の色に少しだけ近いのですが、額面がかなり異なるため、注意しましょう。また、この50リンギット紙幣以上の額面の紙幣は、マレーシアでは高額紙幣として扱われます。
旧50リンギット紙幣にはペトロナス石油採掘基地が描かれていました。新紙幣では、マレーシアの初代首相とやしの木の絵柄となっています。 - 100リンギット:
最後にご紹介する100リンギットは紫色の紙幣です。ちなみに旧紙幣は、紫ではなく灰色に近い色をしています。
旧紙幣では車やそのエンジンが描かれていましたが、これはマレーシアの国産車メーカーのイメージなのだとか。新紙幣ではキナバル山やアピ山という、マレーシアの山々が描かれています。
こうして見てみると、マレーシアの紙幣はかなりカラフルなことがわかりますね。各マレーシア紙幣を並べて見比べてみても楽しめるかもしれませんよ。
4.マレーシアリンギットはどこで手に入る?
マレーシアリンギットはドルなどのようなメジャーな通貨ではありませんから、ドルに比べると手に入れるのが難しいかもしれません。
そこでここからは、リンギットへの両替について解説していきます。
日本出発前に両替する
日本出発前にリンギットを手に入れておきたいなら、空港で両替をしておきましょう。特にマレーシアや東南アジアへの便がある空港なら、リンギットへの両替が可能です。
ただしレートはあまり良くないので、念の為ということで少額だけ替えておきましょう。
空港でバタバタしたくないなら、外貨宅配サービスを利用するのがおすすめです。リンギットの取り扱いがあるサービスもありますから、チェックしてみてくださいね。
マレーシアで両替する
日本円からリンギットに両替をするなら、マレーシアで行うのがおすすめです。空港についたときはもちろん、街中の両替所、銀行、ホテルなどで円からリンギットの両替をしてもらえます。
ただし、ホテルはレートがよくありませんし、銀行は場所によってレートに開きがあります。安心なのはやはり空港でしょう。
そのほか、国際ブランドのクレジットカードやデビットカードを持っていれば、ATMからリンギットを下ろすこともできます。
5.マレーシアリンギットに両替する時の注意点
マレーシアリンギットは日本ではややマイナーな通貨のため、両替の際には注意すべきこともあります。
現金を大量に持ち歩かない
マレーシアではクレジットカードが使えるところが多いです。そのため、現金を大量に持ち歩かないようにしましょう。特に高額紙幣を何枚も用意しないようにしてください。
高額紙幣を持っていると、偽札かどうか確かめられたりするので、それが嫌な人は両替時に20リンギット以下を多めにもらうと良いでしょう。
マレーシアは比較的治安の良い国ですが、日本人はスリなどの格好の餌食であることをお忘れなく。
リンギットはマレーシアで使い切る
リンギットは日本国内では両替しづらい通貨です。そのため、両替したリンギットはなるべく現地で使い切れるようにしておきましょう。
それを考えても、一度に大金を両替するのはおすすめできません。
6.まとめ
マレーシアのリンギット紙幣は、色鮮やかでとても素敵です。ポリマー素材なので日本の紙幣とは質感も異なり、見ているのが楽しくなるでしょう。
マレーシアに行く予定がある人は、ぜひこちらを参考に、リンギットの使用に備えておいてくださいね。