カナダに興味がある人でも「カナダの首都は?」と聞かれると、言葉に詰まってしまうかもしれませんね。カナダではトロントやバンクーバーなどの大都市の方が世界的にも有名で、首都の影は少し薄いのが事実。
しかしそんなカナダの首都は、留学やワーキングホリデーなどの長期滞在におすすめできる、素敵な街なんですよ。
この記事ではカナダの首都について、基本的な情報や魅力をお伝えします。カナダへ行くことを考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
カナダの首都はオタワ!
カナダの首都はトロントでもバンクーバーでもなく「オタワ」という街です。カナダへの渡航を考えている人の中にも、初めて聞いた人もいるかもしれません。まずはオタワの基本的な情報をお伝えします。
オタワの場所はどこ?
オタワはカナダ南東部のオンタリオ州にある都市です。トロントからもそう遠くなく、モントリオールに近い場所。位置的にはトロントとモントリオールの間で、ややモントリオール寄りといった感じです。
トロントやモントリオールと同様に、オタワもアメリカ国境に近いのも地理的な特徴です。
これでなんとなく、オタワの場所のイメージがついたでしょうか。
オタワはどんな街?
ここではオタワがどんな街なのか、その概要をご紹介します。
オタワはトロント、モントリオール、カルガリーに続くカナダで4番目に人口が多い都市。意外かもしれませんが、カナダの中でも知名度が高いバンクーバーは8番目となっていて、都市の規模はオタワよりも小さいんです。
都会の風貌と、ビクトリア様式の建物、そして自然が融合していて、とても美しい街です。観光スポットもたくさんあるので、短期滞在でも楽しめるでしょう。
なぜトロントやバンクーバーの方が有名なのか
オタワが首都であるにも関わらず、なぜかあまり目立っていないことに疑問を抱く人もいるでしょう。
これはなぜかというと、都市の規模としてトロントの方が大きいことが、まず1つに挙げられます。大都市のトロントの方が人やビジネスが集まりやすく、オタワはその影に隠れてしまうのですね。
では、都市の人口規模ではオタワよりも小さいバンクーバーの方が有名なのは、なぜなのでしょう。
バンクーバーはオリンピックが開催されたこともある街で、その名前が世界によく知られています。そして日本人の目線で言えば、バンクーバーの方が地理的に近いため渡航しやすいということも、日本で認知されている要因でしょう。
決して、オタワにマイナスな点がある訳ではありません。単に都市の規模や世界的認知度、そして日本との地理関係の影響で、トロントやバンクーバーよりも認知度が低いのですね。
カナダの首都「オタワ」の歴史
オタワに比べて、トロントやバンクーバーの方が有名な理由をお伝えしました。とはいえ「どうしてオタワが首都なの?」と疑問に思っている人も多いでしょう。都市規模が小さく知名度が低いオタワが、カナダの首都になった理由を探っていきます。
オタワがカナダの首都になったのは、1857年でした。当時はまだ独立国家としてのカナダは存在しておらず、カナダ東部はフランスとイギリスからの移民が多く住むようになっていました。後にフランスとイギリスの2国間で争いが起こり、首都をどこに置くかで対立するようになったのです。
そして地理的な中立性と防衛上の観点から、首都がオタワに定められました。この判断を下したのはイギリスのビクトリア女王です。イギリス系のオンタリオ州とフランス系のケベック州の州境に位置するということで、オタワが現在のカナダの首都になりました。
日本~カナダの首都「オタワ」へ渡航する手段
カナダ南東部に位置するオタワへは、残念ながら日本からの直行便はありません。日本からオタワに行く場合は、アメリカ経由で乗り継ぎをして行くか、カナダ国内で国内線に乗り換える必要があります。
例えば成田空港からアメリカのデトロイトを経由してオタワへ向かう場合は、成田空港からデトロイトまでは約12時間、デトロイトからオタワまでは約1時間半程度です。
成田空港からカナダのトロントへ行き、国内線でオタワへ向かう場合は、成田空港からトロントまでは約12時間、トロントからオタワまでは約1時間です。
また成田空港からカナダのモントリオールまで行き、そこから鉄道でオタワまで向かう方法もあります。成田空港からモントリオールまでは約12時間半で、モントリオールまでは鉄道で約2時間でオタワに到着します。
時期によって、時間や料金が変動します。詳細な情報や最新の運航スケジュールについては、航空会社などのウェブサイトを確認することをおすすめします。
カナダの首都「オタワ」の代表的なスポット5選
次は、荘厳な建造物と自然豊かな街並みが魅力であるオタワの代表的な人気スポットを5つご紹介します。ぜひ一度、訪れてみてください。
- リドー運河
- カナダ国会議事堂
- カナダ国立美術館
- ノートルダム大聖堂
- バイワードマーケット
リドー運河
