この記事では、英語圏のワーホリ(ワーキングホリデー)で主要な5か国について、看護師が働くための資格要件や仕事内容、給与目安、生活費などを比較します。さらに、現地の資格がなくても働ける関連職やスキルを活かせるその他のお仕事も紹介します。この記事を読めば、看護師の経験を活かしたワーホリにピッタリの国が選べるはずです!
ワーホリで看護師として働ける国一覧と条件
看護師がワーホリで働ける国の概要
ワーホリで看護師経験を活かして働くことを考える際、国ごとに条件や環境が異なる点に注意が必要です。いずれの国でも、看護師として就労するにはその国の看護師資格が必要です。日本の看護師免許だけでは働くことができません。ただし、一部の国では医療や介護のアシスタント職の就労が可能で、経験を活かすことができます。詳しく見ていきましょう。
オーストラリア
オーストラリアは、ワーホリでの医療助手(アシスタントナース)や介護助手としての就労が比較的柔軟に認められている国の一つです。ただし、医療分野での就労には資格が求められることが多く、資格が必須でないポジションも業務が限定される傾向があります。看護師としての経験がある人は即戦力として評価される場合もあります。
「理学療法士の経験があるので身体のことは分かります!と熱弁したら、『明日来れる?』と言われて即採用されました。オーストラリアは即戦力を求めている印象があります。」
ビザ条件:ワーホリビザで就労可能。1つの雇用主のもとで最長6か月働くことができます。
給与目安:医療助手の平均時給は約25〜30オーストラリアドル(約2,500〜3,500円)と高水準です。
生活費:月々の生活費は平均で2,000〜2,500オーストラリアドル(約20〜25万円)程度。都市によって差はありますが、地方都市では比較的安価に暮らすことが可能です。
オーストラリアは、経験があることで即戦力として採用されやすい特徴があり、特に医療や介護の分野で人材不足の背景から柔軟に対応される傾向があります。
医療助手としてオーストラリアで働けるのは、他国に比べてかなり大きな利点です。日本で看護師として働いてきた経験が活かせる場が多く、キャリアや新しいスキルを身につけるきっかけにもなりそうですね。
オーストラリアのワーキングホリデーの情報について詳しくはこちらをご覧ください。
オーストラリアのワーキングホリデーの情報|2024年最新版
カナダ
カナダでは、医療助手や介護職への就労に際して資格が求められることが多いですが、介護補助などの職種であれば、資格なしでも就労可能な場合があります。ただし、仕事内容は資格保持者に比べて制限されることが一般的です。給与はオーストラリアよりも若干低いものの、生活費も比較的抑えやすいため、コストバランスを考えた選択肢として検討する価値があります。
ビザ条件:ワーホリビザでの就労が可能。ただし、医療関係では地域ごとの規制が厳しいため、詳細は事前に確認が必要です。
給与目安:介護助手の平均時給は約20カナダドル(約2,200円)前後。
生活費:大都市で月々2,000〜2,500カナダドル(約22〜28万円)程度。地方都市での生活費はさらに安価です。
イギリス
イギリスにおいては、医療や介護職で働くためには通常資格が求められます。特にNHS(国民保健サービス)での勤務には厳格な基準が設けられており、無資格での医療職就労は非常に限られています。そのため、無資格のまま医療職に就くのは難しいですが、介護施設の補助職や受付業務、医療関連のサポート業務として働ける場合もあります。
ビザ条件:ワーキングホリデービザでの就労は可能ですが、資格を要する業務には制約があります。
給与目安:介護補助などの職種の平均時給は約9〜12ポンド(約1,800〜2,400円)。職場によっては医療機関での短期的な補助業務もあります。
生活費:ロンドンなど都市部の生活費は非常に高く、月2,000ポンド(約40万円)近くかかることが一般的です。都市部から離れると生活費は抑えられる傾向にあります。
ニュージーランド
ニュージーランドは、ワーホリでの就労が比較的柔軟に認められている国の一つであり、介護職や医療アシスタントとしての就労も可能です。ただし、看護師の資格がなくても働ける職場が多い一方で、雇用主によっては特定の業務において資格や経験が要求される場合もあります。特に介護関連の職種では日本の看護師経験を活かせる機会が多く提供されています。
ビザ条件:ワーキングホリデービザで就労可能で、雇用主1社に対しての就労期間の制限はありますが、複数の職場で働くことが認められています。
給与目安:介護アシスタント職の時給は約20ニュージーランドドル(約1,800円)前後で、都市部と地方で若干の差があります。
