語学留学と聞くと、「時間に余裕がある大学生がやるもの」というイメージがあるかもしれません。
しかし、社会人になってから語学留学に行く人も年々増加していることをご存知でしょうか。
筆者自身も社会人になってから語学留学を経験し、現地でもたくさんの社会人の留学生と交流してきました。
また社会人での語学留学は社会人経験を積んでいる分、学生時代とは物事の捉え方も変化しているため、若い時とはまた違った学びがあることが多いです。
もしあなたが30歳を過ぎていたとしても、全然遅くはありません。
そこで本記事は、社会人の語学留学について詳しく解説していこうと思います。
社会人の語学留学の留学スタイルにはどんなものがある?
社会人の語学留学の留学スタイルにはどういうものがあるのでしょうか。
留学を考え始めたばかりの人の多くは、仕事の休みを利用した短期留学で行くのか、仕事を辞めて長期留学に行くのか、ということを考えると思います。
ここでは、短期留学と長期留学の2つの留学スタイルについて詳しく解説します
短期留学(1〜3ヶ月)
休暇を利用したり、休職したりして仕事を辞めずに短期留学する社会人の方もたくさんいらっしゃいます。
学校によっては、最短1週間程度のカリキュラムがある学校もあります。
留学期間が1〜3ヶ月程度であれば、異文化に触れたり、現地の友達を作ったり、日本では経験できない貴重な経験をすることは可能です。
しかし、3ヶ月以内の期間では、肝心の語学の習得の面ではやや不十分かもしれません。
みなさんが想像するくらい英語がペラペラになったり、ビジネス英語を身につけるのは至難の技です。
もし3ヶ月以内の留学期間である程度の語学力を身につけたいと考えるのであれば、留学前に単語や文法などをしっかり勉強してから、留学に行って会話の中で勉強したことを試していく、といった方法を取るのがいいかもしれません。
☆短期留学がおすすめな人
・仕事は辞めたくない!
・異文化を体験したい!
・語学力を少しでも伸ばしたい!
・海外生活に馴染めるかどうか不安!
・留学がどんなものなのか体験したい!
長期留学(3ヶ月以上)
3ヶ月以上の長期留学になれば、さすがに退職しなければならない場合がほとんどです。
退職することになるので、それなりの覚悟を持って留学している人も多いです。
3ヶ月から半年ほど英語(またはその他の言語)漬けの生活をしていると、よほど日本人ばかりの環境にいない限り、語学力向上の成果が実感できるレベルには到達できることが多いです。仕事で外国語を使いたいなど、しっかり勉強したい人は長期留学を考えるといいかもしれません。
☆長期留学がおすすめな人
・仕事を辞める覚悟がある!
・今後のキャリアで英語をたくさん使いたい!
・自由に英語が話せるようになりたい!
・海外生活に馴染める自信がある!
キャリアアップに役立つ
社会人が語学留学するメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
語学留学は語学力を身につけることが大きな目的ですが、語学の習得以外にもたくさんのメリットがあります。
語学留学のメリットの主なものに次の3つがあります。
・キャリアアップに役立つ
・異文化に触れることができる
・海外に友達ができる
それぞれ詳しく解説していきます。
キャリアアップに役立つ
語学力が身に付くことで、帰国後のキャリアアップにつながる可能性があります。
近年では高性能の翻訳機ができたり、語学を勉強する意義が疑われることもあります。
しかし、どんな高性能な機器が開発されても、外国人とコミュニケーションを取る時に必要な外国語を自由に操れる人の市場価値が高いのは変わりません。
また、留学で語学の習得が不十分な状態で終わってしまったとしても、留学での経験を上手く語ることができれば、面接で評価されることもあるかもしれません。
異文化に触れることができる
外国には様々な文化が存在することは、みなさんもご存知の通りだと思います。
異文化を実際に体験することは、自分の視野を広げることができるので非常に有意義なことです。
特に筆者は海外の人の人生観に大きな刺激を受けました。
海外の人は仕事よりも家族や友達との時間を大切にするなど、プライベートの時間を重視する人が多いです。
留学中にたくさんの人からの刺激を受け、留学後は「人生を楽しむ」といった視点も、より大切にするようになりました。
百聞は一件にしかずなので、ぜひあなたも海外に身を置いて異文化を経験してみてください。
海外に友達ができる
海外に長く生活していると、現地の人と仲良くなる機会がたくさんあります。
海外に友達ができると、文化交流できるだけでなく、帰国してからも留学していた国へ友達に会いにいくといった楽しみもできます。
社会人が語学留学するデメリットは?
