40歳を越えても、ワーキングホリデーをしたいと願う人は少なくないはず。近年、ますますワーホリ協定国の数が増えてきたこともあり、ワーホリに行ける人を羨ましく思っている人もいるでしょう。
ワーホリと言えば30歳までの若い人が対象というのは周知の事実ですが、年齢制限が上がるなんて噂を聞きつけて、40歳を過ぎてもワーホリできる国があるのでは?なんて希望を持っている人もいるかもしれませんね。
そこでこの記事ではワーキングホリデーの年齢制限や40歳でもワーホリをする方法などをご紹介していきます。年齢を重ねても海外生活がしたいと願う人は、ぜひ参考にしてくださいね。
【目次】
1.ワーキングホリデーの年齢制限は30歳!
まず結論からお話しすると、40歳の人はワーキングホリデーの制度を利用することはできません。これは、日本とワーホリ協定を結んでいる国々では、ワーホリの年齢制限が30歳以下となっているからです。
30歳のときに申請をして、ビザの期間内であれば31歳になっていてもワーキングホリデーを始めることはできます。ですから、現状、ワーキングホリデーができる最高年齢は31歳ということですね。
近年、「ワーホリの年齢制限が上がる」という噂を聞くこともありますが、日本人は2023年9月現在、対象にはなっていません。
対象になっているのは、オーストラリアにワーホリをするカナダ人、アイルランド人、フランス人に限定されています。ちなみにこの3カ国の年齢制限は35歳とされているので、どちらにしても40歳を越えているとワーホリはできません。
今後もしかすると、年齢制限が引き上げられる国もあるかもしれませんが、それでも現状をふまえて考えると、40歳まで年齢制限が引き上げられることはないでしょう。もしあったとしても、近い未来とは考えにくいため、すでに40歳前後かそれ以上年齢を重ねている人は、ワーキングホリデー制度を使うことは諦めましょう。
2.なぜワーキングホリデーには年齢制限があるの?
なぜワーキングホリデーに年齢制限があるのか不思議に思っている人もいるでしょう。これは、ワーキングホリデーはそもそも青少年の交流を目的としているからです。
青少年とは若年層の若者のことで、12〜29歳くらいまでの青年と少年をひとまとめにした言葉です。とは言え、保護者のもとを離れ、海外で一人で暮らしていくには12歳という年齢は若すぎます。多くのワーホリ協定国では、成人を18歳と定めており、そのためワーホリの年齢制限は18〜30歳までとするところが多いのです。
そうした事情を考えると、40歳を過ぎてワーホリ制度を使って海外に行くのは、ワーホリ本来の目的とはズレてしまっていることがわかるでしょう。
しかし、40歳になっていたからといって、ワーホリのような生活ができないわけではありません。自分の力で工夫をすれば、ワーホリのように海外で長期的に生活することは可能なのです。
3.40歳以上でも海外で生活する方法
40歳以上はワーホリ制度は使えませんが、工夫すれば海外で長期滞在ができるというのは前述のとおり。ではそんな「お手製ワーホリ」のような生活は、どうすれば実現するのでしょうか。
ここからは、40歳以上でも海外で長期的に生活する方法を解説します。
観光ビザ
プチ海外生活体験がしたいなら、観光ビザでも十分でしょう。日本人は観光ビザで90日滞在できる国が多いため、3ヶ月程度現地で暮らすことができます。
難点は観光ビザでは仕事ができないこと。しかし、観光ビザで語学留学ができる国はありますから、学生生活を楽しみながら中期の滞在は可能です。
ちなみに日本の会社で会社員をしていて、海外からリモートワークをする場合も、観光ビザで渡航することができます。税関での受け答えに注意すべき部分もありますが、完全リモートワークが許可されているなら、そんな手もあることを覚えておきましょう。
語学留学/大学留学
語学留学や大学留学をすれば、留学期間中は現地で生活ができます。どちらも学生ビザの取得が必要ですが、語学留学でも学生ビザがあればアルバイトができる国もありますから、勉強をしながらアルバイトをするという、ワーホリのような状況が叶うでしょう。
ただし大学留学には何百万〜何千万レベルの多額の費用が必要です。また、期間も3年以上と長くなるため、大学留学をするなら卒業後のキャリアアップを視野に入れて、計画を立てましょう。
語学留学の場合は、大学留学ほど費用はかかりません。しかし、大学留学のようにキャリアアップにつながらないことも多いため、語学留学をする場合はその後の生活のことも考えておいた方が安心です。
また、語学留学だとアルバイトができない国、かなり時間が制限されている国などもあるため、アルバイトの収入で生活を賄うことはできないことも覚えておきましょう。あくまでお金がもらえる就労体験と捉えると、満足のいく滞在ができるはずです。
ファームステイ