オタワからキングストンまでを流れる、全長約202kmの運河。北米最古の運河として有名で、2007年にはオンタリオ州初のユネスコ世界遺産に登録されました。運河の建設が始まった1826年、カナダはイギリスの植民地でした。当時アメリカからの侵攻を防ぐために作られたのが運河で、リドー運河もその内の1つだったという訳です。
現在は娯楽・観光用に利用されており、夏にはクルーズやサイクリング、冬には世界最長のアイススケートリンクとして活用されています。
Rideau Canal – UNESCO World Heritage Centre
カナダ国会議事堂
オタワのシンボルと言えば、カナダ国会議事堂。荘厳な雰囲気をまとう美しい外観で、長く観光客に親しまれているオタワの人気スポットの1つです。イギリスの統治下であった1866年に建設が完成した国会議事堂で、ネオゴシック様式を用いた外観からはヨーロッパの雰囲気が感じられます。
メインの中央塔は1916年の火災で焼失してしまったため、現存する大部分の建物は再建されたものです。しかし図書館は建設当時の姿で残っています。一部改修工事を実施しており、見学箇所が限定されていますが、無料の見学ツアーも実施されているので、ぜひ一度足を運んでみてください(2024年7月時点)。なお、ツアーの見学には事前の予約が必要です。
カナダ国立美術館
ガラス張りの外装が魅力的なカナダ国立美術館。初めて設立されたのは1880年でしたが、現在の場所に移転したのは1988年です。シンガポールのマリーナベイサンズを手掛けた有名建築家、モシェ・サフディによって設計されました。
高い芸術性を持った外観に目がいきがちですが、館内の作品にも要注目です。カナダのアートをはじめとした世界中の芸術家による作品を数多く展示しており、歴史的な作品から現代アートまで幅広く楽しめます。
ノートルダム大聖堂
ノートルダム大聖堂は、オタワ最古の教会として大変歴史が深い建物です。カナダ国会議事堂から徒歩15分の場所に位置し、先ほど紹介したカナダ国立美術館の向かい側にあります。外観は落ち着いたイメージの建物ですが、中から見るとステンドグラスの窓から日の光が差し込み、非常に色鮮やかです。
礼拝の時間以外は解放されており、教会の中を自由に見学できます。また5月から10月は、45分~60分のガイド付きツアーも実施しています。こちらは事前の予約が必要です。
バイワードマーケット
バイワードマーケットとは、オタワのダウンタウンに位置するカナダ最古の市場です。新鮮な果物や野菜、雑貨、衣服、お土産といったあらゆる商品が手に入る市場で、観光スポットとして観光客に人気を集めています。また地元民から愛されるマーケットでもあり、現地の人々もよく訪れる場所です。
マーケット内にはレストランも多くあるため、買い物だけでなく食事も楽しめるのが特徴。観光客に人気の観光スポットも良いですが、地元の人々の生活を感じられる場所に足を運ぶのもおすすめです。ぜひカナダ最古の市場で、現地の生活を体験してみましょう。
ByWard Market District Authority | BMDA | Ottawa, ON Canada
カナダ首都「オタワ」に留学するメリット
日本では認知度がやや低めのカナダの首都オタワですが、実はたくさんの魅力があり、知る人ぞ知る長期滞在にぴったりの都市となっています。
カナダへの留学やワーキングホリデーを考える人の中には、オタワを選ぶ人も増えてきているんですよ!
そんなオタワの魅力を、いくつかピックアップしてご紹介します。
荘厳な建造物と自然豊かな街並み
オタワには国会議事堂やノートルダム大聖堂をはじめとした、荘厳な建造物が点在しています。インターネットでオタワの画像を検索しただけでも、その建造物の美しさに見惚れることでしょう。
それだけでも楽しく散策できそうですが、街全体が緑に溢れ、自然豊かなこともオタワの特徴です。運河もあり、どこを歩いても魅力的な街並みが続いています。
都市なので何でも揃う
知名度はトロントに劣るとは言え、オタワもカナダの大都市の一つ。生活に必要なものはもちろん全て揃っていますし、レストランやバー、カフェ、商業施設なども豊富です。
生活に困ることがなく、不便に感じることはないでしょう。
観光地もあるので、オタワにいるだけで普段の生活も、ちょっとした観光も楽しめますよ。
他の有名都市に比べると物価が安い
カナダは、英語圏の中では比較的物価が安いことで知られています。とはいえ、トロントなどの大都市は物価が高いです。
一方、オタワの物価はそれほど高くなく、長期で比較すると滞在費用を抑えることができます。
特に家賃はトロントやバンクーバーに比べるとかなり安価。生活費の中で高い割合を占める費用ですから、抑えられるのは嬉しいですね。
多文化なので異文化経験ができる
カナダの都市はどこも多文化ですが、オタワも同様にさまざまな人種・バックグラウンドの人が住んでいます。オタワにいるだけで、カナダだけではなく他の国々の文化や食、言語などに触れることができますよ。
行ったことのない国や知らない国に興味がある人にとっては、素晴らしい環境でしょう。
他の都市へのアクセス良好!