語学留学は社会人にとっては、キラキラした世界に感じるかもしれません。
しかし、社会人が語学留学するにあたって懸念しておくべきデメリットもあります。
社会人が語学留学するにあたってのデメリットには、次の3つがあります。
・語学が身につくとは限らない
・キャリアにブランクができる
・帰国後の就職活動しなければならない
それぞれ解説していきます。
語学が身につくとは限らない
「留学しさえすれば語学が身に付く」と考えて語学留学する人もたくさんいらっしゃると思います。
しかし、この考えは半分正解で半分不正解です。
確かに、語学留学すると外国語に触れる機会は日本にいる時に比べて多くはなりますが、ただ留学しただけで語学が身に付くわけではありません。
留学先で語学の学習をサボって遊んでいたら、何ヶ月いても上達することはありません。
せっかく貴重なお金と時間を使って留学したにも関わらず、「友達とワイワイできたしいい経験ができて楽しかったな」だけで終わってしまうということになりかねません。
残念ながら数ヶ月留学しても、ほとんど語学力が上達せずに帰国する人もたくさんいるようです。
留学の目的が語学を習得することなのであれば、学習環境をしっかり選んだり、留学中も誘惑に負けずに努力する必要があるということを意識しておかなければいけません。
キャリアにブランクができる
当然のことながら、仕事を辞めて留学すると留学期間はキャリアのブランクになります。
帰国後の再就職の面接時に「この期間(留学期間)何やってたの?」と聞かれることもあるかもしれません。
最近では様々な経験をしてきた人が重宝される時代になりつつあります。
しかし、まだ一部の企業や面接官の中にはキャリアにブランクがあることに対してマイナスなイメージを持っている場合もあります。
少なくとも、留学で何を得てきたのかはしっかり言えるくらい充実した留学にする必要があるでしょう。
帰国後に就職活動しなければならない
仕事を退職して留学すると、帰国後に就職活動が待っています。
20代ならまだしも30代であれば、特殊なスキルを持っていない限り、留学前の仕事より給料が減ってしまう可能性が高いです。
仕事を辞めて留学する際は、帰国後に仕事をどうするか、ある程度考えて留学する必要もあります。
社会人の語学留学におすすめの国はどこ?
それでは、語学留学にはどのような国が人気があるのでしょうか。
日本人に人気の国には以下の6ヶ国が挙げられます。
アメリカ
イギリス
カナダ
オーストラリア
フィリピン
マルタ
それぞれ詳しく紹介していきます。
アメリカ
アメリカ留学の最大のメリットは、アメリカ英語を学べることです。
英語は世界の共通言語とも言える言語ですが、英語を公用語とする国によっても微妙に違いがあります。
その中でもアメリカ英語は標準的な英語とされているため、ビジネスで英語を使う予定の場合はアメリカ英語を学ぶのが望ましいです。
日本の学校で習う英語もアメリカ英語のため、日本人にとっては抵抗がなく馴染みやすいかもしれません。
また、アメリカは世界中から留学生が押し寄せているため、様々な国の人と交流できるといったメリットもあります。
イギリス
アメリカ英語と並んで、イギリス英語も広く世界で話されています。
イギリスは教育水準が高く、語学留学でも高い教育を受けることができます。
また、イギリスはアメリカに比べて日本人留学生が少ないので、日本人と過ごす機会が少なく、英語を話す機会が多くなるのもメリットの一つです。
地理的にもヨーロッパの他の国と近いため、休日には気軽に近隣諸国へ旅行することができます。
カナダ
カナダ英語の特徴はなまりがなく、発音が綺麗なところです。
綺麗な発音を身につけたい人は、カナダで英語を勉強するのがおすすめです。
TOEICなどの検定試験に特化した学校もあるので、留学後に英語を使用する企業への就職を希望する社会人にも人気です。
また、カナダは治安も良く住みやすいことで、日本人からも人気が高い国です。
オーストラリア
オーストラリアは治安も良く、気候も温暖で過ごしやすいといった特徴があります。
自然も豊かなため、休日には自然を満喫できるアクティビティを楽しむことができます。
オーストラリアは学生ビザでも就労可能なので、長期留学の場合は働きながら勉強するといったことも可能です。
オーストラリア英語(オージーイングリッシュ)はなまりが強いので、慣れるまではリスニングに苦労するかもしれません。
フィリピン
フィリピンはアメリカ英語が公用語の一つになっているため、日本人でもストレスなく学習できます。
フィリピンは親日の人も多いので、フィリピン人の友達もできやすいです。
また、欧米やオーストラリアに比べ留学費用も安く、留学費用を抑えたい人にはおすすめの留学先です。
フィリピン中部のセブ島には英語だけでなく、プログラミングやビジネスを学ぶことができる学校もあります。キャリアチェンジしたい社会人には必見の留学先です。
マルタ
近年、日本人から人気が高まっているのがマルタ留学です。
マルタはヨーロッパ諸国の中では比較的治安が良く、気候も温暖なので住みやすいことが特徴です。
また物価も安く、生活費が抑えられるのも魅力の一つです。
ちょっと変わった国に留学してみたいというはマルタがおすすめです。
社会人の語学留学にかかる学費の目安は?
前章で紹介した国の学費を以下にまとめました。
1ヶ月 | 12ヶ月 | |
アメリカ | 25〜40 | 250〜500 |
イギリス | 25〜30 | 150〜250 |
カナダ | 20〜30 | 150〜300 |
オーストラリア | 25〜30 | 250〜300 |
フィリピン | 10〜15 | 80〜150 |
マルタ | 20〜25 | 200〜400 |
※生活費、ビザ代、航空券は含まない
短期留学の場合はどの国もそれほど大きな差はありませんが、長期留学になると欧米やオーストラリアが高額で、フィリピンが群を抜いて安いことが分かります。
また、留学先の国の物価も重要です。
長期留学になるほど生活費もたくさんかかってくるので、物価次第では学費に差がなくても1年間にかかる費用全体で見ると大きな差になることがあります。
社会人が語学留学の留学先を選ぶ際のポイントは?
