留学とは異なり、現地で自由に生活できることから人気のワーキングホリデー(通称:ワーホリ)。
しかし、インターネットで検索してみると「ワーホリはやめたほうがいい」という意見もあって、不安を覚える方もいらっしゃると思います。
後悔しないためには、事前の下調べが大切です。
この記事では、ワーホリのメリットや、デメリットに対する解決方法をご紹介します。
ワーキングホリデーとは?
ワーキングホリデー(ワーホリ)とは、名前の通り「休暇」を目的とした制度です。一定の制約はあるものの、滞在中に現地で働くことが認められています。
現在、ワーホリが可能な国は、オーストラリアや韓国といった日本とワーホリ協定を結んだ30カ国。
オーストラリアはワーホリビザを3回まで申請可能など、国によって異なる場合もありますが、基本的には1つの国からワーホリビザが支給されるのは1度のみで、1年間に発給されるビザの数に制限のあるカナダは毎年抽選という人気ぶりです。
国によって多少異なるものの、基本的にビザの申請には18〜30歳までの年齢制限を設けています。
ワーキングホリデーのメリット
長期間海外に滞在できる
ワーキングホリデー(ワーホリ)の最大のメリットといえば、やはり長期間の滞在資格が得られることです。
最強といわれる日本のパスポートは、ビザなしで入国できる国がたくさんあります。とはいえ、ビザなしで滞在できるのは数日から3カ月ほど。
一方、ワーホリではほとんどの国が1年間の滞在期間を与えられているため、現地での生活を存分に楽しめます。
ちなみに、ワーホリ人気ナンバー1のオーストラリアは、指定の条件を満たせば最大で3年間滞在することが可能。
同じく英語圏で人気のイギリスは、ビザを取得できれば無条件で2年間の滞在資格を得られます。
ワーホリは、学生ビザや就業ビザとは異なり、学ぶことや働くことが必須ではありません。
近くの国に旅行したり、遊んだりと自由な毎日を送れるため、日本での窮屈な生活に疲れた社会人にも人気です。
現地の語学学校に通える
知り合いのいない異国の地での生活は、不安でいっぱいですよね。
語学学校には、同じような悩みや不安を抱えた仲間がたくさんいるので、友達作りに最適です。
ワーホリビザがあれば、現地の語学学校に通うことも可能。
もちろん強制ではないので、語学力に自信のある方は学校に通う必要はありません。
語学学校は、勉強のみならず、現地での生活までサポートしてくれるところも多いので、海外生活に慣れていない方の大きな助けになるはずです。
比較されがちな、一般的な留学との最大の違いはその「自由度の高さ」。
1年間の滞在期間のうち、最初の2カ月だけ語学学校に通うなど、予算や目的に合わせて自由に計画を立てることができます。
また、学生ビザの場合、就業時間を厳しく制限していたり、留学生のアルバイトを禁止していたりする国が多いです。
その反面、比較的自由に仕事ができるのも、ワーホリビザならではのメリットです。
しかし、注意しなければいけないのが「制度の特性」。
ワーホリビザは、同じ国につき一度しか取得することができません。
長期間の滞在を計画している方は、最初に学生ビザで渡航して、その後ワーホリビザに切り替えるのがおすすめ。せっかく自由度の高いワーホリビザがあるなら、有効に使いたいですよね。
また、オーストラリアでは約4カ月、カナダやニュージーランドでは6カ月など就学期間に制限を設けている国もあるので注意が必要。
しっかりと語学学校に通いたい人は、学生ビザを検討するなど目的に合わせたビザ選びをしましょう。
現地で働ける
海外に長期滞在する上で気になるのが費用面ですよね。
事前に貯金をしていたとしても、現地での収入がないと不安に感じる方もいるでしょう。
さらに、海外での生活はパーティーや旅行など誘惑に溢れています。ある程度の貯金があったとしても、誘惑に負けて多くの出費が生じてしまうことも…。
しかし、ワーホリなら現地でのアルバイトが認められています。
ほとんどの協定国でフルタイム勤務や掛け持ちができるので、予算が少ない方にも安心です。
国によっては就業できる業種の制限や、同じ職場で働ける期間に上限を設けていることもあるので、しっかりとルールを確認しておきましょう。
ワーホリで人気の職業は、ジャパレスと呼ばれる日本食レストランや、ベビーシッター。
特に、ジャパレスのスタッフには日本人が多いため、語学力が不安な方も比較的簡単に働くことができます。
しかし、同僚が日本人ばかりでは、生活の主体が日本語になってしまうため、語学力の向上はあまり期待できません。
現地での生活に慣れるまではジャパレスで働いて、その後ローカルの人が働く職場に行くことがおすすめです。
また、語学力が低いことを悪用して、政府が定める最低賃金以下で雇おうとする悪質なケースもあります。
トラブルに巻き込まれないためにも、情報収集を怠らず、現地のルールをきちんと守る職場で働きましょう。
日本ではできない経験ができる
ワーホリの醍醐味は、日本では考えられないような経験ができることです。
世界中から集まった仲間との学校生活や、異国の地での就労経験。
ワーホリ定番の滞在先であるシェアハウスで、年齢・職業・国籍の異なるメンバーとの共同生活。
