日本人同士でも励まし合う言葉として「YOU CAN DO IT!」という英語が使われますが、どういう意味かご存知ですか。
また、ポジティブな意味を持っていると認識されている「YOU CAN DO IT」ですが、表現方法によってはものすごくネガティブな意味になることもあるので要注意です。
外国人と話をするときに、励ましたい一心で言った言葉で、相手を不快にさせたり、失望させたりしたくないものです。
間違ったニュアンスで使ってしまわないために、正しい意味とネガティブになるシチュエーションを解説します。
さらに、「YOU CAN DO IT」と言われたときの返答の仕方や同じような意味を持つ言葉をご紹介するので、ぜひ英語を話すときに使ってみてください。
YOU CAN DO ITの意味は?
YOU CAN DO ITには、「君ならできる」という意味が込められています。
これから大事な試験を控えていて緊張している友達に、「You can do it」といえば、「大丈夫、あなたならいけるよ」と励ますことができます。
また、新しいことに挑戦しようとしている友達に、「You can do it」といえば、「いける、いける!」と鼓舞することができます。
このようにさまざまなシチュエーションで、日常的に使うことができる英語です。
ただし、シチュエーションによってはネガティブな意味を込めることができたり、ネガティブに聞こえてしまうことがあるので要注意です。
YOU CAN DO ITがネガティブになる理由、シチュエーションについてお伝えします。
YOU CAN DO ITを使った例文
YOU CAN DO ITは、単体でも使えますが、以下のように言葉を付け加えるとより自然です。
I know you can do it.(直訳:あなたならできるってことをわたしは知ってる)
I am sure you can do it.(直訳:あなたならできるってことをわたしは確信してる)
Don’ t worry. You can do it.(直訳:心配しないで。あなたなら絶対できるから。)
ぜひ、「I know」「I am sure」「Don’t worry」を付け加えてYOU CAN DO ITを使ってみてください。
YOU CAN DO ITがネガティブな意味になる理由
「You can do it」には、「私には関係ないからあなたがやれば?」「(私はやりたくないから)あなたがやって」という意味もあります。
学校のグループワークや仕事で同僚とのやりとりの中で、相手に呆れたとき、自分はこれ以上やりたくないときに、ネガティブな意味のYOU CAN DO ITが使えます。
シチュエーションにもよりますが、かなり尖った言い方になるため、「私の代わりにやってね」などのカジュアルに使うことはできません。
蓄積された不満や鬱憤が限界を超えたときに、意思表示の意味も込めてネガティブな使い方をしてみましょう。
基本的に、文脈やシチュエーションでポジティブの意味か、ネガティブの意味かは聞き分けることができますが、具体的にニュアンスの変わる表現方法を解説します。
ポジティブな意味を持たせるための言い方
「You can do it」の「can」を強調していうとすでにお伝えした「君ならできるよ」とポジティブな意味になります。
さらに、「あなたを励ましたいです」「応援しています」「信じています」という気持ちがあることが伝わるように明るく元気にいうことも大切です。
ネガティブな意味を持たせるための言い方
英語学習が進んでくれば、チクッとした表現を使いたくなることもあるでしょう。
そんなときは、「You can do it」の「You」を強調すれば、「あなたがやれば?」「代わりによろしく」などの意味に変わります。
Youを強調したうえで、一拍置いてcan do itをさらっといえば、ネイティブのようなしゃべりになるのでトライしてみてください。
YOU CAN DO ITと言われたときの返答方法
YOU CAN DO ITの返答方法を例文と一緒に紹介します。
テスト前や大きなイベントがあるときに、励ましの言葉として「You can do it」と声をかけてもらったときは、以下のような返答方法があります。
-Thank You(ありがとう)
シンプルに励ましてもらったことへの感謝の気持ちを伝える言葉です。
-Yes, I’ll do my best.(そうだね、ベストを尽くす)
試験やプレゼンなどの直前に励ましの声をかけてもらったのであれば、これからがんばってくるよという意味を込めてこの言葉を使うことができます。
-I need your help.(助けてほしい)
まだ少し先の出来事に対して励ましの声をかけてもらったうえで、自分ではどうも対処できそうにないときに使えるフレーズです。
何か聞きたいことがあったり、具体的に助けてもらいたいことがあれば、相談してみましょう。
YOU CAN DO ITの代わりに使える英語
ここからはネイティブがよく使うYOU CAN DO ITのようなポジティブな意味を持ったフレーズを紹介します。
さまざまなシチュエーションで異なるフレーズを使って表現力を高めていきましょう。
GOOD LUCK(グッドラック)
意味:がんばって/幸運を祈る/きっとうまくいく
YOU CAN DO ITよりもカジュアルに「がんばってね」と伝えたい時に使えるフレーズがGOOD LUCKです。
「これから授業だ」「仕事行ってくるね」などの返しとして挨拶代わりに使うケースも多いです。