生活費:生活費は都市ごとに異なりますが、オークランドのような都市部では月1,800〜2,200ニュージーランドドル(約16〜20万円)が目安です。地方都市では生活費を抑えられるため、収支バランスが取りやすいです。
ニュージーランドでは、オーストラリアほどの柔軟性はないものの、介護分野の人材需要が高く、無資格でも就労可能な選択肢が比較的多く提供されています。
アイルランド
アイルランドでは、医療関連職での就労には資格が厳しく求められる傾向があり、無資格で医療アシスタントや介護職に従事することは難しい場合が多いです。ただし、介護補助やサポート業務など、経験が評価される職種では、無資格でも就労可能なケースもあります。アイルランドでは看護や介護職の人材需要が増加しているため、地域によっては医療経験を持つ人の就労が比較的容易になる場合もあります。
ビザ条件:ワーキングホリデービザでの就労は可能ですが、医療や介護関連職での就労には資格が重視される傾向があります。
給与目安:介護職の平均時給は10〜12ユーロ(約1,650〜2,000円)。都市部と地方での給与差は小さいですが、医療関係職では待遇がやや低めです。
生活費:ダブリンなど都市部では月1,300〜1,700ユーロ(約21〜28万円)がかかる一方、地方都市では生活費を抑えやすいです。
アイルランドでの医療関連職に従事するには資格が大きな決め手となるため、長期滞在や本格的な医療職を希望する場合は、他の国での経験を積むか、短期トレーニングを受けることが効果的です。
国 | 資格要件 | 平均給与 | ビザ制限 | 生活費の目安 |
---|---|---|---|---|
オーストラリア | 資格が必要ない場合が多い(医療助手など) | 時給25〜30 AUD | 同一雇用主6か月まで | 月2,000〜2,500 AUD |
カナダ | 介護職は資格不要の場合あり(州による) | 時給20 CAD | 地域によって資格要件が異なる | 月1,800〜2,200 CAD |
イギリス | 資格が必要な場合が多い | 時給9〜12ポンド | 資格必須 | ロンドン:約1,500~2,000 GBP 地方都市:約1,200~1,500 GBP |
ニュージーランド | 無資格でも介護職などで就労可能 | 時給20 NZD | 柔軟に複数就労可能 | 月1,800〜2,200 NZD |
アイルランド | 資格重視 | 時給10〜12ユーロ | 規制が厳しい | 月1,300〜1,700ユーロ |
- オーストラリア:医療助手などで資格なしでも就労可能
- カナダ・ニュージーランド:介護分野で無資格での就労が可能
- イギリス・アイルランド:医療分野での無資格での就労は難しい
ワーホリで医療助手として働くメリットとデメリット
上記で見たように、オーストラリアの医療助手として働くことが一つの有力なワーホリプランとなります。この選択しのメリット・デメリットを深堀りして見てみましょう。
メリット
- 看護スキルの活用:看護師としての経験がある場合、医療助手として即戦力として評価されやすく、採用のハードルが低くなる傾向があります。
- 安定した収入:オーストラリアの最低賃金は高いため、医療助手として働くことで生活費を十分にまかなえる収入が得られることが多いです。
- 現地での医療経験:英語環境での医療業務に従事することで、医療英語のスキルが向上し、帰国後のキャリアにも活かせる可能性があります。
- 柔軟な働き方:ワーホリビザにより、1つの職場に6か月まで就労できるため、複数の医療機関で異なる経験を積むことも可能です。
デメリット
- 資格未取得での制約:無資格での就労できる場合が多いものの、仕事内容は資格保持者に比べて制限され、医療行為のサポートに限られる場合が多いです。
- ビザの制限:ワーホリビザでは1雇用主につき最大6か月までの就労が基本であるため、長期的な雇用やキャリア形成には不向きです。
- 英語力の要求:医療現場で働くためには一定の英語力が求められ、特に患者対応において専門用語や正確な理解力が必要です。
- 即戦力としての期待:オーストラリアでは即戦力としての経験が重視されるため、医療の知識や業務スキルがない場合は対応が難しいことがあります。
オーストラリアで医療助手として働く際には、このようなメリットとデメリットを考慮し、自分にとって最適な選択肢かどうかを判断することが大切です。夢カナ留学では一人一人の目標に応じたオーダーメイドのワーホリプランを提案しています。詳しくは下記をご覧ください。