日本からオタワは直行便がないので、アクセスが悪いように感じるかもしれません。しかし、カナダ国内で言えば、首都であるオタワから他の都市へのアクセスはとても良好です。
特に地理的に近いトロントやモントリオールなどは、かなり行きやすいです。トロントなら飛行機で約1時間、モントリオールはバスで約2時間なんですよ。
さらにアメリカにも行きやすいですし、メキシコにもフライトが飛んでいます。
普段はオタワで節約しながら過ごして、金銭的に余裕がある時にトロントやモントリオール、もしくは国外に旅行する…なんて生活が簡単に送れるのです。
日本人が少なめ
カナダの有名都市は、どこも魅力的ですが、日本人が多いというデメリットがあります。「留学やワーホリで英語を身につけたい」「カナダの生活に溶け込みたい」と思っている人にとっては、日本人が多いことはネックになるのではないでしょうか。
その点、オタワの場合はトロントやバンクーバーに比べると日本人が少なめです。日本人がいない環境に身を置くことも難しくないでしょう。
また、日本人が全くいない訳ではないので、日本語や日本人が恋しくなった時には、話し相手を見つけることもできますよ。
カナダの首都「オタワ」滞在にはデメリットも
ここまでオタワの魅力をご紹介しましたが、滞在先にオタワを選ぶことにはデメリットもあります。渡航先としてオタワを検討している人は、どんなデメリットがあるのかも知っておくべきでしょう。
ここからは、オタワに滞在するデメリットをご紹介します。
冬が長くて寒い
カナダは日本に比べるとどこも寒いのですが、そんな中でもオタワは冬が長くて寒い地域の1つです。暑い夏よりも寒い冬の方が好きな人にとっては大歓迎かもしれませんが、寒いのが苦手な人だと苦痛に感じるでしょう。
日本で言うところの冬の季節は、10月から4月まで続きます。さらに、12月から2月は最高気温がマイナスの日が続くほどです(最低気温はマイナス10度以下)。
その代わり、6月から8月の夏の間は、涼しくて過ごしやすい日も多いです。オタワでの滞在を考えるなら、滞在する期間や時期も考えた方が良さそうですね。
トロントなどと比べると遊ぶところが少ない
オタワには生活に必要な店舗や施設が揃っていますが、トロントなどの大都市に比べると遊ぶところが少ないです。バーやクラブといった娯楽施設もありますが、数は多くありません。娯楽や多くの人との交流を求めている人には物足りない可能性も。
一方、落ち着いて生活したい人にとっては最適な環境とも言えるでしょう。遊ぶ場所が少ない分、勉強もはかどるので留学先としては最高の場所ではないでしょうか。
オタワ滞在はこんな人におすすめ!
オタワの魅力やデメリットを考えると、オタワでの留学やワーキングホリデーは以下の人におすすめです。
- 長期滞在中の生活費を抑えたい人
- 落ち着いた雰囲気の街で過ごしたい人
- 田舎よりは都市の方が良い人
- 暑い夏よりも寒い冬の方が好きな人
- 周辺都市や周辺国に旅行したい人
- 日本人が多い都市は避けたい人
上記に複数当てはまるなら、オタワでの滞在を有意義なものにできるはずです。特に、日本人が多い都市を避けたい人や、費用を抑えたい人にとって、オタワは穴場中の穴場。きっと、オタワを気に入るでしょう。
カナダへの留学・ワーキングホリデーは”夢カナ留学”
カナダは、留学やワーキングホリデーで人気の国の1つです。しかしその分、日本人が多かったり、物価が高かったりと、いくつかのデメリットがあります。
そんなデメリットをカバーしつつ、荘厳な建物と豊かな自然、他都市や他国への高いアクセス性など生活に不便がないのがオタワの魅力!カナダでの長期滞在を考えているのであれば、首都であるオタワも候補の1つに入れてみてはいかがでしょうか。
「夢カナ留学」では、カナダ留学・ワーキングホリデーのサポートをしています。あなたの将来の夢や目標を実現するためのオーダーメイドプランで、留学・ワーキングホリデーを成功させましょう。
まとめ
今回は、カナダの首都オタワの歴史や代表的なスポットを紹介し、オタワに留学するメリット・デメリットを解説しました。カナダはバンクーバーやトロントなどの大都市が有名で、留学先としても人気です。しかし、オタワにも多くの魅力があることを認識していただけたのではないでしょうか。他の有名都市に比べて物価が安く、何でも揃う街オタワは留学先におすすめです!