どれも日本にいては経験できないことですよね。
刺激と驚きに溢れた毎日は、生涯忘れることのない思い出となること間違いなしです。
また、時間がたっぷりと確保できるため、短期旅行では諦めてしまうようなローカルな場所まで訪れることも可能。
長期滞在者だからこそできる、ディープな観光を楽しむことができます。
日本からはなかなか訪れることができない遠い国も、滞在国からであれば気軽に旅行できるなんてことも。
例えば、ヨーロッパにある協定国に住めば、飛行機や電車を使って近隣国へ気軽に遊びに行くことができます。
「海外で暮らす」という貴重な経験は、何ものにも代えられない宝物。
見知らぬ地での生活は大変なことの連続ですが、それ以上に価値のある濃い経験ができるでしょう。
自分に自信がつく
国の文化や家庭環境といった一人ひとりのバックグラウンドの違いから、さまざまな考え方が生まれます。
海外にいると、良くも悪くも自分の常識が破られることが多いので、物事に対する考え方や視野がグッと広くなります。
いろいろな考え方に触れることで、物事を柔軟に考える力も鍛えられるでしょう。
なによりも「自分は海外で生活していた」という事実だけで、自分に自信を持てるようになります。
ワーホリでは、銀行口座の開設や住まいの契約など、生活に必要な手続きを自分で行う必要があります。
日本では何の問題もなく行えた手続きも、外国で行うとなると一気に難しく感じることも…。
もちろん、現地でのアルバイトも簡単なことではありません。
慣れない環境で生き抜いた経験は、知らず知らずのうちに自身を成長させています。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、それほど将来の自信につながる立派な経験です。
文化も言葉も異なる国での生活経験は、決して楽しいことばかりではありません。
伝えたいことをうまく言葉にできず、もどかしい思いをしたり、思わぬ誤解を生んでしまったりと、たくさんの失敗も経験します。
そういった経験を乗り越えた自分は、確実に「渡航前より強くなった」と胸を張って言えるようになるでしょう。
語学力が身につく
そして何よりも、語学力が向上することがメリットです。日本語が通じない土地で長い間生活するということは語学力を向上させるチャンスです。積極的に現地の言葉を使ってコミュニケーションを取る機会を作るようにしましょう。もちろん人によって習得するスピードは異なりますが、ワーホリ前よりも着実に語学力は上がります。
特に、スピーキング力が上がったと感じる人が多いでしょう。毎日英語やその国の言語を話す機会を意識的に作ることで、話せる単語が増えたり、表現力が向上したりします。ただし、現地でも日本語を使う学校や職場では効果が薄れる傾向にあるため、注意が必要です。
外資などで就職が有利になる
ワーキングホリデーは、多くの会社で評価されるようになっています。特に外資系企業では、英語力が大きな強みとなります。
業界や職種によって必要な英語力は異なりますが、高い英語力が求められる業界ではワーホリ経験がプラスになるでしょう。例えば、旅行業界や航空業界、金融業界などが挙げられます。
英語の資格やスコアだけでなく、英文の資料やレポートを読み解く力、海外の方とのコミュニケーション力など、実践的なスキルを身に付けておくことでアピールできます。また、異文化理解をふまえたコミュニケーション力、例えばジェスチャーや多様性を受け入れる姿勢なども重要です。
ワーホリはメリットだけじゃない?知っておきたいデメリットについて
ここまででワーホリのメリットを紹介してきましたが、実はデメリットもいくつかあります。あらかじめデメリットを知り、それらを解消するための対策をとっておきましょう。
語学力の向上が図れないことも
ワーホリ渡航者にありがちなのが、現地の言葉が全く話せないケース。
せっかく海外に来たのに、言葉がわからず現地の人ともなじめない。そんな状況で、低賃金のアルバイトを続けるなんて寂しいですよね。
渡航したてならともかく、ある程度の滞在歴があるにも関わらず、現地の言葉を上手に話せない人にはある共通点があります。
それが、日本人とばかりつるんでしまっているということ。
異国の地で寂しさを感じている方にとって、日本人の仲間はかけがえのない存在です。
「語学力を伸ばしたいなら、日本人と仲良くするな」という人もいますが、そこまでする必要はありません。
充実したワーホリ生活を送るために、時には気の置けない日本人の存在も必要です。
しかし、多くの人は語学の習得やスキルアップなど、何かしらの目標を立てて来ているはずです。
日本人のいないシェアハウスに入居したり、現地の人が多く働くアルバイト先を選んだりするなど、日本人以外との繋がりを積極的に見つけていきましょう。
少しの努力の積み重ねにより、「ただ楽しかったワーホリ」から「学びの多かったワーホリ」へと変化させることができます。
企業によっては評価されないこともある
認知が広がっているものの、まだまだ日本ではワーホリに対する理解が足りていません。