また、別れ際に「BYE」の代わりとして言うこともあります。
GOOD LUCKの応用をするのであれば、以下のフレーズを使ってみましょう。
GOOD LUCK FOR〜(意味:〜をがんばってね)
GOOD LUCK WITH 〜(意味:〜との幸運を祈るよ)
「Good luck for the class(授業がんばれ)」や「Good luck with her(彼女との幸運を祈るよ)」などで使えます。
HANG IN THERE (ハンギンゼア)
意味:がんばって
YOU CAN DO ITは、目の前の出来事に対して応援する意味がありますが、HANG IN THEREは、窮地にいる人たちに向けて励ますフレーズです。
たとえば、日本の東日本大震災で被災した日本人に向けて、アメリカのアナウンサーが「Hang in there」と言葉を送りました。
また、マラソンやスポーツのトレーニングなどで心が折れかけている時に、「Hang in there
」と鼓舞することもできます。
このように「諦めずにがんばって」「もう一踏ん張りだよ」などの意味として使えます。
GO FOR IT(ゴーフォーイット)
意味:がんばって/やってみなよ
YOU CAN DO ITは、成し遂げるために何かしらの努力をしてきた人に対して「今まで頑張ってきたから大丈夫」「あなたならいける」と言う意味があります。
一方、GO FOR ITは、もう少し軽いニュアンスで「がんばれ」「いけるよ」という意味が込められています。
たとえば、目の前に小さな小川があったとして、ジャンプして飛び越えようとする人に対して使えるフレーズです。
この場面でYOU CAN DO ITを使うと、少し重く聞こえてしまうので、軽いニュアンスのあるGO FOR ITが適しています。
また、「とりあえずやってみよう」という意味もあります。
たとえば、好きな人に告白するか悩んでいる人に対して使えば、「当たって砕けろでいいんだよ」という明るい励ましの表現になります。
JUST DO IT(ジャストドゥーイット)
意味:まずやってみよう
JUST DO ITは、世界的に人気のスポーツブランドNIKEのキャッチコピーとしても知られています。
何事もまずはやってみないことには始まらないからこそ、挑戦するか悩んでいるのであれば失敗を恐れずにトライしてみようという意味が込められています。
あと一押しの声を必要としている人や、挑戦したい気持ちはあっても行動に移せずに地団駄を踏んでいる人に対して使ってみましょう。
ポジティブな意味である一方で、YOU CAN DO ITのように文脈や表現方法によってはネガティブな意味である「早くやれよ」というニュアンスもあります。
たとえば、テストが近いのに色々と言い訳をして勉強を先延ばしにしていたり、大事な仕事を後回しにする人に対して、JUST DO ITを使えます。
このようなシチュエーションの場合は、「言い訳するな」「なんでもいいからさっさとやれ」という命令に近い強い表現に変わります。
BREAK A LEG(ブレイクアレッグ)
意味:がんばれ/成功を祈る
BREAK A LEGを直訳すると「脚を折る」という意味になるため、これが励ましの言葉になるの?と困惑するかもしれません。
しかし、ネイティブがよく使うフレーズでもあり、これから大きなイベントがあったり、気持ちを奮い立たせるべきタイミングで使われます。
演劇の世界では、舞台に立つ直前に「good luck(幸運を祈る)」と励ますと、反対に悪いことが起こるという迷信が言い伝えられていました。
これによって、演劇の世界では「good luck(幸運を祈る)」とは真逆の意味である「break a leg(脚が折れろ)」となんとも縁起の悪そうな言葉を使うようになったそうです。
そのほかにもBREAK A LEGが使われるようになった理由にはいくつかの説がありますが、現在でもポジティブな意味として使われ続けています。
BREAK A LEGは、励ましの言葉として使われているのに対して、「Break your legs(あなたの脚を折れ)」は、直訳通りの意味になります。
映画などでは、BREAK YOUR LEGもがんばれというニュアンスで使われることもありますが、原則BREAK A LEGを使うようにしてください。
GIVE THEM HELL(ギブゼムヘル)
意味:やっちまえ
YOU CAN DO ITよりも特に仲がいい友達同士で使われるスラング用語ですが、スポーツや勝負事でヒートアップしたときなどに使われています。
直訳すると「奴らに地獄を見せてやれ」という意味になり、やや物騒な感じがしますが、「コテンパにしてしまえ」のようなニュアンスで使えます。
ただし、ちょっとした関係性でGIVE THEM HELLを使うと、言葉づかいの荒い人という認識をされてしまうため、特に仲の良い間柄だけで使うようにしてください。
まとめ
この記事では、YOU CAN DO ITの意味、使い方、返答方法、類語について解説しました。
日本人の間では、昔から誰かを励ますときに効果的なポジティブなフレーズとして認識されていました。
しかし実際には、ネガティブな意味もあるということで使う時には注意をしましょう。
また、YOU CAN DO ITのような誰かを励ますためのフレーズはたくさんあります。
シチュエーションや相手との関係性、親睦度に合わせてさまざまなフレーズを使い分けてみてください。