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ワーホリで看護師が現地の看護師の資格なしで働ける職種
看護を通して身につけた能力を活かした職種の紹介
中にはワーホリでは医療や介護の分野とは違った分野にトライしたいという方もいるかと思います。看護師として培ったコミュニケーション力や問題解決力といった能力、医療現場以外の職場でも大変重宝されます。特に、柔軟な対応力や相手に寄り添う姿勢は、ホスピタリティ業界やサービス業で求められるスキルでもあります。ここでは、そうした能力を活かしながら働ける職種を幅広くご紹介します。
ベビーシッターやオーペア
看護師の経験を活かし、子供の健康管理や応急対応のスキルが求められる仕事として、ベビーシッターやオーペアが挙げられます。オーペアとは、住み込みで家庭内の育児サポートを行う仕事で、主に子供の世話や家事を手伝い、家族の一員として過ごすスタイルが特徴です。特にオーストラリアやカナダでは、家庭内での育児サポートを行うオーペア制度が定着しており、子供たちと過ごす中で健康や安全に配慮するスキルは高く評価されます。
- 仕事内容:子供の日常生活をサポートしながら、遊びや学習の時間も見守ります。また、家庭内での簡単な食事や掃除などの軽作業が含まれることもあります。
- 需要:オーストラリアやカナダでは、働く家庭が増えているため、ベビーシッターやオーペアの需要が増加傾向にあります。
この仕事を通じて、子供たちの健康と成長を支える役割を担いながら、看護師のスキルを活かして医療以外の分野でリフレッシュできます。
ホスピタリティ(ホテルやカフェ、レストランスタッフ)
看護師として培った「相手に寄り添う姿勢」や「柔軟な対応力」は、ホスピタリティ業界でも大きな強みです。ホテルのフロント業務やカフェ、レストランでの接客スタッフとして、訪れる人々に対して心地よいサービスを提供し、対人スキルを活かすことができます。
- 仕事内容:ホテルのフロントデスクでのチェックイン・チェックアウト業務、カフェでのバリスタ業務、レストランでの注文対応など。
- 魅力:医療から一時的に離れて働きたい看護師にとって、異分野の環境で新しい経験を積む良い機会です。また、海外からの観光客も多いため、多国籍な環境で働ける楽しさもあります。
ツアーガイドや観光案内スタッフ
コミュニケーション力や迅速な判断力を活かして観光業界で働く選択肢もあります。ツアーガイドや観光案内スタッフとして、観光客に現地の名所を案内し、快適な旅行体験を提供します。看護師として培った観察力や柔軟な対応力が、観光業でも役立ちます。
- 仕事内容:ツアーの企画や案内、観光案内所での情報提供、旅行者へのサポート。
- 魅力:看護業務とは異なる環境でのリフレッシュができ、海外文化や地域の観光資源に触れられるため、新たな視野が広がります。
小売業(販売スタッフや店舗スタッフ)
小売業での接客も、看護師の経験が活かせる職種の一つです。特に、顧客対応が重要な場面では、看護師としてのコミュニケーション力や問題解決力が役立ちます。日常的に接客を通じて人々と接する仕事なので、医療から少し距離を置きながらも対人スキルを磨くことができます。
- 仕事内容:店舗でのレジ打ちや在庫管理、顧客対応。
- 魅力:気軽に挑戦しやすい環境で、特別な資格も必要ありません。日常生活に密着した職場で働けるため、医療現場とは異なる雰囲気を楽しむことができます。
イベントスタッフ(コーディネートやサポート業務)
イベントスタッフは、柔軟な対応力と多忙な環境でのマルチタスク能力が求められるため、看護師として培った経験が活かされやすい職種です。イベントのコーディネートや運営のサポート業務は、予期しない状況に対応する力も重宝されます。
- 仕事内容:イベントの企画・設営・撤収作業、受付業務、来場者対応など。
- 魅力:チームで協力してイベントを成功させる達成感があり、新しい環境での刺激も多いためリフレッシュ効果があります。
- ベビーシッターやオーペア:健康管理スキルを活かせる仕事
- ホスピタリティ業界:相手に寄り添う気遣いが強み
- イベントスタッフ:柔軟な対応力を求められる職種
ワーホリ中の生活費と収支管理
ワーキングホリデー中の生活費は、滞在国や生活スタイルによって大きく異なります。ここでは、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリス、アイルランドの生活費の目安を比較し、食費、住居費、交通費などの平均的な費用を解説します。
国ごとの生活費の目安