先ほど、メリットの部分では「外資系企業への就職が有利になることがある」とお伝えしました。しかし、それ以外の会社では、必ずしも就職の際に有利に働くとは限りません。
「ワーホリ=遊んでいただけ」という認識も強く、帰国後の再就職に影響が出ることも。
そのため、ワーホリへ行こうと考えている人は、帰国後のビジョンをしっかりと立てておく必要があります。
「なぜワーホリに行くのか」「どんな経験がしたいのか」「帰国後はどんな仕事がしたいのか」といった目的や目標を明確にしておくことで、自ずとやるべきことが見えてくるでしょう。
グローバル化が進む中、海外での経験は本来評価されるべきなのですが、まだまだ社会の目は厳しいです。
充実したワーホリ生活を得て帰国しても、自分の想像とは異なる生活が待ち受けているかもしれません。
ワーホリに行ったことを後悔しないように、帰国後のことまでしっかりと計画を立てて準備しましょう。
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年齢や国に制限がある
ワーホリのデメリットの一つとして、年齢や行ける国に制限がある点が挙げられます。多くの国では、ワーホリビザの申請が可能な年齢が18歳から30歳までに限定されています。このため、30歳を超えるとワーホリビザを取得することが難しくなります。また、ワーホリビザを提供している国は限られており、全ての国が対象ではありません。行きたい国がワーホリビザの対象外である場合、その国でのワーホリはできません。これらの制限は、ワーホリを計画する際に考慮すべき重要な要素と言えるでしょう。
必ず仕事先が見つかるとは限らない
ワーホリに行くと、多くの人が現地で仕事を探して生活をしますが、働き先が必ず見つかるとは限りません。
近年は円安の影響もあり、ワーホリで海外に滞在する日本人の数が増加している一方で、仕事が見つからず生活が困窮している人も多く見られます。求人獲得の競争率も上がっているため、語学力が低いと職に就くことが難しいでしょう。
特にオーストラリアでは、コロナ前に比べて仕事を見つけるのが困難になっています。渡航前に英語力の向上や仕事の経験を積んでおくなど、現地で即戦力となるための準備をしておくことが重要です。
ワーキングホリデーのデメリットを解消する方法
前述した通り、ワーキングホリデーにはデメリットもありますが、解消する方法を知っておくことで、十分にカバーできます。渡航までの期間で、しっかりと準備しておきましょう。
ワーキングホリデーの目的・目標を明確にしておく
多くの方は、ワーホリ前にワクワク感を抱き、キラキラした未来を想像します。しかし、いざ海外生活が始まると、間違いを恐れて積極的に英語を話せなかったり、現地で友人ができずに日本人とばかりつるんでしまったり…。気が付けば1年が経ち、ワーホリが終了してしまうケースがよくあります。
あらかじめワーホリの目的・目標を明確にしておくと、上手くいかない期間があっても、立ち止まって考えることができます。今自分が取っている行動は正しいのか、夢を叶えるために最適な行動なのか、常に目的を振り返って行動できるため、1年間の過ごし方が変わってきます。「語学力の向上」「帰国後の就職」など、目的・目標を明確にした上でワーホリをスタートさせましょう。
基礎的な英語力をつけておく
「ワーホリの1年間で英語力を上げる」というのも立派な目的ですが、現地での生活を充実させたいのであれば、基礎的な英語力を身につけてから渡航することをおすすめします。英語の土台がしっかりしていると、仕事探しや友だち作りにおいて、より良いスタートを切れるからです。
仕事探しの競争率が高い中で、働き先を見つけることは、初級レベルの英語力では厳しいでしょう。最低でもコミュニケーションが取れるくらいの基礎的な英語力をつけておくと、現地での仕事探しが有利になります。また、ある程度の英語力があるとネットワークの幅が広がり、より多くの情報を得ることができます。
ワーキングホリデーのご相談は”夢カナ留学”
充実したワーホリ生活を送るためには、入念な準備が欠かせません。しかし、1人だとどのように計画を立てて良いか悩む人も多いでしょう。「夢カナ留学」では、1人ひとりの夢や目的を軸にした、オーダーメイドプランをご提案しています。現地で時給の高い仕事に就いてたくさん稼ぎ、実質0円でのワーホリを実践している方も。留学やワーホリ経験を将来に生かしたい方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、ワーホリのメリットとデメリットをご紹介しました。ワーホリは旅行だけでなく、就学や就労も可能な自由度の高いビザです。しかし、ワーホリに対する意見は人それぞれ。ワーホリに行くこと自体が目的になってしまうと、結果として「ただ楽しかったワーホリ」で終わってしまう可能性があります。
大切なのは、ワーホリ後にどのような自分になりたいかを明確にすることです。その目標が明確であれば、ワーホリ中の過ごし方も変わってきます。海外に興味があるなら、この素晴らしい制度を活用し、今しかできない貴重なワーホリのチャンスを逃さないよう、ぜひチャレンジしてみてください。