「よし、留学する国は〇〇にしよう!」と、なんとなくイメージできた後は留学する街や学校を選ぶことになると思います。
その際に考慮すべきポイントは学習環境です。
学習環境は、語学留学の成功を左右すると言っても過言ではありません。
ここでは留学先を選ぶ際のポイントを解説します。
・日本人の少ない学校を選ぶ
・勉強に集中できる環境の街を選ぶ
・英語が公用語の国を選ぶ
日本人の少ない学校を選ぶ
日本人がいるかどうかは、学習環境を選ぶ上で一番大事なことかもしれません。
慣れない異国の地での生活は、不安なことがたくさんあります。
確かに日本人が近くにいると、心強いかもしれません。
しかし、すぐ近くに日本人がたくさんいる環境だと、日常生活の中で日本語を使う機会が増えてしまいます。
学校に日本人が多いと、平日の数時間は授業で英語の勉強はするけど、放課後や休日は日本人の友達と遊ぶ…といった、語学が身につきにくい典型の生活スタイルが出来上がってしまいます。
日本人が近くにいないと外国語を使わざるを得なくなるので、語学の上達も早くなります。
学校によっては、学校内で日本語禁止(または英語のみ)にしていたり、◯〜◯時までは日本語禁止にしている学校もあります。
周りに日本人がいないと不安な人は、言語に制限を設けている学校を選ぶのも一つの方法です。
勉強に集中できる環境の街を選ぶ
海外で生活していると様々な誘惑があります。
特に放課後や休日は羽目を外したくなることがあるかもしれません。
たまにであれば問題ないのですが、連日夜遊びをしてしまって、次の日は眠くて授業に集中できないといったことになる可能性もあります。
また、短期留学の場合は期間が短いぶん、休日の使い方も重要です。
しっかり語学を身につけて帰るためには、休日もある程度は勉強する必要があります。
リゾート地や歓楽街が近いなど、すぐに遊びに行ける環境は短期留学にはあまり適さないかもしれません。
誘惑に負けそうな人は、あえて田舎町の学校を選ぶのも一つの方法かもしれません。
英語が公用語の国を選ぶ
ビジネスで英語を使う予定の人は、公用語が英語のみの国を選ぶのが望ましいです。
英語以外にも公用語がある国(インドなど)はどうしても英語に訛りがあります。
訛り強い英語はビジネスの際に支障をきたす場合があるので、標準的な英語に近い英語を学習したいところです。
英語のみが公用語の国には以下の国があります。
・アメリカ合衆国
・カナダ
・イギリス
・オーストラリア
・ニュージーランド
しかし、ビジネス英語は必要なく、コミュニケーションとしての英語を身につけたいという人はこの限りではありません。
確かにネイティブスピーカーは綺麗な英語を話しているかもしれませんが、初心者には速くて聞き取り辛いことが多いです。
一方のネイティブスピーカー以外の人が話す英語は、比較的聞き取りやすいことが多いです。
英語学習の初心者やビジネス英語が不要な人は、フィリピンのように公用語が他にもあるけど、英語も公用語の一つである国を選ぶのもいいかもしれません。
社会人の方で語学留学に悩んだ時はエージェントに相談しよう!
「仕事が忙しくて留学先について調べる時間がない」
「色々調べたけど結局どこの学校にすればいいかわからない」
こういった悩みを持つ社会人の方は、ぜひ留学エージェントに相談してみてください。
留学エージェントはあなたの希望や条件に合わせて、語学学校の紹介をしてくれたり、留学に関する様々な情報を提供してくれます。
また、留学の際の煩わしい作業の一つである「ビザの取得」に関してもサポートしてくれます。
留学エージェントへの相談は無料なので、留学に関して不安がある人はぜひ活用しましょう。
社会人の語学力習得ならワーキングホリデーもおすすめ!
語学の習得や海外での生活を経験したいということが目的であれば、ワーキングホリデーもおすすめです。
ワーキングホリデーとは青少年の国際交流を促すプログラムで、滞在に必要な生活費を稼ぐために、現地で仕事をすることができます。
海外で長期滞在することになるので、外国語に触れる時間も長く、収入を得ることができるので生活も安定します。
しかし、仕事によっては作業の時間が長く、また、仕事に追われて語学の勉強ができずに語学の習得が不十分だったというケースもあるので、少なからず注意しなければならないこともあります。
語学の習得が目的の人は、ぜひワーキングホリデーも考えてみてください。
まとめ
本記事では社会人の語学留学について解説してきました。
語学留学は、日本では経験できないことをたくさん経験することができます。
社会人は仕事をしている関係で、なかなか踏み出し辛いかもしれませんが、語学留学に興味のある人はぜひ行ってみてほしいと思います。
本記事も最後までお読みいただきありがとうございました。