以下の表は、主要5か国での生活費を比較したものです(為替レートは仮定として、1AUD=100円、1CAD=100円、1NZD=90円、1ポンド=150円、1ユーロ=150円で計算しています)。費用は都市によって異なりますが、一般的なワーホリ生活の参考としてご覧ください。
以下の表は、主要5か国での生活費を比較したものです(為替レートは仮定として、1AUD=100円、1CAD=100円、1NZD=90円、1ポンド=150円、1ユーロ=150円で計算しています)。費用は都市によって異なりますが、一般的なワーホリ生活の参考としてご覧ください。
国 | 食費/月 | 住居費/月(シェアハウス) | 交通費/月 | その他(月の合計) | 合計/月 |
---|---|---|---|---|---|
オーストラリア | 50,000円 | 120,000円 | 20,000円 | 40,000円 | 約230,000円 |
カナダ | 45,000円 | 100,000円 | 20,000円 | 35,000円 | 約200,000円 |
ニュージーランド | 40,000円 | 95,000円 | 15,000円 | 30,000円 | 約180,000円 |
イギリス | 60,000円 | 120,000円 | 30,000円 | 40,000円 | 約250,000円 |
アイルランド | 50,000円 | 90,000円 | 25,000円 | 35,000円 | 約200,000円 |
食費:自炊中心の生活での目安で、外食の頻度が増えるとさらに費用が増加します。
住居費:シェアハウスやルームシェアを前提にした金額ですが、都市部では高めになる傾向があります。
交通費:大都市ほど公共交通機関の利用が多くなり、月額の支出も増加します。
その他:日用品や通信費、レジャー費用などを含みますが、生活スタイルによって変動します。また、語学学校に通う場合は、期間を短縮することで学校に払う授業料を生活に回すことが可能です。
生活費の違いを理解しておくことで、渡航後の収支計画を立てやすくなります。オーストラリアやカナダは物価が高い一方、最低賃金も高いため、就労を通じて生活費をまかなうことが可能です。
医療助手としての収入と生活費の比較
オーストラリアで医療助手として働く場合、収入が生活費をどの程度カバーできるかを検討してみましょう。オーストラリアでは時給が高いため、一定の収入が見込まれます(仮定として、1AUD=100円で計算)。
項目 | 平均金額 |
---|---|
月収(時給30AUD × 120時間/月) | 約360,000円 |
食費/月 | 約50,000円 |
住居費/月 | 約120,000円 |
交通費/月 | 約20,000円 |
その他/月 | 約40,000円 |
生活費合計 | 約230,000円 |
月収 – 生活費 | +130,000円(貯蓄可能) |
この例では、医療助手として時給30オーストラリアドルで月120時間(週30時間)働いた場合の収入は約36万円となり、生活費をまかなえることがわかります。さらに、1か月に約13万円の貯蓄も可能であるため、医療助手として働くことで経済的に安定した生活を送りやすいと言えます。
まとめ
最も適した国の選び方
これまでご紹介した通り、ワーホリで看護師の経験を活かし、医療助手や関連職で働く際の条件は国ごとに異なります。ここで主要5か国の特徴を要約し、どの国が自分に適しているかを検討する際の指針をご提供します。
- オーストラリア:無資格での医療助手として働きやすく、時給も高めで、生活費を十分にまかなえる環境が整っています。英語力を活かし、実務経験を積みたい方には理想的です。
- カナダ:医療職や介護補助職として働ける機会があり、地方都市では生活費が抑えられるため、収支バランスを取りやすい環境です。安定収入を得ながら生活したい方に向いています。
- ニュージーランド:介護関連の仕事で無資格での就労が比較的しやすく、生活費も安価な傾向があります。ワーホリの柔軟な働き方を希望する方におすすめです。
- イギリス:医療職は資格必須で制限が多いため、医療分野から一時的に離れて異業種に挑戦したい方に適しています。ホスピタリティ業界でのリフレッシュを考えている方に向いています。
- アイルランド:看護や介護職での経験が評価されやすく、英語を活かして働きたい方にとって良い選択肢です。収支バランスは厳しいものの、医療のサポート業務を通じて経験を積む機会があります。
このように、国ごとの特徴や働きやすさを把握することで、どのワーホリ先が自分に最適かを検討しやすくなります。自分の目的や希望する働き方、生活費と収入のバランスを見据えて、充実したワーホリ生活を実現しましょう。