ファームステイとは、農場に滞在し、農場のお仕事を手伝いながら生活をするという滞在形式です。田舎が好き、農場生活体験がしたいという人にとっては、最適な滞在方法でしょう。
体験型・ホリデー型と呼ばれるホームステイ費用がかかるものもありますが、労働の対価として滞在先や食事を提供されるエクスチェンジ型なら、費用を抑えたステイが可能です。
ただし、ホリデー型のファームステイは観光ビザでもOKな一方で、エクスチェンジ型では学生ビザなどが必要になるため、ビザに関する規定はしっかり調べておきましょう。
カナダのCo-op留学
一番ワーホリのような体験ができるのは、カナダのCo-op留学かもしれません。
Co-op(コープ)とは、Cooperative Educationの略で学生ビザを取得しつつも有休インターンシップが体験できるという形態の留学です。
しかもインターンシップはかなり本格的な就労体験のため、カナダで社会人をしているような気分になれますよ。
Co-op留学は英語力を鍛える語学留学期間から始まり、専門分野のコースを受講し、そして有給インターンシップをするという流れで行われます。
全留学期間は6ヶ月〜2年。語学留学期間は個々の英語力によっても期間が異なりますが、専門分野のコース受講は4ヶ月以上、そして有給インターンはプログラム全期間の50%以下と定められています。
学べる分野や就労体験のできる業界は幅広く、事務系のものからIT、ホスピタリティなどさまざまです。大学留学よりは費用がかからないものの、一定期間現地で専門分野を学び、現地で就労もすることから、キャリアアップにつながる可能性もあります。
40歳以上の人がワーホリのような生活をするには、最適な滞在方法なのではないでしょうか。
海外転勤
海外転勤がある仕事に就けば、働きながら海外で暮らすという生活が可能になります。ただし、現在の職業で海外転勤の可能性がないなら転職が必要になることや、海外転勤の可能性があっても滞在先を自分で自由に選べないことを考えると、ややハードルは高めです。
それでも留学という形で、職歴にギャップを作りたくない人は、海外で暮らせる可能性として考えてみても良いはず。本気なら、海外転勤を目指して行動してみましょう。
海外就職
海外就職も海外で働きながら暮らせる滞在方法の1つです。こちらの場合も職歴にギャップができないため、留学よりも安心できる人も多いでしょう。
ただ、日本人が海外就職をする場合、オーストラリアやカナダ、イギリスなどのワーホリ人気国はかなり狭き門です。何か専門的なスキルを持っていない場合は、非常に難しいでしょう。
国にこだわらないのであれば、アジア圏やメキシコなどなら仕事が見つかる可能性が高いです。特にマレーシアは英語圏ですし、英語圏で暮らしてみたいなら選択肢のひとつではないでしょうか。
4.40歳からのお手製ワーホリに必要な準備
ワーホリ制度は使えないものの、自分で作り上げるお手製ワーホリなら可能な40歳以上。ですが、40歳以上ということを考えると、現地での滞在を充実させるために事前準備をしておくべきでしょう。
ここからは、そんな事前準備について解説します。
英語力を鍛える
どの方法であっても、海外滞在をする前には英語力を鍛えておきましょう。たとえ語学留学であっても、ある程度英語が話せる状態で行った方が、現地での生活を充実させることができます。
希望する滞在方法の情報をリサーチする
40歳以上の人が海外で一定期間滞在をするなら、自分が望む滞在について考えつつ、それが叶う滞在方法について徹底的にリサーチをしましょう。
滞在方法によって、仕事の可否や滞在期間は異なります。リサーチをしっかりすることで、希望の海外生活が叶うはずです。
留学エージェントに相談する
リサーチする時間がない人は、ぜひ留学エージェントにご相談を。留学エージェントに思い描いている海外生活と予算を告げれば、それに近いプランを提案してもらえます。
自分の希望している滞在が叶うのかどうかも、留学エージェントに相談すれば判明するでしょう。
滞在方法に合わせた貯蓄を
海外生活は、どの方法を選んだとしても一定の費用が必要です。ですから、希望する滞在方法に合わせた貯蓄も忘れずに。
いくら状況が許したとしても、お金がなければ海外生活を断念せざるを得ません。
帰国後のことも考えておく
40歳以上の人は、帰国後に再就職が必要なことがほとんどではないでしょうか。そんな帰国後のことも視野に入れて、海外生活へと踏み切りましょう。
海外滞在後に生活に困ってしまう……なんてことがないように、準備をしておいてくださいね。
5.ワーキングホリデーは40歳以上は不可!他の方法で海外滞在を目指そう
今回ご紹介したとおり、40歳以上だとワーキングホリデーはできません。しかし、さまざまな方法を利用して、ワーキングホリデーのような生活を送ることはできます。
自分の希望や予算と相談しながら、ワーホリ以外の方法で思い描く海外滞在を叶えてくださいね。